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石破首相、続投宣言 自民歴史的大敗で党内から退陣論も 少数与党でも「やる」居座り延命

[ 2024年10月28日 04:30 ]

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Photo By スポニチ

衆院選は27日、投開票され、自民党は大きく議席を減らし、公明党と合わせた与党で過半数を割る見通しとなった。派閥裏金事件を受けた歴史的大敗。非公認候補側への2000万円支出問題も影響した。自公で過半数を割れは、民主党政権が誕生した2009年以来15年ぶり。立憲民主党は180議席をうかがう勢いで、与野党が伯仲。1日に就任したばかりの石破茂首相は勝敗ラインを「自公で過半数」としており、党内から早期退陣論が出てきそうだ。

政権復帰した12年以来、4回連続で単独過半数を確保してきた自民党。選挙前の256議席から激減し200議席を割り込む可能性が出ている。裏金候補の公認問題で旧安倍派を中心に首相への不満が募っており退陣論が強まるのは必至。

進退について「最後まで票が開いていないので、口にすべきではない」と言及を避けた首相。関係者によると、「野党中心の政権では日本の政治、経済は混乱する」との思いを強くしており、少数与党になったとしても、続投する意向を周囲に示したという。退陣していれば、終戦直後の東久邇宮稔彦内閣の在職日数54日を抜いて、歴代内閣で最も短命になるとみられていた。

首相は、大敗の理由について「政治とカネの問題について理解をいただく努力が足りなかった」などと険しい表情で振り返った。はしご出演した報道特番で繰り返し問われたのが2000万円の支出問題。「法的には問題ない。我が党の政策をご理解いただくには、当然それなりの費用が必要」と説明し、世論とのずれを露呈した。

民意を無視するように居座りを決め込む首相。しかし、政府関係者は来夏に都議選と参院選があることを踏まえ「通常国会前の年内退陣の可能性は大。越年しても、来年度予算成立後の春の退陣を迫られる予算花道論が高まるのは不可避」と指摘。いずれも戦後最短となる、就任から8日後の解散、26日後の投開票という党利党略選挙を仕掛けた末、短命内閣に終わりそうだ。

選挙を取り仕切った森山裕幹事長は、責任論について「(結果を)謙虚に真摯(しんし)に受け止めたい」と述べるにとどめた。辞任は不可避とみられる。調整能力に優れた森山氏を欠けば、政権はさらに弱体化していく。

自公過半数割れを見据えて、政権内で画策されているのが、日本維新の会や躍進した国民民主党の抱き込み。自民党関係者は「両党は憲法改正などで方向性が近い。しかし、来夏参院選を控える中、両党が連立に入るのはハードルが高い」とし、政策や法案ごとに協力を求める「パーシャル(部分)連合」を模索していくだろうとの見方を示した。しかし、馬場伸幸、玉木雄一郎両代表ら両党幹部は選挙戦で「政治とカネ」問題の対応に後ろ向きな自民党批判を繰り返しており、協議は難航するとみられる。

自民党は94年に村山富市社会党委員長(当時)を担ぎ「自社さ政権」を樹立しており、永田町では、玉木氏を首相候補として担ぐウルトラCも取り沙汰される。しかし、維新がへそを曲げ、協議がご破算になるとして否定的な声も出ている。

一方、党選対関係者は「立民も維新、国民に触手を伸ばしているようだ。自民との取り合いだ」と指摘。立民・維新・国民の3党などで多数となれば、自民党は政権から陥落。細川連立政権が樹立された93年、民主党政権誕生の2009年に続いて3度目となる。与党関係者は「この3党では基本政策で大きな隔たりがある。まさに野合だ。国民には到底理解されない」と期待を込めるように話した。


≪他には...非公認候補の追加公認 野党議員の一本釣り≫

パーシャル連合以外で議席の上積みを図る自民が取る策として有力なのが、非公認候補の追加公認だ。9日の立民・野田佳彦代表との党首討論で、石破首相は「主権者たる国民が代表者としてふさわしいと判断した場合、公認することはある」と追加公認を否定しなかった。保守系無所属の取り込みを含めて落としどころを探っていく可能性はある。

さらなる一手として考えられるのが、立民などの野党議員の一本釣りだ。キーマンとなるのが歴代最長1534日間国対委員長を務めた森山氏。長年の国会論戦を経て、野党を含め政界に広く顔が利く。森山氏の人脈が政権維持には必要となりそうだ。

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