鴻池楽斎は、愛媛の美術会に尽力され、書道界に新風を吹き込み、独立書八団を一つに纏め支部長として活躍。
愛媛女流書家連盟結成にも力をそそがれた。
書、画、詩文、篆刻の芸術性に富み、篆刻の線の切れ味は、素晴らしく、書と共に多くの人を指導された。
著書も「山頭火遺墨集」「画集下村為山」、愛媛新聞に連載好評を得た「四季録」を残している。
辛口の批評の中に、いつも知的、科学的、芸術性豊かなスパイスが効いていて心に残る。
また言葉の端々に作家としての厳しい体験から掴まれた鋭い物を見る目の精神が伝わってくる。
高潔な文人であった師の御指導を仰いだ事は、私の生涯の宝である。
梅木由紀美(紅香)