(公社)応用物理学会九州支部は2023年に発足70周年を迎えました。70年の長きに渡って地域に根ざした学会活動を目指し、発展的な活動を継続できたのは、ひとえに応用物理学会九州支部会員の皆様の支えだけでなく、応用物理分野に対する社会の期待によるものと思います。
支部活動の大きな柱として地域連携が挙げられます。次世代の科学者・技術者を目指す子供たちを育てようと九州支部が約30年前に始めた「リフレッシュ理科教室」は、応用物理学会が全国的に力を入れる事業に発展し、継続中です。また、支部は数年前に発足した「九州地区学生チャプター」および「九州地区若手研究者チャプター」との有機的連携も行い、学生から若手研究者まで、地域の特性を致した教育と人材育成の活性化を推進して参ります。さらに、支部学術講演会における技術展示会などを通して、地域産業との連携をより強化することにも取り組んで参ります。
一方、九州支部は約10年前からアジアへの玄関口としての立地を生かした支部活動の国際化に取り組んできました。支部学術講演会国際セッションを2014年度に新設、2016年度にはアジア応用物理学会議(Asian Applied Physics Conference: Asian-APC)へと拡大し、2025年度には第10回を迎えます。 当該会議の運営には、韓国物理学会応用物理部会ならびに同Busan-Ulsan-Kyungnam支部をはじめとする海外のカンターパートからの協力を得て、支部に国際化委員会を置いて活性化を図っています。
大学などを取り巻く教育・研究環境が厳しくなっていく中、このような支部の活動を継続・発展していくには、多くの皆様に参加していただけるような環境づくりも重要と考えています。皆様の種々のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
公益社団法人 応用物理学会九州支部 支部長
堀江 雄二(鹿児島大学)