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参考掲載ダム・堰 全項目表

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成相池堰堤
(なりあいいけえんてい)

ダム写真

(撮影:安河内孝)
082192 安河内孝
082210 安河内孝
082206 安河内孝
082208 安河内孝
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成相ダムの上流500mの地点にある。かんがいを目的として昭和25年に完成した粗石モルタル造りのダム。戦後のダムとしては、めずらしい石張りダム。
成相ダム建設に伴い上部約5mを残して常時満水位以下に水没。成相ダム建設の際に、上部切り欠きと下部取水塔を削孔することにより安定上支障のない形状で保全された。
所在地 兵庫県南あわじ市 [地図]
諸元等 河川:三原川水系三原川
目的:A
型式:重力式コンクリート(粗石モルタル造り)
堤高:33m
堤頂長:113.3m
着工:1937年
完成:1950年

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ダム温故知新
《第1回》 成相池堰堤を訪ねて

写真・文 安河内 孝

水中に静かに佇む成相池堰堤と新しく築造された成相ダム(左奥)を望む
大きい石を数多く使用した「重力式コンクリート堰堤」タイプのダムは全国にあるが、兵庫県が最も多いのではと思われる。淡路島の南側には「成相池堰堤」「上田池ダム」「猪ノ鼻ダム」と3箇所ある。「成相池堰堤」は、1999年その下流に重力式コンクリートの成相ダムが建設されたことで、その役目を終えている。この堰堤は、灌漑の為に造られ、この地域に貢献した由緒あるダムで、昭和12年に着工し、戦時中は一時中断、戦後25年に完成し、数多くの地元の方々に愛された堰堤である。

その撤去については、いろいろと検討されたが、上部切欠きと下部取水塔を削孔することにより、安定上支障のない形状で保全されている。下部取水塔の穴は見ることが出来ないが、上部の切欠き部(写真・右)は見ることが出来るので、ダム技術者はその断面を一度見てもらいたい。表面のみで無く内部にも約50?pの石が多数使用されているが、その石の下端に空隙がほとんど見られない。また、打継目も一体化している。漏水を懸念して、慎重に施工されたのが判る。

新しい成相ダムは、曲線を数多く用い、非常に凝っている。型枠が大変だったのでは思われるが、成相池堰堤に配慮してのデザインにしたのではないかと思われる。
新旧のダムを同時に見られる貴重なダムである。


取水塔と切欠き部
成相池堰堤諸元

所在地:兵庫県南あわじ市
河 川:三原川水系三原川
目 的:A
型 式:重力式コンクリート
(粗石モルタル造り)
堤 高:33m
堤頂長:113.3m
着 工:1937
完 成:1950

切欠き部のクローズアップ
(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
(2011年5月作成)

このダム・堰について情報をお持ちの方、是非お知らせください。 まで。

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