『サルトルとマルクス I――見えない「他者」の支配の陰で』
北見 秀司 20100323 春風社,400p.
last update:20110607
■しかく北見 秀司 20100323 『サルトルとマルクス I――見えない「他者」の支配の陰で』,春風社,400p. ISBN-10:4861102138 ISBN-13:978-4861102134 3500円
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[kinokuniya] ※(注記) mk17 0005my 8805hd 5800ah fm05 al03 0307tt
■しかく内容
内容(「BOOK」データベースより)
フーコー、ドゥルーズ、デリダ、ネグリの後に、だれも知らないサルトルが姿を現す。「後期」マルクスの疎外論が、サルトルとの邂逅により新たな命を吹き込まれる。真の民主主義と自由の実現をもくろむ思想の挑戦。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北見 秀司
1960年生まれ。1994年東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専門課程博士課程、単位取得の上、満期退学。1996年パリ第10大学(ナンテール)哲学科博士課程修了。文学・人文科学博士号(専門、哲学)取得。現在、津田塾大学国際関係学科准教授。2008年4月より1年間パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)外国人研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■しかく目次
序 見えない『他者』の支配の陰で
マルクスと出会うサルトル
未到のサルトル
第?T部 「他」と「多」と「差異」の哲学
第一章 ポスト構造主義の射程と限界
第一節 フーコー:歴史から権力へ――「抵抗」、「自由」をめぐる困難
『知の考古学』における「形成の規則」という観念
『狂気の歴史』
『臨床医学の誕生』
一望監視方式と戦争モデル
戦争・軍隊モデルの浸透過程(一)――近代国際関係の成立と「国家理性」「ポリス」
戦争・軍隊モデルの浸透過程(二)――「経済自由主義」と「治安」
権力と抵抗・自由――フーコーの権力論の限界
第二節 ドゥルーズ=ガタリ:「流れ」、「器官なき体」の両義性
「差異」の論理の射程と限界――「流れ」の両義性
「器官なき体」の両義性
第三節 ネグリ=ハート「生政治」から「マルチチュード」へ
非物質的労働――「共」の両義性
変革主体形成をめぐる困難(一)――イデオロギー論の欠如
変革主体形成をめぐる困難(二)――「抵抗の系譜」の後で
第一章小括
第二章 前期サルトル「他」と「多」と「差異」の哲学へ
第一節 『存在と無』以前
意識は自己の外へと向かう――サルトルにとっての志向性の意義
「自我」の外へ――前人称的・前反省的な超越論的意識
第二節 『存在と無』1:「現れないもの」の存在論――即自存在と対自存在
「超現実的なもの=現われないもの」の考察
メルロ=ポンティのサルトル批判
無化と事実性
意味付与と事実性
自由――意味生成の力
第三節 『存在と無』2:「現れないもの」の存在論――他者と死
他者の問題――「超越論的現象学」のアポリア
サルトルの他者論とデリダ
死および死と他者の交錯
第四節 『存在と無』3:存在理由の希求とその挫折
第五節 『道徳論手帳』1:「回心」――論理としての複数の自律
第六節 『道徳論手帳』2:ヘーゲル弁証法批判と複合的なものとしての歴史
第七節 『道徳論手帳』3:「他者」と『他者』の区別をめぐる困難
第八節 自己欺瞞と無意識:サルトルとフロイトの積極的対話の可能性
第一局所論
第二局所論
ラカンの主体形成論
生の欲動と死の欲動
サルトルとフロイトの「対話」――ラカン、クリステヴァを参照しつつ
「脱構築」を越えて1
残された謎:『他者』
第?U部 見えない『他者』と複数の自律
第一章 マルクス 物神性論のはらむ困難
第一節 マルクスの疎外―物象化―物神性論
疎外と物神性の関係
マルクスの物神性論――単純な段階
マルクスの物神性論――より複雑な段階
第二節 疎外―物象化の乗り越えをめぐる理論的困難1
第三節 疎外―物象化の乗り越えをめぐる理論的困難2:解釈の歴史
ヘーゲル=マルクス主義あるいはルカーチの場合
反ヘーゲル=マルクス主義あるいはアルチュセールの場合
第四節 その他の問題
経済以外の次元における「他なる力」
歴史的必然性とは何か
変革主体形成について――自然発生論でもなく、前衛党論でもなく
普遍性について
唯物論(materialismus)とは何か
「脱構築」を越えて2
■しかく引用
■しかく書評・紹介
■しかく言及
*作成:
樋口 也寸志