RDoc における jQuery の脆弱性について

Posted by aycabta on 28 Aug 2019

Ruby の標準添付ライブラリである RDoc に含まれる jQuery においてクロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性が発見されました。 全ての Ruby ユーザーは、この問題が修正された RDoc をバンドルする最新バージョンに更新することが推奨されます。

詳細

以下の脆弱性が報告されています。

この問題の影響を受けるバージョンの Ruby のユーザーは、最新の Ruby に更新するか、下記の回避策を取ってください。 また、問題を完全に修正するためには、既に生成されている RDoc ドキュメントを再生成する必要があります。

影響を受けるバージョン

  • Ruby 2.3 系列の全てのリリース
  • Ruby 2.4.6 以前の全ての Ruby 2.4 系列
  • Ruby 2.5.5 以前の全ての Ruby 2.5 系列
  • Ruby 2.6.3 以前の全ての Ruby 2.6 系列
  • commit f308ab2131ee675000926540cbb8c13c91dc3be5 より前の開発版

更新後に実施すべき対応について

なお、RDoc は静的ドキュメント生成ツールです。 したがって、RDoc 自体を修正しても、既に生成済みの HTML ドキュメントの脆弱性は解消されません。 これらの HTML ドキュメントを公開している場合は、以上いずれかの対策を行った上で、該当の HTML ドキュメントを再生成してください。

回避策

原則としては、Ruby 自体を最新のリリースに更新してください。それができない場合は、以下のコマンドを実行することにより、RDoc を最新版 (6.1.2 以降) に更新することによって、各脆弱性が修正されます。ただし、上記の通り生成されたドキュメントの再生成も必要です。

gem install rdoc -f

注意: 当初この記事で一部 rdoc-6.1.1.gem と書かれていましたが、これは脆弱なバージョンでした。rdoc-6.1.2 以降を使用してください。

開発版については、master ブランチの最新 (HEAD) に更新してください。

クレジット

この脆弱性情報は、Chris Seaton 氏によって報告されました。

更新履歴

  • 2019年08月28日 18:00:00 (JST) 初版
  • 2019年08月28日 20:50:00 (JST) RDoc のバージョン修正
  • 2019年08月28日 21:30:00 (JST) いくつか表現の修正


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