秋草につつまれてあり余呉の湖 小島良子
秋の草 秋草
秋草を活けありしこと偲ばるる
稲畑汀子
ホトトギス
199808
繚乱の活けて秋草なりしかな
稲畑汀子
ホトトギス
199810
秋草を来し目にくらし無言館
宮津昭彦
濱
199811
秋草にかくれて長き無人駅
能勢京子
船団
199812
草原の掟秋草食み残し
中西和子
船団
199903
秋草に失地回復はかられし
星野早苗
船団
199903
なべて丈低き秋草能登荒磯
稲畑汀子
ホトトギス
199908
命日は荘の秋草活けらるる
稲畑汀子
ホトトギス
199909
靡くものより秋草の野となりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
199909
秋草に触れてゆくもの風ばかり
稲畑汀子
ホトトギス
199909
秋草を生け林火忌の一人句座
村越化石
濱
199910
秋草のよき径すぐに行きどまり
吉田明
沖
199911
人悼む果の秋草咥へけり
岡本眸
朝
199911
ほうと息つけば秋草秋の雲
能村登四郎
芒種
199911
ひらひらと浮き沈む秋草の蝶
中川濱子
ぐろっけ
199911
秋草の野辺や夕ベの風しろし
穴澤光江
遠嶺
199912
秋草のまこと豊かに窯どころ
金國久子
遠嶺
199912
秋草のはかなきかをり夜の雨
柳沢杏
酸漿
199912
その年の秋草戰ぐことのなし
中原道夫
銀化
199912
興亡の地の秋草を喰む羊
横尾桂子
銀化
199912
秋草の名を聞き合うてダムめぐり
高野清風
俳句通信
199912
秋草の雑然として和してをり
伊藤奈津
朝
199912
秋草に心道草してをりぬ
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
秋草にいのち支ゆる端役かな
水澤竜星
槐
200001
秋草の名も知らずして手折り来し
山本潤子
いろり
200001
秋草やここより川は二筋に
田中藤穂
水瓶座
200002
秋草や秘境をつなぐバスに乗る
田中藤穂
水瓶座
200002
秋草に失地回復企られし
星野早苗
空のさえずる
200002
秋草を一面植ゑてからのこと
稲畑汀子
ホトトギス
200009
秋草を活けて机上に風生れ
鷹羽狩行
狩
200010
乱るるが秋草らしく活けらるる
稲畑汀子
ホトトギス
200010
秋草や雲の影疾き賎ケ岳
朝妻力
俳句通信
200010
秋草とチョゴリの中に立てし膝
中原道夫
銀化
200010
秋草の水替へて吾も水呑めり
村越化石
濱
200011
秋草に褒貶の風いらぬなり
朱間繭生
銀化
200011
大甕に秋草あふれ出羽の駅
武井清子
沖
200012
秋草に最上の川師その妻と
金子兜太
海程
200012
秋草圖枯れを兆して五百年
中原道夫
銀化
200012
秋草や押せば鈴鳴る茶房の戸
岡本眸
朝
200012
秋草のそよぎに息を合はせけり
小澤克己
遠嶺
200101
秋草に水位の跡のあらはなり
高橋ちよ
沖
200101
秋草のほつれはじめのひとところ
鳥居真里子
船団
200103
雑草といひ秋草といひかへし
稲畑汀子
ホトトギス
200109
秋草の草笛なれば澄みにけり
大串章
百鳥
200110
大壺の秋草種をこぼしゐる
山田六甲
六花
200110
秋草を求めて虚し風は秋
林翔
沖
200110
秋草を束ねて露の重さ知る
能村登四郎
羽化
200110
秋草をやたらに抜いて胸濡るる
能村登四郎
羽化
200110
秋草の坩堝となりし河川敷
山下由理子
狩
200111
風の筋見せて秋草泉まで
長尾康子
風土
200111
秋草を活くるに適ふ壺白磁
村越化石
濱
200111
秋草の壺の水替へ正座せり
村越化石
濱
200111
秋草の乱るる露地を懐石へ
大柳篤子
俳句通信
200111
秋草の灯影こまごまこまごまと
山田弘子
円虹
200111
秋草や暴れ川今年やさしくて
原教正
沖
200112
秋草を雨脚しだく朝まだき
溝内健乃
雨月
200112
僻村にひとり残りて秋草刈る
小堀眞由美
濱
200112
秋草の改札口を通りけり
大石ひろ女
百鳥
200112
川一筋秋草の中ながれけり
中西道子
百鳥
200112
亡師の席に秋草を挿し集ひけり
中西道子
百鳥
200112
積みあげし秋草すぐに燃え上る
永田あき
酸漿
200112
秋草や百の媼の逝く門に
門屋大樹
春耕
200112
秋草のどれより枯るる夜の雨
田中藤穂
あを
200112
秋草の茂るにまかす浄瑠璃寺
坂口みほ子
ぐろっけ
200112
秋草や灰燼に灯す祈りの火
本村照香
ホトトギス
200201
秋草をいつも眺める庭風情
岡田榮二
ホトトギス
200201
秋草の低きに屈み風と吾
空閑一叫子
ホトトギス
200201
選び植ゑたる秋草の咲く花壇
受川秋郊
ホトトギス
200201
オホーツク淋し秋草なほ淋し
大和勲
ホトトギス
200201
見馴れゐし秋草に佇むも旅
成末知歌子
ホトトギス
200201
この小き秋草にも日配らるる
成末知歌子
ホトトギス
200201
秋草を束ねはかなさ束ねけり
成末知歌子
ホトトギス
200201
秋草や庭の静寂我一人
森杲
ホトトギス
200201
秋草や灯届かぬ草の闇
森杲
ホトトギス
200201
高原といふ秋草の中にあり
上甲澄子
ホトトギス
200201
秋草を摘みて増やして人を待つ
上甲澄子
ホトトギス
200201
秋草の径を行かねば歩かねば
上甲澄子
ホトトギス
200201
秋草を抱きふる里を近づけし
山崎美代子
ホトトギス
200201
風落ちて秋草力抜く夕べ
山崎美代子
ホトトギス
200201
風ぐせも秋草らしく活けらるる
山崎美代子
ホトトギス
200201
滑走路果て秋草の野となれり
石田風子
ホトトギス
200201
秋草の風が仕上げてゆきし色
湖東紀子
ホトトギス
200201
秋草を囲みて野外授業なる
守沢青二
ホトトギス
200201
秋草を活けて教室野の如し
守沢青二
ホトトギス
200201
お河童に秋草挿して呉れし人
守沢青二
ホトトギス
200201
信楽の壺に秋草丈のまま
市川玲子
馬醉木
200201
秋草の吹かれ山荘めく我が家
橋本佐智
円虹
200201
秋草へ埋めて乾ぶ掌
鳴海清美
六花
200201
秋草の何れともなき匂ひかな
北嶋美都里
槐
200201
秋草やモデルハウスに万国旗
吉田孤愁
百鳥
200201
秋草の中ゆく水の音澄めり
谷上佳那
百鳥
200201
秋草の一軒開けて峠茶屋
稲畑汀子
ホトトギス
200209
秋草を大がめに家具商へり
長山野菊
雲の峰
200211
銀行のロビー秋草の写真展
竹内弘子
あを
200211
秋草や地球をかけるレクイエム
祐森禰香
遠嶺
200212
出口なきかに秋草の野を歩む
山田弘子
円虹
200212
秋草を両手に抱へ風重し
長山あや
円虹
200212
秋草のもろもろを挿し貴船茶屋
久保晴子
雨月
200212
ゼロメートル地帯秋草豊かなり
斎藤くめお
対岸
200212
沈金の秋草とても枯れはじむ
利根川博
銀化
200301
2021年8月30日
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