弊社では、9割以上のお客様が「データ支給」ですので弊社で版下を作ることはほとんどいたしません。ただ色ごとの分版や細部の調整やベタの塗り足し作業等は、アドビイラストレーターを使用しています。データの面付けや、仕上げカットのアタリ罫等もこの行程で行います。デジタルプリント出力の場合はモニタ上のデータがそのままダイレクトに版として利用できますが、シルクスクリーン印刷の場合はデータを、出力機でポジフィルムに置き換えます。
前行程で作ったポジフィルムを、感光乳剤を湿布したスクリーン印刷専用の刷版(アルミフレームにテトロンメッシュを貼ったもの)に密着させ露光します。今はほとんどテトロンを使用しますが、昔はシルクを使用していたので、「シルクスクリーン」と呼ばれるようになったわけです。メタルハライドランプ(高紫外線)により、メッシュ上の感光乳剤に、画像が焼き付きます。その後、暗室にてジェット水流で不要な乳剤を落とし、完全に乾いたら「スクリーン刷版」の出来上がりです。
いよいよ印刷です。スクリーン印刷機に「スクリーン刷版」を取り付け、印刷位置を調整し版の上に指定の色のインキを流し込みます。その後、スキージとよばれるインキを押し出すためのヘラをスクリーン印刷機の上部に取り付け印刷開始です。印刷される部分はメッシュからインキが下のシートに押し出される仕組みです。1色目の印刷が終わったら、版とスキージを一度、印刷機からはずし2色目の版を取り付けます。後は同じ動作をくり返します。
インキが完全に乾いたら、印刷表面の保護の「PP」を貼ります。スクリーンインキは屋外用の顔料インキですが、表面に透明のラミネートを貼ることによって引っ掻きキズや摩擦から表面を保護します。また耐光性はPP貼りをしていないステッカーよりも耐久耐光期間がさらに向上します。表面はグロス仕上げになり光沢がでて高級感が増します。
最後の仕上げは断裁です。お客様の御指定のサイズにカットいたします。円形や角丸、オリジナル形の際で、少量の際は刃型代のかからない、カッティングプロッタでハーフカット仕上げになります。数量が多い場合は、トムソン刃や腐食刃で型抜きすることも可能ですが、別途刃型代が必要になります。以上の行程を経て梱包後、お客様のもとへ発送いたします。