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カテゴリ:人魚姫の恋 > 平凡なマーメイド

つくしは豪奢なビルを見上げた。横にいた社長があまりに巨大で豪華なビルに圧倒されているのがわかる。周りを見渡せば営業部長や、長年一緒に働いていた営業の先輩まで微かに青ざめていた。「一番いいスーツで良かった...!」そう呟く先輩に皆が頷き、つくしも自分の服装をチ ...

「...い、おい!起きろ!」 揺さぶられて、深い沼から急に引き上げられた。いい気持ちだったのに。まだまだ起きたくない。「営業時間外でふ...」「起きろって!」「...ただいま閉店中...、またのお越しを...」「おい!朝から冗談言ってんじゃねぇ。」渋々、つくしは起き上がった ...

夢を見ていた。温かいお湯に浸かってプカプカ浮いてる夢。ぬくい〜気持ちいい〜 出たくない〜ゆらゆらゆらゆら。ぷぷ、幸せな夢っていーな。あったかーい。ん?お風呂の夢って...トイレに行きたいんだっけ。じゃあもうすぐ目が覚めちゃうの?気持ちいいーやだやだやだ起きた ...

会議、視察、会食、会議。今日だけでいくつ予定をこなしたんだよ。毎日毎日、まったくこき使うよな。ジロリ、と前に座る秘書を睨んだが書類から目線をあげず黙々と読んでやがる。(こいつ、本当に喰えねぇよな。)夜中の1時を過ぎた。流石に今日は頭が重い。こめかみをきゅう ...

カジュアルフロアから、スーツが並べてあるフロアへ入っていく。ふわー。なんか、もう。スーツが綺麗。シャツや小物まで綺麗なんだもん。2着でいくらも凄くいいんだけど、これはもう...そう、勝負スーツだ。布をそっと触る。...あいつがいつも着てるスーツみたい。めちゃくち ...

「手洗ってくるわ。」つくしは粉のついたエプロンを見下ろし、手でパパッと払った。お腹がぐーっとなる。「待っててくれたんだろ、わりぃ。」「あ、ううん。」ジャケットを受け取り、ハンガーに掛けに行く。あいつが手を洗いに行ったのを確認して...ドアの陰で大きなジャケッ ...

ふいに目が覚めた。お気に入りの毛布を顔まで引き上げて、暖かさを堪能する。あー...。ぬくぬく大好き。また目を瞑ってみたけど...残念。目が冴えてしまった。新しいセミダブルのベッドはふかふかで、でもしっかりとした造り。前のパイプベッドの時より起きた時が身体が楽にな ...

司はネットで調べていた。「お返しなら...有名な店のスイーツ...、限定のホワイトデーギフトBOX...なんだ、菓子ばっかりだな。...あんまり重たいのはNG...。重たい?重たいって何だよ。」コホン、と目の前にいる男が咳をした。「気持ちだけでいいという事でしょう。高価なものや、 ...

世の中の流れやイベントは、自分には関係ないと思ってた。海外では半年も前からクリスマスの準備を始めるし新年やバレンタインも盛り上がる。だから何だ。記念日や祝日ほど朝から晩まで仕事をした。考えないように。思い出さないように。あいつが今、誰といるか何て。真っ ...

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