大麻・けし
不正大麻・けし撲滅運動
「大麻」や麻薬の原料となる「けし」は、大麻取締法、あへん法等により、原則として栽培が禁止されています。
不正栽培及び自生している大麻や植えてはいけない「けし」を撲滅するため、大麻やけしの発見、除去及び大麻やけしに関する正しい知識の普及啓発を行っています。
不正栽培または自生している大麻やけし(植えてはいけない「けし」と疑われるもの)を発見した場合は、最寄りの保健所または衛生薬務課にご連絡ください。
大麻・けしの見分け方は、次のファイルをご覧ください。
保健所の管轄区域及び問い合わせ先一覧
PDFファイルをご覧になれない方は、次をご覧ください。
大麻(アサ)の見分け方
- アサは、その茎から丈夫な繊維がとれるので、古代から繊維をとる植物として栽培・利用されてきました。しかし、その花や若い葉(大麻)には幻覚を引き起こす成分が含まれているため、法律で、一般の栽培や所持が禁止されています。
- アサは、成長が早く、大きいものは草丈が3mにもなりますが、種子をつけた後は枯れてしまいます。
- 良く成長したく茎は、太く緑色で、浅いすじが通っていて、真直ぐに立ちます。
- 葉は、細長い柄の先に、3〜9枚の小葉が集まって手のひらのなような形になっています。葉全体の大きさは10〜20cmくらいです。
- 雄花と雌花が別々の株につき、花は夏に咲きます。雌株は、葉のつけ根に穂状の雌花を多数つけます。雌花を摘むと、ねばねばします。
- 「麻」と名のつく植物は、大麻以外にも亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、黄麻(ジュート)など多数あります。このうち、葉の形が似ていることから大麻と間違われやすい植物として洋麻(ケナフ)がありますが、ケナフはオクラやトロロアオイのような黄色の大きな美しい花を咲かせます。
不正大麻けし1(大麻)
けしの見分け方
けしの仲間(ケシ属植物)は、春から夏にかけて色あざやかで美しい大きな花を咲かせるものが多く、ガーデニングや切り花用の植物として人気があります。
しかし、ケシの仲間には、法律で栽培が禁止されているものがあります。これらは、外見の特徴から、園芸用のけしと区別できます。けしの仲間を正しく見分けましょう。
植えてはいけないけし
1.ケシ(ソムニフェルム種)(学名:パパヴェル・ソムニフェルム)
- 秋に種子をまくと翌年の春に、春先に種子をまくと初夏に、10cmくらいの大きな花が咲きます。
- 一重咲きの花は、花びら4枚で、色は赤、桃、紫、白などがあります。また、多数の花びらがついた八重咲きの花もあります。
- 開花期の草丈は100〜160cmくらいです。
- 葉、茎、つぼみなどの外観は、キャベツの葉のような白味を帯びた緑色をしています。
- 葉、茎、つぼみの表面には、ほとんど毛がありませんが、つぼみの下の茎(花梗)や葉の裏の主脈(葉の中心にある一番太い葉脈)には、まばらに毛がつくことがあります。
- 葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、茎のつけ根で茎を巻き込むような形でついています。葉の長さは10〜50cm、幅は5〜20cmくらいです。
- 花が終わると、雌しべが発達してふくらみ、だ円または球形で、上部が平たい皿のような形をした大きな果実(径3〜6cm、長さ3〜7cm)になります。
不正大麻けし2(ケシ)
2.アツミゲシ(セティゲルム種)(学名:パパヴェル・セティゲルム)
- 秋に種子をまくと翌年の春に、春先に種子をまくと初夏に、花が咲きます。
- 花は、花びら4枚で、色は薄紫や赤あり、ソムニフェルム種よりも小形です。
- 開花期の草丈は50〜100cmくらいです。
- 葉、茎、つぼみなどの外観は緑色で、よく枝別れ(分枝)します。
- ソムニフェルム種よりも毛が多く、つぼみのがく片やつぼみの下の茎(花梗)は毛で覆われています。
- 葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、茎のつけ根で茎を巻き込むような形でついています。葉の大きさはソムニフェルム種より小形です。
- 果実はソムニフェルム種よりも小形です。
不正大麻けし3(アツミゲシ)
3.ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種)(学名:パパヴェル・ブラクテアツム)
- 花が終わり植物が枯れた後も根が残り、翌年も同じところから芽を出します。
- 初夏に、径10cmくらいの鮮やかな深紅の大きな花を咲かせます。花びら4〜6枚で、基部に黒紫の鮮明な斑点があります。
- 花びらのすぐ真下に4〜6枚のハカマ(苞葉)があります。これは、果実が出来て、果実の下の茎(果梗)が枯れるまで残り、ハカマのように見えるので、「ハカマオニゲシ」の名前の由来となりました。
- 草丈は60〜100cmで、葉や茎全体が白く硬い毛で覆われています。
- 葉は濃緑色で、鳥の羽のような形に深く切り込んでいます。地面に近い部分の葉(根出葉)は、長い柄(葉柄)があり、長さは柄を含め20〜25cmで密についています。
- つぼみを覆う2枚のがく片の表面には、硬く伏した(寝た)毛が多数ついています。
- 果実は、表面に毛がなく、青緑色です。
不正大麻けし4(ハカマオニゲシ)
植えてもよいけし
1.オニゲシ
- 花が終わり植物が枯れた後も根が残り、翌年も同じところから芽を出します。
- 初夏に、径10cmくらいの橙〜朱色の大きな花を咲かせます。花びらは4〜6枚で、基部に黒紫色の斑点があるものとないものがあります。
- 花びらのすぐ真下に1〜4枚のハカマ(苞葉)がつくものがあります。このハカマは、ハカマオニゲシのものに比べて大きい傾向があります。
- 草丈は50〜100cmで、葉や茎全体が白く硬い毛で覆われています。
- 葉は濃緑色で、鳥の羽のような形に深く切り込んでいます。ハカマオニゲシに似ていますが、ハカマオニゲシに比べ、葉色は黄色味がかり、葉の幅は広い傾向があります。
- つぼみを覆う2枚のがく片の表面には直立した毛が多数ついています。
- 果実は、表面に毛がなく、青緑色です。
不正大麻けし5(オニゲシ)
2.アイスランドポピー
- 原産地(シベリア・モンゴル)では、花が終わった後、翌年も同じところから芽を出しますが、日本では、秋に種子をまき、翌年の春先から初夏にかけて花が咲き、夏に枯れます。
- 花はケシ、ハカマオニゲシに比べて小さく可憐で、径7〜8cm、色は赤、桃、橙、黄、白などで花びらは4枚です。
- 草丈は70〜80cmくらいです。
- 葉、茎、つぼみの表面には、長く粗い毛がついてます。
- 葉は柄(葉柄)があり、長さは柄を含めて3〜15cm、色は緑色で、深い切れ込みがあり、菊の葉に似ています。地面に近い部分の葉(根出葉)の中心から長く伸びた花梗(花の下の茎)には葉がありません。
- 果実は、長さ1〜2cmで表面が毛で覆われています。
不正大麻けし6(アイスランドポピー)
3.ヒナゲシ(虞美人草)
- 秋に種子をまき、翌年初夏に、または春先に種子をまいて初夏に花が咲きます。
- 花はケシ、ハカマオニゲシに比べて小さく可憐で、径6〜8cm、色は紅、橙、桃色などで、花びら4枚の一重咲きと八重咲きのものがあります。
- 草丈は50〜80cmくらいです。
- 葉、茎、つぼみは緑色で表面は細かい多数の毛で覆われています。
- 葉には深い切れ込みがあります。
- 果実は、長さ1〜2cmで小さく、表面に毛がありません。
不正大麻けし7(ヒナゲシ)
4.ブルーポピー
- ヒマラヤ、チベット及び中国南西部の山岳地帯原産の青い花をつけるケシの仲間で、「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれています。花が終わると枯れてしまうものや、再び同じところから芽を出すものがあります。暑さに弱く気温30°C以上では枯れます。日本では北海道や長野県など涼しい気候の場所で栽培されており、開花期は5月〜7月です。
- 花の付き方や大きさは種類によって異なりますが、径5〜15cmの青〜青紫の花が横向きに咲き、花びらは4〜9枚です。同じ植物でも白、紫、紅紫の花が咲くものもあります。
- 草丈は植物の種類によって異なりますが、50〜120cmくらいです。
- 葉、茎は粗い多毛で覆われていますが、毛が少ないものもあります。茎を切ると黄橙色の液が出ます。
- 葉は、植物の種類によって切れ込みがあるものとないものがあります。
- 果実は細長く表面が毛で覆われています。
不正大麻けし8(ブルーポピー)
簡単なけしの見分け方
植えてはいけないけし
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植物の種類
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草丈
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葉の色
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葉の特徴
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毛
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花
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ケシ
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100〜
160cm
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白味を帯びた緑色
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ふちが不規則なぎざぎざ
葉の切れ込みが浅い
茎上部の葉は茎を抱き込む
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毛が少ない
葉の裏の主脈やつぼみの下の茎にあることがある
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大きさ径8〜12cm
一重咲きは花びら4枚、八重咲きがある
色は赤、桃、紫、白など
花びらの基部に斑点があるものもある
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アツミゲシ
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50〜
100cm
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緑色
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ふちが不規則なぎざぎざ
葉の切れ込みが浅い
茎上部の葉は茎を抱き込む
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葉の裏の主脈やつぼみの下の茎にあることがある
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大きさ径6〜8cm
花びら4枚
色は薄紫、赤など
花びらの基部に斑点があるものもある
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ハカマオニゲシ
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60〜
100cm
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濃い緑色
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鳥の羽のような(羽状)切れ込みがある
花の真下に苞葉がある
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全体が白く硬い毛で覆われている
つぼみの表面の毛は寝ている
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大きさ径9〜12cm
花びら4〜6枚
色は深紅
花びらの基部に黒紫の斑点がある
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植えてもよいけし
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植物の種類
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草丈
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葉の色
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葉の特徴
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毛
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花
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オニゲシ
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50〜
100cm
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濃い緑色
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鳥の羽のような(羽状)切れ込みがある
花の真下に苞葉があることがある
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全体が白く硬い毛で覆われている
つぼみの表面の毛は立っている
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大きさ径9〜12cm
花びら4〜6枚
色は橙〜朱色
花びらの基部に黒紫の斑点があるものもある
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アイスランドポピー
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70〜
80cm
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緑色
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深い切れ込みがある
菊の葉に似ている
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全体が粗い毛で覆われている
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大きさ径7〜8cm
花びら4枚
色は赤、桃、橙、黄、白など
ケシ属には珍しく黄色の花がある
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ヒナゲシ
(虞美人草)
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50〜
80cm
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緑色
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深い切れ込みがある
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全体が細かい毛で覆われている
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大きさ径6〜8cm
一重咲きは花びら4枚、八重咲きがある
色は紅、橙、桃色など
花びらの基部やふちが白色のものがある
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ブルーポピー
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50〜
120cm
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緑色
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切れ込みがあるものとないものがある
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全体が粗い毛で覆われているが毛の少ないものもある
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大きさ径5〜15cm
花びら4〜9枚
色は青〜青紫
白、紫、紅紫の花が咲くものもある
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