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防災コラム
平成18年10月31日
水の確保だけは確実に
地震の被害には色々あるが、今回取り上げたいのは、水関係の二次被害である。
まず、災害時に最も機能して欲しい病院の二次被害の状況を紹介する。
阪神大震災時に、病院の破損被害は一般建物に比較すれば多くなかったが、 病院としての機能に支障をきたした例が少なくない。ライフラインの寸断が 病院に大きな影響を与えた。病院だからこそライフラインの断絶時にも機能して 欲しい。電気は比較的速く復旧したが、水道については病院内の配管や、屋上 の貯水槽配管の接続が破損したりで、被災直後から混乱し、二次被害をもたら し、かつ回復も遅れる事例が多かった。被災直後には冷却水がないため自家発 電機が機能せず、透析・手術等の医療行為、トイレの排水、飲料水・食事の供 給に支障をきたし、一部では高架水槽の水漏れで最上階の浸水など、医療以前 に入院患者の生活にも多くの被害が発生した。地域のライフラインをいかに早く 復旧させるかを地域として対策する必要があるが、必ず起きるライフラインの 混乱に対して、災害支援拠点となる施設では、最低限の自己危機管理が求められ ている。こうした観点で観ると、三重県内の病院もまだ心許ない部分がある。 病院ばかりでなく、災害時にこそ本来の機能を果たして欲しい施設は多いの で、それぞれの機関で点検をお願いしたい。
住宅においても直接的破損被害を免れても地域が被害を受ければ、間接的に 被害に巻き込まれる。食事は配給に頼ることもできる。照明も1〜2晩なら何と か辛抱できる。断水でトイレが使えないためだけに避難所に身を寄せることなる ことを防ぐために、風呂水の汲み置きぐらいは心掛けたい。
三重大学工学部
教授 今井正次
教授 今井正次
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三重県 防災対策部