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センター長より


鹿児島大学国際島嶼教育研究センターは昭和56年に南方海域研究センターとして誕生し、その後昭和63年から南太平洋海域研究センター、平成12年からの多島圏研究センターを経て、平成22年に現在の形に改組・スタートした長い歴史のある研究センターです。この間40年以上、アジア太平洋の島々を対象に多くの貴重な研究成果をあげてきました。また、平成27年には奄美大島に奄美分室を開設し、奄美群島における教育研究も推進しています。令和6年度には国際島嶼教育研究センターは4名の専任教員(定員)、1名の特任教員および2名の特任研究員で構成されてます。これらメンバーに加え、鹿児島大学に所属する約60名の兼務教員や10名の客員研究と共同して研究活動を行なっています。また、現地の方々とも連携を深め、教育研究活動を実施していることは言うまでもありません。

21世紀に入って20年以上になりますが、気候変動・地球温暖化、環境破壊、国際的紛争、人口増加、食料問題などが年ごとに顕在化しています。このような問題に最も影響を受けやすいのは島嶼域であると考えられています。島の環境は大変脆弱で、些細な変化にもその自然や文化・社会は影響を受けることが知られているからです。その後、これらは世界全体の影響するものと考えられます。従いまして、島嶼域における研究の成果は単にその地域に留まるものでなく、将来の世界全体の指標となる可能性があります。このような観点からも本センターは多様な研究者や一般の方々と協力しつつ、特に奄美から南太平洋域における教育研究を進めて行きます。このような大きな目標はありますが、大切なのは島が好きだということだと思います。島の好きな方との積極的な交流も一層進めていきます。

令和6年7月

センター長 山本雅史


沿革


鹿児島大学は、法文・教育・理・医・歯・工・農・共同獣医、水産の9学部からなる総合大学です。本土最南端の大学という地理的な特色と先人の築いた調査研究の伝統をいかしつつ、鹿児島大学の 研究者は、人文・社会・自然のそれぞれの学問領域で、南西諸島・台湾・フィリピン、そして東南アジア・オセアニアへとつづく南方地域について多くの調査研究をおこない、成果をつみかさねてきました。

このような研究の蓄積を背景に、より総合的・学際的な調査研究 活動の推進をめざして、昭和52年 (1977) には、学内の将来計画検討委員会で南方地域総合研究センター構想が討議され、南方地域に 重点をおく地域研究センターの創設が検討されました。その結果、昭和55年(1980)4月には、南方地域総合研究セン ターが設置されました。翌昭和56年(1981)4月には、それまで学内措置施設であった上記南方地域総合研究センターは、文部省令による学内共同教育研究施設としての南方海域研究センターとなりました。その後、昭和63年(1988)4月には南太平洋海域研究センター(南海研、Research Center for the South Pacific)に、そして平成10年(1998)4月には多島圏研究センター(多島研、Research Center for the Pacific Islands)に生まれ変わりました。

平成22年(2010)3月をもって一つの区切りをつけ、あらたに同年4月から国際島嶼教育研究センター(島嶼研、Research Center for the Pacific Islands)が発足し、学内共同教育研究施設として、これまでの研究成果を引き継ぎつつ、新たな目標を掲げて活動を開始しています。また、平成27年(2015)4月には奄美市に国際島嶼教育研究センター奄美分室を新たに設置し、島嶼研の英語名称をInternational Center fot Island Studiesとしました。


研究の場:島嶼、多島域、多島圏


外洋に位置する島々とそれをとりまく海洋が構築する空間である多島圏(Island-Sphere)は、いくつかの島嶼(Islands)の集合である多島域(Island-Zone)から構成されます。多島域は人・もの・情報が行き交い、島嶼相互が影響を及ぼしながら存在する空間です。国際島嶼教育研究センターは、このような、多島圏、多島域、島嶼という三つの異なった位相をもつ空間を対象に教育・研究を進めています。


目的と課題


国際島嶼教育研究センターは、鹿児島県からアジア・太平洋までを含む島嶼域を対象とした教育・研究戦略のコアとしての役目を果たす学内共同教育研究施設です。特に島嶼域の諸問題について、先進的な教育・研究を目指すともに、各研究成果を地域に還元しています。専任教員、兼務教員、客員研究員、国内外の大学・研究機関の協力研究者によって、以下の 3 領域 9 分野を設置して活動しています。


島嶼環境領域:島嶼域の自然と社会の相互作用に注目し、過去から現在への遷移過程とその維持機構を解明する。

  1. 島嶼多様性分野:島嶼における生物あるいは社会の多様性について教育・研究を行う。
  2. 島嶼環境分野:島嶼の自然環境について教育・研究を行う。
  3. 島嶼共生分野:島嶼における人と自然の相互作用やその共生について教育・研究を行う。

島嶼社会領域:島嶼社会における過去・現在そして今後想定される変化とその影響について研究し、その適応的方向性を検討する。

  1. 島嶼社会分野:島嶼域の人々の社会、歴史、文化、並びにそれらの動態について教育・研究を行う。
  2. 島嶼医療分野:島嶼医療の問題を解決し、島嶼医療の発展を図るための教育・研究を行う。
  3. 島嶼情報分野:島嶼における情報活用に関する教育・研究を行う。

島嶼適応領域:島嶼の変化に対応する適応策について、島嶼社会における実践的な教育・研究を行う。

  1. 島嶼農畜産分野:島嶼の農畜産業に関する教育・研究を行う。
  2. 島嶼水産分野:島嶼の水産業に関する教育・研究を行う。
  3. 島嶼教育分野:島嶼における教育システムの教育・研究を行う。

運営


国際島嶼教育研究センターの運営委員会がセンターの管理運営にかかわる重要事項を審議します。このほかセンター教員会議、専門部会などが置かれ、調査、研究、出版などの事項を審議します。


運営委員会委員(令和6年度)

1号委員

山本 雅史(島)

2号委員

河合 渓(島)

3号委員

大塚 靖(島)、山本 宗立(島)

4号委員

北村 浩一(法文)、肥後 祥治(教)、礼満 ハフィーズ(理)、根路銘 安仁(医)、佐藤 秀夫(歯) 、定松 直(工、理工研)、 岡本 繁久(農)、山本 智子(水)、大和 修(共獣)、大脇 哲洋(医歯研)

5号委員

渡辺 芳郎(プロジェクト部会長)、柿沼 太郎(交流企画部会長)、兒玉 慎平(出版広報部会長)


部会委員(令和6〜7年度)

プロジェクト部会

渡辺 芳郎(部会長・法文)、市川 英孝(法文)、安藤 匡子(共獣)、鵜川 信(農)、濵田 季之(理)、久米 元(水)、大塚 靖(島)

交流企画部会

柿沼 太郎(部会長・工)、網谷 真理恵(医歯研)、上野 大輔(理)、川西 基博(教)、澤田 成章(法)、鳥居 享司(水)、山本 宗立(島)

出版広報部会

兒玉 慎平(部会長・医)、兼城 糸絵(法文)、栗和田 隆(教)、田金 秀一郎(博)、土井 航(水)、西澤 優(農)、礼満 ハフィーズ(理)、河合 渓(島)

奄美特別部会

鈴木 英治(部会長・島)


アクセス


〒890-8580 鹿児島市郡元1-21-24
鹿児島大学 国際島嶼教育研究センター
Tel: 099-285-7394
Fax: 099-285-6197
E-mail: shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp

鹿児島大学 郡元キャンパス 総合教育研究棟 5階

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