第1章 安定的な資源確保のための総合的な政策の推進

2014年夏以来の原油価格の下落や、地政学的リスク等、資源をめぐる内外の環境はダイナミックに変化しており、資源の安定的かつ低廉な供給確保を図っていくことがより一層重要となっています。中国を始めとした新興国の景気の減速感、米国のシェールオイルの高水準での生産、OPECの減産見送り等を背景とした供給過剰感から、原油価格は2016年1月には、2003年来の安値水準まで下落しました。こうした中、産油国や資源開発企業の財務状況が悪化をしており、資源開発投資を抑制する動きが見られます。足下での資源開発投資の抑制は、将来的なエネルギー需給のひっ迫につながる可能性がある一方で、こうした原油価格の下落は、産油ガス国からの優良な資源権益を獲得する良い機会にもなり得ると考えられます。そのため、政府としては資源外交の積極的な展開による資源国との関係強化や、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じたリスクマネー供給機能の強化等を通じて、我が国企業による資源権益の獲得や、供給源の多角化に向けた総合的な政策を推進しています。

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