過去に奈良県で発生した土砂災害

十津川大水害

明治22年8月に、「十津川大水害」と呼ばれる大水害が発生しました。南海上の台風が日本付近に停滞している秋雨前線に接近したため、18日から19日にかけて、和歌山県から奈良県南部の範囲に24時間降水量1,000mmを超える雨が降りました。

この大雨により、洪水被害や深層崩壊を含む土砂災害が多発し、奈良県で死者249名、全壊565棟の甚大な被害となりました。

災害後、上記の被害により十津川村での復興が困難な状況であったため、2,691人もの十津川村の被災者が北海道に集団移住し、新十津川村(現:新十津川町)をつくりました。

明治十津川大水害による被害

十津川大水害による被害(左:奈良県吉野郡十津川村大字林(おおあざはやし)、右:奈良県吉野郡十津川村重里(しげさと))
(出典:宇智吉野郡役所『明治二十二年 吉野郡水災誌』)

伊勢湾台風

昭和34年9月には、大型で強い勢力をもつ伊勢湾台風(台風15号)が発生し、全国で5,000名近い死者・行方不明者を出しました。

奈良県では、この台風の影響により、熊野川流域で25日から26日にかけて48時間(2日間)降水量600mmを超える雨が降り、浸水被害が発生しました。その結果、県内で死者88名・行方不明者25名、全壊795棟・半壊1,598棟となる戦後最大の被害となりました。

伊勢湾台風による被害

伊勢湾台風による被害(左:奈良県吉野郡川上村井戸(いど)、右:奈良県吉野郡川上村大迫(おおさこ))
(出典:川上村『村史最大の惨禍 語りつぐ伊勢湾台風』)

紀伊半島大水害

平成23年の8月30日から9月4日にかけて、大型でゆっくりとした動きの台風12号の影響により、奈良県上北山村(小橡(ことち))では総降水量2,400mm超を記録する雨が降りました。

この大雨により奈良県内では、南部を中心に約1,800箇所で土砂災害が発生し、このうち54箇所は深層崩壊と呼ばれる大規模な崩壊でした。その結果、死者14名・行方不明者10名、全壊49棟・半壊69棟に及ぶ甚大な被害となりました。また、崩壊や浸水などにより道路が寸断され、十津川村では一時全村が孤立するなどの被害が発生しました。

紀伊半島大水害による被害

紀伊半島大水害による被害(左:奈良県吉野郡十津川村栗平(くりだいら)地区、右:奈良県吉野郡十津川村長殿(ながとの)地区)

深層崩壊の現象とその被害についてはこちら → 「深層崩壊

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