『見捨てられる〈いのち〉を考える――京都ALS嘱託殺人と人工呼吸器トリアージから』
安藤 泰至・島薗 進 編/川口 有美子・大谷 いづみ・児玉 真美 20211025 晶文社,264p.
last update: 20211122
■しかく内容
紀伊国屋書店HPより
生きるべきひと/死んでいいひと、もう選別は始まっている......
安楽死と尊厳死、そして優生思想をめぐって緊迫していく現況に警鐘を鳴らす
2020年7月、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者に薬物を投与したとして、
ふたりの医師が嘱託殺人の容疑で逮捕された。
同じ年、コロナ禍で医療が逼迫するなか、
人工呼吸器をどの患者に優先して使うべきかの議論が紛糾。
医療がひとの生命を縮めうるという事実に、私たちは直面せざるを得なくなった。
研究者として当事者として支援者として、
死生学や生命倫理に長らく携わってきた著者たちが緊急セミナーで結集。
安楽死・尊厳死、そして優生思想をめぐり、先走っていく世論に警鐘を鳴らす。
■しかく目次
- まえがき......安藤 泰至
- 第1部 ALS 嘱託殺人と人工呼吸器トリアージ
- ◆だいやまーく「尊厳死」「安楽死」の危うさ......安藤 泰至
- ◆だいやまーくALS 患者の「死ぬ権利」?......川口 有美子
- ◆だいやまーく医療が死を早めてよいのか?......島薗 進
- 第2部 「安楽死」「尊厳死」言説といのちの学び
- ◆だいやまーく殺される/殺すのはだれか?......安藤 泰至
- ◆だいやまーく〈間〉の生を聴く/〈間〉の生を語る......大谷 いづみ
- ◆だいやまーくいのちの選別をめぐって何が起きていたのか?......島薗 進
- ◆だいやまーくディスカッション
- 第3部 「死」へと追い詰められる当事者たち
- ◆だいやまーく生命倫理問題における「当事者」の再考......いのちを守るとはどういうことか......安藤 泰至
- ◆だいやまーく家族に「殺させる社会」を生きる――「大きな絵」のなかで「小さな物語」に耳を澄ませる......児玉 真美
- ◆だいやまーく医療資源について語るとき、考えなければならないこと......島薗 進
- ◆だいやまーくディスカッション
- あとがき......島薗 進
■しかく書評・紹介
■しかく言及