株式会社 診断と治療社

株式会社 診断と治療社

ホーム
分野一覧
雑誌
  1. ホーム
  2. 書籍
  3. リハビリテーションに役立つ画像の見かたガイド

リハビリテーションに役立つ画像の見かたガイド

その画像、リハにどう活かせますか?

リハビリの臨床における,主要な疾患の画像の特徴と疾患概要,機能予後と所見について,リハの留意点を交えわかりやすく解説した画像評価の入門書.
X線,CT,MRI,核医学,超音波検査など,各モダリティの基礎知識や,頭部,呼吸器,循環器,運動器疾患を一冊でカバーし,現場のリハスタッフから学生まで画像評価の目線統一に役立ちます.
  • 川崎医科大学リハビリテーション医学/川崎リハビリテーション学院 花山 耕三 責任編集
  • 慶応義塾大学スポーツ医学研究センター 橋本 健史 編集
  • 川崎医科大学脳神経外科学 菱川 朋人 編集
  • 川崎医科大学神経内科学 三原 雅史 編集
  • 川崎医科大学脳卒中医学 八木田 佳樹 編集
定価:
5,500円(本体価格 5,000円+税)
発行日:
2025年10月08日
ISBN:
9784787826749
頁:
312頁
判型:
B5
製本:
並製
在庫:
在庫あり

電子版はこちらからご購入いただけます.

序文

編者が毎朝出席していた病院の脳卒中カンファレンスでは,脳卒中ユニットに所属する脳卒中科医,脳神経外科医,リハビリテーション科医,理学療法士,看護師,医療ソーシャルワーカーなどの各職種が集合し,新入院患者がプレゼンテーションされていました.そこでは急性期治療の方針や行われたことが説明され,その後の治療においてリハビリテーション治療が開始されるかどうかまで話し合われます.その際,スクリーンには多くの画像が提示され,画像所見とその解釈が説明されます.超急性期においてはそれぞれの職種がどのように動いていくのか,特に,主治医の方針がどうなっているのか,回復の可能性やリスクはどうなのかをリハビリテーション関連職種が十分に把握している必要があります.これらが画像を根拠として説明されるのであれば,その画像の見かたを知っておくことが理解につながり,ひいては有効な連携の一助になると考えます.
リハビリテーション医療で扱われる疾患は多岐にわたり,それぞれの疾患の診断や病態把握には何種類もの画像検査が用いられます.さらに現在は,かつてのような病棟や外来診療室に袋に入れたフィルムが置かれていた時代とは違い,情報のデジタル化によって各種の画像データへのアクセスが非常に容易になっています.画像を読むことによる病態のより深い理解を通してリハビリテーション治療に活かせること,画像が複数の職種の目に触れることによって見落としを防ぎリスク管理につながること,さらに,これらを通して確認することにより指示や処方の徹底につながることなど,画像を共有することは今や必須のものといえます.令和6年版の理学療法士作業療法士国家試験出題基準においても,臨床医学の分野では画像の項目があらゆる部分に記載されており,その重要性が強調されています.
本書は,リハビリテーション医療に携わる医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,その他の職種を対象として各疾患を画像を通してみることを主眼においてまとめたものです.脳神経系,運動器,呼吸器,循環器の主要疾患,中枢から末梢まで,画像がその診断に用いられるものをなるべく取り上げました.それぞれの疾患についての各診療科の第一線の医師に執筆をお願いし,単に画像の見かたにとどまらず,各疾患の病態や標準的治療を簡潔に解説していただき,その画像との関係についての理解が深められるようにしました.また,「リハビリテーション治療と留意点」を各疾患に設け,疾患に対応した一般的なリハビリテーション治療の方針や禁忌,注意事項をあげていただきました.
本書が,リハビリテーション科専門医,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士を目指す学生,あるいは現場で働く各職種の知識の獲得と整理,臨床場面でのガイドブックとして役立てていただけるのであれば,このうえない喜びです.最後になりましたが,編集,執筆に携わっていただいた多くの先生方に深甚なる謝意を表します.

2025年9月
川崎医科大学リハビリテーション医学特任教授
川崎リハビリテーション学院学院長
花山耕三

目次

序文 花山耕三
編集・執筆者一覧
略語一覧

Part1
各画像検査と画像の特徴を理解しよう
1 画像検査の基礎知識 花山耕三
2 X線検査 神吉昭彦・玉田 勉
3 CT検査 山本 亮・玉田 勉
4 MRI検査 檜垣 篤・玉田 勉
5 核医学検査 竹内省吾・福倉良彦・小野由美香・曽根照喜
6 超音波検査 今村祐志・畠 二郎

Part2
脳画像と機能解剖をつなげて理解しよう
1 脳画像のスライスマップ 平岡 崇
2 運動機能と大脳基底核・錐体路 平岡 崇
3 感覚機能と神経システム・感覚野 平岡 崇
4 空間認知と脳内ネットワーク 平岡 崇
5 姿勢制御・運動調節と神経システム 平岡 崇
6 言語機能と脳内ネットワーク 平岡 崇
7 摂食嚥下機能と神経システム 平岡 崇
8 感情制御と大脳辺縁系 平岡 崇
9 認知・記憶・思考と前頭前野 平岡 崇

Part3
運動器・呼吸器・循環器系と画像解剖・機能解剖をつなげて理解しよう
A 運動器系の画像解剖・機能解剖
1 脊椎・脊髄 高橋洋平
2 上肢 橋本健史
3 骨盤・下肢 橋本健史
B 呼吸器系の画像解剖・機能解剖
1 上気道・下気道 浦野哲哉
2 肺・胸郭・呼吸筋 浦野哲哉
C 循環器系の画像解剖・機能解剖
1 心臓・血管系 玉田智子
2 リンパ系・その他 玉田智子

Part4
頭部の疾患と障害の画像評価を理解しよう
A 虚血性脳血管障害
1 虚血性脳血管障害とは 八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
モダリティによる経時変化の差:DWI-FLAIRミスマッチ
2 前大脳動脈領域梗塞 八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
3 中大脳動脈領域梗塞 八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
4 内頸動脈の深部穿通動脈(前脈絡叢動脈)領域梗塞八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
5 後大脳動脈領域梗塞 八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
6 小脳動脈領域梗塞 八木田佳樹・大山直紀
リハビリテーション治療と留意点
B 出血性脳血管障害
1 出血性脳血管障害とは 八木謙次
スポットサイン(spot sign)
STICH(Surgical Trial in Intracerebral Haemorrhage)研究
リハビリテーション治療と留意点
2 皮質下出血 八木謙次
3 被殻出血 八木謙次
4 視床出血 八木謙次
5 脳幹出血 八木謙次
6 小脳出血 八木謙次
7 くも膜下出血(脳動脈瘤破裂) 村井 智
リハビリテーション治療と留意点
8 もやもや病・脳動静脈奇形 村井 智
リハビリテーション治療と留意点
リハビリテーション治療と留意点
C 中枢神経変性疾患
1 認知症疾患 三原雅史
リハビリテーション治療と留意点
2 パーキンソン病関連疾患・脊髄小脳変性症 三原雅史
D 髄液循環障害
1 正常な髄液循環 田尾良文
2 正常圧水頭症 田尾良文
リハビリテーション治療と留意点
3 低髄液圧症候群 田尾良文
リハビリテーション治療と留意点
E 脳腫瘍
1 脳腫瘍とは 平井 聡
リハビリテーション治療と留意点
2 髄膜腫 平井 聡
リハビリテーション治療と留意点
脳腫瘍関連てんかん
3 神経膠腫 平井 聡
4 下垂体腺腫 平井 聡
リハビリテーション治療と留意点
5 神経鞘腫 平井 聡
リハビリテーション治療と留意点
難聴の患者
F 頭部の炎症性疾患
1 頭部の炎症性疾患の理解 三原雅史
2 髄膜炎 三原雅史
3 脳炎・脳膿瘍 三原雅史
リハビリテーション治療と留意点
4 多発性硬化症・視神経脊髄炎 三原雅史
G 脳外傷
1 頭部外傷とは 井上 智
リハビリテーション治療と留意点
2 急性硬膜下血腫 井上 智
3 急性硬膜外血腫 井上 智
4 慢性硬膜下血腫 井上 智
5 脳挫傷 井上 智
6 びまん性軸索損傷 井上 智

Part5
運動器・呼吸器・循環器系の疾患と障害の画像評価を理解しよう
A 脊椎・脊髄
1 椎間板ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア) 高橋洋平
リハビリテーション治療と留意点
2 変形性脊椎症・脊柱管狭窄症(腰部脊柱管狭窄症) 高橋洋平
リハビリテーション治療と留意点
3 脊椎分離・すべり症(腰椎分離すべり症) 高橋洋平
リハビリテーション治療と留意点
4 後縦靭帯骨化症(頸椎後縦靭帯骨化症) 高橋洋平
リハビリテーション治療と留意点
5 骨粗鬆症 橋本健史
B 上肢
1 鎖骨骨折・肩鎖関節脱臼・肩関節脱臼 松村 昇
リハビリテーション治療と留意点
2 凍結肩・肩腱板断裂 松村 昇
リハビリテーション治療と留意点
3 上腕骨骨折・肘関節骨折 高木岳彦
リハビリテーション治療と留意点
ギプスシーネの中でずれる上腕骨外側顆骨折(late displacement)
4 橈骨・尺骨骨折 高木岳彦
リハビリテーション治療と留意点
5 手関節骨折 高木岳彦
リハビリテーション治療と留意点
6 手根骨骨折・中手骨骨折・舟状骨骨折 高木岳彦
リハビリテーション治療と留意点
7 関節リウマチ 橋本健史
リハビリテーション治療と留意点
C 胸腹部(呼吸器系)
1 肺炎と間質性肺炎 浦野哲哉
リハビリテーション治療と留意点
2 慢性閉塞性肺疾患 浦野哲哉
リハビリテーション治療と留意点
3 胸膜炎 浦野哲哉
4 気胸 浦野哲哉
リハビリテーション治療と留意点
D 胸腹部(循環器系)
1 心不全(肺水腫,胸水) 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点
2 冠動脈疾患 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点
3 肺動脈性肺高血圧症 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点
4 大動脈瘤・大動脈解離 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点
5 肺血栓塞栓症 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点
E 骨盤・下肢
1 骨盤骨折 梅津太郎・金子博徳
リハビリテーション治療と留意点
2 変形性股関節症・大腿骨頭壊死 石井齊宜・金子博徳
リハビリテーション治療と留意点
3 大腿骨骨折 石井齊宜・金子博徳
リハビリテーション治療と留意点
4 変形性膝関節症 原藤健吾
リハビリテーション治療と留意点
5 下腿・足関節骨折 橋本健史
6 踵骨・距骨骨折 橋本健史
リハビリテーション治療と留意点
7 結晶誘発性関節炎(偽痛風,痛風) 橋本健史
リハビリテーション治療と留意点
8 下肢閉塞性動脈硬化症 田村太志
リハビリテーション治療と留意点
9 深部静脈血栓症 玉田智子
リハビリテーション治療と留意点

索引

関連書籍

PT・OT・STのためのリハビリテーション管理学

PT・OT・STのためのリハビリテーション管理学

定価:3,960円(税込)

リハビリテーション総論 改訂第4版

リハビリテーション総論 改訂第4版

定価:4,180円(税込)

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 第2版

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 第2版

定価:3,300円(税込)

BMI over 30 肥満患者のリハビリテーション

BMI over 30 肥満患者のリハビリテーション

定価:5,500円(税込)

臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 OT版

臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 OT版

定価:2,750円(税込)

臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 PT版

臨床実習で役立つリハビリテーション基本実技 PT版

定価:2,750円(税込)

必携 脳卒中ハンドブック 改訂第4版

必携 脳卒中ハンドブック 改訂第4版

定価:17,600円(税込)

脳解剖から学べる 高次脳機能障害リハビリテーション入門 改訂第2版

脳解剖から学べる 高次脳機能障害リハビリテーション入門 改訂第2版

定価:3,960円(税込)

イラストと動画で学ぼう!人間発達学

イラストと動画で学ぼう!人間発達学

定価:4,400円(税込)

目的別車椅子シーティングのススメ

目的別車椅子シーティングのススメ

定価:4,180円(税込)

top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /