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2012年5月31日木曜日

KOZOS EXPBRD #00の動作確認進捗状況

先日の記事で取り上げたKOZOS EXPBRD #00ですが、基板も上がってきてユルユルとデバッグしています。

今回は外部の基板とドッキングさせるので、基板の外形寸法の検証から。


アイキャッチを入れるのも「そういえば初めて」なので、しげしげと眺めて楽しんだりしています。

ビアのドリル径ですが、今回は0.3mmで設計しました。
「ニジマス君」の周囲にあるドリルは、両面のグランド層を繋ぐビアです。
ビアのドリル系を0.3mmにしただけで随分と配線が楽になりました。

そういえば今まで結構大きいドリルを使っていた事に今更気付いたりしています。
BlackTank LPC1769なんて、配線が多いのに0.6mmだったりしました。
そりゃ配線が大変なわけです。気を付けよう・・・というか気付いて・・・。


H8のボードとドッキングして使用している様子は以下のようになります。
外形寸法はドッキング対象のボードと同じなので、コンパクトに持ち運べます。


使用感を共有するために動画を作ってみました。
動作は全てハードウェアを確認するためのジャンクなコードによるものです。
ブートローダの書き込みとOSの転送にはkz_xmodemkz_h8writeを使用しています。

LEDをチカチカ。
[フレーム]

ロータリーエンコーダをクルクル。
グラフィックLCDをテコテコ。
[フレーム]

赤外線リモコンをピコピコ。
実デバイスが複数搭載された基板を制御する場合、それなりの枠組みを用意する事になります。
KOZOS EXPBRD #00は、組み込みシステム開発特有の世界をKOZOSを使って体験する事を念頭に設計しました。

KOZOSは、必要な事を最小限のコードで実現してあります。
こういったOS教材は今までになかったので、非常に面白いなぁというのが以前からの印象でした。
KOZOS EXPBRD #00と合わせて使ってみて、面白い題材になっている手ごたえを感じます。

2012年5月21日月曜日

ACB-BF592とUMB-SSM2603のベース基板を設計する

金子システム株式会社さんのコンパクトで高性能なDSP基板ACB-BF592の準備を随分前の記事で始めたわけですが、なかなか納得のいく進め方を見つけられずに放置状態でした。

先日のKOZOS EXPBRD #00を考えるうちに「こんな風にやってみようか。」という方針を自分の中で決める事ができたので前進開始です。

第1段階として、オーディオ・コーデックが搭載された基板UMB-SSM2603も使って、オーディオ・プラットフォームの実験用基板を設計する事にしました。

設計時に考えた事を列挙すると・・・
  • 2つのモジュールのコンパクトさを生かそう。
  • UARTブートのためのインターフェースは最低限欲しいなぁ。
  • バス・パワー動作させたい。
  • 使う時に楽しめるようにプチ・ディスプレイを搭載しよう。
  • ハードウェア・スイッチはアプリケーションによって要求が異なる。リモコンにしてしまえ!
  • SDカードでブートできたら嬉しいなぁ。
  • リセット・スイッチくらいはいるだろ。
  • 基板製造費用は安く抑えたい。
  • その他。
こんな感じでうだうだ考えて一日。
設計完了した基板は以下のようになりました。


ハードウェア・スイッチを取り除いたお陰でコンパクトに仕上がっています。
そして、遊べるようにディスプレイを付けておきました。

UARTインターフェースとSDカード・スロットは、UMB-SSM2603の下に隠してあります。
シンプルな見た目とは裏腹にというのが、設計の裏コンセプトです。

このベース基板を使えば、これ一つでDSPを気軽に楽しめちゃうという算段。
金子システムさんの安価なDSP基板シリーズのお陰で、気軽に始められるのが嬉しいです。

さて、コンパクトさを生かす設計には、基板製造費用を抑制するという効果もあります。
FusionPCBでは、基板外形の最大寸法で費用が決まります。


今回の基板の外形寸法は、約92x62mmなので、10cm Max * 10cm Maxで収まり、+15ドル.00で済みます。これが、仮に横方向15cm以上となるといきなり+60ドル.00です。

DSP基板がコンパクトなお陰で、ベース基板も安く設計する事ができるのが嬉しい限り。
少し寝かせて基板製造工程に進む予定です。

2012年5月19日土曜日

KOZOS EXPBRD #00 (KOZOSをしゃぶりつくしたい人の為の拡張基板を設計しました)

KOZOS EXPBRD #00とは、KOZOSをしゃぶりつくしたい人の為の拡張基板です。
12ステップでは飽き足らない、もっとKOZOSで色々やりたい人を想定して設計しました。


基板には以下の部品を搭載しています。
  • 122x32ドットのモノクロ・グラフィック・ディスプレイ
  • マイクロSDカード・スロット
  • 2つのLED
  • 2つのスイッチ
  • ロータリー・エンコーダー
  • mp3エンコーダー・チップ
  • ステレオ・フォン・ジャック
  • 赤外線受光素子
この基板は、秋月電子通商から販売されている「H8/3069Fネット対応マイコンLANボード」を裏返しにした状態で、その上にドッキングさせる事を前提に設計してあります。

使用の際は、分厚くなった二階建ての基板を机に縦に置いて使うイメージです。
もちろん支柱を立てて寝かせて使う事もできます。

ドッキングした状態でも、動作モード切り替えスイッチやリセットスイッチ、シリアルポートが使えるので便利。加えて、先に挙げた追加接続されたデバイス達を制御できるというわけです。

もちろんアイ・キャッチは坂井弘亮さんのオリジナル・キャラクタである「ニジマス君」です。


著者いわく「KOZOS本は初心者向け」とおっしゃっていますが、現役の組み込みエンジニアが見ても勉強になる部分は多々あるように思います。
その場合、実際に色々なデバイスの制御をカーネルを介して実装していく事で、なかなか他では味わえないような楽しさに遭遇する事ができます。

基板は例によってFusionPCBに頼みました。
実際に自分で作ったスクリプトに助けられたりして、意外に忘れるのは早いなぁと感じたり。

本当は、別件の基板設計に着手していたのですが、先にこちらが完了してしまいました。
気分転換の方が先に出来てしまうなんて、なんというかどうしようもない感じです。
まぁ、それはそれ。
このプロジェクトでも色々と考えた事があるので無駄にはならない気がしています。

2012年1月9日月曜日

FusionPCBの基板発注から到着までの日数(DHL発送選択時)

工程を振り返ってみる

昨年末の12/29にFusionPCBへ発注した基板が手元に届きました。
今回はできるだけ早く基板が欲しかったのでDHLによる発送を指定。


ちょっと工程を振り返ってみましょう。

12/29:発注
12/30:オーダー受付 (1日目)
12/31:土曜
01/01:日曜
01/02:月曜 (2日目)
01/03:火曜 (3日目)
01/04:発送 (4日目)
01/05:運送
01/06:運送
01/07:到着

発注してから4営業日で発送された事になります。
なかなか早いですね。

中国は旧正月がお休みです。
ということで日本のお正月とは関係なくお仕事をされているわけです。

年末からお正月にかけての発注は、仕事量も減っていて例年素早く対応可能なのかもしれません。
お正月にこたつでぬくぬくしながら研究したい場合、この時期の発注は検討の価値がありそうです。

費用

ちなみに費用は5cmx10cm MaxのコースでDHL送料込みで5千円前後でした。
気長に基板の到着を待つ事を前提にDHLを選択しなければ半分くらいの費用で済みます。

おまけ

一緒に入っていたシートがこれ。



一昔前、「中国」と「イノベーション」が一緒になるなんて誰も考えもしませんでした。
「Innovate with China」がなんとなく真実味を帯びてきているような気もします。

がんばれニッポン!
(と言いながら中国の企業に基板を発注しているので、何とも言えません。)

2011年7月23日土曜日

EAGLEで設計した基板の製造をFusion PCB Serviceに頼む。(EAGLE用の一発生成CAMファイルや、ガーバデータの検証方法もあります。)

概要

LPCXpresso Clockを設計して早くも1週間が経ちました。
その間に色々な試行錯誤を経て若干の機能追加をしたりしました。


今回の基板(LPCXpresso Clock)の製造は、激安基板製造でお馴染みのFusion PCB Serviceに頼むことにしました。

EAGLE用の一発生成CAMファイル

EAGLEでガーバを出力する場合にはCAMプロセッサというものを使います。

まずは基板設計側の画面を表示します。


CAMプロセッサのアイコンをクリックします。


CAMプロセッサのダイアログが表示されます。
ここでCAMプロセッサに対する作業を定義したファイルを読み込みます。

ここでは、Funsion PCB Service向けのCAMプロセッサ用ファイルを自作してガーバ出力作業に使用することにしました。

名付けてFusionPCB-gerb274x-excellon.camです。


それでは読み込んでみます。


Fusion PCB Serviceでは生成したガーバデータの拡張子名が指定されています。


自作したCAMプロセッサ用ファイルには以下の特徴があります。
  • Fusion PCB Serviceで指定された拡張子名で自動生成してくれるようにしました。
  • CAMプロセッサジョブ名は、Fusion PCB Serviceで指定された名称にしてあります。
  • ドリルデータも一緒に生成するようにしました。


「Process」ボタンを押したら出力されたファイルをFusion PCB Serviceに書かれた内容で照合します。


ドリルラックファイルなどは不要なのかもしれませんが、添付しても問題ないでしょう。

出力されたデータを確かめる

この手の作業は、複数のツールを組み合わせたダブルチェックが欠かせません。
出力したデータファイルのみで(←ここ重要)期待した結果が得られるのか?が確認するポイントとなります。

私は工場に提出するガーバデータの確認をGraphiCode社GC-Prevueで行っています。
早速先ほど出力したデータファイルを開いてみましょう。

「ファイル」メニューから「インポート」を選択します。


GC-Prevueのインポート機能は非常に手軽で、Ctrlキーを押しながら所望のファイルを選択することで複数のファイルを一括読み込みすることができるようになっています。


インポートを実行するとファイル情報の検証が行われます。


その後、ツールの管理テーブルへのマッピングが表示されるようになっています。


最後にファイル毎のインポート結果の詳細が示されるダイアログが出現します。
ここで表示色や形式などを選択する事ができるようになっています。
この時点でお気に入りのツールと表示色をあわせると見やすいですね。


ガーバデータは複数のファイルで1つの基板の情報を管理しますので、「間違って同じデータを違う拡張子で送っちゃった!」とか、「全然関係ないデータを送っちゃったよ!」なんてあるかもしれません。

読み込み時に画面で確認しながら読み込めるGC-Prevueはそういう意味で非常に便利です。
例えば、シルクレイヤを見てみると以下のようになります。


こちらは部品面のガーバ。
ベタ面の描画が粗いように見えますが、拡大すればきちんと表示されます。


レイヤー毎の表示・非表示は画面左側のツリー表示の部分で切り換えることができます。


リソース

EAGLE用のFusion PCB Service向けCAMプロセッサファイルはこちらからダウンロードできます。
自己責任でお使い下さい。

まとめ

今回はEAGLEで設計した基板の製造をFusion PCB Serviceに頼む過程を示してみました。

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