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マウンドで「無心、無心、無心...」ソフトバンク・尾形崇斗が来季へ掲げる"100マイルの誓い"

[ 2024年11月29日 07:00 ]

ソフトバンク・尾形
Photo By スポニチ

来季のブレーク候補として首脳陣も期待している。ソフトバンク・尾形崇斗投手(25)が大きな経験を積んだ1年を送った。レギュラーシーズンは12試合に登板して2勝0敗、防御率2・31で3ホールドも記録。9月以降は9試合に登板して自責点0で、8回2/3で被安打4、無四球、12三振も奪って4年ぶりのリーグ優勝に貢献し、DeNAとの日本シリーズの舞台にも立った。

育成選手として入団。1年目からオーバーワークで疲労骨折するなど、とことん突き詰める努力家としても知られる。練習量もさることながら、取り組み方やアプローチも面白く、興味深い。元サイ・ヤング賞右腕として昨季DeNAでプレーしたバウアーの会社が開発した投球用アプリを自力で取り入れてみたり、脳が「同じ動きを繰り返すと逆に崩そうと働く」との話を聞くと、あえて違和感を生むためにタテ閉じと横閉じのグラブをカードごと交互に使った。

シーズン終盤に見せた"無心投球"もファンの間で話題を呼んだ。「なぜ自分は力んだり、ボールを引っかけたりするんだろう」と考え、本当の「無」になるためにマウンド上で「無心、無心、無心...」とつぶやき続けたのだ。

そんな右腕は来季にどのような姿を目指すのか。「今年の(直球の)平均球速が大体95マイル、153キロくらいでした。それを97マイルにすること。それに必ず、100マイル(およそ161キロ)を達成したい」と青写真を描く。「今年の最速は158・5キロで、(昨年の契約更改で目指すと)宣言していたのに届かなかった。武器である直球の質を落とさずに、スピードを上げていきたいと思っています」と言葉に力を込める。すでに動作解析でフォームの問題点は把握しており、今オフは上半身の瞬発系の動きに重点的に取り組む意向だ。

メンタル面の考え方などは話を聞くたびに興味を引く。まだまだ潜在能力を発揮していない右腕の、25年シーズンに注目したい。(記者コラム・木下 大一)

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