大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とその子会社 Taiho Oncology, Inc.(本社:米国ニュージャージー州、President & CEO:Timothy Whitten、以下「大鵬オンコロジー」)は本日、強力な寛解導入療法が適さない成人の急性骨髄性白血病(AML)患者さんに対する、INQOVI (decitabine-cedazuridine 、以下「本剤」)とvenetoclax併用療法の適応追加申請(sNDA)を、米国食品医薬品局(以下「FDA」)が通常審査で受理したことをお知らせします。FDAは、審査終了目標日(PDUFA action date)を2026年2月25日としています。
この適応追加申請は、AMLを新たに発症し、強力な 寛解導入療法が適さない101名の成人患者さんを対象に行われた本剤とvenetoclaxの併用療法に関する第IIb相試験(ASCERTAIN-V試験)の結果に基づいています1。
本剤は、米国で骨髄異形成症候群(MDS)および慢性骨髄単球性白血病(CMML)の治療薬として承認されている経口投与可能なDNAメチル化阻害配合剤です2。
米国では2025年に約22,000人が、血液と骨髄のがんであるAMLと診断される見込みです3。これらの患者さんのうち約半数以上は、強力な寛解導入療法が適さないと考えられます 4。
大鵬オンコロジーの最高医療責任者であるHarold Keer MD, PhDは「当社は揺るぎない熱意をもって、がん治療における革新的な新薬の開発に取り組んでいます。今回、INQOVIとvenetoclax併用療法の適応追加申請がFDAに受理されたことは、AMLにおける新しい治療選択肢の必要性を浮き彫りにするものです。強力な寛解導入療法の適さないAMLの患者さん向けに、INQOVIとvenetoclaxの併用が承認されれば経口薬のみからなる初めての治療選択肢となります。」と、述べています。
本試験では1治療サイクル28日として、INQOVI を1日目から5日目まで、venetoclaxを毎日投与しました。フォローアップ期間の中央値は11.2カ月でした。完全寛解(Complete response:CR)率は46.5%(n=47)で、主要評価項目を達成しました。副次評価項目については、本試験では、CRおよび血球数の回復が不完全なCRの合計が63.4%(n=64)でした。全生存期間中央値は約15.5カ月でした。12カ月の時点では、奏効持続期間の中央値には達しておらず、CRを得られた患者さんの75%以上がCRを維持していました。安全性における新たな懸念は報告されませんでした。グレード3以上の有害事象の発現率は98%(n=99)でした。主な事象は、発熱性好中球減少症(49.5%)、貧血(38.6%)、好中球減少症(35.6%)でした。本剤とvenetoclaxの薬物相互作用は確認されませんでした。本剤の初回投与から30日および60日の時点で、有害事象または疾患進行に起因する死亡率は、試験参加者のそれぞれ3%(n=3)および9.9%(n=10)でした。 この結果は、2025年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および2025年の欧州血液学会(EHA)年次総会で発表されました。
※(注記)ASCERTAIN-V: AStx727-07: decitabine + CEdazuRidine TreAtment IN AML, adding Venetoclax
本剤は、decitabine(米国で承認済みのDNAメチル化阻害剤)とcedazuridine(シチジンデアミナーゼ阻害剤)5を組み合わせた経口の配合剤です。腸および肝臓においてシチジンデアミナーゼ6を阻害することで、本配合剤はdecitabineの5日間経口投与がdecitabineの5日間静脈内注射投与と同等の全身暴露を達成できるように設計されています。
大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫関連疾患」の2領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを 支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jp をご参照ください。
大鵬オンコロジーのミッションは、がん患者さん、そのご家族そして介護者の生活を改善することです。同社はさまざまながん種に対する経口抗がん剤の開発と販売に注力しています。
大鵬オンコロジーは固形がんおよび血液がんをターゲットとする低分子の臨床候補化合物の強固なパイプラインを持ち、さらに前臨床段階においても候補化合物も有しています。大鵬オンコロジーは、大塚ホールディングスの一員である大鵬薬品の子会社です。米国ニュージャージー州プリンストンに本社を置き、大鵬薬品のヨーロッパ(スイス連邦、ツーク州)とカナダ(オンタリオ州オークビル)における事業運営を統括しています。
大鵬オンコロジーの詳細については、https://www.taihooncology.com/usをご参照ください。
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