-1-第13回点検検証部会 議事録
1 日 時 令和2年1月23日(木)10:00〜11:56
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
津谷 典子(部会長)、佐藤 香(部会長代理)
、川﨑 茂、神田 玲子
【 臨 時 委 員 】
成田 礼子
【専 門 委 員】
篠 恭彦(一般社団法人日本能率協会審査登録センター専任審査員)
西 美幸(アビームコンサルティング株式会社公共ビジネスユニット
シニアマネージャー)
【審議協力者】
内閣府、総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、
国土交通省、埼玉県、東京都
【事務局(総務省)】
岩佐大臣官房審議官、小森大臣官房審議官
統計委員会担当室:櫻川室長、柴沼次長、神棒補佐
政策統括官(統計基準担当)付:金子統計審査官
4 議 題
(1)一斉点検結果を踏まえた個別統計の改善状況について
(2)PDCAサイクルの検討状況について
(3)その他
5 議事録
○しろまる津谷部会長 おはようございます。今日は雨にもかかわらず、お忙しい中おいでいただ
きありがとうございます。
定刻になりましたので、ただ今から第 13 回点検検証部会を開催したいと思います。部会
構成員の皆様におかれましては、御出席大変ありがたく思っております。よろしくお願い
いたします。この部会の部会長を務めさせていただきます、慶應義塾大学の津谷と申しま
す。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は議事次第にもありますように、一斉点検結果を踏まえた個別統計の改善状況、そ
して、もう1つはPDCAサイクルによるガバナンスの確立に向けた検討状況、この2点
について審議をさせていただきたいと思います。-2-まず、事務局から報告説明を求めました上で、今回本部会としての見解などを審議し、
まとめていきたいと思っております。
それでは、事務局から議事に沿いまして配布資料の確認をお願いいたします。
○しろまる神棒総務省統計委員会担当室室長補佐 では、お手元の資料について、御確認をお願い
いたします。今回はメインの資料が2つ、参考資料が3つとなっております。
まずメインの資料ですが、資料1が一斉点検結果を踏まえた個別統計の改善について、
資料2がPDCAサイクルによるガバナンスの確立についてになります。
参考資料ですが、
参考1が点検検証部会構成員名簿、参考2が統計委員会令の第2条を抜粋したもの、それ
から、参考の3が基幹統計に係る事案の対応状況になっております。
資料の確認は以上となりますが、不足などがありましたらお申し出ください。よろしい
でしょうか。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。議事の審議に入ります前に、今回は昨年10月に発
足した第7期統計委員会における初回の点検検証部会となりますので、本部会に所属する
構成員の皆様の確認、御紹介、そして、部会長代理の指名などの手続きを行いたいと思い
ます。本部会につきましては、第142回統計委員会において、北村委員長から参考1に示さ
れておりますように、私、津谷が部会長に、川﨑委員、神田委員、佐藤委員、成田臨時委
員、篠専門委員、西専門委員が部会に所属するよう指名を受けております。
それでは、初めて顔合わせされる方もおられると思いますので、御出席の構成員の皆様
から簡単な自己紹介と、もし事務局に望むところ、御提言、お考えなどがありましたら、
参考1の「部会構成員名簿」の順に御発言をお願いしたいと思います。では、川﨑委員か
らお願いいたします。
○しろまる川﨑委員 それでは、一言申し上げます。私、日本大学の川﨑と申します。どうぞよろ
しくお願いいたします。
私、昨年はこの点検検証部会で1年間、かなり密な審議に加わっておりました。おかげ
さまで昨年のうちに提言や建議等もまとまって、ややほっと胸をなでおろしているところ
です。そのプロセスを通じまして、私自身もまた皆様とともにいろいろな教訓を学ばせて
いただいたと思っております。その教訓をまた今年に入りまして新しいこの部会で生かし
ながら、今度は少し落ちついて審議ができればうれしいと思っています。どうぞよろしく
お願いいたします。
○しろまる津谷部会長 どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、神田委員、お願いいたします。
○しろまる神田委員 NIRA総合研究開発機構で理事・研究調査部長をしております神田と申し
ます。よろしくお願いします。
本部会については、やはり統計の質をどう高めていくかというのが大きな目的だと思っ
ております。それは最終的に何のためかというと、やはり利用される統計ということで、
政府においてはEBPM、最終的には政策の質をどう高めていくのかというところに最後
は集約されるのだと思います。そういう意味で、EBPMという観点から統計の本部会で
の議論を位置付けるとどうなるのだろうかと、そういうことを常に念頭に置きながら議論-3-に参画をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○しろまる津谷部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、佐藤委員、お願いいたします。
○しろまる佐藤委員 東京大学の佐藤香と申します。
大学では、社会調査・データアーカイブ研究センターというセンターを運営しておりま
して、そこの責任者を務めております。社会調査を自分自身でも行っておりますが、そう
した経験から完全にミスのない調査データというのは存在しないと考えております。
ただ、そのミスが軽微なものであれば、大勢を読み解くには問題ないわけですが、それ
がある程度を超えると全く誤解を与える結果をもたらしてしまう、そういったグレーゾー
ンがありますが、公的統計は限りなくミスのないものを求められておりますので、その担
当、携わっている皆様の重圧は、いかばかりかと思いますが、その中でできるだけ質の高
いデータを、調査を行っていただけるようできるだけ助言を差し上げたいと考えておりま
す。
よろしくお願いいたします。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
それでは、成田臨時委員、お願いいたします。
○しろまる成田臨時委員 EY新日本有限責任監査法人の成田と申します。日本公認会計士協会東
京会の副会長もさせていただいております。
昨年、総務省から日本公認会計士協会に要請があって、私が参加させていただくことに
なりました。学会も日本監査研究学会の監事をさせていただいておりまして、また内部統
制研究学会も昨年の9月まで監事をさせていただいております。それは引き続き会員では
ありまして、そのほか学会に5つぐらい入っているのですが、公認会計士の視点から何か
お役に立てればと思います。どうぞよろしくお願いします。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、篠専門委員、お願いいたします。
○しろまる篠専門委員 日本能率協会でISOの専任審査員をしております篠と申します。品質や
環境、情報セキュリティといった幾つかの規格があるわけですが、その審査員をしており
ます。同時にISO20252という市場世論、社会調査、それに最近加わりまして、インサイ
トデータ分析、
そういう市場調査、
調査に関する規格の審査もさせていただいております。
専門分野でも調査をかなり実施しておりましたが、市場調査会社のQMSと20252の審
査をする中で、公的統計調査の受託をしている会社も複数審査をさせていただいて、彼ら
の考え方などもお聞きをしている立場です。この中では、ずっと調査の品質ということを
考えてきております。調査の品質管理というところを効率性ということも考慮した上で、
助言なりお手伝いなりができればいいと思っております。よろしくお願いいたします。
○しろまる津谷部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、西専門委員、お願いいたします。
○しろまる西専門委員 私、アビームコンサルティングの公共ビジネスユニットに所属をしており
ます西と申します。どうぞよろしくお願いいたします。-4-私も、昨年、点検検証部会に1年間参加をさせていただいておりました。これまでは、
コンサルティング等の仕事の側面で、各府省の後ろで支援をさせていただくということが
多かったのですが、昨年の業務で横断的にいろいろな省庁の取組を見させていただいて、
私自身非常に勉強になるところがありました。
今年は、去年の点検検証の結果を受けて、より具体的に改善策をどのように現場の皆様
に浸透させていくかという重要な年になっていくと思っておりますので、より皆様が実行
しやすい、また効果が上がりやすい施策を検討するという点でお力になれればと思ってお
ります。どうぞよろしくお願いいたします。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。大変心強いメンバーであるかと思います。
私からも簡単に自己紹介させていただきます。私は慶應義塾大学経済学部の教員をして
おります。専門は人口統計学と計量分析法、多変量の解析その他です。仕事上、政府統計
にお世話になることも多く、国勢調査をはじめとしていろいろな政府統計データの質とい
うものに対して、大変関心を持っております。
ただ、以前の経緯などについて、いろいろと報告、説明を受けましたが、分からないこ
とも多々あり、不手際が多いかと思いますが、皆様の御助言と御尽力によりまして何とか
議事を進め、審議をしたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
川﨑委員をはじめ、お二人の専門委員には今までの経緯も含めまして、御自由にいろい
ろなことをアドバイスいただきたいと思います。ほかの構成員の皆様方も活発で積極的な
御発言、どうぞよろしくお願いいたします。
では、次に、参考2にありますように、統計委員会令第2条第5項におきまして、部会
長が事故などにより職務を遂行することできない場合、代理が必要であるとされておりま
す。
部会長代理の指名ですが、
私といたしましては佐藤委員にお願いしたいと思いますが、
いかがでしょうか。
○しろまる佐藤委員 ありがとうございます。お引き受けさせていただきます。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。では、佐藤委員、よろしくお願いをいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第の議題の1、「一斉点検結果
を踏まえた個別統計の改善について」です。本部会は毎月勤労統計調査の事案、これにつ
いては皆様もよく御存じかと思いますが、それを契機に設置され、公的統計に対する信頼
回復を図るため、統計委員会のいわゆる「再発防止策」案の建議の取りまとめにおいて中
心的な役割を果たしてきたという経緯があります。
この再発防止策では、全ての基幹統計調査及び一般統計調査を対象に実施した一斉点検
において、承認された調査計画との相違が確認されたものについて、所管府省が調査ごと
に改善を実施もしくは改善案を検討し、令和元年末、つまり昨年12月末までに総務省に報
告するよう求めております。
今回の部会では、総務省における改善案などの確認・取りまとめが完了したとのことで
すので、そのことについて報告を求め、本部会としての見解などを審議したいと思ってお
ります。
まず、事務局から説明をお願いいたします。-5-○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 それでは、事務局から御説明を申し上げます。資料
1を御覧ください。
一斉点検結果を踏まえた個別統計の改善につきまして、1ページに昨年行いました基幹
統計及び一般統計調査の調査計画と実態との相違を中心に確認をした一斉点検の結果をま
とめております。
この結果を踏まえまして、2ページ目から3ページ目にかけまして、昨年の統計委員会
において取りまとめられた再発防止策では、一斉点検で報告のあった事案については、ま
ず結果数値の誤りなど計画の変更を要しないものは速やかに改善すると、結果数値の誤り
であれば結果数値の訂正などをし、その結果を速やかに公表することを求めているところ
であります。また、調査計画との間に相違が確認されたものについては、調査ごとに各府
省において改善案を検討し、
昨年末までに総務省に報告するとしていたところであります。
この2ページの(2)にありますとおり、総務省は各府省から報告された個別改善案の
内容を確認し、統計委員会に報告するとともに、その概要を公表するとされております。
それを受けまして、本日は全体的な状況を御報告し、御審議をお願いするというものであ
ります。
この部会は、公開のものですので、まさにこの審議をもって、ホームページに掲載する
ことをもって概要の公表にもなると考えております。
続きまして、4ページを御覧いただきたいと思います。事前に委員の皆様の御指導をい
ただきまして、改善案の整理の基準について、このようにしているところです。
まず、全体として大きく改善案が決まっているもの、それから改善案が決まっていない
もので分けた上で、改善案が決まっているものについては、計画変更をするか、あるいは
実務そのものの改善を図るかという二通りが主に考えられるわけであります。また、結果
数値の訂正などであれば、速やかにその解消を図るということになるわけですが、それら
が計画変更や実務改善を行ったものについては、それを行った上でさらに調査を実際に実
施したもの、これを「対応済み」と整理をしております。
それから、改善方針が確定し、その上で例えば調査計画の変更申請について、まさに総
務省に相談をしている、といった具体的な改善に着手をしているものを「対応中」に区分
をしております。
また、このほかに例えば周期が5年、10年といった、5年おき、10年おきに行われる調
査もあります。それにつきまして、5年先や10年先までそのままというわけにはいかない
ので、この機に各府省から、再発防止策の趣旨に沿って改善をするという報告をいただい
ております。それにつきましては、当然ながら実際の着手時期が調査周期の到来時などに
なるわけですが、「対応予定」という整理をしております。
このような整理に対して、改善案が決まっていないというものにつきましては、それ以
外のものということとなります。
なお、
1回限りの調査や今後中止を予定している調査につきましては、
今後がないので、
ここでは母数から外しています。
それでは、5ページを御覧ください。先ほど、御覧いただいた一斉点検で報告があった-6-調査につきまして、その影響度区分に応じて対応状況をまとめております。
まず、結果数値の誤りがあったものです。影響度区分でいうとIIIとIVにつきまして、毎
月勤労統計調査、これにつきましては、統計委員会で審議をされておりますが、その審議
を踏まえながら、
厚生労働省において過去の数値の推計作業などを行っているところです。
それからまた、昨年の本部会の重点審議の中で大阪府におきまして、現場の統計調査員の
不適切な取り扱いの事案が見つかったところですが、それらの結果を受けてさらに再集計
が一部発生しておりますので、そういったことを踏まえまして、現在「対応中」というこ
とであります。
その毎月勤労統計調査を復元推計として集計に一部使っている調査がありまして、厚生
労働省所管の一般統計2調査ですが、それにつきましては、毎月勤労統計調査のデータの
確定を待つ必要があるということで、「対応中」になっております。それ以外の調査につ
きましては、全て結果数値の誤りを訂正したものを公表済みということですので、これら
については「対応済み」と整理をしております。
また、影響度区分IからIIの手続き上の不備が見られたものですが、これにつきまして
は、基幹統計調査であれば「対応済み」と先ほどの基準に従って整理されるものが10、
「対
応中」と整理されるものが11、一般統計調査につきましては同様に「対応済み」と整理さ
れるものは52、
「対応中」と整理されるものが62、また、周期が長いなどの理由により「対
応予定」と整理されるものが15となっておりまして、それ以外のものは2調査という結果
となっております。
6ページを御覧ください。影響度区分のIII、IV、すなわち数値の誤りがあるものにつき
ましては、上の2つの四角におきまして整理をしております。中身につきましては、先ほ
ど御説明を申し上げたところです。
3つ目の四角です。手続き上の不備が見出された影響度区分I、IIのものについてです
が、先ほど数字を挙げましたとおり、改善案が方針として決まっているというものがほぼ
全てという状況でありまして、中でも「対応済み」、それから何らか着手をしている「対
応中」を合わせまして、約9割という状況です。また、「対応予定」が残りの1割を占め
ております。改善案が決まっていない2調査ですが、これにつきましては、次回調査の実
施時期が未定のいわゆる調査時期が一定の周期ではない、不確定の時期に調査を実施、あ
るいは、その時ごとに調査内容も決めていくようなもの。
それから、必要となる報告者数について、検討が必要だということで、まだ調査の内容
について検討しているという状況で、改善策が未定となっているもの、この2件だけであ
ったということです。
7ページを次に御覧いただきたいと思います。影響度区分IからIIのうち、特に件数が
多かった事案につきまして、どのような相違があって改善をどのように図っているかをこ
こで紹介をしております。
公表期日が遅れたというものについては、非常に数が多かったわけでが、その中にはこ
こにありますとおり、調査票の回収遅れとか、あるいはプログラムミスを事前に発見した
といったものも含まれております。ただし、公表が経常的に遅延していたものも数多く見-7-られたところではあります。
改善の具体例ですが、比較的遅延の程度が軽微なものについては、作成プロセスの管理
を行うなどして、調査計画どおりの公表期日で公表するよう見直し、そうでないものにつ
いては、計画そのものを見直すというものが多く見られております。
結果の利用に支障がないということであれば、
公表期日の若干の後ろ倒しを行う。
また、
そういった対応が難しいものについては中身を分けまして、速報など先に公表し、その上
で時間のかかるものについては後に回す形で全体を見直すといった形で改善を図っていた
だいております。
集計事項、これが2番目に多かったわけですが、これについては本当にもう誤記載と言
えるようなものもあります。
それから、比較的幾つか見られるものが、結果精度の面からクロスの集計ができないと
いうことがよくありますが、そのために一部公表を差し控えていて、そのことを集計表に
明示をしていないので、調査計画との間で相違となってしまうというもの。同様に、ニー
ズの低いものやほかの結果表から算出可能なものなどを公表していなかったといったもの
があります。
これらにつきましては一部未集計、未公表となっていた集計事項などを必要なものは追
加集計・公表し、それが先ほど申し上げたような事情で難しいというものについては、計
画の方を見直して集計事項を変更するという対応をそれぞれしております。
それから、調査期間関係、公表期日と違って、調査票の提出日や回収期間が、調査計画
に書いてあるものと実態が違っていたというものですが、これにつきましては、例えば公
表期日に影響がない範囲で調査票の配布・回収時期が遅延していたといったものも見られ
たところです。また、比較的何ケースも見られるものとしては、報告者負担軽減のために
提出期限を延期するといったようなことがあります。
これらにつきましては、手順の見直しなどを図る、あるいは調査計画の方を調査期間・
提出期限などを変更するとしております。中には1日ずれてしまったので、計画と相違が
生じてしまったものもありますので、計画の相違は1日なので次は頑張るとか、そういっ
たことを考えていくということです。
抽出方法ですが、何ケースもあったのは、母集団名簿を何年の例えば国勢調査を使って
いて、調査実務上、その年の国勢調査の母集団名簿を使うというのが現実的ではなくて、
最新の年の名簿が手に入ったとか、
あるいは調査手続き上は早く手に入ると思っていたが、
実際にはそれが難しかったので、その前の年の名簿を使ったとか、そういうことがあった
ため、計画に載っている母集団名簿と実態がずれてしまうというものがありました。
それから、層化抽出基準の変更で、調査計画より細分化して抽出を行ったというものも
見られました。これにつきましては、調査計画どおりの選定方法により抽出を実施する、
あるいは、計画の方の抽出方法の記載を直すという形で改善を図っております。今後はこ
の母集団名簿の記載の仕方等も工夫が必要ではないかということは考えられるところであ
ります。
公表方法のところですが、よく見られるのが、例えばインターネットで公表は実施して-8-いるものの、他方で印刷物についてはニーズがなくなっているので作らなくなっていたと
いうものがありました。その一方で調査計画の方を直してなかったので、調査計画と実態
とが相違してしまうというものであります。ニーズが乏しくなっているということであれ
ば、そもそも紙媒体の公表を廃止する、計画と違っている部分は計画の方を直すというこ
とが考えられるわけであります。
以上、全体として数が多くなっているのですが、こういう比較的細かなものもかなりあ
ったという事情があるということを留意いただければと思います。
続きまして、8ページです。この一斉点検結果を踏まえた個別統計の改善の今後の運び
ですが、「対応中」、「対応予定」の調査につきましては、改善に向けて引き続き具体的
な取組を推進していたき、検討中につきましても、2件しかないわけですが、それら調査
の具体的内容を確定したところで、ほかの調査と同様に改善に向けた方針を具体化してい
ただければと考えております。
その実施状況につきましては、再発防止策にありますとおり、その履行状況について総
務省における調査計画の変更承認の審査時や、基幹統計であれば統計委員会における施行
状況報告の審議などのときに確認をしていくことを考えております。また後で紹介いたし
ますが、再発防止策に沿いまして、各府省におけるPDCAサイクルを確立すべく政府内
で検討しております。令和2年度以降、そのPDCAサイクルを確立していきたいと考え
ておりますので、その中で各府省において改善を継続していただくということを考えてい
るところです。
続きまして、9ページ以降です。このように、点検の結果で調査計画との相違につきま
しては、各府省において改善を図っているということですが、今後に向けて同じような手
続き上の不備を数多く出さないようにしていく工夫が必要となっていくところです。その
ために再発防止策に沿いまして、総務省としても調査計画の記載の工夫や審査の重点化な
どを検討しているところですが、同時にそもそも先ほど、いろいろ軽微なものもあるとい
うことを申し上げましたが、非常に軽微な調査計画と実態との相違があるということであ
れば、計画の方を速やかに実態に併せて修正することで改善が図れるものも少なからずあ
るのではないかということが、今回の点検結果から考えられるところです。
その際、基幹統計の場合は、調査計画の変更につきましては、統計委員会による諮問・
答申を受けるという原則があります。ただ、軽微処理の基準が設けられております。中身
につきましては11ページにありますので、後で御覧いただければと思います。その軽微処
理の基準におきましても、必ずしも読めないような場合は、諮問・答申を受けるか、ある
いは委員長や部会長へ個別に御説明の上、了解をいただくということによって例外として
扱うということになります。ただ、この場合も委員長や部会長に一定の御負担をお願いす
ることになり、また、各府省にとっても委員長や部会長のスケジュールがなかなかとれな
いこともありますので、一定の期間はかかってしまうということもあります。そこまです
る労力に見合うのだろうかというのもあるのではないかということで、1つ課題提起とし
て以下整理をさせていただいております。
9ページには、今般の点検結果で見られた事例として2つ挙げております。-9-1つ目は、インターネット上で公表が行われていて、ニーズの乏しい印刷物については
もう作成しなくなっていたもの。ところが、調査計画にその旨が反映されていないので実
態と相違をしている状態になるというものです。
それから、2つ目の例は、集計事項については、今の計画の記載が非常に細かいことも
あって、その中で非常に規模の大きな調査の例ですが、市区町村別の集計は予定していな
いのに、予定しているかのように丸を付けたという誤記載をしてしまった場合も先ほど申
し上げたような手続きを経る必要がある、ということです。
さらに10ページには、似たような例として考えられるものもあるのではないかというも
のを挙げておりまして、例えば統計委員会の方針に従って調査票に法人番号欄を追加する
とか、あるいは母集団情報を最新時点に切り替えると機械的に数が変わってしまうとか、
今、軽微基準で災害の発生に伴うというものは書かれているのですが、災害に似たような
もの、例えば鳥インフルエンザや豚コレラの発生によって農水系の調査で大きな影響を受
けるような場合、対応をどうするかとか、公表予定日の軽微な変更、あるいは例7にあり
ますように、オンライン調査を統計委員会の方針として推進しているわけですが、その調
査方法を郵送に加える場合とか、そういったものが考えられるのではないかということで
挙げております。このあたりもこの点検を踏まえた今後の対応として、御審議を賜れば幸
いです。
長くなりましたが、事務局から以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 すみません、もう1点申し忘れました。
もう1点補足をさせていただきます。基幹統計につきましては、当部会におきまして一
度全体の対応方針などの状況を取りまとめていただくということがありますので、個別の
状況につきまして参考3にまとめております。字が少し細かくなりますので、説明は省略
させていただきますが、御参照いただければと思います。
失礼いたしました。以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
この資料の1、参考3、大変読みやすくて、簡潔に要点がまとめられており、審議にも
大変役立つかと思います。ありがとうございます。感想ですが、ただ今の報告と説明を受
けまして、全体としておおむね各府省における改善は着実に進んでいるのではないかと思
います。
ただ、その一方で、調査計画との相違として非常に細かい、少し具体的過ぎるような印
象を受ける点までが含まれていまして、例えば丸を付け忘れたとか、違うところに丸を付
けたとか、そういうことが相当数あるのではないかと思います。ヒューマンエラーは必ず
発生しますので、計画を提出する前に担当部署できちんと点検をしていただくというステ
ップを踏めば、後で後手に回ってその対応を迫られるということは比較的簡単に防げるの
ではないか、そのエラーのマージンを小さくすることができるのではないかという印象を
持ちました。
また、内容に応じて臨機応変に対応し、その結果、より早く改善を行えるような工夫を
-10-
することも必要ではないでしょうか。例えば、母集団情報として使うことが多いのは国勢
調査だろうと思うのですが、御存じのとおり国勢調査は日本に居住している全人口を調査
しますので、確定値が出てくるのにかなり時間がかかります。したがって、いろいろな人
口の属性の情報を使ってのクロス集計にも相当時間がかかります。そうすると、もし何年
の国勢調査を母集団として用いるとしてしまいますと、その確定値がまだ入手できない、
つまり利用可能でない場合が発生します。また逆に、今はインターネットが発達し、技術
的な革新が進んでおり、総務省も国勢調査をできる限り早く公表しようと努力をなさって
いますので、最新の国勢調査の情報が使えるようになる場合もあります。そういった場合
に何年の何と特定するのではなく、例えば利用可能な最も新しい情報、そのような国勢調
査を母集団とするなど、表現を少し工夫していただくことでより臨機応変かつ柔軟に改善
を行えるのではないか、そういう点もあるような印象を受けました。それでは、御説明の
あった点、今申し上げた点も含めて、これにつきまして確認しておきたい点、御感想、御
意見、その他御質問などありましたらお願いをいたします。
佐藤委員、それから篠専門委員、お願いいたします。
○しろまる佐藤部会長代理 ありがとうございました。今部会長がおっしゃった軽微な点に関して
は臨機応変な計画の対応というのに私も賛成しております。
その上で伺いたいのですが、影響区分IIIの数値の誤りがあった基幹統計が2つありまし
た。資料1の1ページの2調査、建設工事統計調査と小売物価統計調査という名前が挙が
っております。参考3に片方の建設工事統計については、事案の概要と対応状況の記載が
あるのですが、小売物価統計調査の方は記載がありませんので、この事案の内容と対応済
みとはなっていますが、改善状況について教えていただきたい。
それからもう1つ、細かい点ですが、建設工事統計ですが、概要に事業者からの報告内
容に誤記載があった。これで数値を訂正したという再集計を実施して数値を訂正したとい
うことですが、この事業者が報告するときに誤記載が生じてしまう。これは調査の仕方の
工夫も必要かと思うのですが、ただ数値を訂正するというだけではなくて、事業者に報告
を求める調査のときにどうやって誤記載をなくすための工夫をしたのかといったことを伺
わせていただければと思います。
○しろまる津谷部会長 非常に具体的かつ詳細な点ですので、まずこれについて審議した後で、次
に篠委員の御質問を受けたいと思います。
では、小売物価統計についての説明、記載、概要ですが、それについてはいかがでしょ
うか。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 まず、御質問の点につきましてお答えを申し上げま
す。
この参考3につきましては、基幹統計の点検ということで、報告のあった事案につきま
して整理をしております。他方で、一斉点検結果の概要ということにつきましては、点検
の対象外ですが、この部会の審議の中で各府省から報告のあったものも含めて入れるとい
う整理をしております。
具体的には、参考3の最後のページを御覧いただきたいのですが、小売物価統計、これ
-11-
につきましては、第1回の部会だったかと思うのですが、総務省から報告がありましたの
で、
直接的には我々の点検の範囲としているものには実は当たらないものだったのですが、
この部会の審議の中では数に入れるという形にして扱ったというものです。
中身につきましては、この参考3の4ページを御参照いただきたいと思います。
○しろまる津谷部会長 よろしいでしょうか。
○しろまる佐藤部会長代理 はい。
○しろまる津谷部会長 それでは、もう1つの建設着工統計につきまして、報告者、つまり事業所
が報告する段階で、もう少し対応に工夫ができるのではないかという御意見に対しまして
お答え、もしありましたらお願いいたします。国土交通省いらっしゃいますでしょうか。
では、お願いいたします。
○しろまる久保国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室企画専門官 国土交通省でご
ざいます。
建設工事統計で誤りがあった調査というのが、大手の約50社の建設事業者に受注額を聞
いている調査でした。間違えた原因が、
受注額を100万円単位で記載しなければいけないと
ころを、100万円の単位を見過ごして万円単位だと勘違いして2桁多くゼロを付けて回答
してきたというミスでありまして、こういった事例があったということをまずこの調査対
象者約50社に対して通知をしまして、回答の際にはこういう誤りがあったので今後気を付
けてくださいという通知を出しております。それがまず改善点として1つありまして、そ
れは事業者に対する報告で、先ほど御指摘があったところだと思います。
当省としての対応策としましても、チェックのときに前回や昨年度あたりの数値と当月
回答した数値が大きくずれている場合は、その事業者に対して数値が誤っていないかとい
うのを電話等で再確認するといったように、当省においてのチェック体制も変えていると
いうような対応をしているところです。
○しろまる佐藤部会長代理 分かりました、ありがとうございます。単位は100万円ですとかという
のも調査票に付け加えるともっとミスが減るかもしれないと思います。
○しろまる久保国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室企画専門官 分かりました。
ありがとうございます。
○しろまる津谷部会長 回答マニュアルではなく、できれば調査票そのものにアンダーラインでも
引いて注意喚起をなさるともっと良いのではないかと思います。もちろんマニュアルを読
んでくれることを期待するわけですが、できる限り回答者の負担を減らしながら間違いを
少なくする工夫が必要かと思います。ありがとうございました。
では、篠専門委員、お願いいたします。
○しろまる篠専門委員 多くの改善策が実施されているということで、御苦労おかけしているなと
思うのがまず1点目の感想です。質問が1つと、お願いが1つあります。
質問の1つは、資料1の7ページ目の内容に関してです。事案の態様の集計事項の一番
右の改善の具体例で、集計・公表が困難な集計表の削除・統合等を行う計画変更申請とい
うところで、集計・公表が困難というのは精度的な問題以外のものとしては、どのような
ものがあるのか。参考3で見ればいいのかもしれないのですが、どれかがよく分からなか
-12-
ったので、どういうことがあるのかというのが質問です。
それから、お願いですが、このページだけを見させていただくと、結果としてできるだ
け調査計画どおりに実施しますというところに収れんしているような気がします。全体の
方向だと思うのですけが、そのために、プラスアルファの作業が出ているものもあるので
はないか。例えば公表期日では改善の具体例の一番下のところ、新たに速報の公表を実施
するとか、それから抽出方法では督促を強化するとか、プラスアルファの作業が発生する
というのもやっています。必死でやっているということでそうなったのだと思いますが、
結果として無理が出ないのかどうか、問題が発生しないのかどうかが心配です。厳密にし
ようとすればするほど業務は増えていってしまうので、計画の変更というのは簡単ではな
いのかもしれないですが、作業を軽くする方向での検討をお願いしたい。
また、することになっているとは思うのですが、いろいろな改善策の実施がされたかど
うかの確認はされると思うのですが、その結果として問題がなかったかどうかのチェック
をお願いしたいということです。以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。それでは、先ほどの1つは御質問、そしてもう
1つは御感想、御意見です。御質問に対してお答えお願いいたします。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 まず集計・公表が困難な集計表、精度以外というこ
とですが、一番の典型例は事業所、企業向け調査でよくある例ですが、秘匿の観点からク
ロスしていくとサンプルがあまり多くなくて、かなり相手が分かってしまうというのがあ
ります。
○しろまる篠専門委員 秘匿の関係の問題がありますね。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 それから事業所、企業でいうと地域が特定されてい
て、かつサンプルが集まらなかったので特定されてしまうとか、そういったケースがあり
ますが、そもそもそういうのは無理があったのではないかとか、そういうのも含めてやは
り見直しをしていただくということかなと思います。
それから、もう1点いただいた御意見につきましては、事務局としてのとりあえず考え
を申し上げさせていただきますと、
まさに御指摘のような視点が重要と考えておりまして、
それぞれの調査の実態に併せてやるべきと考えられることを各府省にやっていただきたい
と考えておりまして、要するに今回はこれだけ調査計画と実態とに相違があったというこ
とで、一旦それは各府省としてもきちんと見直すということは必要ですが、ではその結果
として、それが本当に実態に沿っていたのか、ひょっとしたら調査計画が無理し過ぎてい
たのかもしれないというふうなことは確かにあるかもしれません。そういうことを調査ご
とにきちんと、特に各府省の責任のある者まで上げた上で判断をいただいて、何か調査計
画と乖離が一つでも出たらだめだとかそういうことではなくて、乖離が出たことはむしろ
改善のきっかけと考えていただいて、直していただきたいと考えています。
そのために、ちょうど御報告しますが、PDCAサイクルで点検評価というプロセスを
1つ新しく作ってそこでそういうのがなかったかどうかというのを各府省で見て調査計画
を見直すことについても、それも上まで上げて見直すという仕組みを各府省の中で定着さ
せていこうということを今取り組んでいるということです。
-13-
以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。このPDCAサイクルにつきましては、また後ほ
ど詳しく話し合いたいと思います。
一言付け加えさせて頂きますと、確かに調査計画は出してしまったら動かせないという
ことが前提になっています。一方、近年調査環境が大変悪くなってきており、調査の実施
及び集計にかけるマンパワーも限られておりますので、できる限り効率よく、また効果的
に調査をして、できるだけ良い情報をとることが本当に重要だと思います。
とはいえ、調査計画が簡単に修正できてしまうと、これは意味がなくなってしまいます
ので、調査計画を作成するときにその担当部局及び府省の中できちんと相談し、作成を慎
重にやっていただいて、いろいろなお考えがあるようでしたら、総務省とも相談いただく
ということが必要ではないかなと思いました。
では、さらに御意見、御質問ありましたらお願いいたします。まず川﨑委員、そして成
田臨時委員、そしてそれから神田委員、順番でお願いいたします。どうぞ。
○しろまる川﨑委員 ありがとうございます。今、両委員のやりとりを聞きながら、全く同感であ
ります。
最初に感想だけ申し上げて、1つだけ小さな質問申し上げたいと思うのですが、全体と
しましては、これまでの発生した問題に対しての善後策がきちんととられているという印
象を持ちましたので、この対応は結構なことだと思います。
ただし、対策がとられているという言葉の意味がいろいろなレベルで解釈できて、現行
制度の枠組みの中でやるべきことを善後策としてやったという意味で対策がとられている
という意味だと思うのです。
ただし、今日これまで議論が出ておりますように、問題を踏まえた、次のプランニング
に生かすという意味の対策はまだこれからだと思うので、それは今いきなり要望してもな
かなか難しいところもあろうかと思いますので、こういったことを踏まえて今後各府省で
対応していただけたらと思いました。それが感想です。
次に、細かなところで恐縮ですが1点だけ。そうすると、次のプランニングに生かせる
ような対応ができているのかどうかやや心配だと思ったのは、5ページ目の表の中の一番
右下のピンク色でマークされている「検討中」ですが、これはやることにしているのか、
やらないことにしているのかがよく分からないので、まだその時期ではないが、時期が来
たらやるという意思なのか、どういう意味なのかなというのがよく分からないので、もし
例えば次期の調査をやる時期が来たらもうきちんとやりますというのであれば、「対応予
定」と言っても悪くもないと思うので、これは少しボーダーラインがはっきりしてないだ
けではないかと思ったのですが、どういう感じなのか説明していただけたらと思います。
○しろまる津谷部会長 それでは、まずこの川﨑委員からの具体的な御質問につきまして、お答え
をいただきたいと思います。どうぞ、事務局お願いいたします。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 「検討中」につきまして、何度か各府省に確認のプ
ロセスを経ておりまして、その上である程度各府省にも御理解をいただいて、対応するも
のについては「対応予定」ということで整理をしていただいております。
-14-
「検討中」というものにつきましては、「対応予定」といってしまうとそもそも調査自
体の時期や中身がまだ確定していないので、少し言い過ぎではないかという各府省側の御
配慮があって、このような形になっているのだろうと我々としては受けとめています。
○しろまる津谷部会長 どうぞ。
○しろまる川﨑委員 よろしいですか。要するに次回やること自体もまだそういうことも含めて検
討中だから、対応等についても検討という。とにかくペンディング状態みたいなことだと
いうことですね。分かりました、それならば結構です。
○しろまる津谷部会長 これは一般統計調査ですので、そういうこともあるかと思います。
○しろまる川﨑委員 そういうことですね、分かりました。
○しろまる津谷部会長 御存じと思いますが、この「検討中」ということについてですが、対応す
るかどうかも決まらないという場合を示すという意図があります。これは今までも、やる
かやらないかを「検討中」という形でずっと課題として先送りされたという経緯がありま
すので、対応をするということを決めたのであるならば、それは「対応予定」として、そ
れがまだ決まっていなければ「検討中」に残すという基準であるかと思います。
○しろまる川﨑委員 分かりました。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。では、成田委員、お願いいたします。
○しろまる成田臨時委員 今回、いろいろ訂正案件があったと思うのですが、そういう背景として
は、チェック体制が少し不十分だったのではないかなと思っておりますが、調査計画を作
って、調査票を発送して回収して、その後統計を作って公表するまでのフローチャートと
があるのかどうか。そのときに承認体制、どこでどういう承認体制になっているというの
があるのかどうかの御確認と、あった場合に、今回の事例を受けて、どういうところを改
善されたのか、それを教えていただきたいと思います。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
では、
これに対するお答え、
大丈夫でしょうか。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 ありがとうございます。まさに委員の御指摘のよう
な視点を非常に重要と思っておりまして、昨年の再発防止策の中では、幾つかの統計につ
きましては重点審議という形でかなり業務フローまで遡ったような中身も部会において御
審議もいただきました。その結果も含めまして再発防止策の中では多くの調査の場合はマ
ニュアルをしっかりと、整理をされているのですが、特に一般統計調査の場合、我々が統
計として意識するようなものもあれば、本当に政策部局が片手間で作っているようなもの
もあって、本当に様々なものですから、政策部局への支援ということも含めて改めてマニ
ュアルをしっかりと作ることとしております。また今回の事案を受けて、いろいろ再発防
止の基準や通知なども作り直している部分もありますので、そういったものも踏まえてマ
ニュアルなどを作り直すということも盛り込んでいるところでありまして、その作業も今
政府内で同時並行で進めているということです。
お答えになっておりますでしょうか。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。大変有意義な御意見であったと思います。きちん
と調査の計画段階から実査のための準備をしておく、これには調査票作成その他の作業が
含まれているわけですが、そしてそれを考慮して実査を行う。実査は近年大変難しくなっ
-15-
ておりますので、いろいろな状況をあらかじめ想定する。そして集計、次にその結果の公
表と段階を踏んでいく中で、
どこでチェックを入れて、
どういう手続きをとって、
そして、
それを将来に生かしていくのか。さきほどフローチャートという言葉がありましたが、ど
ういうシステムでシステマティックに調査をやっていくのかということについては、これ
からこの部会で審議するわけですが、担当府省、部局においてもこういう努力をしていた
だくことが不可欠であり、そのためのガイドラインといいますか、枠組みを構築していく
必要が非常に大きいと思います。ありがとうございます。
それでは、神田委員、お願いいたします。
○しろまる神田委員 全体の提示の仕方ですが、ここまでまとめていらっしゃるので、結局これで
どういう評価になるのか、つまり、今ここでまさに議論をされているようなことを文字に
して書く必要があるのではないかと思っています。総務省として、この報告を受けてほぼ
大体対応ができているとお考えだと思うのですが、
本報告は、
第三者が受け取ったときに、
この結果をどう考えたらいいのだろうか、政府は今どう評価して、どっちの方向に次行こ
うとしているのかというところがなかなか読み切れないと思っております。今検討中の2
調査がけしからんと思う人もいるかもしれないですね。そういう極端な話にならないよう
に、全体としてはおおむねいいのかどうかという評価を、是非入れていただきたいと思い
ます。そこはひょっとしたら総務省ではなくて統計委員会なのかもしれないし、それを受
け取った側としてどこの部会なのか、統計委員会で判断するのかというのを書き込む必要
があるのではないかと思いました。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。一斉点検全体の印象を最初に申し上げたわけです
が、各々の個別の調査についても、もう少しきちんと記述して、より具体的に説明をする
必要があると私も思います。この情報は外部に公開されておりますので、部会としての意
見についてもきちんと説明をして文字にする必要があるという御指摘だったのですが、そ
うしていくことは大変必要かつ有用であると思います。まだ第1回目の部会ですので、こ
れは今後さらに考えていくこととして、貴重な御指摘いただいたと思います。ありがとう
ございます。
その他、どうぞ、川﨑委員。
○しろまる川﨑委員 今の神田委員の御指摘は大変大事なことなのですが、逆に難しいところでも
あるなと私は思いながら聞いていました。
というのは、私、去年1年間この点検検証に携わってつくづく感じたのですが、この1
年間、政府の統計に外から疑念を持たれていたという状況の中で、点検検証部会がかなり
第三者的に評価して判断するという立場になったのです。
そうすると、
事務局といえども、
できるだけ中立の目で見ようとされていると思いますが、それでも事務局側がこれで大丈
夫ですとか、これが自分たちの評価ですと言ってしまうとなかなか第三者性が保てないと
いうところが出てくると思うのです。
そういうこともあるので、かなり点検検証部会は部会として意見をまとめよう、あるい
は委員会として意見をまとめようというスタンスをずっととってきているので、今回この
ペーパー自体はかなり事実を淡々と紹介したというので私はやむを得ないのではないかと
-16-
思うのです。
むしろ、
ここで我々が部会として議論して、
やはりこれはこういう評価だとまとめれば、
それを受けて安心して事務局の方も書いていただけると思うので、そのあたりを我々にも
投げかけられているその評価は、
我々も言う、
というようなことを少しやっていかないと、
お見合い状態というのでしょうか、課題が委員と事務局の間で方向付けされないままにな
り、なかなか進まなくなるので、そこを我々委員としてもこれを見てどういう評価をする
かというのを、コンセンサスを作っていく努力をしていった方がいいと思いました。
以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
当然、
客観性を持って一斉点検の結果を評価して、
そして今後それをどのような方向にもって行くのかということについての助言もするとい
うのがこの部会のミッションではないかと思っております。
ただ、確かに神田委員おっしゃるとおり、書き方というのは大事で、全く予備知識のな
い部外者が読んだときに、正しいメッセージが伝わる、正しいコミュニケーションができ
るというのは大変大事だと思っております。政府統計が今置かれている状況を理解するこ
とも、嵐も少しおさまってきたかとは思いますが、それは大切です。
ただ、政府統計調査は全部で179調査ありまして、基幹統計調査は24ですが、一般統計調
査はずっと数が多く、先ほどからの御説明にもあるように、基幹統計調査に近いような大
規模で複雑なものから、軽微なというと少し語弊があるかもしれませんが、比較的簡易な
調査までいろいろありますので、どこまでやるのかが問題になります。とはいえ、どのよ
うな調査であれ、簡潔に整理をしていくということは大切であると思いますので、今回こ
の資料をいただいて御説明を受けて、私も細かいことについての予備知識はなかったわけ
ですが、いろいろなことが分かったと思いました。
ですので、今までどうしてきたのか、そして今はどうなのかということと、これからど
うしていくのかということについて、整理をしながら審議を進めていきたいと思います。
外から見て客観的に評価をすることと同時に、私たちは政府の統計調査のユーザーでもあ
り、統計委員会、そしてこの部会の構成員として、ある意味共同体のメンバーとして助け
合っていくという姿勢も必要で、そのバランスが大切かと思います。
では、西専門委員、何かありましたらどうぞお願いいたします。
○しろまる西専門委員 すみません、皆様いろいろ御意見言っていただいたところで、私は感想と
あと質問が1点です。
先ほど篠委員のお話にもあったのですが、やはりチェック体制の件は、もちろん強化が
必要ですが、府省側の負担ということを考えたときに、例えば9ページや10ページに今回
の留意点ということで、実際に調査計画の変更するに当たって軽微な点というのを挙げて
いただいているのですが、これを是非生かして、最後の11ページの軽微処理基準、これは
平成30年度に改正されているものかと思うのですが、こういったものを積極的に改正して
いって変更の手間、
津谷部会長がおっしゃったとおり非常に計画は重要だと思うのですが、
これらを柔軟に府省の側でも変えていける体制をもっと整えていかないと、多分府省の側
に限界が来てしまうと思います。
-17-
なので、どれだけ皆さんがやっていただけるかという観点でいったら、このような基準
を緩和していく。あとは例外処理として実際挙がっているものは、これだけ細かくあるの
で、これを是非生かしてこういうケースは許容しますという生かし方をしていくと、今回
の点検検証の結果も非常に有意義に使われると思うので、そういう方向性も御検討いただ
けるとよいと思いました。
少し分からなかったのが、この軽微処理基準がどの程度簡易に変えていけるものなのか
というのは、私自身は分かっていないので、その温度感も含めて御検討いただけるとよい
と思いました。
○しろまる津谷部会長 では、これについては審査官室が御担当ですので、審査官室から御発言あ
りましたらお願いいたします。
○しろまる金子総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 統計審査官室でございます。
軽微処理基準については、基幹統計調査と一般統計調査、それぞれにあり、基幹統計調
査につきましては、この資料1の最後に参考として添付していますが、これは統計委員会
決定ですので、基本的に統計委員会の中でどういう変更を認めることができるかという部
分で合意いただければ、統計委員会決定ですので改正は可能です。
したがいまして、基本的には、現行の基準でもいろいろ例示として列記されております
が、非常に形式的な変更とか、特に委員会で議論を要するまでもない変更は、この基準の
中に含めて、逐一委員長、部会長に御相談するという負担をなくす形で柔軟に対応できる
ものにしていただくことが、非常に望ましいのではないかと考えているところです。
また、一般統計調査についても、総務省の承認審査を受ける必要のない非常に軽微な内
容の変更について、総務省の事務処理基準等の中で警備処理基準を定めています。一部は
省令に関連するものもありまして、
省令改正を行わないと改正できない部分もありますが、
多くのものは政策統括官室の判断で変えることが可能です。
したがいまして、私どもとしても、いろいろな意見もあろうかと思いますので、この軽
微処理基準をどの様に変えることができるかということを関係の皆様と相談しながら、検
討を進めているところです。
基幹統計調査についても、この軽微処理基準について、是非委員の皆様の御意見も踏ま
えつつ、可能なものは改正していきたいと考えております。
以上です。
○しろまる西専門委員 ありがとうございました。是非今みたいな取組が関係者の負担をどれだけ
増やさないかというのも非常に重要なポイントだと思っていますので、今お話しいただい
た形、あと事務処理基準というお話もありましたが、そういったものをきちんと各府省も
理解をしているのかどうか、そういったところもうまく情報共有を図っていけるとよいと
思いました。ありがとうございました。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。事務処理基準について、各府省は知っていらっ
しゃるのでしょうか。
○しろまる金子総務省政策統括官(統計基準担当)付統計審査官 事務処理基準については、当然
各府省にもお見せしていて、こういう変更については軽微処理で可能であるということを
-18-
十分御理解いただいていると認識しております。
○しろまる西専門委員 ありがとうございます。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。この軽微処理の基準を審議のトピックとして挙げ
させていただきましたのは、何をもって軽微だと言うのか、状況によってまた受け取る側
によって非常に大きく変わってくる可能性が考えられるからです。誰が見ても軽微である
というものについては問題ないわけですが、グレーゾーンがあり、この軽微処理の基準と
してどう扱うのか、ここに具体的に出ておりますが、先ほどの統計審査官室からの御説明
にもありましたように、最終的に統計委員会の決定が必要なわけですが、基準を変更する
ことはもちろん可能ですし、そうしていくことが必要になるのではないかと思っておりま
す。そのために、この部会での審議を経て、統計委員会で提案、提言をしていくことにな
ります。
実は明日の午後に統計委員会が予定されておりまして、そこで今日のこの審議の結果に
つきまして、皆様に議事録のチェックをしていただく時間がありませんので、私が口頭で
簡単に御説明をするということになっております。ですので、その際にこの軽微処理の基
準についても、こういう御意見が出て、これからこうすることができるのではないかとい
うご提案など、もし御意見ありましたら、それについても御報告をしたいと思っておりま
す。ありがとうございます。
そのほか、川﨑委員、どうぞ。
○しろまる川﨑委員 今の軽微基準の扱いについての部会長の考え、
確かに本当によく分かります。
ここで私は今日時間も限られている中で、あまり長々と申し上げるつもりもなくて、むし
ろ軽微基準について今後とも引き続き検討が必要という前提で申し上げれば、どういう考
え方でこういう基準ができているのかということを1回、立ち返る必要があるのではない
かと思うのです。
これは既に統計審査官室でもいろいろ御検討いただいていると聞いているので、その線
はそれで非常に大事だと思うのですが、1つは法令上の手続きと調査の計画、実態として
の計画というのはどこまで同じでなければいけないのか、どこまでを法令上の手続きの中
に含めなければいけないのかという問題があろうかと思います。法令上の手続きの中にい
わばミニマム、ここは絶対法令上外せないというところを入れていただくというのが多分
鍵だと思うので、そういう意味でも審査基準というか、軽微処理の基準もそういう観点か
ら判断するのが必要だろうと思います。
そうすると、この後、これをうまく作るか作らないかで、我々統計委員会の委員の側も
負担感が変わってくるわけで、各府省の方々と同様に過剰に審議し過ぎてもお互い労力が
増えるだけなので、ここを相当うまく作ることが必要だというのは恐らく共通認識だと思
いますが、そう考えますと1つ大事な視点は、私はできれば全部何でも事前に申請してい
くということでなくて、事後的なチェックでやっていくという流れに変えていくというの
も1つ必要じゃないかということです。
もちろん全くプランもなくいいかげんにやって事後チェックでは、困るのですが、一番
コアになるところはプランができていれば、事後チェックで済む部分がかなりあるのでは
-19-
ないかということです。特に例えば結果表の詳細などについては、集計してみて初めて分
かる標本数が少ないとか、そういうことが出てくるわけですので、そのようなものは柔軟
に扱えるようにしなければいけないし、それは事前では無理だろうというのがあると思い
ます。
もう1つ大事なのは、ユーザーに的確に情報を提供して、ユーザーの目でチェックして
いただくというのが大事ではないかと思うのです。例えば結果表の様式のどれが出てきま
すかというのは、実は法令上の手続きでももちろん大事ですが、やはり大事なのはユーザ
ーがこういう結果表が出ると分かるということだと思うので、それが例えばホームページ
上にきちんと分かるようになっていればそれでいいし、かくかくしかじかの表は精度上、
公表するのが不適切なので外したというのは、必ずしも統計委員会がチェックしなくても
いいと思うのです。ユーザーに確実に情報が提供されるということが大事だと思います。
同じように、例えば母集団情報でも最新のもので、現時点では何年が使われていますと
いうことが分かればよくて、法令上の手続きでは最新のものが使われているで、済むのか
もしれませんので、そのあたりの整理の仕方をやっていけば、それなりにお互いの事務負
担が軽減できるだろうと思います。
そうなってくると最後に統計委員会は全部ハンズフリーのお任せでいいか、
そうなれば、
私は楽ではあると思うのですが、むしろそこで大事なのはPDCAサイクルが各部署でき
ちんと回っているかというのを、特に基幹統計を中心に確認するということが大事ではな
いかと思いますので、こういう手続きの簡素化、そして、軽微処理基準の明確化というこ
とをやると同時に、統計委員会の審議の方も大事なところを押さえていくことができたら
と思っております。
以上ちょっと雑駁ですが、感想でした。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。先ほど明日の統計委員会で口頭報告をすると申し
ました。統計委員会で非常に具体的で詳細な軽微処理の基準について審議するのは効率が
悪いですし、とてもそのような時間はないと思います。ですので、これについてもこの部
会に付託されたものでありますので、皆様の御意見を集約して、何らかの提言の方向性を
見出したいと思っております。
先ほど担当府省、部局がパンクするという御意見が西専門委員からありました。本当に
そうだと思います。繰り返しになりますが、実査が本当に難しくなっております。と同時
に、統計委員会や部会を何回も開くということは、構成員の皆様のご都合を考えると、限
界があると思います。
ここには他の部会の構成員もなさっている方がいらっしゃいますが、委員長に全ての最
終判断をお任せするかというと、それもやはりふさわしくない。現在こういう問題が起こ
っておりますので、どこら辺に着地点を見出していくのかということについて、今日の審
議を経て、この部会としての意見を取りまとめたいと思っております。活発に御意見をい
ただければと思います。
では、佐藤委員、どうぞ。
○しろまる佐藤部会長代理 この資料1ですけが、とてもよくできています。委員会内部の人間と
-20-
してはそう思いますが、委員会の外側のユーザーに自分の身を置いて考えてみたら、昨年
のあれだけの逆風のきっかけになった毎月勤労統計調査について、作業中なのですよね。
作業中を「対応済み」というのは無責任だという声もあり得ると思います。やはりこれを
「対応済み」だというからには、せめて作業終了予定がいつなのかとか、そのぐらい分か
ってからではないと「対応済み」ではないのかという声もあり得るということを一言申し
添えておきたいと思います。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。
全てのきっかけとなった毎月勤労統計調査ですが、
確かに毎回統計委員会で作業の進捗状況について具体的かつ詳細な御報告があります。し
かし、これを「対応済み」ではなく、まだ「対応中」とした方が現実をより正しく反映し
ているのではないかという御意見、ありがとうございます。考えさせていただきたいと思
います。
まだ何かありましたら。厚生労働省、どうぞ。
○しろまる大野厚生労働省政策統括官付参事官付審査解析室長 厚生労働省でございます。ただ今
毎月勤労統計調査につきましては、大変御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。
現在まだ対応を頑張っておりますので、
引き続き見守っていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。
○しろまる津谷部会長 資料1の5ページで、毎月勤労統計調査は、
「対応中」となっております。
○しろまる大野厚生労働省政策統括官付参事官付審査解析室長 毎月勤労統計調査が「対応中」で
あることに応じ、他の2調査についても現在「対応中」となっており、引き続き影響が出
ている状況です。
○しろまる津谷部会長 このために2つの一般統計調査も
「対応中」
ということになっております。
ありがとうございます。
法令手続きでこの基準は決められているのか。
決められていれば、
もちろんそれでよろしいわけで、その場合には非常にクリアカットです。ただ、そこがは
っきりしないグレーゾーンもありますので、やはりこれをあぶり出していく必要があるの
ではないと思います。統計委員会、この部会、そしてほかの部会もありますので、効率的
かつ効果的な審議のためにも、この作業は必要であると思います。
では、審議時間はあと 40 分ぐらいしかなくなりましたが、
先ほどからPDCAサイクル
の確立についての御意見がたくさん出ておりますので、次の議題に移りたいと思いますの
で、取りまとめさせていただきます。
まず、この各府省における改善状況ですが、おおむね全体としては着実に進んでいると
評価をしてよろしいでしょうか。ただ、その一方で、引き続き対応の必要な調査も相当数
あります。ですので、所管府省及び実査その他を担当している部局におきましては、引き
続きこの改善を進めていただきたいと思います。そして、それによって一般のユーザーを
含めた社会の信頼回復に努めるようにお願いをしたいと思います。
また今回部会での報告を非常に具体的にしていただいたわけですが、調査計画の記述、
内容が非常に詳細、また具体的過ぎることも計画との相違として相当出てきております。
それが相違の要因、主な理由の1つであるということが言えると思います。この点につき
ましては、再発防止策を踏まえて、報告者の負担軽減、そして統計の精度の確保など重要
-21-
な事柄については審議する必要があると思いますが、そのような場合を除いて、状況変化
に対応し得るような幅を持った臨機応変かつ柔軟な記載を許容するという方向で検討を加
速するよう、総務省にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、調査計画との相違の内容に応じて、より速やかに改善を行えるように基幹統計
調査の変更に当たりましては、
諮問審議を必要としない軽微な事案の範囲を規定した基準、
先ほど皆さんにお見せいたしました軽微処理基準につきましても、改善が必要であると思
います。ただ、この基準ですが、先ほどから何度も言っておりますように、統計委員会に
おける決定が必要になってまいります。ですので、本部会からは課題の提起という形で改
善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。(「異議なし」の声あり)
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。では、このように取りまとめまして、明日の午後
開催されます統計委員会で、私から口頭で説明したいと思います。もちろん議事録案が回
ってまいりましたところで、委員の皆様方、構成員の皆様方にはご確認をお願いいたしま
すので、どうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ、神田委員、お願いいたします。
○しろまる神田委員 この調査そのものが計画と相違があるかどうかで評価をしていると、必ずし
もそれはネガティブではないですが、単に計画との相違という、制約の中での評価である
ということは、先ほど篠先生がおっしゃっていたと思います。そういうことも入れてはど
うかと思います。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。大変有用な御意見だと思います。計画が提出され
ると、それが前提となり動かせないということで、調査実施に柔軟性を欠いています。そ
してその結果、恐らく必要でない、避けることができる事務処理作業が増えてしまう、と
いうことを避けることができると思います。これについても、明日の統計委員会で口頭報
告いたします際に付け加えたいと思います。ありがとうございます。
それでは、よろしいでしょうか。
では、議題の2つ目です。
「PDCAサイクルによるガバナンスの確立について」に移り
たいと思います。再発防止策におきまして、専門的な知見に基づき調査計画を策定し、そ
れに沿って調査を実施する。これによって、一旦提出されると調査計画が前提になってし
まっているという御意見が出た背景のひとつですが、調査を実施した後に統計幹事のトッ
プマネジメントの下で事後の検証を行い、以後の調査計画、将来の調査計画を改善してい
くという「PDCAサイクル」の整備を進めることが、ガバナンスの改善を図る上で大変
重要と指摘をしております。総務省を中心とする各府省では、このPDCAサイクルの導
入に向けまして、一体となって検討を進めているという御報告を受けておりますので、そ
の検討状況について御説明をお願いしたいと思います。
では、お願いいたします。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 それでは、資料2を御覧ください。再発防止策で求
められております
「PDCAサイクルのガバナンスの確立とは」
ということで、
1ページ、
2ページ目にまとめております。
-22-
毎月勤労統計調査の事案におきましては、重要な変更を担当室よりも下のレベルであっ
たり、あるいは場合によって、例えばプログラムの変更など担当係のレベルで決めて、そ
の情報が必ずしも共有されていなかったり、あるいは上の管理職や幹部職の確認をとると
いうことがなかったということが明らかになっておりまして、そういった反省を踏まえて
再発防止策の中ではここにありますとおり、調査の企画・変更では専門的知見に基づいて
調査計画を、先ほど部会長がおっしゃったとおり、しっかりと検討の上で策定するという
ことは重要なわけですが、その後、調査を実施した後にきちんと省内で、上まで、責任あ
る者まで上げた上で事後検証を行って、きちんともくろみどおりにいっているのかどうか
ということを見直すということで、PDCAサイクルが確実に回る仕組みの整備が必要だ
ということを指摘されております。
具体的には、調査の実施後または定期的に点検・評価というものを行って、もくろみど
おりにいっているかどうか、あるいは実態と違っているとか、そういったことが生じてい
ないかどうかを見直していただいて、それに応じて改善を図っていくということを定着を
させていきたいということです。
2ページ目の参考にますとおり、
今申し上げたことをPDCAの順番に並べております。
Pのところに先ほど川﨑委員からユーザーなどへの目で、外からの目できちんと解決を図
るという御指摘をいただいたと認識しておりますが、今、必ずしも外に調査計画がオープ
ンにされていない。これをまずオープンにして、また同時に標本抽出や復元推計の方法な
どを参考情報として記載をして、それをインターネットに公表していくということをPの
段階で改めるということです。
その上でそのもくろみどおりにいっていたかどうかを各府省において点検・評価をして、
その結果を総務省に提出し、公表もします。そして、その結果を受けて必要に応じて実務
の方を変えるか、場合によっては計画の方を見直すかといったような形で改善を図ってい
くということであります。
同時にこの下に、Aの箱の下にありますとおり、総務省側としても重点的な審査など、
工夫を図るということを考えているところです。
最後の3ページ目に簡単ですが、今の状況です。このような取組ですので、当然ながら
各府省において主体的な取組は不可欠です。他方で、例えば点検・評価は各府省ばらばら
にやると非常に分かりにくいということもありますので、総務省として、政府全体として
一定の統一性や品質の確保も必要であろうと考えております。このために政府部内におき
まして各府省における点検・評価などを実施する上での具体的な取組の指針となるような
ガイドラインの策定を検討中です。
そのため、今、実務レベルでワーキンググループを設置いたしまして、毎回2時間ぐら
いの議論になるようなワーキンググループを各府省と何度かやっておりまして、実務的な
検討も各府省にお願いをしているところですが、そういった結果を踏まえまして、再発防
止策に沿った結果が出るようにまとめていきたいと考えております。
下の箱にありますとおり、このガイドラインにつきましては3月末、年度内を目途に策
定したいと考えておりますが、丁寧な検証、実務に応じたものとなるように、場合によっ
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ては3月末にこだわらずに4月に入ることもありうべしと思っております。各府省と丁寧
に議論を重ねながら検討していきたいと思っております。
簡単ですが、以上が状況報告です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございました。
それでは、
ただ今の御説明につきまして御質問、
御意見ありますでしょうか。はい、どうぞ、篠専門委員、お願いいたします。
○しろまる篠専門委員 非常にいいことだと思うのですが、2枚目の参考のところを見ていただけ
ますでしょうか。PDCAサイクルの話ですが、日本ではPDCAのうちでCAのところ
が非常に弱い。だから、CAPDの回し方の方がいいという議論もあるくらいで、CAに
着目して構想されているというのは非常に正しいことだと思います。
それでその検討に当たって留意していただきたい点を1点だけお願いしたいと思います。
当たり前の話なのですが、PDCAは個別にあるわけではなくて、つながりが当然あるわ
けで、調査、実施が適切であったかどうかという点検・評価ができるものはDの段階で収
集した情報だけなのです。調査が終わって、さて、どうだったかなと振り返るのでは、き
ちんとした評価はできない。Pの段階でCを見つめてDにおいてどんな情報をとるのかと
いうことをきちんと検討しておいていただきたい。そこで効率的で有効な評価ができるの
ではないかと思いますので、よろしくお願いをしたいというのがお願いです。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 事務局でございます。まさに御指摘のとおりと思っ
ておりまして、この取組につきましては調査計画をどうあるべきかという意味で、Pの部
分は調査計画をどう得るか。そこには総務省による変更承認といったものもかかわってく
るというわけですので、総務省内では統計審査官室等とも連携して、そのあり方や全体を
見ながら検討を進めているというところです。
事前に全部縛って、事後に全部そのとおりかということを見るのではなくて、事前に詰
め切れない課題とか、やってみないと分からない課題というものがあれば、それは計画、
承認の段階で指摘をしておいて、
それを事後にどうだったかというのを検証するとすれば、
計画の承認申請の審査から各府省の実施、点検・評価に至るまで、全体として合理化、最
適化が今よりは図れるのではないかと、基本的にはそのような考え方を踏まえて検討して
いるところです。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。大変有用な御指摘ありがとうございます。Pの段
階でCを見据えてDを行うというのが大変大事です。言いかえれば、リアクティブに対応
するのではなく、プロアクティブに前広にこのPDCAサイクルを実施していくというこ
とは大変重要であると思います。ありがとうございます。
その他御意見、御質問ありましたら。神田委員、お願いいたします。
○しろまる神田委員 ありがとうございます。先ほどEBPMの話をしましたが、この利活用状況
の中に政策への反映、あるいは政策をチェックするというような使われ方がしているのか
どうかというのも含めていただければと思っています。
あと、調査の中止とか削減とかあるのですが、これを本当に全て統計幹事が判断すべき
ものなのかというところは、これまで、どういう議論があったのかというのを教えていた
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だきたいと思っています。このPDCAを実施し、その結果を出すというのが「統計幹事
の下で」と書いてありますが、前も申し上げましたとおり、
「責任の下で」と書かれておら
ず、何かあやふやな書き方になっていると思います。また、
「下で誰がするのか」を書いて
いないということは、前も御指摘させていただきました。責任が結局は誰がどう判断する
のかというところが、どういう議論があったのかというところです。
調査を中止するというのは調整、必ずしも統計幹事が判断する話ではなくて、政策、分
散型統計なので、そこは各府省の行政的な視点というのが、調査を廃止するかどうかとい
うのは必要だと思います。それを統計幹事が判断していいのかどうかというところにやや
疑問を思います。だから、統計幹事が判断できることと判断できないことというものは明
確にやはり分けていかないと、今までのこの議論が必ずしも十分に生きていかないのでは
ないかというような印象を持っております。
とりあえず以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。利活用状況がどうなっているのかということと、
それから、統計幹事の責任の下でということですが、責任と言っておかないと役割が明確
化されないだろうということはあるわけですが、ただ、同時にこの責任で全てやるのか、
より広い視点からの、特に調査の廃止、中止については検討が必要ではないかという御意
見であったかと思います。これについてのお答えをお願いいたします、事務局お願いいた
します。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 まさに核心を付く点の1つだと思っております。統
計幹事につきましては御案内のとおり、各府省内でまさに利活用面も含めて当該府省の統
計の作成について、責任を持って府省内の調整をし、統計委員会との調整に当たる者とい
うことで法改正をして設けられたものです。その統計幹事の下で利活用ニーズも含めて状
況をよく見て、府省内でよく調整いただいた上で、こういったことを取りまとめていただ
きたいというのが基本的な考え方です。
○しろまる神田委員 それは、調整役ということでしょうか。その府省の代表ではあるが、必ずし
もその人が全部を決めるわけではなくて、その判断は次官なり府省のトップまで上がって
決め、それをその結果を代表して統計幹事という者が総務省や、こういう場での調整に当
たるという位置付けと考えてよろしいですか。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 統計委員会の機能を強化するということとセットで、
統計委員会と各府省と連携をするために統計幹事というのが法律上位置付けられて、統計
委員会の審議にも基本的に同席をいただいて、統計委員会の意向を各府省にお伝えし、調
和を図るというものとして位置付けられておりますので、その方々に責任を持って取りま
とめ、調整に当たっていただきたいと考えております。
○しろまる津谷部会長 法改正を通じてこのポストが設けられておりますので、それぞれの方が所
属される府省と統計委員会との間のリエイゾンです。ただ、それだけではなく、恐らく自
分の所属する府省のいろいろな対応について、このPDCAの取りまとめの責任者となる
と思います。統計幹事の下でと書かれているのは、全部決めるという意味ではなく、恐ら
く取りまとめの責任者であって、それを統計委員会に御報告いただいて、また統計委員会
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で決まったことを自分の府省に持ち帰っていただくという役割ではないかというのが私の
理解ですが、それでよろしいでしょうか。どうぞ、成田臨時委員。
○しろまる成田臨時委員 今の統計幹事の方の職務権限表のようなものはあるのですか、何ができ
るという。
○しろまる津谷部会長 統計幹事の責任、役割、そして権限が明示されているかどうかということ
ですね、どうなのでしょうか。
今チェックをしておりますので、ほかに御質問、御意見ありますでしょうか。まず川﨑
委員、そして次に佐藤委員、お願いいたします。
○しろまる川﨑委員 私の方からは感想、意見だけ申し上げたいと思います。1つは2ページ目の
PDCAサイクルについてということ、その後、1ページ目の先ほど神田委員のおっしゃ
ったことに関連することで申し上げたいと思うのですが、こういったPDCAサイクル、
これまで両委員が既に御発言になったようにこれは非常に大事なことなので、是非うまく
やっていただきたいと思うのですが、そして、さらにこれまでの前段の議論にもありまし
たように、効率性というのは非常に大事だと思います。そういう意味で特にチェックのと
ころでは総務省に提出、ホームページ公表とありますが、これは是非PDCAのための報
告疲れが起こらないように、効率的にやっていただけたらと思います。
それから、もう1点はその真ん中のCのボックスの下から2番目のところにある黒ポツ
ですが、調査計画との整合性を確認ということですが、実は調査計画自体がやってみたら
変えざるを得ないという臨機応変対応みたいなところも生じることはあろうかと思うので
す。ですから、整合性といいますと、ずれたらいけないかのようにとれるのですが、臨機
応変の対応は当然容認するのだという前提で、
技術的に適切でそういうものであれば了解、
差し支えないということを前提にこれが書かれているということを言外の表現になってし
まうのですが、そこは是非理解をしていただきたいということです。
それから、チェックの中でもう1つ、ここに明示的に書き切れないから書いていないの
だと思うのですが、私は大事なのはユーザーあるいは回答者からのフィードバックではな
いかと思います。そういったものを是非生かしていただきたいので、回収率とか精度とか
指標だけではなくて、そういったことを是非反映していただきたいということです。
その上で最終的にはやはりこの調査が本当に存在意義があるのかどうかということは、
これはあるからやっているのでしょうが、それはまさにその調査の担当の部局の長、ある
いは最終的には統計幹事がきちんと説明責任を果たせるようにやっていただきたいという
ことで、こういう点検・評価は最終的にはそこまで及ぶということを認識していただけた
らと、これがPDCAサイクルについて私が思ったことの点です。
それから、もう1点、1ページ目の先ほど来の調査の中止とか削減などについて、統計
幹事とかどのレベルで判断するのかという御議論があり、これはこれで私は大事だと思う
のですが、
もう1個別の視点で申し上げたいということがあります。
それは何かというと、
ここでは要らなくなったものは削る、それは合理性の観点ではごもっともですが、実はも
う1個我々統計委員会の方で忘れてならないのは、欠けている統計があれば作るとか、あ
るいは統計の間での不整合とか比較の難しさがあったら、それは何とか解決していくとい
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う問題もあるかと思います。これは実は個々の統計調査のミクロの積み上げのPDCAだ
けでは見えてこないことが多いものです。
これは何を申し上げたいかというと、統計委員会自身、私自身も肝に銘じるのですが、
PDCAの中には当然統計委員会の活動も入っていて、これだけ多くの統計調査を見る立
場にある者も、本当に統計の全体の体系、こういうセットでいいのかという意味でのPD
CAもしていかなければいけないのではないかと思います。ですから、ある統計調査であ
ることを調べているが、実はそこで調べるよりもほかの調査で調べた方がいいようなこと
があるかもしれないのです。そういう調査間のあり方を議論するのは、やはり統計委員会
の役割として大きいので、そういう意味で個々の審議、部会審議も、もちろん大事なので
すが、一歩引いたマクロの見方も我々委員会としては、もう少し考えていかなければいけ
ないかというのを今日の議論を聞きながら感じました。
以上です。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。1つは効率性が大事なので、あまり細かいことに
拘泥し過ぎないようにすることが必要であるということ、それだけで疲れてしまうことが
ないようにするということ。これは本当にそうだと思いますが、と同時にやはりユーザー
からのフィードバックを反映させること、
このPDCAの一部にするということ、
そして、
統計委員会はもちろん、この部会でもやっておりますように実施担当府省から報告を受け
る、
そして統計幹事がその間をつなぐということ。
そして、
それよりもう少し踏み込んで、
個別の統計調査だけにPDCAサイクルを当てはめるのではなくて、調査間の重複、そし
て同時に抜け落ちているものについても検討することが重要であること。これは統計委員
会の役割として提案してもいいのではないかという御意見であったと思いますが、それで
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。先ほどの成田臨時委員の質問に回答をお願いします。
○しろまる柴沼総務省統計委員会担当室次長 すみません、時間を要しまして失礼いたします。統
計幹事ですが、統計法の改正によって委員会に幹事を置くという規定がありまして、幹事
は委員会の所掌事務について委員、臨時委員及び専門委員を補佐するというのが法律上定
められております。
これだけではまだ具体的ではないのですが、幹事が置かれた直後に、平成 30 年6月に当
時の西村統計委員会委員長から統計幹事に期待することということで、統計委員会への参
画などの補佐のほか、府省における全ての統計業務の統括すること。それから、政策立案
総括審議官などと連携して、EBPMを実践する上で必要とするデータの整備、分析の支
援などに当たることを要請していますので、この法律の条文をそのように介して運用して
きているということです。
○しろまる津谷部会長 よろしいでしょうか。統計幹事の役割及び権限が明示されているというこ
とですが、具体的にいかがですか。
○しろまる成田臨時委員 本当はきちんと職務権限表のようなもので明確に統計幹事のやれること、
やっていいことを明確化していただきたいと思います。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。もし必要とあれば、この統計幹事の役割、権限、
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やれること、やるべきこと、そしてそれを具体的に明文化することについて、リストを含
めてここで検討する必要があるのではないかという御意見だと思いますので、それにつき
ましても事務局で持ち帰りまして、話し合いたいと思います。
どうぞ、神田委員。
○しろまる神田委員 そうだと思います。
委員長の期待では、
根拠としては非常に弱いと思います。
統計委員会決定なのか、私はその辺は皆さんのお話を聞きたいですが、何らかの根拠は必
要ではないかと思います。統計委員の補佐としての立場でこれだけの責任があるかのよう
に読めてしまう文章となっており、しかも委員長の資料のというのは、結局は根拠の乏し
い「ざる」になっているのではないかと思います。この点については、是非、整理をお願
いしたいと思います。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。先ほど法改正の際に説明されていたこの統計幹事
の役割、責任については、もう少し検討が必要で、変更するべきではないかという御意見
が出ましたが、ここで即答はできないのですが、これにつきましても検討して、今後この
部会でまず検討させていただく機会を持ちたいと個人的には思っております。ありがとう
ございます。
そのほか何か。はい、どうぞ、佐藤委員。
○しろまる佐藤部会長代理 またPDCAサイクルのイメージの2ページに戻りますが、チェック
のところに利活用状況が入っているのですが、利活用状況は調査が終わってからではない
とできないというものではなくて、むしろプランの方で利活用状況を踏まえて調査の立案
をすべきだと思います。だから、ここにチェックのところに入っていると何かすごく後手
の感じがします。
○しろまる津谷部会長 どうぞ。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計行政改善専門官 ただ今の御指摘の点に
つきましては、当然のことながら調査を実施する場合、このような目的で利用するという
必要性を踏まえて考えるわけですが、ここでの利活用状況とは、その後、調査を始めて 20
年、30 年経過してくるとその目的も変化してくる、利活用状況も変化してくるのではない
かということです。例えば昔は3年ごとに基本計画的なものを作っているので、3年ごと
に調査結果が必要であったが、今はその計画は5年に一度になりましたとか、ほかの計画
と統合されて本来の目的を失っているというような利活用の状況変化を踏まえてチェック
をしていこうという趣旨です。まさに実態を踏まえて計画の根幹である目的自体も振り返
ってみましょう、そういった中で先ほどの御指摘のような中止だとか統合だとかいう話も
出てくる重要な要素であるという趣旨です。
○しろまる佐藤部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○しろまる津谷部会長 ありがとうございます。どうぞ。
○しろまる佐藤部会長代理 あとチェックの方で調査の実施の間に起こるトラブルとかミスとかが
あります。それについて調査会社に委託する場合もあるでしょうし、訪問調査員を都道府
県レベルで頼むこともいろいろな調査方法があると思うのですが、それぞれに合わせた調
査の実施プロセスの中での不祥事をチェックする方法についても是非御検討いただければ
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と思います。
○しろまる澤村総務省政策統括官(統計基準担当)付統計行政改善専門官 まさに新生部会等で検
討されておりました総合的対策においても同様の御指摘があります。そういったことも踏
まえて、今進めておりますPDCAにつきましては、どちらかと申しますとマスタープラ
ンである調査計画上のマネジメントが適切に行われているかというところを中心に今検討
を進めているというところですが、プロセスの監査等についても順次検討を進めてまいり
たいと考えております。
○しろまる津谷部会長 では、この部会の時間も残り少なくなりましたので、皆様方からいただき
ました御意見、御質問、ご提案を簡単に整理させていただくと、このPDCAサイクルの
確立は公的統計、政府統計全体の信頼回復の基盤となるものです。非常に重要な取組であ
ると認識しております。
調査を実施した後の点検・評価、実施する前にもこの先を見越して調査計画を立てるこ
とが必要だという御指摘、そのとおりかと思います。そうすると、調査計画の変更時の承
認の審査の見直しが必要になるわけですが、これは統計委員会における審議の効率化にも
つながりますし、先ほどお見せした一斉点検結果の改善状況の確認などにも、不可欠な要
素であると思います。ですので、これについては引き続き検討を推進すると同時に、必要
に応じてこの部会に議題として上げたり、状況の報告をしたりするようにお願いをしたい
と思っております。そして、統計委員会にもう少し深くかかわっていただく必要があるの
ではないかという御意見もいただきましたので、それについても私の方から御提案という
形で御報告したいと思っております。
まだ始まったばかりで、これはこれからこの部会で審議をする中心的な議題ですが、大
変有用かつ重要な御意見をいただきました。本当にありがとうございました。
ですので、今申し上げたように今回は整理をさせていただきたいと思いますが、よろし
いでしょうか。
ありがとうございます。それでは、本日の審議は大幅に延びてしまいましたが、これま
でといたしたいと思います。事務局から次回の日程について御連絡をいただきたいと思い
ます。
○しろまる神棒総務省統計委員会担当室室長補佐 次回の本部会の日程については調整中です。日
時、場所につきましては改めてお知らせいたします。
○しろまる津谷部会長 本日はこれまでといたします。
ありがとうございました。