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福祉医療制度の在り方の検討について

更新日:2025年9月30日

群馬県の福祉医療制度 は、市町村が行う「子ども」「重度心身障害者」「母子家庭等」の医療費助成に対して補助を行う制度です。経済的負担の軽減を図り、安心して必要な医療を受けられる制度として、昭和48年に創設され、群馬県の特色ある施策の一つとなっています。
一方、少子高齢化の進展や所得格差の拡大等の社会情勢の変化により制度に求められる役割が変化していること、また、医療の高度化に伴う医療費の増加や国の医療保険制度改革の影響を受け、福祉医療費の助成額は年々増加傾向となっていることなど、福祉医療を取り巻く環境は、長い年月の間に大きく変化してきました。
このため、本制度を将来にわたって安定的で持続可能なものとし、真に必要な人に必要な支援が行き届く制度とするため、外部有識者等による検討会を平成29年2月に設置し、現在まで様々な可能性を見据えた議論を実施しています。

  1. 名称 群馬県福祉医療制度在り方検討会
  2. 委員 群馬県福祉医療制度在り方検討会委員名簿 (PDF:519KB)
  3. 設置要領 群馬県福祉医療制度在り方検討会設置要領 (PDF:698KB)

検討会の報告書について

これまでの議論の結果、平成31年3月に報告書が取りまとめられました。
また、報告書の内容の制度への反映に関する検証の報告書が令和7年8月に取りまとめられました。
群馬県福祉医療制度在り方検討会報告書(「付録:制度への反映とその検証」付き) (PDF:9.73MB)

報告書の概要

1.入院時食事療養費標準負担額への助成について

(1)助成の在り方について

地域包括ケアを推進する方向性、入院と在宅等との費用負担の公平性及び制度の持続可能性等を踏まえ、入院時食事療養費標準負担額の助成については、低所得者に配慮したうえで見直すべきである。

(2)対象範囲について

群馬県が進める「少子化対策・子育て支援施策」に配慮し、子ども及び母子家庭等については、現行どおり助成を継続すべきである。
重度心身障害者については、全体で見れば年齢、障害の状態及び生活の実態は様々であることから、受給者の状況を十分踏まえた上で、見直しを行う必要がある。

(3)実施の時期等について

制度の見直しによる自己負担の導入にあたっては、市町村や関係機関などを含めた全体の環境が整備され、また、対象となる受給者に対する十分な準備・周知期間を設けた上で実施すべきである。

2.医療費の助成について

(1)助成の在り方について

福祉医療制度を将来にわたって安定的に維持し、真に必要な人に必要な支援が行き届く制度とするため、医療費助成についても今回見直しを検討すべきである。

(2)対象範囲について

子どもについては、群馬県が進める「少子化対策・子育て支援施策」を推進するため、母子家庭等については、すでに所得制限が設けられていることから、現行どおり助成を継続すべきである。
重度心身障害者については、様々な課題があることを踏まえ、見直しを検討すべきである。

(3)見直しにおける課題について

重度心身障害者の様々な課題については、「所得」「年齢」「対象傷病等」の3つに整理し、検討を行いました。

【所得に関する課題】
所得制限がないため、高所得者にも助成している
国が進める応能負担の方向性の結果、高所得者に対し、より多額の助成をしている

【年齢に関する課題】
年齢制限がないため加齢による疾病等にも助成をしている

【対象傷病等に関する課題】
障害の原因疾病だけでなく風邪など全ての治療に助成している
症状が安定した長期療養者に対しても引き続き助成している

(4)見直しの内容について

これらの課題のうち、所得に関する課題について、公平性の確保や国が進める応能負担の方向性、制度の持続可能性を踏まえ、所得制限の導入を行うべきである。
年齢に関する課題、対象傷病等に関する課題については、所得制限の導入を踏まえたうえで、必要に応じて検討すべきである。

(5)所得制限の基準について

所得制限の基準は、世帯の平均所得を考慮し、また他の都道府県で多く活用されている基準を参考にすべきである。

(6)実施の時期等について

所得制限の導入にあたっては、市町村等の準備が整い、受給者に対する十分な周知期間を設けるべきであり、また、既受給者に対しては、変化に対応できる十分な準備期間を設ける必要がある。

3.制度への反映とその検証(付録)

(1)入院時食事療養費標準負担額への助成に関する見直しについて
実施内容

助成対象を住民税非課税世帯のみとし、かつ、減額認定証の提示等を条件とした。

実施時期

平成31年4月

見直しの範囲

重度心身障害者、高齢重度障害者

実施前の見込み

福祉医療費(県補助額)の減少:約2億3千万円

結果

約4億6千万円の減少と推計

(注記)自己負担導入による減少分+制度の適正利用(減額認定証の提示による適正な入院時食事療養費標準負担額の請求)分

検証(委員からの主な意見)
  • 検討の際に見込んだ減少額と比べて、結果の推計額が大きかったことを確認した。
  • 今までの制度と異なる部分があったので、患者本人、団体、市町村から、制度が変わったことによる混乱や意見があったかどうかが大切。
  • 医療機関でも情報が周知徹底されているか、検証が必要。制度が利用可能だが利用できなかったという結果が生まれないよう情報伝達を徹底して欲しい。
  • 実際に減額認定証を提示すれば助成対象になるが、対象であるにもかかわらず提示していないという方はわからない。今後マイナンバーが紐付けられればわかる部分ではないか。
(2)医療費の助成に関する見直しについて
実施内容

所得制限(基準額は特別障害者手当に準拠)の導入

所得制限の基準(令和5年8月1日現在)
扶養親族等の数 受給資格者本人 配偶者又は扶養義務者
所得制限基準額 収入額の目安 所得制限基準額 収入額の目安
0人 360.4万円以下 518.0万円 628.7万円未満 831.9万円
1人 398.4万円 565.6万円 653.6万円 858.6万円
2人 436.4万円 613.2万円 674.9万円 879.9万円
3人 474.4万円 660.4万円 696.2万円 901.2万円
以後1人につき 38万円加算 21.3万円加算
実施時期

令和5年8月

見直しの範囲

重度心身障害者、高齢重度障害者

実施前の見込み
  1. 福祉医療費(県補助額)の減少:約2億円
  2. 所得制限の対象となる人数:約2,400人
結果
  1. 福祉医療費(県補助額):約1億8千万円の減少と推計
  2. 所得制限の対象となる人数:1,382人(令和5年8月1日時点)
  3. 資格喪失者の総医療費に与える影響
    所得制限の導入による資格喪失者について、所得制限導入の前後1年間の総医療費は、約1億7千万減少(約10%減少)しており、一方、資格継続者の福祉医療費は、約7千万円増加(約6%増加)。
    仮に資格喪失者が受給資格を失っておらず、資格継続者と同程度の割合(約6%)で総医療費が増加していたと仮定すると、資格喪失者の総医療費は、約1億1千万円の増加に転じる。したがって、この仮定のもとでは、資格喪失者の総医療費は、約2億8千万円分適正化されたと考えることもできる。

医療費削減効果を示した画像

検証(委員からの主な意見)
  • 検討の際に見込んだ減少額と比べて、結果の推計額が少なかったことを確認した。
  • 障害者団体からは、負担になったという意見が出た。
  • 導入までの5年間が長く、導入直前は急な制度変更に感じた。当初は説明をしっかりと行っていたが、導入直前に再度説明が必要だった。
  • 福祉の後退だと考えていたが、約2億円の財源が他の障害者施策の充実に活用されていたことが理解できたので、所得制限の導入によって重度心身障害者の医療費がある程度変わったとしても、福祉の後退にはならないと考える。
  • 資格喪失者と資格継続者の対比において、所得制限がなければ資格喪失者も同じ様に6パーセント医療費が増加していたという推計は無理があるのではないか。可能性として含まれるということを注意書きの様な形で示しておくことも必要ではないか。

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