このあたりは、その水位低下を実現するために他の方法ではどのくらいのことをしなければならないのか。例えば、引堤の幅だとか、遊水地の面積など、もう少し身近に感じられるものに置換えて説明する必要があるだろう。
一方、堤防には余裕高というものが1.5mも、2mもある。これがまた誤解を生む。
実際には、波浪とか横断方向の水面の勾配、堤防が本質的に持っている脆弱(ぜいじゃく)性とかその他もろもろの不確実性などをカバーするために設けられている。決して余裕でも何でもないのだが、名前のせいで「まだ余裕があるのならその分で何とかすればよいのではないか」と思われてしまう。
この方法もまた、十分注意してやらないと、かえって新たな誤解を生みかねないのである。