2019年2月25日
動画:田中優 メガソーラー反対メッセージ(10分バージョン)
先日アップしましたメガソーラー反対メッセージのロングバージョン(10分)を、田中優チャンネルにて公開しました!
ぜひ字幕をオンにしてご覧ください。
[フレーム]
「皆さんこんにちは。田中優です。
メガソーラー問題ということでお話をしてくれと依頼をされまして、そもそもぼくは自然エネルギー、太陽光発電には反対ではありません。
しかしながら「メガソーラー」というようなやり方については反対です。
メガソーラーについては全く悪いことばかりで良いことは何一つないと思っています。
その理由ですが、まずそもそもソーラーそのものというものが「大規模に設置することによってメリットが出てこない」ものだからです。そもそもその太陽光発電パネルというのは、スケールメリットがない。大きく設置したとしても、それによって得られる利益はないわけです。
一つ一つのパネルで発電をする電気は、巨大に発電したとしても、だからと言って発電量が増えるわけではありません。発電量は小さくても大きくても変わらないんです。
じゃあどのように使うべきか?という時にもう一つ、今度は「電気のニーズ」について考えて欲しいんです。電気のニーズには大企業が使うような大きな電気と、私たちの暮らしのような小さな電気の消費と2つあります。
その割合ですが、実は日本の電気の中で大きな企業が消費する“特別高圧”という電気は、実は全体の「3分の2」を占めます。電気の消費は圧倒的に大きな企業が消費しているんです。
それに対して私たちのような電灯電球とか呼ばれる小さな電気は、私たち家庭や小さな事業所を含めても、合計で「22%」しかありません。つまり電気のほとんどは大きな企業が消費していて、私たちはそのおこぼれを使うような形になっているんです。
ところが「電気料金」は逆でして、ほとんど我々一般家庭の方からとられます。
それに対して大きな電気消費の方は大量の電気を使うにも関わらず、非常に電気料金の値段が安い。
それに加えて「料金の問題」があります。私たち家庭の電気料金は、「使えば使うほどその単価が高くなる」んです。
それに対して大きな企業は、電気を「使えば使うほど単価が下がる」ようになっています。だから大きな企業は、より多くの電気を使った方が得になります。
それに対して私たち家庭の電気は使うと電気料金が高くなるので、一生懸命節約するわけです。
その結果、日本の電気は実は家庭の電気で見ていくと世界の中でも極めて少ないです。
だから私たちの使う電気は統計上一日当たり10kwhと言うけれども、実は3~4kwhくらいで十分な量になっていることが多いです。ということは「小さな電気」と「大きな電気」があるんだと、考えて頂いて良いと思います。
ところがその小さな電気、私たちの消費のようなものを賄うために、電気は何と一旦「高圧送電線」にまで持っていかれて、そこから配られてくる形です。これは「大きな電気」に合わせているからです。大きな電気に合わせて高圧電流にして、それから配られてきてものすごく小さな100ボルトと
いうような小さな電圧の電気が届いてくるわけです。
ここに大きな問題があります。そもそも家庭の消費する電気は、消費量が少ない。なおかつ電圧が低い。ならば、最初から「その場で作った電気をその場で消費」をした方が有益です。
なのにメガソーラーで作られていく電気は、その電気のシステムに合わせて大きな電気にしやすいように大きな電圧にしているわけです。その電圧を作り出すには広大な面積の山を切り倒し、そこを全部太陽光発電パネルに変える、というようなことがされています。これがもともとの間違いではないかとぼくは思っています。
もともと太陽光発電パネルは「小さくても大きくても効率は同じ」ですから、「小さく発電して小さな消費に対して電気を届けていく」というのが、賢い仕組みだと思います。
わざわざ高圧線につなげて、その電気のおこぼれをもらっていくというような形にする必要はないと思っています。だからぼくは将来の形としては、大きな電気は従来のように高電圧のものを届けていく、というような形が必要になるでしょうが、家庭に対しては、それぞれの地域でそれぞれ発電をして小さく電気をを貯めて消費をしていく、そのよう形になっていくのが望ましいと思います。
だから今までのような電気の使い方は大企業だけ。それに対して家庭の方は、それぞれ独立して自分で電気を賄っていく、という方が賢い仕組みになると思っています。
そこから考えると、メガソーラーは何のためかがハッキリします。メガソーラーは“おカネ”のためです。おカネを儲けたい人たちがおカネを儲けるために進めているのがメガソーラー。それらのものは良いことはありません。
結局その電圧を上げていくために多くの電気が捨てられ、多くの環境が捨てられ、結局使える電気はその内のごくわずかになってしまうからです。
それを考えると、ぼくはそれぞれの地域でそれぞれ電気を作り出して、小さく貯めて小さく消費をしていく方が良いと思います。
ぼくの家は実際に電気を自給しています。太陽光発電パネルを小さくつけてそしてバッテリーを並べてそこの中に電気を貯めて、その電気を例えば夜とか雨の日はバッテリーから使っていくという形で実際にもう5年以上こういう暮らしをしています。
そのような形に進んでいくべきものであって、メガソーラーというような大きな仕組みに依存するべきではない、という風に思っています。
それを考えると、太陽光発電パネルが多く設置されることによって価格が下がったのはありがたいですが、それ以上やる必要はないのではないかと思っています。
だから太陽光発電はもうこれ以上広げたくはない。
それぞれの庭先のところで小さく小さく発電して使っていくのが良いと思います。
その時大事な方法は「電気の節約=節電」です。
その節電をしていくことによって、家庭の電気はもっと減らしていくことができます。それによってそれぞれが自分の管理できる範囲内の小さな部分で電気を作り電気を消費していく、それが望ましい形だと思っています。
メガソーラーは結局何の役にも立っていない。
そのメガソーラーを設置することによって山がどんどん切り倒されて、今どんどん近隣のところでも山が崩されています。
そのような方向は全く望ましくない。
山を壊すくらいだったら太陽光発電なんかつけるな、と思います。
太陽光発電が役に立つのは、小さな電気を小さく消費する時であって、メガソーラーのような大きな電気を作って大きく消費するというような余地はないものだと思います。
だからメガソーラーには反対します。それぞれ小さく分割してそれぞれ必要なところにつけていけば良いのではないかと思うからです。」
書き起こし:田中優スタッフ
ぜひ字幕をオンにしてご覧ください。
田中優 メガソーラー反対メッセージ(10分バージョン)
「皆さんこんにちは。田中優です。
メガソーラー問題ということでお話をしてくれと依頼をされまして、そもそもぼくは自然エネルギー、太陽光発電には反対ではありません。
しかしながら「メガソーラー」というようなやり方については反対です。
メガソーラーについては全く悪いことばかりで良いことは何一つないと思っています。
その理由ですが、まずそもそもソーラーそのものというものが「大規模に設置することによってメリットが出てこない」ものだからです。そもそもその太陽光発電パネルというのは、スケールメリットがない。大きく設置したとしても、それによって得られる利益はないわけです。
一つ一つのパネルで発電をする電気は、巨大に発電したとしても、だからと言って発電量が増えるわけではありません。発電量は小さくても大きくても変わらないんです。
じゃあどのように使うべきか?という時にもう一つ、今度は「電気のニーズ」について考えて欲しいんです。電気のニーズには大企業が使うような大きな電気と、私たちの暮らしのような小さな電気の消費と2つあります。
その割合ですが、実は日本の電気の中で大きな企業が消費する“特別高圧”という電気は、実は全体の「3分の2」を占めます。電気の消費は圧倒的に大きな企業が消費しているんです。
それに対して私たちのような電灯電球とか呼ばれる小さな電気は、私たち家庭や小さな事業所を含めても、合計で「22%」しかありません。つまり電気のほとんどは大きな企業が消費していて、私たちはそのおこぼれを使うような形になっているんです。
ところが「電気料金」は逆でして、ほとんど我々一般家庭の方からとられます。
それに対して大きな電気消費の方は大量の電気を使うにも関わらず、非常に電気料金の値段が安い。
それに加えて「料金の問題」があります。私たち家庭の電気料金は、「使えば使うほどその単価が高くなる」んです。
それに対して大きな企業は、電気を「使えば使うほど単価が下がる」ようになっています。だから大きな企業は、より多くの電気を使った方が得になります。
それに対して私たち家庭の電気は使うと電気料金が高くなるので、一生懸命節約するわけです。
その結果、日本の電気は実は家庭の電気で見ていくと世界の中でも極めて少ないです。
だから私たちの使う電気は統計上一日当たり10kwhと言うけれども、実は3~4kwhくらいで十分な量になっていることが多いです。ということは「小さな電気」と「大きな電気」があるんだと、考えて頂いて良いと思います。
ところがその小さな電気、私たちの消費のようなものを賄うために、電気は何と一旦「高圧送電線」にまで持っていかれて、そこから配られてくる形です。これは「大きな電気」に合わせているからです。大きな電気に合わせて高圧電流にして、それから配られてきてものすごく小さな100ボルトと
いうような小さな電圧の電気が届いてくるわけです。
ここに大きな問題があります。そもそも家庭の消費する電気は、消費量が少ない。なおかつ電圧が低い。ならば、最初から「その場で作った電気をその場で消費」をした方が有益です。
なのにメガソーラーで作られていく電気は、その電気のシステムに合わせて大きな電気にしやすいように大きな電圧にしているわけです。その電圧を作り出すには広大な面積の山を切り倒し、そこを全部太陽光発電パネルに変える、というようなことがされています。これがもともとの間違いではないかとぼくは思っています。
もともと太陽光発電パネルは「小さくても大きくても効率は同じ」ですから、「小さく発電して小さな消費に対して電気を届けていく」というのが、賢い仕組みだと思います。
わざわざ高圧線につなげて、その電気のおこぼれをもらっていくというような形にする必要はないと思っています。だからぼくは将来の形としては、大きな電気は従来のように高電圧のものを届けていく、というような形が必要になるでしょうが、家庭に対しては、それぞれの地域でそれぞれ発電をして小さく電気をを貯めて消費をしていく、そのよう形になっていくのが望ましいと思います。
だから今までのような電気の使い方は大企業だけ。それに対して家庭の方は、それぞれ独立して自分で電気を賄っていく、という方が賢い仕組みになると思っています。
そこから考えると、メガソーラーは何のためかがハッキリします。メガソーラーは“おカネ”のためです。おカネを儲けたい人たちがおカネを儲けるために進めているのがメガソーラー。それらのものは良いことはありません。
結局その電圧を上げていくために多くの電気が捨てられ、多くの環境が捨てられ、結局使える電気はその内のごくわずかになってしまうからです。
それを考えると、ぼくはそれぞれの地域でそれぞれ電気を作り出して、小さく貯めて小さく消費をしていく方が良いと思います。
ぼくの家は実際に電気を自給しています。太陽光発電パネルを小さくつけてそしてバッテリーを並べてそこの中に電気を貯めて、その電気を例えば夜とか雨の日はバッテリーから使っていくという形で実際にもう5年以上こういう暮らしをしています。
そのような形に進んでいくべきものであって、メガソーラーというような大きな仕組みに依存するべきではない、という風に思っています。
それを考えると、太陽光発電パネルが多く設置されることによって価格が下がったのはありがたいですが、それ以上やる必要はないのではないかと思っています。
だから太陽光発電はもうこれ以上広げたくはない。
それぞれの庭先のところで小さく小さく発電して使っていくのが良いと思います。
その時大事な方法は「電気の節約=節電」です。
その節電をしていくことによって、家庭の電気はもっと減らしていくことができます。それによってそれぞれが自分の管理できる範囲内の小さな部分で電気を作り電気を消費していく、それが望ましい形だと思っています。
メガソーラーは結局何の役にも立っていない。
そのメガソーラーを設置することによって山がどんどん切り倒されて、今どんどん近隣のところでも山が崩されています。
そのような方向は全く望ましくない。
山を壊すくらいだったら太陽光発電なんかつけるな、と思います。
太陽光発電が役に立つのは、小さな電気を小さく消費する時であって、メガソーラーのような大きな電気を作って大きく消費するというような余地はないものだと思います。
だからメガソーラーには反対します。それぞれ小さく分割してそれぞれ必要なところにつけていけば良いのではないかと思うからです。」
書き起こし:田中優スタッフ
2019年2月22日
「化学物質過敏症」の特集番組が放送されます
「化学物質過敏症」という言葉もだんだんと広まってきたような気がします。
2/24、こんな番組が放送されるそうです。
チェックですーー!
↓ ↓ ↓
NNNドキュメント
「化学物質過敏症~私たちは逃げるしかないのですか~」
日本テレビ系列にて 2月24日 24:55~
・・・・・・・・・・・・・・
youtube 日テレ公式チャンネル より番組予告動画
2019年02月17日 に公開
NNNドキュメント 2019年2月24日「化学物質過敏症」
https://youtu.be/_I8-OzmfNU4
[フレーム]
柔軟剤や整髪料、食品添加物、農薬等、身の周りにある化学物質に過敏に反応し
頭痛やめまい、吐き気などの体調不良で苦しむ人たちがいます。
その病名は化学物質過敏症。
発症すると、揮発した化学物質のにおいで自宅にいても体調が悪くなる人もいます。
人々の柔軟剤の香りや農薬散布などに苦しむ女性や教室の床ワックスのにおいで
学校に通えない小学生を取材。
さまざまな患者の苦悩に迫り、暮らしに潜む危険性に警鐘を鳴らす。
NNNドキュメント
公式HP:http://www.ntv.co.jp/document/
公式facebook:https://www.facebook.com/nnndocument/
2/24、こんな番組が放送されるそうです。
チェックですーー!
↓ ↓ ↓
NNNドキュメント
「化学物質過敏症~私たちは逃げるしかないのですか~」
日本テレビ系列にて 2月24日 24:55~
・・・・・・・・・・・・・・
youtube 日テレ公式チャンネル より番組予告動画
2019年02月17日 に公開
NNNドキュメント 2019年2月24日「化学物質過敏症」
https://youtu.be/_I8-OzmfNU4
[フレーム]
柔軟剤や整髪料、食品添加物、農薬等、身の周りにある化学物質に過敏に反応し
頭痛やめまい、吐き気などの体調不良で苦しむ人たちがいます。
その病名は化学物質過敏症。
発症すると、揮発した化学物質のにおいで自宅にいても体調が悪くなる人もいます。
人々の柔軟剤の香りや農薬散布などに苦しむ女性や教室の床ワックスのにおいで
学校に通えない小学生を取材。
さまざまな患者の苦悩に迫り、暮らしに潜む危険性に警鐘を鳴らす。
NNNドキュメント
公式HP:http://www.ntv.co.jp/document/
公式facebook:https://www.facebook.com/nnndocument/
「フードロスをどうするか」
2019年2月21日発行 無料メルマガより
■ 別の解決策の可能性
大学で非常勤講師をしていて、この時期は成績入力のための仕事に追われる。
登録した学生たちからのレポートが届いてそれらすべてに目を通して成績をつける。私が教えているのは環境関係だが、自分の引き付けて書くとなると、どうしても身近なライフスタイル論になりがちだ。
しかし実際の二酸化炭素排出量で見てもゴミの排出量で見ても、その最大排出者は企業であって生活している人々ではない。そのことは授業の中でも話しているのだが、それでも個々人のライフスタイル論に話を結び付けたがる。
そして話は「フードロスの話などへと導かれがちなのだ。気持ちはわかるのだが、ずっと授業をした側としてはなんとも寂しい。なぜ結局は「個人の食べ残し問題」になってしまうのかと。では自分が書く側だったらどうするのだろうかと考え直してみる。そう、システムの問題から見直してみたいのだ。
食べ方を含めて文化なのかなとも思うが、中国の一部では食べきってはいけない文化のあること。食べ切ったら十分ではなかったと思われるので、十分だったと思ってもらうためには食べ残さないといけないのだ。もちろん食べ残したくはないのだが、あえて残すことで満足感を伝える必要がある。そんな地域で「フードロス」の問題をどうしたらいいのだろうか。
そう、食料の量に胃袋を合わせるのでなく、胃袋に食料の量を合わせるのがいい。この中国の一部地域のしきたりに合わせたくはないのだ。それに都合のいい仕組みは、食べきれない分はお持ち帰りするのがいいだろう。そのための持ち帰り用品を準備した方がいいという結論が論文の最後に書かれていたりする。
しかしこれを全体の中から考え直してみると、「もったいないことをした」と感じさせなければいいのだ。本当のところ、持ち帰ってから捨てるのは論外だし、他の家族やペットの餌にされてしまうのもちょっと気にかかるかもしれない。
でも持ち帰ってからどう処理したとしても、まぁ食事を提供した側としては納得できるだろう。
「フードロス」が気にかかるのは、そこで残されたものが使われずに捨てられてしまうことなのだろう。リサイクルと同じで、そこで使われなかったものが次のサイクルにつながっていかないことに問題を感じるのではないか。できればそのままリユースされるのが一番いい。そうでなかったとしてもリサイクルされればと思うのだ。
私の住んでいる地域では生ごみは分けて回収され、それは堆肥として再利用される仕組みになっている。でも地域は農業生産者が多く、時期によっては可食部以外のごみが膨大に出される。農産物はそういう宿命なのだ。それが堆肥化され、再利用されるのは良い仕組みだ。
でもその堆肥化もベストな方法とは言えない。いつも登場させて恐縮だが、吉田俊道さんの「菌ちゃん農法」ではその生ごみが素晴らしい有機肥料となって、さらに元気な野菜を生み出している。発酵方向に向かわせることで有機物をアミノ酸レベルに戻し、次の農作物へと引き継がさせるためだ。腐敗で元素レベルに戻してしまうよりずっといい。
そこで我が家では庭に捨て場を作った。昆虫のいない冬場では、雨が少ないことも手伝ってそのままでも良い土に変わる。捨てた部分にホトケノザが生えたり、食べ残した種が勝手に発芽したりして、豊かになった土に小さな野菜が育ってきている。これが一年を通して維持できれば良い土地となることで無駄にはならない。次の野菜の命に咲き継がれるからだ。
都会でないから土地に余裕があってできることだが、わずかな土地があれば実際に可能だ。都会にもこれぐらいの土地があるといい。庭には小枝も落ちていて、不完全燃焼させることで炭も作れる。それは土地を元気にさせるのにとても良く立つ。田舎だから煙が多少出ても気に留める人もいない。それでも煙の出にくい「無煙炭化器」なるものを使っているが。
こうして考えてみると「フードロス」とは、次に利用するあてのない食品残差の問題で、次に必要とするものがあるならば必ずしも問題ではないのだ。むしろ問題なのはそのフードが循環の輪の中から外れてしまっていることにある。
そうであるならこれを循環の輪の中に取り込む仕組みがあればいいことになる。
汚いイメージのあるイエバエだが、ハエそのものは他の菌類が多くいるところに育つため、抗菌力が強い存在だ。これを利用して動物の排せつ物などを処理させると、抗菌性の強いタンパク質飼料と高品質な肥料を生み出すことができる。
こうした処理を「ズーコンポスト」と呼んでいるが、この新たな可能性は非常に高いのだ。
もしそうしたことが「嫌悪感」を乗り越えるなら、新たな可能性を生むかもしれない。そしてその物質循環の中に、廃食用品などが組み込まれるならもはや「フードロス」などと呼ばれる必要もなくなるだろう。
そう見てくると、「フードロス」とは循環の輪から外れたものということになる。ロスではなく、新たなフード原材料となるとき、廃棄する必要のない有価物となる。放射性廃棄物のようなどうにもならない危険な有害物こそなくす必要があるのであって、他の価値あるものの原材料になるものを嫌悪しなくてもいい。
たとえば魚釣りを楽しむ時には、蛆虫を「サシ」と呼んで用いるのだ。同様に嫌悪感を越えた形で廃棄物が再利用されるなら、それは二酸化炭素を撒き散らすことで知られる畜産動物の飼料となることもあるだろう。
私たちと生物との関わりによってそのイメージは大きく異なってくる。関わりの輪の中に入れることによってその好悪の感じ方も大きく異なってくる。欧米の人たちの方が私たち日本人よりよほど汚いものに対しての嫌悪感が大きい。リサイクル品ですら毛嫌いするほどだ。それが少ないことは私たちのメリットなのかもしれない。
「ズーコンポスト」と共に未来を見直してみてはどうだろうか。
■ 別の解決策の可能性
大学で非常勤講師をしていて、この時期は成績入力のための仕事に追われる。
登録した学生たちからのレポートが届いてそれらすべてに目を通して成績をつける。私が教えているのは環境関係だが、自分の引き付けて書くとなると、どうしても身近なライフスタイル論になりがちだ。
しかし実際の二酸化炭素排出量で見てもゴミの排出量で見ても、その最大排出者は企業であって生活している人々ではない。そのことは授業の中でも話しているのだが、それでも個々人のライフスタイル論に話を結び付けたがる。
そして話は「フードロスの話などへと導かれがちなのだ。気持ちはわかるのだが、ずっと授業をした側としてはなんとも寂しい。なぜ結局は「個人の食べ残し問題」になってしまうのかと。では自分が書く側だったらどうするのだろうかと考え直してみる。そう、システムの問題から見直してみたいのだ。
食べ方を含めて文化なのかなとも思うが、中国の一部では食べきってはいけない文化のあること。食べ切ったら十分ではなかったと思われるので、十分だったと思ってもらうためには食べ残さないといけないのだ。もちろん食べ残したくはないのだが、あえて残すことで満足感を伝える必要がある。そんな地域で「フードロス」の問題をどうしたらいいのだろうか。
そう、食料の量に胃袋を合わせるのでなく、胃袋に食料の量を合わせるのがいい。この中国の一部地域のしきたりに合わせたくはないのだ。それに都合のいい仕組みは、食べきれない分はお持ち帰りするのがいいだろう。そのための持ち帰り用品を準備した方がいいという結論が論文の最後に書かれていたりする。
しかしこれを全体の中から考え直してみると、「もったいないことをした」と感じさせなければいいのだ。本当のところ、持ち帰ってから捨てるのは論外だし、他の家族やペットの餌にされてしまうのもちょっと気にかかるかもしれない。
でも持ち帰ってからどう処理したとしても、まぁ食事を提供した側としては納得できるだろう。
「フードロス」が気にかかるのは、そこで残されたものが使われずに捨てられてしまうことなのだろう。リサイクルと同じで、そこで使われなかったものが次のサイクルにつながっていかないことに問題を感じるのではないか。できればそのままリユースされるのが一番いい。そうでなかったとしてもリサイクルされればと思うのだ。
私の住んでいる地域では生ごみは分けて回収され、それは堆肥として再利用される仕組みになっている。でも地域は農業生産者が多く、時期によっては可食部以外のごみが膨大に出される。農産物はそういう宿命なのだ。それが堆肥化され、再利用されるのは良い仕組みだ。
でもその堆肥化もベストな方法とは言えない。いつも登場させて恐縮だが、吉田俊道さんの「菌ちゃん農法」ではその生ごみが素晴らしい有機肥料となって、さらに元気な野菜を生み出している。発酵方向に向かわせることで有機物をアミノ酸レベルに戻し、次の農作物へと引き継がさせるためだ。腐敗で元素レベルに戻してしまうよりずっといい。
そこで我が家では庭に捨て場を作った。昆虫のいない冬場では、雨が少ないことも手伝ってそのままでも良い土に変わる。捨てた部分にホトケノザが生えたり、食べ残した種が勝手に発芽したりして、豊かになった土に小さな野菜が育ってきている。これが一年を通して維持できれば良い土地となることで無駄にはならない。次の野菜の命に咲き継がれるからだ。
都会でないから土地に余裕があってできることだが、わずかな土地があれば実際に可能だ。都会にもこれぐらいの土地があるといい。庭には小枝も落ちていて、不完全燃焼させることで炭も作れる。それは土地を元気にさせるのにとても良く立つ。田舎だから煙が多少出ても気に留める人もいない。それでも煙の出にくい「無煙炭化器」なるものを使っているが。
こうして考えてみると「フードロス」とは、次に利用するあてのない食品残差の問題で、次に必要とするものがあるならば必ずしも問題ではないのだ。むしろ問題なのはそのフードが循環の輪の中から外れてしまっていることにある。
そうであるならこれを循環の輪の中に取り込む仕組みがあればいいことになる。
汚いイメージのあるイエバエだが、ハエそのものは他の菌類が多くいるところに育つため、抗菌力が強い存在だ。これを利用して動物の排せつ物などを処理させると、抗菌性の強いタンパク質飼料と高品質な肥料を生み出すことができる。
こうした処理を「ズーコンポスト」と呼んでいるが、この新たな可能性は非常に高いのだ。
もしそうしたことが「嫌悪感」を乗り越えるなら、新たな可能性を生むかもしれない。そしてその物質循環の中に、廃食用品などが組み込まれるならもはや「フードロス」などと呼ばれる必要もなくなるだろう。
そう見てくると、「フードロス」とは循環の輪から外れたものということになる。ロスではなく、新たなフード原材料となるとき、廃棄する必要のない有価物となる。放射性廃棄物のようなどうにもならない危険な有害物こそなくす必要があるのであって、他の価値あるものの原材料になるものを嫌悪しなくてもいい。
たとえば魚釣りを楽しむ時には、蛆虫を「サシ」と呼んで用いるのだ。同様に嫌悪感を越えた形で廃棄物が再利用されるなら、それは二酸化炭素を撒き散らすことで知られる畜産動物の飼料となることもあるだろう。
私たちと生物との関わりによってそのイメージは大きく異なってくる。関わりの輪の中に入れることによってその好悪の感じ方も大きく異なってくる。欧米の人たちの方が私たち日本人よりよほど汚いものに対しての嫌悪感が大きい。リサイクル品ですら毛嫌いするほどだ。それが少ないことは私たちのメリットなのかもしれない。
「ズーコンポスト」と共に未来を見直してみてはどうだろうか。
(イメージ)
2019年2月15日
「カナダからの見学者 」
天然住宅コラム 第28回 『 カナダからの見学者 』
先日、カナダの建築家の若い人が建築中の我が家を訪れた。さわやかな外見と人柄の良さのおかげですぐに親しくなった。ウィリアムさんは日本に3年いると話した。ところが日本語の方はさっぱりだ。と言ってもぼくの方も英語を10何年もしているのに話せないのだからおあいこだ。そんな気持ちもあって気楽に話すことができた。しかし大変だったのは通訳してくれた岡山在住の新井さんだ。「『断熱材』って英語で何て言えばいいのかしら」なんて、苦労をしながら通訳してくれた。
■カナダの基礎断熱
その彼に基礎断熱の話をしたら、『当たり前だろ?』って顔をして聞いていた。
我が家の断熱材は鉱物で、内側・外側に3センチも塗っていると話したところ、『カナダでは2メートル断熱するよ、内側と外側で合計4メートルだ』と言ってきた。『しかも土は3メートル掘ってそこから基礎コンクリートを打つのだ』と。『ぼくの国はケベック州だから冬はマイナス40℃まで下がるんだ』
土の中の水分が凍結して盛り上がり、さまざまな構造物を壊してしまう現象がある。これを「凍上現象」と言うが、この現象を放置して建物を建てたなら、一冬で建物は壊されてしまう。だから家は凍結しないほど深いところまで掘り、そこに基礎を据えるのだ。そしてマイナス40℃という寒さから隔離するために、合計で4メートルもの断熱壁を設けるのだという。
■家づくり古今東西
「断熱材は何を使うの」と聞くと、発泡系の断熱材を並べるのだと言った。
「しかし日本でそれをしたら、シロアリの巣になってしまうからできないんだ」と話した。すると彼は『日本はたぶんカナダより8倍は虫が多いからね』と言った。『カナダでは虫が多くないから、窓にネットもいらないんだ』と網戸を指差した。虫の英訳は「インセクト」かなと思っていたら、簡単に「バグ」と話していた。どうやら虫が少ないせいもあって、虫の種類も気にしていないようだ。
日本に家を建てるには、この虫対策もとても重要だと思う。そのため我が家では基礎コンクリートの上にヒバの土台を透湿防水シートを挟んだだけで直接置いた。普通なら空気層をつけるところだが、虫対策のために空間を空けなかった。
先日、カナダの建築家の若い人が建築中の我が家を訪れた。さわやかな外見と人柄の良さのおかげですぐに親しくなった。ウィリアムさんは日本に3年いると話した。ところが日本語の方はさっぱりだ。と言ってもぼくの方も英語を10何年もしているのに話せないのだからおあいこだ。そんな気持ちもあって気楽に話すことができた。しかし大変だったのは通訳してくれた岡山在住の新井さんだ。「『断熱材』って英語で何て言えばいいのかしら」なんて、苦労をしながら通訳してくれた。
■カナダの基礎断熱
その彼に基礎断熱の話をしたら、『当たり前だろ?』って顔をして聞いていた。
我が家の断熱材は鉱物で、内側・外側に3センチも塗っていると話したところ、『カナダでは2メートル断熱するよ、内側と外側で合計4メートルだ』と言ってきた。『しかも土は3メートル掘ってそこから基礎コンクリートを打つのだ』と。『ぼくの国はケベック州だから冬はマイナス40℃まで下がるんだ』
土の中の水分が凍結して盛り上がり、さまざまな構造物を壊してしまう現象がある。これを「凍上現象」と言うが、この現象を放置して建物を建てたなら、一冬で建物は壊されてしまう。だから家は凍結しないほど深いところまで掘り、そこに基礎を据えるのだ。そしてマイナス40℃という寒さから隔離するために、合計で4メートルもの断熱壁を設けるのだという。
■家づくり古今東西
「断熱材は何を使うの」と聞くと、発泡系の断熱材を並べるのだと言った。
「しかし日本でそれをしたら、シロアリの巣になってしまうからできないんだ」と話した。すると彼は『日本はたぶんカナダより8倍は虫が多いからね』と言った。『カナダでは虫が多くないから、窓にネットもいらないんだ』と網戸を指差した。虫の英訳は「インセクト」かなと思っていたら、簡単に「バグ」と話していた。どうやら虫が少ないせいもあって、虫の種類も気にしていないようだ。
日本に家を建てるには、この虫対策もとても重要だと思う。そのため我が家では基礎コンクリートの上にヒバの土台を透湿防水シートを挟んだだけで直接置いた。普通なら空気層をつけるところだが、虫対策のために空間を空けなかった。
そのための電気も装置自体がソーラーで自給する。さらに「虫返し」を外壁の下に付け、ムカデが登れないようにした。さらに建物周囲2メートルは舗装することにして、虫が寄れないようにしている。
ウィリアムは盛んに「ナイス!」を連発していた。何かを実現しようとすると、別な問題が生まれてくる。それをさらに先回りして防いでいく。そこに感心してくれたみたいだ。
★ 田中優 天然住宅コラムは 第119回 まで更新中! ★
田中優の「住まいと森のコラム」
目次一覧→ http://tennen.org/yu_column
★☆★ 天然住宅 はこちら ★☆★
ホームページ http://tennen.org/
他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。
ウィリアムは盛んに「ナイス!」を連発していた。何かを実現しようとすると、別な問題が生まれてくる。それをさらに先回りして防いでいく。そこに感心してくれたみたいだ。
★ 田中優 天然住宅コラムは 第119回 まで更新中! ★
田中優の「住まいと森のコラム」
目次一覧→ http://tennen.org/yu_column
★☆★ 天然住宅 はこちら ★☆★
ホームページ http://tennen.org/
他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。
2/23、24天然住宅 無料完成見学会@川崎 ~自然素材に囲まれた15坪の小さなアトリエ~
2/23(土)・24(日) 天然住宅のオープンハウス形式の無料見学会を開催します。
(※田中優は都合により出席できません)
絶景の高台に、小さなアトリエが完成します。
床面積はわずか『15坪』。
国産杉をはじめ、自然素材をたくさん使った気持ちのいいアトリエです。
そして今回は初めての試みも。
その名も、”住まいの道具プロジェクト”。
最高の家具をつくる静岡の「すまうと」さんとの共同プロジェクトで、トイレットペーパーホルダーとタオル掛けを製作しました。
細部までこだわった、素敵な住まいの道具です。
見学会当日は、すまうとの家具の展示も予定しています。
★建物データ
敷地面積:160.95㎡
延床面積:49.18㎡(ロフト、床下のぞく)
間取り:1LDK
工法:木造
■日時
2019年2月23日(土) 13:00~16:00
24日(日) 10:00~16:00
※2/15現在、24日16時までの回は満席のため募集を締め切りました。現在お申込み頂ける回はこちらです。
23日(土) 13:00~14:30
23日(土) 14:30~16:00
24日(日) 10:00~11:30
24日(日) 11:30~13:00
■場所
神奈川県川崎市麻生区
(東急田園都市線「あざみ野」駅または小田急線「新百合ヶ丘駅」よりバス)
■参加費 無料
■内容 オープンハウス形式の見学会
■申込 下記フォームよりお申し込みください
https://tennen.org/event/atelier.html
(※田中優は都合により出席できません)
絶景の高台に、小さなアトリエが完成します。
床面積はわずか『15坪』。
国産杉をはじめ、自然素材をたくさん使った気持ちのいいアトリエです。
そして今回は初めての試みも。
その名も、”住まいの道具プロジェクト”。
最高の家具をつくる静岡の「すまうと」さんとの共同プロジェクトで、トイレットペーパーホルダーとタオル掛けを製作しました。
細部までこだわった、素敵な住まいの道具です。
見学会当日は、すまうとの家具の展示も予定しています。
★建物データ
敷地面積:160.95㎡
延床面積:49.18㎡(ロフト、床下のぞく)
間取り:1LDK
工法:木造
■日時
2019年2月23日(土) 13:00~16:00
24日(日) 10:00~16:00
※2/15現在、24日16時までの回は満席のため募集を締め切りました。現在お申込み頂ける回はこちらです。
23日(土) 13:00~14:30
23日(土) 14:30~16:00
24日(日) 10:00~11:30
24日(日) 11:30~13:00
■場所
神奈川県川崎市麻生区
(東急田園都市線「あざみ野」駅または小田急線「新百合ヶ丘駅」よりバス)
■参加費 無料
■内容 オープンハウス形式の見学会
■申込 下記フォームよりお申し込みください
https://tennen.org/event/atelier.html
2019年2月6日
『新バンクを作る意味を 』
いよいよ2019年2月、新生未来バンクの誕生です!
未来バンク事業組合ニュースレター No.97/2019年1月 より
『新バンクを作る意味を 』
未来バンク事業組合 理事長 田中 優
今年、新生「未来バンク」という新しいNPOバンクが誕生する。
これまでの「未来バンク事業組合」が「天然住宅バンク」と合併し、若いメンバーが中心の「天然住宅バンク」が新たに運営をしていくのだ。私は両方のバンクの代表をしているが、今後は新生「未来バンク」だけに移る。これだけだとまるで変わらないが、要は「いいところ取り」をめざしたのだ。
これまで信頼を作ってきた「未来バンク事業組合」を引き継ぎながら新しい血を「天然住宅バンク」から受け継ぐのだ。個人的なことだが去年、人生二回目の脳出血をして入院した。出血したのは文字通り「頭に血が上った」せいだった。検査してもらうと、頭の中には何度かの出血痕があった。自分なりに思い起こしてみると、腹を立ててカッとしたときに出血していたようなのだ。
以来、きちんと毎日血圧を下げる薬を飲み、いわゆる「頭にくる」のが危険だと気がついてそんな事態にはならないようにした。不誠実な人間には合わないこととし、信頼できない人とは極力つきあわないことにした。命取りになりかねないからだ。
私はものすごく短気だ。この性格は治りそうもない。不誠実な対応をする人に会うといきなり「カッ」とする。これはどうにも治りそうにない。今更治そうと思ってもいないのも事実だ。ならばそうなるような場面にいないことが大事だ。だからそんな「不誠実」と思う人とは縁を切り会わないようにした。信頼できる人たちの間で生き続けるのなら、生きつづけることも無理ではないからだ。
これは個人的体験と事情による変化だが、もう少し一般化して言おう。自ら活動するときには「信頼できる人」だけと行なうことが大事だと思う。信頼できないと気づいたらすぐさま縁を切る勇気が重要だと思う。そして翻って自らの行動原理に戻れば、絶対に裏切らない信頼を得ることが必要だと思う。
もちろん信頼はカネにならないし、カネを大事に考える人たちは裏切ることが多い。となるとカネに左右されない代わり、カネと縁が薄い人になる可能性が高くなる。とすれば逆に、最初からカネに左右されない暮らしをしておくのがリスクヘッジになる。そうした暮らしをめざしてほとんどを自給できる暮らしに近づけている。
新生「未来バンク」では信頼できる関係の中で進めたい。
それでは新年に当たって、これからをどうするか考えた。そのひとつは今の土地で新たに家を建てようとするときに役立つ融資制度を作りたいと思っていることだ。もちろん第一にその人個人の信用だが、住宅取得を補えるような融資の仕組みを準備したい。
例えば「フラット35」というローンを利用する仕組みで、都会にそのまま住み続けるより有利になる仕組みを作れないだろうか。長く住むことが有利になるような住宅とローンが作れたらいい。その仕組みの中に、その人が信頼を長年得たことが有利になる仕組みを入れられないだろうか。
金融は無機質な仕組みなのではなく、もっと有機的で人間的なものであっていいのではないかと思う。返済されない時に悩まされたり手間が掛かったりすることを考えると、そんな心配のないつながりから融資制度を活かせないかと思うのだ。
長年やってきた私が発言するよりも若い人たちの芽を伸ばしたい。幸い私の子どもたちは親の私が言うのもなんだが、信頼できる親切な子ども達に育った。三人ともそれぞれの役割を活かして天然住宅バンクを支えるメンバーになってくれた。長男は非営利の住宅建設をする天然住宅のスタッフに、二男は弁護士としてこうした活動を支える役割を、三男はこうした活動を映像にするドキュメンタリー監督をし始めた。
私は少し手が空く立場になった分、新たな分野を開拓する以上に考えを深化させていきたい。もっと深堀りして、役立つ仕組みを考えたい。もっと有機的で、簡潔な仕組みがあるのではないか。それを試行錯誤していきたい。
※PDF版は次のURLから御覧頂けます。
https://drive.google.com/file/d/1w4PvXX568bFjMgW25s1rCQRwRBAN7_PN/view?usp=sharing
田中優有料・活動支援版メルマガ 最新号(1/31号)は
『 新生未来バンクの未来を祝福する 』 です!
1994年に未来バンクが誕生した経緯、その理由やこれからのことなど、代表の田中優がお伝えします!
(本文より)
「それは金融機関に留まらない。要は預金者自身の態度の反映なのだ。
日本で非常に人気のある貯金先に郵便貯金がある。それが何に融資され、どんな事態を引き起こしているのかを問題にしたのが 「どうして郵貯がいけないの」(北斗出版 絶版)だった。日本が戦争を続けたり、世界中でダムを造ったりして環境破壊ができたのは、人々が郵便貯金にお金を預け続けた結果だった。 」
<ご購読方法>
2019年1月号のバックナンバーご購入でこちらがどちらもお読み頂けます。
■2019年01月31日 第179号:「 新生未来バンクの未来を祝福する 」
■2019年01月15日 第178号:『 終わる原子力、歴史を逆回しさせるな(下)』
バックナンバーご購入はこちらより
https://www.mag2.com/archives/0001363131/
→田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
未来バンク事業組合ニュースレター No.97/2019年1月 より
『新バンクを作る意味を 』
未来バンク事業組合 理事長 田中 優
今年、新生「未来バンク」という新しいNPOバンクが誕生する。
これまでの「未来バンク事業組合」が「天然住宅バンク」と合併し、若いメンバーが中心の「天然住宅バンク」が新たに運営をしていくのだ。私は両方のバンクの代表をしているが、今後は新生「未来バンク」だけに移る。これだけだとまるで変わらないが、要は「いいところ取り」をめざしたのだ。
これまで信頼を作ってきた「未来バンク事業組合」を引き継ぎながら新しい血を「天然住宅バンク」から受け継ぐのだ。個人的なことだが去年、人生二回目の脳出血をして入院した。出血したのは文字通り「頭に血が上った」せいだった。検査してもらうと、頭の中には何度かの出血痕があった。自分なりに思い起こしてみると、腹を立ててカッとしたときに出血していたようなのだ。
以来、きちんと毎日血圧を下げる薬を飲み、いわゆる「頭にくる」のが危険だと気がついてそんな事態にはならないようにした。不誠実な人間には合わないこととし、信頼できない人とは極力つきあわないことにした。命取りになりかねないからだ。
私はものすごく短気だ。この性格は治りそうもない。不誠実な対応をする人に会うといきなり「カッ」とする。これはどうにも治りそうにない。今更治そうと思ってもいないのも事実だ。ならばそうなるような場面にいないことが大事だ。だからそんな「不誠実」と思う人とは縁を切り会わないようにした。信頼できる人たちの間で生き続けるのなら、生きつづけることも無理ではないからだ。
これは個人的体験と事情による変化だが、もう少し一般化して言おう。自ら活動するときには「信頼できる人」だけと行なうことが大事だと思う。信頼できないと気づいたらすぐさま縁を切る勇気が重要だと思う。そして翻って自らの行動原理に戻れば、絶対に裏切らない信頼を得ることが必要だと思う。
もちろん信頼はカネにならないし、カネを大事に考える人たちは裏切ることが多い。となるとカネに左右されない代わり、カネと縁が薄い人になる可能性が高くなる。とすれば逆に、最初からカネに左右されない暮らしをしておくのがリスクヘッジになる。そうした暮らしをめざしてほとんどを自給できる暮らしに近づけている。
新生「未来バンク」では信頼できる関係の中で進めたい。
それでは新年に当たって、これからをどうするか考えた。そのひとつは今の土地で新たに家を建てようとするときに役立つ融資制度を作りたいと思っていることだ。もちろん第一にその人個人の信用だが、住宅取得を補えるような融資の仕組みを準備したい。
例えば「フラット35」というローンを利用する仕組みで、都会にそのまま住み続けるより有利になる仕組みを作れないだろうか。長く住むことが有利になるような住宅とローンが作れたらいい。その仕組みの中に、その人が信頼を長年得たことが有利になる仕組みを入れられないだろうか。
金融は無機質な仕組みなのではなく、もっと有機的で人間的なものであっていいのではないかと思う。返済されない時に悩まされたり手間が掛かったりすることを考えると、そんな心配のないつながりから融資制度を活かせないかと思うのだ。
長年やってきた私が発言するよりも若い人たちの芽を伸ばしたい。幸い私の子どもたちは親の私が言うのもなんだが、信頼できる親切な子ども達に育った。三人ともそれぞれの役割を活かして天然住宅バンクを支えるメンバーになってくれた。長男は非営利の住宅建設をする天然住宅のスタッフに、二男は弁護士としてこうした活動を支える役割を、三男はこうした活動を映像にするドキュメンタリー監督をし始めた。
私は少し手が空く立場になった分、新たな分野を開拓する以上に考えを深化させていきたい。もっと深堀りして、役立つ仕組みを考えたい。もっと有機的で、簡潔な仕組みがあるのではないか。それを試行錯誤していきたい。
※PDF版は次のURLから御覧頂けます。
https://drive.google.com/file/d/1w4PvXX568bFjMgW25s1rCQRwRBAN7_PN/view?usp=sharing
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『 新生未来バンクの未来を祝福する 』 です!
1994年に未来バンクが誕生した経緯、その理由やこれからのことなど、代表の田中優がお伝えします!
(本文より)
「それは金融機関に留まらない。要は預金者自身の態度の反映なのだ。
日本で非常に人気のある貯金先に郵便貯金がある。それが何に融資され、どんな事態を引き起こしているのかを問題にしたのが 「どうして郵貯がいけないの」(北斗出版 絶版)だった。日本が戦争を続けたり、世界中でダムを造ったりして環境破壊ができたのは、人々が郵便貯金にお金を預け続けた結果だった。 」
<ご購読方法>
2019年1月号のバックナンバーご購入でこちらがどちらもお読み頂けます。
■2019年01月31日 第179号:「 新生未来バンクの未来を祝福する 」
■2019年01月15日 第178号:『 終わる原子力、歴史を逆回しさせるな(下)』
バックナンバーご購入はこちらより
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