庭掃きの仕上げ預かる石たたき
年森恭子
ぐろっけ
199812
浅ければ水もたたきて石叩
鷹羽狩行
狩
199901
急湍にとり残されし石叩
渡邊千枝子
馬醉木
200012
貯木場跡堰堤に石叩き
近藤忠よし
百鳥
200106
山の辺に石叩とぶ胞衣の神
岡井省二
槐
200106
石叩合点のゆかぬことばかり
槐布由子
銀化
200112
老いどちの遊び上手や石たたき
児玉素朋
京鹿子
200201
ひよいと来て直ぐのおいとま石叩
山田京子
狩
200202
橋脚の緊りの太し石たたき
小橋末吉
対岸
200212
とべるより小走り多し石叩き
植松美根子
槐
200301
石叩一秒刻みにて叩く
塩川雄三
築港
200301
石叩石の性質知り尽し
塩川雄三
築港
200301
石たたきと句碑を残して帰るなり
村越化石
濱
200302
心鍛へむ乱杭の石たたき
川口襄
遠嶺
200302
大阪の石叩き乗せフェリー着く
星加克己
ぐろっけ
200303
氷面(ひも)鏡たたいて渉る石叩
長谷川春
沖
200305
石叩自問自答の時なりし
大東由美子
火星
200310
日の当たる川に沿い来し石叩
宇田喜美栄
槐
200311
水たまりまた水たまり石叩き
石平周蛙
対岸
200401
庭園の小さき水辺の石叩き
豊田作二
遠嶺
200401
急に声変はりて春の石たたき
斉藤利枝子
対岸
200406
川中を斜めななめに石たたき
島すが子
槐
200412
叩く石すべて叩きて石叩き
淵脇護
河鹿
200503
また庭の雪間に現るる石たたき
田中武彦
六花
200505
海臨む野外ステージ石たたき
万城希代子
槐
200511
木彫の像小流れの石たたき
関口幹雄
遠嶺
200601
臘八や白いベンチに石叩
石脇みはる
槐
200602
口ごもるとき走り行く石たたき
前川明子
鴫
200701
石たたき傘を小脇に走りけり
梶浦玲良子
六花
200702
石たたきライン下りの客過る
大澤君予
遠嶺
200702
掃初の庭の日向に石たたき
竹内志げ子
酸漿
200704
行秋や庭に來るなる石叩
瀧春一
萱
200706
草かげの水飛びたてる石たたき
十川たかし
槐
200711
石たたき朝の勤行端折りけり
本多遊方
春燈
200711
石叩きに付きゆく汀花火屑
山本耀子
火星
200711
渓川の水を離れず石たたき
林日圓
京鹿子
200712
石たたき流れいづこも荒荒し
山崎靖子
鴫
200712
石たたき日暮きてゐる瀬音かな
外川玲子
風土
200801
急流の早瀬に遊ぶ石たたき
前川ユキ子
璦
200812
雨霽れし茶房近くに石叩き
竹内悦子
璦
200812
向き変へて石たたきまた走り出す
井上浩一郎
ホトトギス
200902
一呼吸遅れても春の石たたき
酒井秀穂
炎環
200906
石叩一羽来てゐる能舞台
岡田真澄
風土
200910
尾と首を振って市道を石叩
小川玉泉
末黒野
200912
石叩よろけて走る大刈田
穂苅照子
万象
201001
海晴るる荒磯づたひに石たたき
内藤恵子
万象
201003
寒風の石一つづつ石叩
永田二三子
酸漿
201004
竜骨を残す捨舟石たたき
森清尭
末黒野
201004
芋植うる人にひらひら石叩
根橋宏次
やぶれ傘
201005
石叩き離宮の対称苑に倦み
品川鈴子
ぐろっけ
201111
飛び立ちし石に戻り来石たたき
宮平静子
雨月
201201
石たたき虚空叩いてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201210
彫刻の庭ひとりじめ石たたき
福島松子
ぐろっけ
201212
水音のほか暮れゐたる石叩
田中文治
火星
201301
石叩折しも鶲庭の池
森理和
あを
201302
雪晴や人を怖れぬ石たたき
熊切光子
末黒野
201304
薄氷を軽々渡る石たたき
佐藤喜仙
かさね
201306
故郷の日暮のはやし石叩
田中文治
火星
201311
風景も人の履歴も石叩き
中野京子
槐
201312
石叩つつと一筋走りけり
住田千代子
六花
201401
石たたき湖畔のカフェの玻璃隔て
竹内悦子
璦
201401
夕づくや水際明りの石叩
田中文治
火星
201401
春潮に追ひつき追はれ石叩き
神田美穂子
万象
201405
保津峡の大岩小岩石たたき
国包澄子
璦
201411
元朝の路地を奥ヘと石叩
小川玉泉
末黒野
201503
立春の改札とほる石叩
松原三枝子
万象
201505
沈下橋しきりに叩く石たたき
宮原悦子
雨月
201507
阿那邇夜志愛袁登古袁石叩
山田六甲
六花
201511
単線のポイントかはり石叩
柿沼盟子
風土
201512
湖中句碑石たたき来て輝かす
門伝史会
風土
201512
被写体の石叩き追ふ八十路かな
有賀昌子
やぶれ傘
201604
瀬の音に機嫌飛びして石叩
佐藤淑子
雨月
201611
石叩尾を振り止むと翔ちにけり
内海良太
万象
201611
石叩叩く石無く走りけり
飛高隆夫
万象
201611
渓流に放つ笹舟石たたき
森清信子
末黒野
201612
枯蓮水漬ける上を石たたき
江見悦子
万象
201703
書に倦みて目の追ふ先の石叩
土井三乙
風土
201711
百舌鳥の尾の石叩にはまけてゐず
山田六甲
六花
201711
風と来て舳先にとまる石たたき
和田紀夫
鴫
201712
台風裡校庭よぎる石たたき
赤座典子
あを
201712
石叩川のほとりを飛んでをり
出口誠
六花
201801
都幾川の中州飛び去る石叩き
瀬島洒望
やぶれ傘
201803
石叩去りたる石の夕翳り
森脇貞子
雨月
201910
石叩白きリボンを曳きをりぬ
廣畑育子
六花
201912
石叩夕日の残る石畳
森清堯
末黒野
202002
水浴びをしてゐる夏の石叩
天野美登里
やぶれ傘
202007
駅近く人を恐れぬ石叩き
須賀敏子
あを
202112
石叩き試歩の一歩をもう一歩
浅木ノヱ
春燈
202201
子の恋に手を焼く父や石叩
川崎真樹子
春燈
202201
池干しや泥の底ひを石叩き
田中とし江
空
202205
2023年8月19日
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