人体に不可欠な天然資源「ヨウ素(ヨード)」は、首都圏の地下が世界最大の埋蔵量を誇っている。北海道大などの研究チームは9月、プレート(岩板)の活動がヨウ素の蓄積につながる仕組みを解明し、国際的な学術誌で報告した。首都圏は3つのプレートが重なる世界的に見ても珍しい地域で、時には巨大地震を引き起こすプレートの活動が、同時に大きな恩恵をもたらしていた。
ペロブスカイト太陽電池での活用も
ヨウ素は物質を構成する元素の1つで、1811年にフランス人化学者が海藻の灰から発見した。世界の生産量のうち約6割を南米チリが、約3割を日本が占める。日本が輸出できる貴重な天然資源として、戦略的な価値も有する。