指輪きつくなる革命広場朝の露
上田希実
遠嶺
200012
後朝の露を放さぬ八重葎
波多洋子
銀化
200111
まだ朝の露なす駅に降りたちし
岡田順子
ホトトギス
200202
牧羊のしづかに移る朝の露
山田弘子
円虹
200210
朝の露かまきり鎌をしまい込む
佐藤恭子
あを
200212
ロープウエイ動きはじめし朝の露
稲畑汀子
ホトトギス
200309
足半の脱ぎ揃へあり朝の露
戸田春月
火星
200312
朝の露またぎの里の野菊濃し
岡村葉子
栴檀
200411
訃報来て万朶に朝の露走る
小澤克己
遠嶺
200511
人知れず旅発つ朝の露涼し
安原葉
ホトトギス
200512
固閉ざすワイン蔵窓朝の露
鈴木和香
栴檀
200601
苗キャベツ七色放つ朝の露
三浦カヨ子
酸漿
200712
太陽に食べつくされし朝の露
大久保白村
ホトトギス
200801
一枚の落葉にあふる朝の露
笹村政子
六花
200802
日のさせりみづき青葉に朝の露
北島上巳
酸漿
200809
紅葉浮く朝の露天湯雨の打つ
坂上香菜
ホトトギス
200812
薪能をはりし朝の露の松
四條進
峰
200812
通勤へ拭ふサドルの朝の露
くらたけん
沖
200812
写経会や朝の露もて墨を磨り
峰尾秀之
苑
200901
穂孕みの葉先に光る朝の露
奥太雅
万象
200908
牧草の畝掘り起こし朝の露
坂根宏子
璦
200911
離島より移植の芋に朝の露
荒井和昭
鴫
200911
麻裏の底の重たし今朝の露
山口キミコ
璦
201111
わが軒の名もなき草に朝の露
廣瀬義一
雨月
201112
朝の露さつと落して登校児
筒井八重子
六花
201202
八十の齢数ふる朝の露
森谷達三
春燈
201211
蜘蛛の巣に小さき眞珠や朝の露
米田文彦
かさね
201301
甘藍を剥くや玉ちる朝の露
井上石動
あを
201408
醜草の飾となりし今朝の露
黒澤登美枝
峰
201411
夫と世を隔てし朝の露の音
田代貞枝
空
201501
よく晴れし三瓶の朝の露涼し
稲畑汀子
ホトトギス
201507
怪我癒えてハンドル握る朝の露
稲畑汀子
ホトトギス
201909
朝の露夜半に浮かみし知恵失せて
岡村彩里
雨月
201912
草の葉の葉の先ごとの朝の露
白石正躬
やぶれ傘
202101
2023年9月8日
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