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第14回 サーマルデソープションシステムを用いた分析のトラブルシューティング

更新日: 2021年10月20日

前回のブログではサーマルデソープションシステム(加熱脱着装置)についてお話ししましたが、今回はトラブルシューティングについてお話しします。

分析につきまとう「ブランク問題」と「装置の状態管理」

分析を行う上で、みなさんは何を意識して測定を行っていますか?色々な項目があると思いますが、ここではサーマルデソープションシステムを用いて分析を行う際の「バックグラウンドの確認」や「装置の状態管理」について触れてみようと思います。

分析に使用するコールドトラップは、購入したらまずコンディショニングを行いましょう。コンディショニングの方法は、購入時に添付されている説明書を参照しながら、行ってくださいね。
一方、サンプルチューブはコンディショニング済みと、未コンディショニングの2種類があります。未コンディショニングのサンプルチューブは、使用前にコンディショニングが必要です。コンディショニング済みのサンプルチューブは、基本的にそのまま使用可能です。使用後は保管状態等により、周囲の化学物質を吸着していることがありますので、必要に応じてコンディショニングを行うようにしてください。

また、目的物質でない成分や、コンタミと考えられる成分のピークが検出されている・・・このような状況、一度は経験があると思います。そのような場合には、以下の手順で確認してみて下さい。

<確認手順>

  1. (トランスファーラインをGCと接続せずに)GCのみスタート
  2. (トランスファーラインをGCと接続して)GCのみスタート
  3. 「トラップテスト」の実施
  4. 「空チューブ」を測定
  5. 「未添加のサンプルチューブ」を測定

上記の手順を実施することで、どこに汚染源があるのかを確認することができます。

その他の確認項目として、トランスファーラインがあります。
サーマルデソープションシステムとGC/MSをつなぐトランスファーラインは、サンプルチューブやコールドトラップの吸着剤の一部、サンプルに由来する物質などが付着し、徐々に汚染します。その汚染により、得られるピーク形状が異常となることがあります。

図1を見て下さい。汚染したトランスファーラインを使用すると、ピーク形状に異常がみられることが分かると思います。このように、トランスファーラインは定期的に交換する必要があります。


図1 分析カラムのみ(上段)、汚染したトランスファーライン+分析カラム(下段)のクロマトグラム

また、サーマルデソープションシステムで使用している固定シールや移動シールのO-リングは、新品の場合、使用前にコンディショニングを行う必要があります。
コンディショニングは、260〜300°C程度で数時間、不活性ガスを流しながら行ってください。

低濃度から測定可能な装置はバックグラウンドの確認など、より一層重要になりますので、良い状態で分析できるよう、装置管理を心がけたいですね。

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