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Azure IoT Hub 接続サンプル

Azure IoT Hub へ接続するAzure IoT Hub Device C SDKを使ったサンプルです。 ターゲットデバイスは、GR-PEACHで、Ethernet上のHTTPかMQTTで通信します。 MQTTは、mbedTLS版でのみ確認できています。 GR-SAKURAでも動作確認できています。こちらを参照してください。

サンプルを動作させるには、下記の手順でAzure側にデバイスを追加し、そのデバイスの接続文字列を取得し、ソースコード「app_iothub_client/src/client.c」の以下の個所を書き換える必要があります。

static const char* connectionString = "[device connection string]";

ダウンロード

GR-PEACHのソースコードはGithubにあります。WolfSSLとmbedTLSを両方含んでいます。 ファイルリストの右上にある「Clone or download」の「Download ZIP」をクリックすると、zipファイルでダウンロードできます。

開発環境

ビルドはGCC+Makefileで行います。arm向けGCCはこちらこちらから入手できます。

IDEとしてe2 studioV7.4.0を使用しました。

Rubyの実行環境が必要なので、​こちらからダウンロードして、コマンドプロントから実行できるよう、環境変数でパスを通してください。

デバッグするにはOpenOCDが必要です。 インストール後「asp3_dcre\target\gr_peach_gcc\renesas_rza1h_swd.cfg」を、OpenOCDインストールフォルダの下の「scripts\target」にコピーします。

e2 studio V7.4.0のプロジェクトファイルも含まれているので、展開したフォルダをワークスペースとして開き、プロジェクトのインポートをこのフォルダに対して行うことで、取り込むことができます。こちらを参照してください。

フォルダ構成

app_iothub_client サンプルプログラム TOPPERS License
asp3_dcre RTOS TOPPERS/ASP3 TOPPERS License
asp3_dcre tinet TINET 1.7をRuby版CFG対応し、IGMPを追加したもの TOPPERS License
asp3_dcre mbed mbed HAL APIの利用と実装 Apache 2.0 License
asp3_dcre syssvc tlsf メモリアロケータtlsf BSD License
azure_iothub deps parson parson jsonパーサー MIT License
azure_iothub c-utility adapters TOPPERS向けの実装を追加 TOPPERS License
curl-7.57.0 HTTPクライアントcURL Curl License
musl-1.1.18 標準Cライブラリmusl MIT License
ntshell fatfs FATファイルシステム FatFs FatFs License
ntshell ntshell 仮想ターミナルNT-Shell MIT License etc.
ntshell src Socket API、標準入出力、ファイルディスクリプタ TOPPERS License
wolfssl-3.15.7 SSL/TLS ライブラリwolfSSL GPL/商用
mbedtls-2.16.1 SSL/TLS ライブラリmbedTLS Apache 2.0 License
zlib-1.2.11 圧縮・伸張ライブラリzlib zlib License

標準Cライブラリ

GCC付属の標準Cライブラリnewlibではなく、muslを使用しています。 付属のnewlibでは、dirent.hやsocket.hがないので、curlやviのコンパイルに向いていません。 Linux向けのmuslを使用することで、POSIX向けのソースコードのコンパイルが難無く行えます。 ただし、未実装のAPIがあるとリンクエラーになります。 このソフトでは、ntshell/srcにコードがありますが、サンプルを動作させる最小限の実装を行っています。

Azure IoT Hub について

本サンプルの作成には以下のドキュメントを参考にしました。

https://github.com/ms-iotkithol-jp/IoTKitHoLV4

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/iot-hub/quickstart-send-telemetry-c

Azureの利用は「IoT Hub Free エディション」を使用しました。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/iot-hub/

開発手順

ワークスペースの読み込み

タウンロードしたファイルを、適当なフォルダに展開します。

この説明では「E:\e2studio\azure_iot_hub_arm」に展開します。

パス名にスペースや漢字などを含むと問題になることがあります。

英数字とアンダーバーのみのフォルダ名で構成されたパス名にします。

e2studioを起動し、ワークスペースの場所に展開したフォルダを指定します。

起動直後の「ようこそ」画面

「ようこそ」ページを閉じます。

メニューから「ファイル」→「インポート」を選択します。

「一般」の中にある「既存プロジェクトをワーク・スペースへ」を選択し、「次へ」ボタンを押します。

「プロジェクトのインポート」画面が表示されます。

「ルート・ディレクトリの選択」にソースを展開したフォルダを入力します。

「参照」ボタンを押して、そのまま「OK」ボタンを押せば入力されます。

インポートが成功すると下記のように、「プロジェクト・マネージャ」にプロジェクトが表示されます。

ビルド

メニューから「プロジェクト」→「すべてビルド」を選択すると、ビルドが開始されます。

ビルドが終了すると、「プロジェクト・マネージャ」の「app_iothub_client」の下に「バイナリー」の項目が追加されます。

書き込み

GR-PEACHとPCをUSB接続すると、mbedストレージが表示されます。

出力フォルダの「E:\e2studio\azure_iot_hub_arm\app_iothub_client\Debug」にある「app_iothub_client.bin」をmbedストレージにコピーします。

時間をかけてプログラムが書き込まれます。

デバッグ

GR-PEACHとPCをUSB接続し、TeraTermでmbedシリアルポートに接続します。ポーレートは「115,200bps」です。

「プロジェクト・マネージャ」の「app_iothub_client」を右クリックし、出てきたメニューから「プロパティ」を選択します。

「OpenOCD Path」画面の「Executable」に「openocd.exe」、「Folder」にopenocd.exeのあるフォルダのパスを入力します。

「プロジェクト・マネージャ」の「app_iothub_client」の「バイナリー」の下に「app_iothub_client.elf」があるので、それを右クリックします。

出てきたメニューから「デバッグ」→「デバッグの構成」を選択します。

「デバッグの構成」画面の「Renesas GDB Hardware Debugging」で右クリックし、「新規」を選択します。

表示された「メイン」タブの「プロジェクト」が「app_iothub_client」、「C/C++ アプリケーション」が「Debug\app_iothub_client.elf」になっていることを確認します。

「Debugger」タブでは、「Configu options」に「-f interface/cmsis-dap.cfg -f target/renesas_rza1h_swd.cfg」を入力します。

「Startup」タブでは、「Initial Reset」と「Load executable」のチェックを外します。 #startup

プログラムの書き込みは、mbedストレージへの書き込みにのみで行います。デバッガ経由ではできないようです。 「Load symbols」はソースコードデバッグするのに必要なので、チェックしておきます。

そのほかの画面には変更はありません。

下にある「デバッグ」ボタンを押すと、プログラムのロードが始まり、「パースペクティブ切り替えの確認」画面が表示されますので、「はい」を押します。

プログラムのロードが終わると「mbed_stub.c」ファイルのmain関数で停止しています。

「デバッグ構成」画面の「Startup」タブのスクロールして下にある「Set breakpoint at」チェックボックスにチェックを外すと、main関数で停止せず実行されるようになります。

実行

実行するとTeraTermの画面に以下のように表示が出ます。

「Enter」キーを入力すると、プロンプト「NTShell」が表示されます。

既知の問題があり、起動時のDHCPの動作が失敗してしますので「dhcpc renew」+「Enter」を入力すると、DHCPからIPアドレスの取得を開始します。

DHCPサーバーからIPアドレスの取得を待ちます。

また、証明書の検証には実際の時刻が必要なので、NTPで時刻同期するまで待ちます。

「iothub」+「Enter」で、Azure IoT Hubへメッセージを5つ送信します。

送られたメッセージを確認するには、上記サイトの「ハブから利用統計情報を読み取る」の手順で行います。

謝辞

日本マイクロソフトの太田様には、Azure IoT Hubの操作や設定、メッセージの確認方法など、詳しく教えて頂きました。ありがとうございました。

日本マイクロソフト株式会社 太田 寛 様のSNS Twitter @embedded_george GitHub ms-iotkithol-jp


ホームネットワークWG 長島 宏明

Last modified 6 years ago Last modified on Jun 18, 2019, 4:34:55 PM

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