『私の住んでいるニュータウン団地経由バスの出来事
第2弾
』
ある夏の夕方。
今日は、ウイークエンドのせいか? バスは満員状態だった。
盲導犬のパトリックと私は、
座れないかなと思ったが、親切な「おじいさん」が、
「ここの席が、あいとるよ」
と、教えてくれた。
私は、満員なのに、盲導犬と二人分とるので、「どうも済みません」と言った。
なんか、既に座っていたお客さんが席を譲ってくれたようであった。
JR矢野駅前のバス停から、ニュータウン団地方面は、上り坂のため、
動き出してもしばらくは、速度が非常に重たく感じる。
「ブウーン、ブウーン」
★ 前の座席の親子の会話
孫:
「じいちゃん、このバス、音ばかりが大きいけど、ちっともスピードがでないねえ」
おじいちゃん:
「当たり前じゃよ、上り坂だから遅いんじゃ」
孫:
「じいちゃんが、太りすぎだからじゃないの」
おじいちゃん:
「わしが重たいからかのう?」
「よし、それじゃあ」
孫:
「じいちゃん、腰を上げてどうすんの?」
「立っても、重さは同じなんだよってば」
おじいちゃん:
「いやいや、そうじゃないんじゃよ」
「こうせんとなあ、でにくいんじゃあ」
しばらくすると、バスのブーンブーンという音に紛れて・・・。
「ブリブリブリー!!ブウーブウー!」
孫:
「じいちゃん、くっさあーい!!」
おじいちゃん:
「いやいや、腹の中が、軽くなったでえ」
「三段腹もガスが抜けたけんのう」
「おっと! 中身もちょっと出たでガス?」
「なあんちゃって! はっはっはっ」
周りの女子高生と思われる乗客:
「苦しい、苦しい、臭いけど息ができないよお」
「ギャハハハハ!!」
孫:
「じいちゃん、周りの人に迷惑だよ」
「社会の目は厳しいんだからねえ!」
おじいちゃん:
「いやいや、皆さん、ご免くさあい!」
後ろ座席の私は、1分間、息を止めていたが、息をした瞬間、
「おお、くっさあ!」
パトリックは、バタバタともがいていた。
満員バスの中は、しばらくの沈黙が続いたのであった。
何故か、次のバス停で降りるお客さんが多かった。
「ブーン、ブーン、ブウーブウー」
お後がよろしいようで。
これは、半分フィクションです。
どうも失礼いたしました。
トップページへ
トップページへ戻る。