オモシロ体験 !
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梅とお茶と笑顔が迎えてくれる山里へ

2018年10月10日

      ロマントピア月ヶ瀬 【奈良市】

      体験の魅力を紹介

      空気がここち良い絶景の中の体験スポット

      雄大な自然と、渓谷沿いを彩る春の梅の花の美しさで知られる月ヶ瀬。梅のシーズンには多くの観光客が訪れ、大変な賑わいを見せます。そんな観光客の皆さんを温かくお迎えし、観光拠点として活用していただこうと、月ヶ瀬の住民たちが協力し合って生まれたのが「ロマントピア月ヶ瀬」です。運営に携わるのはお茶作りを主体とする専業農家が中心で、観光とは無縁の人たちばかりでしたが、月ヶ瀬を訪れる方々のために、そして、地域の活性化への想いを込めて、さまざまな取り組みを行っています。なかでも、近年人気が高まっているのが多彩な体験教室。講師やサポートを全て地元の人たちが担当するなど、そのアットホームな雰囲気が喜ばれ、リピーターもどんどん増えています。
      近くには「梅の郷月ヶ瀬温泉」があり、京都や三重からも近いことから、この辺りはアウトドアスポットとしても賑わっています。そこで、ロマントピアでは平成28年春、RVパークをオープン。大自然の中に車を止めて、車中泊ができる施設も設けました。トイレ、水道があり、電気も使え、安心して過ごすことができることから人気が高まっています。

      大人も子供も楽しめる茶摘み体験

      ロマントピア月ヶ瀬の設立当初から行われている茶摘み体験。シーズンは、5月の初茶から始まり、二番茶、秋茶と年に3回あります。取材に訪れたこの日は、今年最後の秋茶のシーズン。体験にやって来たのは、奈良の友人宅を訪れた兵庫と愛知の女性お2人。奈良に来ると月ヶ瀬の自然を満喫しに訪れるそうで、ロマントピアでは過去に梅シロップ作りも体験されたとか。
      今回お2人をご案内するのは、ロマントピアで企画運営を担当する遠嶽(とおたけ)さん。歩いて15分ほどの場所にある緑まぶしい茶畑に到着すると、まずは茶摘みのコツをお勉強。上の方にある新芽を軽くつまんで引くと自然にプチっと摘みとれるポイントがあります。ここがおいしいお茶になる部分で、この新芽だけを集めたお茶が高級品となります。
      茶摘みが終わると、ロマントピアの館長を務める巽(たつみ)さんが運営する製茶工場で、摘んだ茶葉を製茶してもらいます。実は、摘みたての茶葉はまだお茶の香りがしません。蒸したり、揉んだりしているうちに徐々に、おいしそうなお茶の香りがしてきました。指導にあたった巽さんも、体験に参加されたお2人も終始笑顔で、とても楽しい茶摘み体験になったようです。
      そして、最後は「紅茶づくり体験」にも挑戦!元は同じ茶葉なのに、製茶の方法によって紅茶の香りがしてくることが、とても不思議そうなお2人でした。

      笑顔いっぱい!体験風景写真館

      【体験した場所】ロマントピア月ヶ瀬
      【体験した人々】Hさん(兵庫県在住)、Sさん(愛知県在住)

      美しい自然と景観をつくるお茶畑

      新芽の摘み方を教わります

      畝になってるので、中は歩きやすい

      自然とおしゃべりが弾みます!

      おやっ、体験者を見つけた住民が手を振って歓迎〜

      摘んだ新芽を製茶工場へ

      お茶の香りに感動です

      紅茶づくり体験にも挑戦

      関係者の皆さんに聞きました

      ロマントピア月ヶ瀬について教えてください。

      平成8年、地域の活性化を目的に「農林漁業体験実習館」として設立されたのが始まりです。その名の通り、体験実習を柱にしており、茶摘み体験教室も設立当初からありました。月ヶ瀬は梅の花が有名で、シーズンになるとたくさんの観光客が来てくれます。そんな皆さんのために私たちも何かできないか、そしてそれを地域の活性化につなげられないか、と考えました。とは言え、ほとんどが専業農家で観光のことはまったくわかりません。そこで、ここを老若男女が集まり、気軽にコミュニケーションができる場所にして、月ヶ瀬のことをもっと知ってもらいたい、好きになってもらいたい、という想いで運営に乗り出しました。ここで働いているのは全員が地元で農業を営む人ばかり。その素朴さが、ロマントピアの魅力かも知れません。

      癒し系ばかりの皆さまです!

      体験教室に対する想いやこだわりは?

      ここには元々製茶工場があったので、体験教室もお茶摘みからスタートしました。ただ茶葉を摘むだけでなく、製茶して、最後は自分で摘んだお茶にして飲んでいただく。自然の中で味わえる体験が好評で、毎年来られるリピーターさんもできました。最近では、地元のJAさんにもご協力いただき、団体のお客様が大型バスで来られることもあります。ご家族や友人グループで来られる方も多く、年齢層は幅広いですね。誰でも気軽に体験できるところが魅力なのだと思います。
      お客様をお迎えする時は、アットホームな雰囲気で接することを心掛けています。講師やスタッフも地元の農家さんや主婦の方たちですから、地元の人との交流も楽しんでいただけたら嬉しいです。
      今後は、新しい体験教室も増やしていけたらと考えています。例えば、遊休農地を活用した農業体験とか。まだまだ研究している段階ですが、地元をもっと盛り上げていきたい、という気持ちは全員同じ。お客さんに喜んでいただきたいし、喜んでいただけることが私たちのやりがいになって、大きな充実感につながっています。私たち自身も、楽しみながらこの取り組みを続けていけたら良いですね。

      巽館長につられて体験者も笑顔がはじけます

      「夢っこ」について教えてください。

      「夢っこ」は、地元月ヶ瀬の農家のお母さん8名が活動する組織です。設立当初からのお付き合いで、体験教室やイベントなどがあれば、館内の食堂で食事を提供しています。また、こんにゃく作り教室では講師を務めることもあります。食堂では、うどん中心のメニューで、地元で採れた山菜や椎茸などをふんだんに使っています。オリジナルの「田楽うどん」も人気で、田楽のこんにゃくはもちろん、私たちの手作りで、田楽味噌も自家製なんですよ。
      年末・年始と、観梅シーズンは特に忙しく、年末から春にかけては、ほとんど毎日ここに来ています。本業の農業もあり大変ですが、ロマントピアの皆さんと一緒に働くのは本当に楽しいですし、お客様とのコミュニケーションも私たちの充実感につながっています。いつも笑顔でいることを心掛け、もっとたくさんの方に喜んでいただけるように、これからも頑張っていきたいです。

      「夢っこ」の福永さん(左)と小西さん(右)

      関連情報

      創立からずっと館長を務める巽さん

      まとめ役として奮闘する小西理事長

      遠嶽さんは奈良市地域おこし協力隊として参加

      事務担当の仲谷さん(左)とSNS・HP担当の井上さん(右)

      関西で4カ所しかないRVパークも人気

      ゆったりとくつろげる名物のいろり

      主催者ロマントピア月ヶ瀬
      場所〒630-2303 奈良市月ヶ瀬長引707-10
      実施時期(1)初 茶:5月上旬(10日頃)〜下旬
      (2)二番茶:6月末〜7月下旬
      (3)秋 茶:9月末〜10月下旬頃
      (注記)生育状況により時期は前後します。
      体験日はお問い合わせください。(*要予約)
      時間:9時半〜13時(うち1時間乾燥)
      定員10人まで
      料金大人2,000円(1人)、小人(小・中学生)1,600円(1人)
      その他のメニュー梅の実採り、こんにゃく作り、餅つき、炭焼き、他
      (注記)メニューによって実施時期・料金等は異なります。
      お問い合わせ先TEL:0743-92-0810
      アクセス・公共機関/JR「奈良駅」・近鉄「奈良駅」から石打行き奈良交通バスで約1時間10分、
      「尾山」下車、徒歩約20分
      ・自動車/名阪国道「五月橋IC」「治田IC」「白樫IC」から約7km
      開館日水、土、日曜日 (注記)梅まつり期間中(2月下旬〜3月いっぱい)は毎日開館
      開館時間9時〜17時
      (注記)記事の内容は取材時のものです。[取材日]平成30年9月29日、10月8日

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