1 医療法人制度の目的
医療法人制度は、「医業の非営利性を保ちつつ、私人による病院経営の経済的困難を、医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講じしめること等により、緩和せんとする」ことを目的としたもので、医業に於ける非営利性を損なうことなく、医療機関の経営を安定化・永続化の実現を図る制度です。
医療法第40条の2においても、「医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう努めなければならない」と規定されており、今般の地域医療の重要性に鑑み、ますますその役割が期待されているところです。
詳しくは、厚生労働省ホームページ(外部サイトへ移動します)をご覧ください。
2 医療法人の種別
現在、医療法人には、以下のとおりの種別があります。
設立による区分
ア 社団の医療法人
人(社員)の集まりに基づき成立した医療法人です。医療法人の運営は、定款に基づき行われ、定款の変更・予算決定などは最高意思決定機関である社員総会において決定されます。なお、社団の医療法人については、持ち分の定めを有する社団法人(経過措置型医療法人)と持ち分の定めを有しない社団法人(持ち分の定めを有する社団法人への移行は不可)に分けることができます。
イ 財団の医療法人
財産の集まりに基づき成立した医療法人です。医療法人の運営は、寄附行為に基づき行われ、寄附行為の変更・予算決定などの重要事項は最高意思決定機関である理事会において決定されます。なお、財団の医療法人は諮問機関として評議員会を設けなければなりません。
特殊な医療法人
医療法人のうち、高い公共性等を認められるものについては、所管者(都道府県知事又は国税庁長官)等の認定を受けることにより、収益事業を行うことや医療保健業等に係る法人税の軽減を受けることができます。
ア 社会医療法人
医療法第42条の2に基づく財団又は持ち分の定めのない社団の法人です。同条の要件を満たすことについて、都道府県知事の認定を受けることが必要です。
社会医療法人は、収益業務や社会医療法人債の発行を行うことができます。なお、社会医療法人は、法人税が非課税(附帯事業・収益事業を除く)となります。
イ 特定医療法人
租税特別措置法第67条の2に基づく財団又は持ち分の定めのない社団の法人です。その事業について、医療の普及及び向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与し、かつ、公的に運営されていることにつき国税庁長官の承認を受けることが必要です。
なお、特定医療法人については、医療保健業に係る法人税は19%(通常23.4%)の軽減税率となります。
出資額限度法人について
持ち分の定めのある社団医療法人のうち、その定款において、社員の退社時における出資持分払戻請求権や解散時における残余財産配分請求権の法人の財産に及ぶ範囲について、払込出資額を限度とすることを明らかにしている法人を、出資額限度法人と呼びます。
これは、持ち分の定めのある医療法人について、社員の退社などによる持ち分払戻し請求によって、法人の経営が悪化することを未然に防ぐとともに、より公益性の高い「持ち分の定めのない医療法人」への円滑な移行を促進する制度です。
なお、出資額限度法人から通常の持ち分の定めのある社団医療法人への移行は、法律に規定はされていませんが、当該趣旨に鑑み、適当ではありません。
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