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この本はまず実用的な本で、そして正統な社会科学の本だ・7

「身体の現代」計画補足・548

立岩 真也 2018/11/
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2203452266588415

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カバー写真
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しかく仲尾 謙二 20180930 『自動車 カーシェアリングと自動運転という未来――脱自動車保有・脱運転免許のシステムへ』,生活書院,300p. ISBN-10: 4865000860 ISBN-13: 978-4865000863 3000+ [amazon]/[kinokuniya]

本センター客員研究員の仲尾謙二さんの本『自動車 カーシェアリングと自動運転という未来――脱自動車保有・脱運転免許のシステムへ』が刊行された。この本のもとになった博士論文の主査(大学院における主担当)を務めた私は、この本に「この本はまず実用的な本で、そして正統な社会科学の本だ」という短文を書かせてもらっている。この本がたくさん売れてほしいので、それを何回かに分けてここで掲載していく。


しかく4
[...]
具体的には、人が要る部分に人を使う。まず人をつける。その人は自動車を運転することもある。もう一人必要なら、もう一人つける。自動で動くようになるなら、そこは自動車にまかせることもあるだろう。
そうしたなんだか境界のはっきりしない仕事には公金を使いにくい、そこは自分の金であるいはボランティアでどうぞ、というのがこれまでだった。しかしそれはまったく、まず田舎のためによくない。せっかくの(金になる)仕事を減らしているからだ。金は公金を使うべきだし、さらに金のある地域からない地域への移転としてその金は流すべきだが、その金を通って仕事をするのは、そのことも本書に書かれているが、誰だってよい。免許――ここでは運転免許(二三九頁)というより営業免許――に関わる厄介ごとはあるが、それも解決可能だ。
そうしていくと、そのうち情報処理や自動運転の技術によって、省力化できる部分はあるかもしれず、それに応じて費用が減る場合があるかもしれない。しかし、かなり長い間、「公定価格」を維持する。維持するぶん、かかる費用を減らそうとする「インセンティブ」が働くかもしれない。と同時にその際一つ大切なことは、経営者よりは直接に働く人がその「あがり」をきちんと得られるようにすることだ。
なかなかたくさん考えることはある。しかしそこが考えどころで、難しいがおもしろいところだ。本書は、そんないろいなことを考えさせてくれる。いろいろなことを考えさせてくれる本はよい本だ。


生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20182548.htm
にもある。


UP:2018 REV:
仲尾 謙二立岩 真也Shin'ya Tateiwa病者障害者運動史研究
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