2010年9月 1日 (水)
憧れの場所、日本国道最高地点へ!
29日、日曜日。
朝6時にKENさんの車でピックアップしてもらって向かったのは草津。
そう、私がずーっと憧れていた渋峠、国道最高地点に挑戦する日がいよいよやってきました。
健脚のKENさんは山岳コースを満喫できる二日間に渡るツーリングコースを考えてくださったのですが(1日目、2日目)、
私にはムリ!
と我がままを言わせて頂いて、草津温泉街と渋峠を往復するコース(ルートはコチラ)にしました。
このところ暑さを逃れるために毎週のように山間部に出かけている私ですが、その度に全然上れない自分にガッカリする日々。やっぱり登坂距離を最小限に抑えるコースにしておいてヨカッタぁ〜。
道の駅 草津運動茶屋公園に到着したのは9時ちょっと過ぎ。
すぐに自転車を組み立てて、10時前に国道最高地点へ向けて出発ぅ!!
おっと、気合が入りすぎました。まずは草津と言えばこの場所。という湯畑周辺をちょっぴり見学。
立ち込める硫黄臭に、硫黄温泉で育った(?)私は大喜び♪
渋峠に向けた元気をもらえたかな?
人でごった返している温泉街の中心部から離れると道はすぐに上り始めました。
【温泉街〜ロープウェイ山麓駅】
ある場所はゆったりと、ある場所はガッツリと、その勾配は色々ですが基本的に上り基調の道。
まあ、今日は上るためにここまで来たんだから耐えねばと私なりに頑張っているつもりですが、少しずつ小さくなるKENさん&アシストくん。速いってばぁ。
急な勾配を越えた交差点、天狗山スキー場入口で停止するKENさんの口から発せられた、
ここから上りますよぉ〜
との言葉を聞いて、
今までも上りだったじゃないですかぁ〜!?!?
と騒ぐ私。だって、本当にここまでも上ってるんですって。結構。
でも、春先に行われるツールド草津のスタート地点もこの場所からだそう。
覚悟を決めてビンディングをカチッとはめ、上を目指してペダルを回し始めました。
一本道で迷わないですよね〜
と私が先頭で上り始めますが・・・遅れて出発したはずのKENさんにほどなく交わされ、姿はすぐに見えなくなってしまいました。
一方のアシストくんは私の後ろにピッタリとくっついて、プレッシャーをかけ続けてくれました。だから、いろは坂でもそうだったけど後ろに着かれると精神的に辛いんだってば。
実際、アシストくんのプレッシャーのせいなのか、勾配がそれほどきついとは感じられないし、心拍も上りの時の普通の数値なのに、苦しくって苦しくって辛い。
感覚としては気道が狭くなって息が苦しいのと同じ感じ。でも、過去にスバルラインを上った時の状態を考え合わせるとこの程度の標高で空気の薄さを感じるはずは無いので、体調が悪いのかな〜と考えながら、意識して大きく息を吐くようにして騙し騙し上りました。
道の状態は基本的にとても綺麗。でも、車道と歩道の境目にちょうどタイヤがはまりそうな隙間が開いている箇所が結構あり、タイヤをはめてしまわないように気をつけて走る必要がありました。
道の脇は最初は木々に囲まれた普通の山道でしたが、そのうち木々の密度が低くなって、高さが低くなって、急に空が大きく見えるようになって来ました。
道の左側に湿原のようなものが見える場所でちょっと休憩して再び走り始めると、
あっ!KENさんだ!!
ロープウェイの山麓駅の入り口前で私達を待っていてくれたのです。
ここからは樹林帯を抜けるので景色がいいよ〜
というKENさんの言葉通り、山麓駅を過ぎると辺りに木々はありませんでした。
【ロープウェイ山麓駅〜白根山レストハウス】
木々の代わりに私たちの前に現れたのは、殺伐とした風景。
硫化水素ガスが噴出している殺生河原です。殺生河原に立てられているスピーカーから、
「硫化水素ガスの濃度が濃い場所があるので立ち止まらないでください」
という案内がずーっと流れていました。
その案内の通り、上の写真のカーブを過ぎた辺りで強烈な硫黄臭。嫌いじゃないのですが、確かにガスの濃度は高いらしくちょっと目が痛くなりました。
殺されちゃたまらない!
と私なりの最速スピードで殺生河原を通過すると、カーブを曲がった先には全く違う景色が広がっていました。
熊笹に覆われた山肌を縫って道が続きます。
九十九折ではありながら、カーブとカーブの間の直線が長いのが今回の上りの特長。
こんな感じで山肌にそって直線的に道が続いています。
でも、この坂は斜度がちょっときつすぎやしませんか??
今から自分がこの場所を走らなきゃいけないのか・・・
と思うと気が滅入りました。
この坂を上ってカーブを曲がり少し走ると白根山の姿が見えてきました。
もう少しで白根山か??と一瞬喜んだのですが、山に近づいたかと思いきや、山の逆方向に道がカーブしていて山から離れてしまったり。すぐそこに白根山が見えているのに近づかない。
その上、目の前には美しい景色の中をずーっと続く道が見えています。まだまだだよ〜。来れるもんならここまでおいで〜と目に見える景色があざ笑っているかのようで、辛かったです。
この精神的な辛さだけでも苦しいのに、最初から続いている息苦しさが最高潮に達し完全な酸素不足で目の前がチカチカ。後ろをついて走ってくれていたKENさんにご迷惑をかけてしまいましたが、チカチカが治まるまで途中の駐車場で休憩させていただいちゃいました。
休憩する前は、上まで行くのは無理かもなぁと何度も何度も考えていましたが、休憩した場所から見えた下界の景色が日本離れしていてとっても印象的で、
せっかくここまで来たんだから絶対上まで行ってやるぅ!!
と、女の意地!?で上に向けて走り続けました。
ここからも、ノッソリノッソリとした走りでしたが、九十九折をひとつ曲がるごとに少しずつ高度を上げ、標高2000mの標識を過ぎると、見えてきましたよ〜、白根山レストハウスの建物が。
建物が見えると元気もちょっと復活。
バンザーイ!!やっと着いたぁ〜!!
辛かったよぉ。
でも、涼しい!気持ちよい!!快適♪
ここでは湯釜へ散歩も・・・と考えていましたが、湯釜に向かう遊歩道は立ち入り禁止。噴火活動が活発なのかな?
残念!なような、脚を酷使する必要が無くてちょっとホッとしたような、複雑な気持ちの私でした。
弓池越しに白根山を眺めながら、ロープウェイの山頂駅まで涼しい空気の中ちょっとサイクリング。
その後、レストハウスで昼食をとったらいよいよ日本国道最高地点に向かって再び出発しました。
【白根山レストハウス〜渋峠】
白根山レストハウスからは、万座温泉へ下る道と分岐するところまで幸せな下り!!
漕がなくても進むぅ〜〜
でも、幸せなのはほんの一瞬でした。
再び始まる絶景の上り坂。
きれい〜〜すごい〜〜
と走りながら写真を撮りまくります。
と、おおっ!!
またまた見えてきました、九十九折。
ここでも心は折れそうになりますが、残りの距離はそれほど無いことが分かっているので、もうすぐ、もうすぐとペダルを回し続けました。
そして、景色の綺麗な九十九折も終わり「目の前に道が見えない場所」。「道の先に空しか見えない場所」にたどり着きました。
そう、このすぐ向こうがこの場所です。
2712メートル!日本国道最高地点!!
眺めがすごいよ〜!と上る途中でKENさんが私を励ましてくれていた通り、その場所からの眺めは私の目だけでなく、心に、体に、刻まれました。
眼下に広がる芳ヶ平と、その右奥に見える草津温泉街。
モコモコの熊笹と向こうに見える白根山。
もこもこの熊笹はその素材感というか雰囲気が不思議で、触れたら発酵させたパン生地のように、ムニョ〜っと柔らかくへこみそうなそんな感じでした。ダンボールのそりで滑り降りて見たいな〜。
昨年KENさんがこの場所を訪れたときには、一面真っ白で何も見えなかったとか。一緒に走ったtaroさんとtomoさん、どちらの行いが悪いのかな??
この場所の景色、空気、さわやかな風などそのすべてが感動的で離れがたかったのですが、最終目的地渋峠はここから少し下ったところだということで、後ろ髪引かれながら渋峠まで下りました。
渋峠に立っている渋峠ホテルの前で一枚。
上のアシストくんは、群馬県と長野県を股にかけています。
渋峠ホテル前にはワンコがいました。KENさんにじゃれついて毛だらけにしちゃってたな〜。KENさんの話では真冬でもこの場所にいるんだとか。35°C越えの酷暑なんて未経験なんだろうな〜。うらやましい。
さて、上の写真に看板が写っていますが、この場所では「日本国道最高地点到達証明書」なるものがいただけるそうです。日付と時間が入って、この日の良い思い出になりました〜。私にとっては一大イベントですもの。
サイクリストにとっては当たり前でも、スポーツ自転車に乗らない方々にとっては自転車でこんな場所を走るという行為は驚きに値するようで、国道最高地点でも渋峠でも色々質問攻めに合ってしまいました。でも、そんな方々との会話が楽しくて好きなんですけどね。
そうこうしているうちに、もう時刻は14時半。
名残惜しくはありますが下山することにしました。
【渋峠〜下り】
もと来た道を戻りますが、上りのときは憎かった「見えすぎる九十九折」が、下りでは適度にスピードが落ちるので下りやすい上に、素晴らしい景色を眺めながら走行できる幸せな道に変化しました。
ずーっとこんな景色を見ながら下れるんですよ〜。楽しくって、気持ちよかった〜。
上りでは果てしなく続いていると思っていた道も、下るとあっという間。
「ここから上りますよ〜」
の交差点まで下って立ち止まってみると、、、ぬ、ぬるい。暑い。不快!!
山の涼しい空気に慣れてしまった私たちは、朝は気持ちよいと思った温泉街の空気も不快に感じられました。
ここから、温泉街まで下った後、本当は道の駅まで上らなくっちゃいけないのですが・・・
どこまでも我ままな私は、
もう上りはお腹いっぱいです!!
と主張して、KENさんだけ車まで戻ることにしていただいちゃいました。
だって、もう上りたくないん・・・だもん。1ミリも。KENさんごめんね〜。
熊が出るというサイクリングロードで遊んだりしていると、
さすがKENさんすぐに戻ってきました。私にとっては限界の走りでしたが、KENさんやアシストくんにとっては不完全燃焼だったことでしょう(上りの途中私の後ろについていたアシストくんは、一時心拍数が120まで落ちたとか)。
こんな私に付き合ってくれてどうもありがと〜
こうやって忘れられないサイクリングは終了。
今回も私には刺激が強すぎたようで、未だに余韻に浸っています。毎年一度は訪れたいな〜。次はもう少し余裕をもって走れるようにならなくっちゃ。
- 場所: 草津温泉街-志賀草津高原道路-白根山-渋峠(往復)(ルートはコチラ)
- 【みくま:マドンナ】
- 時間:5時間18分(2008年9月26日からの累積:651時間)
- 距離:52.9km(2008年12月13日からの累積:7078.2km)
- 平均速度:13.3km/h
- 【アシスト:ルーベ】
- 時間:5時間21分(2007年8月11日からの累積:898時間)
- 距離:52.7km(2008年12月13日からの累積:7371.3km)
- 平均速度:13.7km/h
23時47分 自転車, ロードバイクでお出かけ | 固定リンク
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コメント
レポート楽しみにしていました。ありがとうございます。
みくまさんにお見せしたい峠からの景色のレパートリーはまだまだ持ってますよ!いつの日か一緒に走りたいです。
私は今月の下旬に山梨長野県境を越える川上牧丘林道にある日本車道峠最高地点の大弛峠(オオダルミトウゲ標高2360m)にリベンジしようかな〜なんて考えています。
投稿: KEN | 2010年9月 3日 (金) 17時41分
どうもっす!
いや〜〜、毎度、毎度すごすぎですね・・・!
KENさんもすごいが、みくまさんとアシスト君もすごすぎです・・
峠の達人ですね・・・ほんとに・・
いや〜〜、活動的だ・・・!
投稿: NOB | 2010年9月 4日 (土) 11時48分
みくまさん、こんばんは。
これまたいい処に行ってこられましたね。
自分もいつかは自転車で...なんて思いながら、見覚えのある景色の写真を楽しませていただきました。
投稿: bunaibu | 2010年9月 4日 (土) 21時20分
KENさん
コメントありがとうございまーーす!
色々お世話になりました。
まだまだ色々な景色をもっと楽に見られるよう、力をつけなくっちゃ行けませんね。
大弛峠って、以前暑くって水が無くなって諦めた場所ですっけ??
今年も暑いので、水と補給をちゃんとして制覇しちゃってくださいね!
投稿: みくま | 2010年9月 6日 (月) 22時52分
NOBさん
コメントありがとうございます!!
NOBさんが苦手な暑さとは程遠い、涼しい場所でしたよ〜。
峠の達人じゃないけど、あの気持ちよさにはまってしまっています。
投稿: みくま | 2010年9月 6日 (月) 22時53分
bunaibuさん
コメントありがとうございます!!
本当に素敵な場所でした。
私の場合、車でも行ったことがない場所に自転車で行くことが多いので、感動も人一倍なのかもしれませんが、未だに忘れられない景色が目に浮かんできます。
見える景色や空気はまるで麻薬のようで、私達をどんどんとりこにして山へと招いているような気がしています。
つまり・・・はめられちゃったのかも?!?
投稿: みくま | 2010年9月 6日 (月) 22時57分
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