1第1回 統計業務プロセス部会 議事概要
1 日 時 平成30年11月14日(水)13:15〜15:27
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
川﨑 茂(部会長)、野呂 順一
【臨時委員】
神田 玲子((公財)NIRA総合研究開発機構理事)
山本 渉(電気通信大学大学院情報理工学研究科准教授)
【専門委員】
西 美幸(アビームコンサルティング(株)シニアマネージャー)
【審議協力者】
総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、
日本銀行、埼玉県
【事務局(総務省)】
横山大臣官房審議官
統計委員会担当室:櫻川室長、阿南次長、肥後次長、神棒補佐
政策統括官(統計基準担当):北原統計企画管理官
4 議 事
(1)統計業務プロセス部会の運営について
(2)統計棚卸しの概要について
(3)書面調査の結果分析について
(4)平成30年度における「見える化状況検査」について
(5)その他
5 議事概要
(1)統計業務プロセス部会の運営について
川﨑部会長より、統計業務プロセス部会のミッションについて、以下のとおり
発言があった。
・統計業務プロセス部会のミッションは、公的統計の広い意味の品質管理を
進めていく部会と理解している。
・日本では民間企業が世界に先駆けてかなり進んだ品質管理を進めてきたと 2いう実績があるが、残念ながら官庁において、また公的統計においてどう
かというと、まだまだ改善の余地が十分あるのではないか
・この部会の中で公的統計の改善に役立つような、特にプロセスにも注目し
た改善についていろいろ審議して、また提言ができたらと考える
・このような品質管理、あるいは品質の改善というのは、終わりなきプロ セ
スであり、ある程度改善が進んだら、ゴールを高くし、また更に次の課題
の改善を目指して進んでいくということでもある
・これまでも官庁の統計を作成されている機関は、いろいろ努力をしている
とは思うが、この部会において第三者的な目でいろいろな改善の気づきな
どを提案しながら、ともに改善を進めてきたい
・従前のような基幹統計、あるいは一般統計だけではなくて、それ以外のい
わゆる業務統計と呼ばれる、通常の業務の中で取り上げられる統計もしっ
かり見ていく必要があるのではないか
・統計だけではなくて、政府がいかに賢くデータを活用していけるか、それ
を社会に共有していけるかという大きな課題の一環でもあるので、この部
会ではそういう広い視野で議論ができたらと思う
また、部会の運営について、今回の審議案件は公開とすることが決定された。
川﨑部会長より、部会長代理として野呂委員が指名された。
(2)統計棚卸しの概要について
事務局(統計委員会担当室)から、資料1、資料2に基づき、説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・3年で一通り見た後、2巡目からは、1巡目でみた統計については、複数の統
計を横串でみるとか、視点を変えた見方をするという計画にすると、より精
度があがるのではないか。
→統計の品質管理は終わりなきプロセスであると思うので、2巡目以降もいろい
ろな工夫ができるようにしていきたい。そのための課題を見つける意味でも
1巡目をしっかりやっていかなければならないと感じている。
・統計改革推進会議のまとめである統計に関する3年で2割官民コスト削減は、
重い宿題であると思っている。経済界では、どこが負担になっているかを聞
くと、複数の統計調査で同じような質問を何度も受けること、また、その定
義や答え方が微妙に違う点が非常に負担になっているという声が大きい。1
巡目では難しいかもしれないが、2巡目くらいから統計負担の軽減に向けて、
重複排除について調査実施主体の違う統計も含めたチェックを計画に入れる
と、報告者負担という観点からは非常に効果が高くなるのではないか。 3→3年で2割の官民コスト削減は、大変に重い課題である。これが難しいのは横
断的にどうみるかということだと思う。今回は、これだけのものを一斉にみ
ていくことが出来るので、色々気づく点が出てくると思う。それを蓄積して、
今後につなげていけたらと考えている。野呂委員から指摘をいただいた視点
をみなさまと共有しながら、取り組んでいけたらと思っている。
(3)書面調査の結果分析について
1集計プロセスの適正化について
事務局(統計委員会担当室)から、資料3に基づき、説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・チェックは人か機械的な仕組みかどちらか。また、チェックに対するエラー頻
度はどのくらいなど、チェックの成果が上がっているかを確認しているか。
→人が行っているもの、機械が行っているものの両方あると思う。規模の大きい
ものは機械的に行なっていると推測するが、今回の書面調査ではその点は確
認していない。また、チェックの成果も確認していない。
・業務体制によってマニュアルを示せば良いものとそうでないものがあって、部
会が示す方針も異なると思うので、その当たりの情報も欲しい。
・業務体制や規模感を整理して報告してほしい。
→対応人数は書面調査で確認しているので、今後の報告でその要素を入れる。
・マニュアルの整備状況は調査しているか。統計の現場の改善の仕事を手伝って
いるときに良く聞くのが、数年で人事異動が行なわれることで調査のノウハ
ウが伝授されていないということ。機械的なチェックの仕組みがあっても、
新しい担当者が把握していないといったことも起きているのではないか。
手順がどの程度整備されているか、人が変わっても継続できるマニュアルが
整備されているかという観点でも見ていけるとよい。
→マニュアルの整備状況は調査している。
・情報を整理して、そういった観点からも見ていきたい。
・作業手順書を「マニュアル」、そのとおりに従って作成すると同じ品質のもの
ができることを「標準」という。引継ぎのためにマニュアルは作っていると
思うが、例えばエラーチェックは落とせないというような、絶対におとせな
い肝となる標準に当たるもの、別の言い方をするとポイントとか要点を持っ
ていただくと、ノウハウというか、気持ちが伝わるのではないか。
・部会の進め方。実態把握で了とするのか、チェックの中身に踏み込むのか、イ
メージができていない。実施の有無は指摘しやすいが、その内容の良し悪しは
なかなか言いにくい。
→どの程度、深くやるかについては、毎年、徐々にレベルアップを目指す方向。 4今年、特にこの点は、というものがあれば、あまり時間はないが、追加で確
認して整理することはできる。やりきれないものは、来年以降毎年行なうの
で、徐々に深くやっていく。
・業務統計の開示基準が不明。開示の条件がイメージできない。業務統計の開示
条件の枠組みがあれば教えてほしい。
→どういったものを業務統計として作るかという共通ルールは恐らくない。各省
庁や外部のニーズに応じて作成しているのではないか。
今回の統計棚卸しは、作成されている業務統計の中から対象統計を選定し
て、それを改善させる枠組み。したがって、現に業務統計になっていないも
のは当初のコンセプトでは対象に入ってこないが、関連した取組として、内
閣官房がオープンデータの取組みがあり、行政情報をリスト化して公表し、
要望の受付もやっているようなので、そちらを確認してみたい。
・世の中には、統計という名前はついていないが公表されているものもあるし、
担当者は事務的に持っていて、隠しているという意味ではなく、特に求めら
れていないので公表していない統計もあると思う。概念上は、官庁の業務と
して使っている統計は、公的統計の範囲に入れることになっているので、
我々としては、気持ちの上では、まだ統計と銘打って公表されていないもの
も視野に入れるべき。今回のリストの外に、実はいろいろなデータがあると
思うが、全部手をつけようとしても見えないし、発掘したからと言ってユー
ザーは居ないかもしれない。したがって、オープンデータの取組で、毎年一
般国民から要望を受け付けるプロセスがあるのなら、そこへ出てきたものを、
業務統計として取り上げるべきではないか、という議論ができたらよい。 幅
広い社会の情報基盤として位置付け得るものがあれば、それを取り込むアプ
ローチが必要ではないか。
・業務統計の目的は多様。レベルを基幹統計並みに揃えるのか、それとも、個々
の活用状況に応じて、段階を作るのか、目指す方向はどちらか。
→ 一般的には基幹統計、一般統計、業務統計の順で高いレベルが求められると
考える。業務統計は、様々なものがあるので、その中でも求めるレベルに違
いがあって良いのではないか。
・業務統計には色の濃淡に違いがあるので、利用頻度や重要度をみて、軽重をつ
けざるを得ない。全ての統計の重みを同一に考えることはしないほうがよい。
・今のご意見に賛成するが、業務統計の範疇が見えにくいので、なかなか軽重が
つけにくい。
・各省の担当者に対し、部会での検討結果はどのようにフィードバックされるの
か。それにより、助言や議論する観点が変わってくると考える。例えば、マ
ニュアルの整備が不十分ということが傾向として確認できれば、この点に留
意して改善をするよう通知するのか、個別の統計について指導をしていくの
か、また最終的なフィードバックのあり方を確認したい。 5・部会の議論の内容は各省からの出席者の方や開示される議事録等で伝わるも
のと理解。個別統計への指摘を行なうかは部会の選択次第だが、どのような
手続きで行うかなど、事務局でイメージを持っているか。
→指摘事項や個々の統計の状況を整理したものを報告書にまとめて、統計委員
会に報告する。報告書は各省にも伝わるので、担当者は、指摘事項や、自身
が担当する統計の状況を把握して改善に取組むことになる。また、各統計は
数年ごとに棚卸しの対象になるので、そこで改善状況のフォローアップを行
うものと考えている。
・統計委員会への報告内容には全体としてこういう課題があるといった包括的
な内容とこの統計は是非こうしてほしいといった個別的な議論の記載もある
という理解でよいか。
→事務局としては、最初は対象統計を横並びで取り上げることが入口になる
と考えている。必要に応じて個別の統計にフォーカスして深くやっていく
方法もあると思う。
・「チェックしているかわからない」との回答があったが、業務統計は「知
らない」ということを、まずはなくすこと。品質管理では「後工程はお客
様」というが、データを渡す人がちゃんと点検確認するという視点を広く
持つことが資料3からのターゲットなのでは。データを担当者に渡す人も、
作表して報告する人もそれぞれ「出荷検査」をする ことが必要。エラー
チェックしていれば、作表または報告プロセスの中で、点検確認している
ことになるので、それは検査したということでよいのでは。1次統計、2
次統計が混在して業務統計になっているとみえて、エラーチェックは担当
者の責任ではなく、集計ミスは担当者の責任なのではと感じた。
・エラーチェックは、業務分担の中で上流工程から下流工程への引き継ぎが重
要であり、そこがきちんとできているかをチェックすることが重要だとの指
摘との理解。今後の更なる分析や報告内容に入れていくべき重要な概念と感
じた。
2業務統計のe-statへの掲載の推進等について
事務局(統計委員会担当室)から、資料4に基づき、説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・e-Stat への掲載は非常に重要な課題だと思っているが、使う側の立場に立つ
ことが必要。使う側の立場では時系列データで取ることが多いため、年ごと
に Excel シートが分かれていると使い勝手が悪いと思うことも多々ある。各
省庁の担当者が、自分たちが担当する業務を e-Stat を使いながらできるよう
な使い勝手の良さを確保できればよい。 6・e-Statは、かつてに比べたら随分よくなっているし、カバーしている範囲も広
がっているとの高い評価が結構多いことを申し上げたい。但し、研究員に聞
くと、欧米のものはさらに使いやすいという。何でも欧米の真似をすればよ
いというものではないが、欧米のサイトがどこまで利便性を高めているかを
参考にして進められたらよい。
・資料5ページの上の「しろまる」印の箇所について、PDFでも何でもとりあえず載せる
ことが先決なのか、優先順位が高いものから使いやすく載せることがよいの
か、リソースに限りがあるのでどこに重点を置くか。
→ただ載せればよいということではなく、載せた以上は便利であってほしい。
「便利さ」というものは非常に定性的なこ とであるので、具体的なことを
我々から依頼、提案を行い、最終報告までにはもう少し具体的なことが言え
るとよい。
・一般統計、業務統計の問題だけではなく、既存の基幹統計、既に掲載されてい
る一般統計の課題でもあるが、非常に使いにくいサイトがあることは事実で
ある。PDFであることも一つの原因ではあるが、Excelでもプリントすればそ
のまま報告書の様式になるように、余分な空白行・列が入っているものや、
文字を均等に配置するために文字の間にブランクが入っているような使いに
くいものがある。次のステップで改善して頂きたい。それから、無駄な空白
行、空白列を使わないようにして「こうしたら使いやすい」という模範的な
掲載の仕方の共通なものを作って頂きたい。それを基本方針とし、載せてい
ないものはそれを目指す。載っているものは更にそれに合わせて行くという
のはどうか。
・統計の現場においても「印刷の形に加工する」ことが職員の業務負担における
主要因になっている。利活用の視点からも、余分な空白行がない方が利便性
の高いことが分かっており、職員にとっても、スピーディーな公表のために
も報告書の様式にとらわれない公表にシフトしていくべき。「あるべき公表
の形」のモデルを模索していくことが統計の現場のBPRとして必要なことだと
思っている。
→先に統計データの形を作って、それから印刷用のレイアウトにしていく方がよ
い。現状では、「報告書を先に作ってデータ化する」という逆の順序になっ
ているから使い勝手の悪いアウトプットになっているケースも多いのではな
いか。ビジネスプロセスを見直し、「先にデータを加工しやすい形として
持って行き、それから印刷するためのレイアウトに編集する」という流れを
目指すのが後々の利活用のためにもなり、概念的には理想と思われる。
・e-Statが利活用のためのデータの公開場所であるとすると、報告書形式の集計
表は各省庁のHPに載っていればよく、そこには様々な必要に応じた注釈など
を全部入れて頂いてもよいが、リンケージするという観点に立つと一定の形
式で整っていた簡素な表がe-Statにはふさわしいかもしれない。「データを 7共有する」、「報告書を公開する」という二段階のプロセスとして考えるこ
ともありではないかと思う。
・山本臨時委員の意見に反論というわけではないが、各府省のHPに入り込むと、
代表的な統計にはすぐたどり着くがなかなかたどり着けない統計もある。e-
Statがデータだけを載せるというのはちょっと不親切。各府省のHPにもぐり
こまないといけないのは大変。
・報告書自体もe-Statにある程度情報があった方がよいか。府省HPの深いところ
にe-Statからリンクを貼っておき、また、府省HPの深いところからe-Statに
リンクを貼っておくということは一案。
・e-Statと各府省のサイトの間での役割分担がどのようにあるべきか、というこ
とは難しい問題だ。これが整理できていないと、利用者からすればどちらを
見ればよいのか迷うことになる。役割分担をさせながらも利用者にとって混
乱しないような提供の仕方を整備する必要がある。
・各府省が公表した統計表をe-Statの方で蓄積している。したがって、モデルを
示すということについては、公表資料を作っていく段階でどうするかという
問題だと思うが、各府省の状況があるなかでどこまでできるか、ということ
もあるがよく考えていくべき問題であると思う。いずれにしても利用者の視
点を踏まえ、外国のサイトなども参考にしつつ、利便性の高いものにしてい
ければと思っている。
→e-Statでは、特定の目的で必要なデータを検索する機能はとても弱い。e-Stat
を作っている担当部署では虚心坦懐で考えて頂く方がよいし、各府省にも考
えて頂きたい。Googleの検索機能を活用するとよい場合もあるが、逆に検索
結果が玉石混合である場合もある。引き続き知恵を絞っていって頂きたい。
→「この統計こういう区分になっているので、調べるにはここを見て下さい」と
いった利用案内の解説がある統計とない統計がある。そういうガイドみたい
なものをうまく作るとよいのではないか。それを全ての統計に対して一律に
扱うのではなく利用度の高い統計については頑張ってもらうとよいのではな
いか。利用度の低い業務統計に対しては程度問題だろう。
・e-Statの検索機能は確かに弱いかも知れない。いろいろな統計が何百件も出て
きて、デザイン的にも長い間見ていると疲労する。利便性も含めて考えて頂
く余地はあると思う。学術論文の場合、検索すると使われている図表がトッ
プページに掲載されたり、また抽象的なイメージ図と文字情報が同時に解説
されたりしているようなものがある。初めてその統計に出会った時の理解度
が全然違うので次の段階で目指してほしい。
→議論していくとどんどん要求水準が上がって行く。目標は「究極は高く」だと
思っているのでこういう議論をしながら、どの辺りが現実的な目標か見定め
て行きたい。第一歩目を間違うと二歩目、三歩目を軌道修正しなければいけ
なくなるので、二歩目、三歩目を見定めながら第一歩を踏み出すことが大事 8である。4ページ目の改善の方向性について異論はないと思うので、こうした
方向性を視野に入れながら使いやすいExcelの検討、e-Statで各府省のHPを発
見しやすくするための一種の基準を設け、これから載せる統計はそれを目指
し、既に載っているものはそれに近づけて行けるようにすることが重要。
会議終了後にお気づきの意見等があれば、事務局と私に知らせていただき
たい。それらについても、今後相談しながら今後の方向性を整理して行けた
らと思う。
3調査の結果公表までの期間について
事務局(統計委員会担当室)から、資料5に基づき、説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・周期が年次調査と3年以上の調査では、統計によりかなり差があるが、この差
はどこから生まれているのか。年次も3年に1回も調査期間は同じなので、
分ける必要はないのではないか。公表までの作業としては年次でも3年に1
回でもそれほど変わらないはずである。これだけの差が生じている理由は、
もちろん個別の事情があると思うが、その事情に統計上の体制整備が追いつ
いていない、人が少ないなどのネックになっている点がみられるかもしれな
いので、理由を聞いてみるとよいのではないか。
→公表期間が1年を超えているもののうち、いくつかについては、追加で理由を
確認する。
・公表までの期間が長い統計については、オンライン調査がどれくらい推進され
ているかという点が大きく影響しているのではないかと思っている。遅れて
いる理由を確認する際に実際の調査手法なども掛け合わせて確認するとよい
のではないか。最初からデータ化されたものだと公表までのプロセスが迅速
に進めやすいが、紙の調査票が依然として残っているのが実態であるので、
このような事情の掛け合わせの可能性もあると思っている。特に農林業関係
で農山間部の調査が必要であったり、高齢の方に対応をお願いする調査も
あったり、一律に迅速化を進めるのは難しいものが中にはあると思うので、
このような実態がわかるような形になっているとよいのではないかと思う。
・確かにオンライン調査など、いろいろな手法がどこまで使われているか、使い
得るかという問題は大きい。それも併せて調べていただきたい。
→オンライン調査の状況は書面調査で取っているので、次回にそれとあわせて
報告させていただく。
・月次の消費動向調査の8日間というのは、直近のものなのか、しばらくの期間
の平均なのか。
→これは直近なので、たまたま1回だけ早かったり、遅かったりということがあ 9るかもしれないため、過去3回分を追加で調査して、平均的にみられるよう
にしたい。
・閣議決定で指定統計を月次と年次で分けているのは、調査規模が関係してこの
ように設定されたのかもしれないと思っている。例えば、年次で公表までの
期間が1年を超える基幹統計は規模の大きいものだと感じている。客体数も
可能であれば、一緒に明記していただくと、2年でやむを得ないのか、長い
のかという話ができるのではないか。公表が遅い理由が客体数である場合、
もう少しやさしくみてもよいのではないかと思っただけなので、全体の散布
図でなくてもよい。
→事務局で、全調査を客体数で並べて公表期間との相関をみたが、多いものが遅
いとか、少ないものが早いとか、相関関係がなく、やはり質問の数や難しさ、
民間業者に委託しているかなど、いろいろな要素があるので、客体数だけで
見ることはできないようだ。
・調査周期が3年以上の調査については、公表まで1年以上かかっているものが
これだけある。統計によってはそんなに急ぐ必要がないものがあるかもしれ
ないが、例えば、公的年金加入状況等調査、人口移動調査、乳幼児身体発育
調査などは、こんなに遅くていいはずがないし、公表する意味さえもなく
なってしまうのではないかと思うところがある。やはり、客体数が多いにし
ても、例えば入手したデータを五月雨式に処理し、最後の1枚がくれば全部
集計できるとか、そういうことがあるかもしれないので、プロセス上の課題
が疑われるところはある。一般論では、客体数が多いところは少しお手柔ら
かにということがあるかもしれないが、これも参考情報として取りながらも、
どのように改善していけばよいか、共に知恵を絞るというアプローチをしな
ければいけないと思い、名前を出したので、その辺りは調べて、また報告し
ていただけたらと思う。
4次会の部会で報告を予定しているテーマについて
事務局(統計委員会担当室)から、資料6に基づき、説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・今回の議論は色々な視点が入っていて、例えば、公表一つを取り上げても、そ
のプロセスを改善することによって効率も上がるし、負担も減らせるという
ように、全部がつながっていると感じた。まとめるときに理想論を掲げるこ
とももちろん重要だが、できれば何が担当者にとって実現可能で、かつ有効
なのかというところを一つ一つ詰めながら提案していきたい。当部会には多
様な分野の方々が集まっているので、そういうこともできるかと思う。
・次回の報告の【業務効率化】の中でオンライン調査の件を入れていただいて 10るが、その他、統計調査に技術的に活用されるものについて何か調査項目に
入っているか。オンライン以外で現場の業務効率を技術的に支えているもの
が昨今色々出てきており、そういった観点も現場の負担軽減や調査精度の向
上といった部分に寄与する可能性がある。各府省の負担軽減という観点から
も、報告者の負担軽減という観点からも、そういった点が今後拾えたりする
と良い。但し、各府省の意見を聞いていると、国からこういった形で来る調
査依頼自体が業務上非常に負担だという話もあるので、効率的なタイミング
で確認いただければと思う。
→報告者負担軽減、各省の業務効率化の観点から、参考になるような進んだ取組
をしている事例があれば教えていただくような形で考えたい。
・一般の調査統計における個票審査という業務と業務統計における受け取った報
告のチェックは似たところがあって、例えば審査を自動化することは、調査
統計の方々にも、業務統計の方々にも役立つかも知れない。
・業務効率化の中で審査の自動化といったことが行われているかといったところ
も視野に入れられるか、可能であれば入れていただきたい。
・調査体制がより大きい基幹統計まで来ると、そういったベストプラクティスが
多く出てくると思うので、今すぐに照会をかけなくても、今後のベストプラ
クティスを水平展開していくことをご検討いただければと思う。
(4)平成30年度における「見える化状況検査」について
事務局(統計委員会担当室)から、資料7、資料7-1、資料7-2に基づき、
説明が行われた。
委員等からの主な発言は以下のとおり。
・実際どこまで出来ているかというのをチェックしていくことで、段々と実施状
況が改善されてきており、是非これを進めて行けたらと思う。
・(資料7の4ページ、5ページに記載している基幹統計の検査結果は)みな
拡大していて良いと思うが、(結果を)合成すると実際それが何を意味して
いるか分からないところもあるので、いくつか代表的な統計を選んで、増え
ているのは実際にどう変わったか、質的に向上しているかということも合わ
せながら、具体的に数値を解釈していただけるとより腑に落ちて分かりやす
い。
・絵で見るだけでなく、現物を見てここが改善したというところを確認する、絵
と実態を突き合わせることは確かに必要。
→(基幹統計の検査結果は)各府省の自己申告ではなくて、事務局の方で実際に
ホームページを見て確認したもの。今回の一般統計も、事務局の確認と各府
省の確認と両方合わせてやっていきたい。 11・資料7の3ページ目で、業務統計は一般統計と違うので、「調査の対象」「調
査の方法」は検査項目に入らないとの説明があったが、統計の対象とか、ど
のような窓口に届出がなされたのかなど、統計の仕組みが分からないと統計
の意味を解釈するのは難しいところがある。従って、せめて「統計の対象」
と「統計作成の方法」といったところは残していただきたい。
→ご指摘の項目は残すことにしたい。
次回の統計業務プロセス部会は、12月13日(木)10時から総務省第2庁舎6階特別
会議室において開催する予定である旨、事務局から案内された。
以上

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