広島の、あるベテラン自民党員は「保守回帰」に胸をなでおろした。高市早苗前経済安全保障相を選んだ総裁選を巡り、大多数の党員の声と異なる結果になれば、党が持たないと考えていたからだ。「党を支える岩盤保守層に冷たかった」。不満の矛先は地元選出の岸田文雄前首相にも向く。
リベラル政権生みの親
党員歴20年という60代の男性は総裁選で高市氏に一票を投じた。「3回連続だった」と語るように、岸田氏が選出された令和3年の総裁選から高市氏を推し続けていた。
男性は保守系民間団体「日本会議」に所属し、活動にも熱心だ。安倍晋三元首相の路線を継承する保守的な政治スタンスの高市氏を支持するのは自然な流れといえる。