【 水草育成用の主な底床の説明と使い方 】
水草育成の成否には、底床が大きく影響します。
水草育成に適した底床を正しく使うことで、水草は元気に育ちます。
水草育成に使われる代表的な底床の説明とその使い方を紹介します。
『ソイル』
特徴:水草が良く育つ水草育成専用土(天然土を粒上に焼成した物)。
適した弱酸性の軟水に傾けるため、水草が良く
育ちます。
メリット:
・水草の生長に必要な養分を含みます(含有量は製品により異なる)。
・水草の生長に適した水質(弱酸性の軟水)に調整する効果を持ちます。
(イオン交換作用や腐食酸の溶出による特性です。)
・養分補給から水質調整までソイル任せにできるため、
初心者でも水草を比較的容易に育てることが可能になります。
・砂利では育成が困難な水草(トニナやスターレンジ等の弱酸性の
軟水を好む南米産水草等)も育成可能です。
・多孔質で吸着性を持つため、設置後短時間で水を透明にする効果も
あります。
・熱帯魚やシュリンプの育成にも適した多様な微量有効成分を含みます。
・設置時に面倒な洗浄を行う必要がありません。
写真左:設置3日後のソイル水槽(より透明度が高い)、
写真右:設置3日後の大磯砂水槽(白濁が収まってない)
【写真】ソイルには生物にとっても有用な微量成分が
含まれており、熱帯魚やシュリンプの育成にも有効です。
デメリット
・寿命がある。粒が潰れたり、養分が抜けた後には交換が必要です。
・養分が豊富に含まれているため、セッティング直後には溶出した
余剰養分により、コケが発生しやすい場合もあります。
・比重が軽いため十分な厚さがないと、植栽した水草が抜けやすく
なります。(この点は、根を圧迫しないメリットでもあります。)
・水草が良く育ち、生長が速いためトリミングが忙しくなります。
・扱い方によっては、微粒子が舞い上がり水槽内を汚す場合がある。
・関連記事 → 『植えたばかりの水草に黒点が・・・病気でしょうか?』
使い方(設置時)
① 洗わずに水槽に敷きます(厚さ5cm以上がお勧めです)。
※(注記) この際、状態の良い水槽の底床を種砂として混入することで、
浄化バクテリアがすぐに繁殖し、環境がスムーズに立ち上がります。
② ソイルの上に発泡スチロール板等を置き、その上に注水します。
こうしないと、まき上がったソイルによって水が濁ってしまいます
③ 元気な水草を底床全体に植栽します。
すぐに底床全体に水草を植栽し、根を張らせることで
良い浄化バクテリアが定着し、生きた底床となります。
④ 初期の内は、ソイルから溶出した余剰養分によって、
コケが大発生することがあります。その場合、ヤマトヌマエビ等の
コケ食い生物を入れ、高頻度の換水を行う事で改善できます。
メンテナンス
・ヘドロ等が沈殿し、底床の通水性が低下すると水草の生長が
悪化します。底床クリーナーでヘドロを除去することで改善できます。
・関連記事 → 『底床クリーニング』
・ソイルの養分が抜け、水草の生長が悪くなったら寿命です。
底床肥料を追肥する方法もありますが、寿命を迎えたソイルは
水質調整力も低下しているので、交換がベストです。
備考
・ソイルは製品(銘柄)により特性が大きく異なります。
ソイルには大きく分けて水草育成用の通称"栄養タイプ"と
魚やエビの飼育等に使われる"吸着タイプ"があります。
前者は十分な養分が含有されており、水草育成に向いています。
後者は貧栄養型で水草育成には不十分ですが、コケの発生が
ないといったメリットがあります。
さらに、"栄養タイプ"の中では、"養分を豊富に含んだ製品"も
あれば、"すぐに痩せてしまう製品"もあります。"潰れやすい製品"
や"潰れにくい製品"、"pHをよく下げる製品"・"中性を維持する
製品"等もあります。
また、地域の水道水の水質との相性もあります。
これらの特性は、商品の良し悪しではなく、使用目的別のバリエー
ションと言えます。
購入時には、水草に詳しいショップにて水草育成用におススメの
製品について相談すると良いでしょう。
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