保健学専攻 自然人類学分野

Field of Physical Anthropology

TOP > 修士課程 > 保健学専攻 自然人類学分野

人骨から歴史を読み解く
:自然人類学の深遠なる学び

遺跡から出土した人骨や人類化石を研究するためには、骨の形態について、深く理解する必要があります。自然人類学分野では、医療系大学の出身者でなくとも、解剖学を基礎から学び、十分な骨学の知識を修得することが可能です。また、遺跡の発掘に際し、出土人骨をどのように扱い、いかに分析を進めていくのか、実践的に学ぶ機会を重視しています。人類学・解剖学を専門とする5人の教員の厚く、丁寧な教育体制の下で自然人類学を学ぶことができます。国内では数少ない大学院修士課程の自然人類学分野で、自然人類学と解剖学の専門家を養成します。

教育内容の3つの柱

  • 骨考古学を学ぶ:遺跡から出土した骨を体系的に学べる国内唯一の機関
  • 人類進化学を学ぶ:ヒトの由来を解明する
  • 骨のスペシャリストを養成する:ヒトのみならず動物骨も!骨組織からも!あらゆる角度から骨を追求

特色

自然人類学を学ぶための充実した研究

自然人類学特論、自然人類学演習では、研究の方法および最新の動向と課題について知識を深めるとともに、教員や学生との討論を通して、自らテーマをみつけて研究計画を設定し、論文を執筆する力を身につけることができます。

化石人類から現代人まで、あらゆる時代の人骨を研究する

国内外を問わず様々な時代の人骨を対象に、人類学の研究を推進しています。自然人類学研究所に在籍する教員のテーマは、人類進化学、形態人類学、骨考古学、古病理学、骨組織学など多岐にわたっており、フィールド調査による人骨探索にも力を注いでいます。

人骨鑑定で社会貢献

地方自治体や警察等を連携し、遺跡出土人骨の鑑定や法医鑑定を積極的に受託して、専門知識を活用した社会貢献を進めています。また、夏季休暇中に骨学セミナーを開催し、医療系・考古学分野・警察関係者など誰でも骨を学べる講義と実習を実施しています。

その他

骨から様々な疾病の歴史を探る

骨のかけらから歴史を復元

骨組織から様々な情報を取得、識別鑑別する技術を身に着けます

研究テーマ例

(注記)テーマタイトルをクリックすると担当教員の教員紹介をご覧いただけます。

ネアンデルタール人類の肩甲骨外側縁の形態学的研究
直立二足が嚥下に及ぼす影響
Paleopathological characteristics of Neolithic early rice farmers in the lower reaches of the Yangtze river (長江下流域の新石器時代初期稲作農家の古病理学的特徴)
Histomorphological species identification of tiny bone fragments from a Paleolithic site in the Northern Japanese Archipelago (日本列島北部の旧石器時代遺跡から出土した微小骨片の組織形態学的種同定)
Bone histomorphology of the Dederiyeh Neanderthal child (デデリエ・ネアンデルタール人の子供の骨の組織形態学)
縄文時代人腓骨の形態学的特徴
Severe Polyarthritis in a Human Skeleton Dated to Early Modern Period of Japan. (日本の近世に遡る人間の骨格における重度の多発性関節炎)
Morphological Features of the Fibula in Jomon Hunter-Gatherers from the Shell Mounds of the Pacific Coastal Area.(太平洋沿岸地域の貝塚からの縄文狩猟採集民の腓骨の形態的特徴
Heian-period human skeletal remains from the Shomyoji shell midden in Yokohama City, Kanagawa Prefecture.(神奈川県横浜市の称名寺貝塚から出土した平安時代の人骨)
Periodontal disease in the Neolithic Jomon: inter-site comparisons of inland and coastal areas in central Honshu, Japan. (新石器時代の縄文時代の歯周病: 日本の本州中部の内陸部と沿岸部の遺跡間比較)
Comparative analysis of the glabellar region morphology of the Late Pleistocene Minatogawa crania: a three-dimensional approach, (後期更新世の港川頭蓋の眉間領域形態の比較解析: 三次元アプローチ)
先史時代の「病み」:縄文人の口腔病理から見える食生活

履修モデルと1週間のスケジュール

(注記)ご自身の履修科目等により異なりますので、一例として参考にしてください

黒字
対面授業を表します。
赤字
メディア授業を表します。メディア授業には同時双方向型、オンデマンド型の形式があり、曜日時限が指定されている場合は、同時双方向または、同時双方向とオンデマンドとの組合わせで実施します。
オンデマンド型は、曜日時限の指定がないため自身のペースで進めることができます。
集中講義は、土日や夏休み、冬休みなどを利用して実施します。
緑字
自主的な研究活動を表します。所属する分野によって「ゼミ」や「勉強会」と称し、共同で研究活動を実施する場合もあります。個人で、あるいは他の研究生とともに、あるいは指導教員の指導の下で各自の研究を進めますので、曜日時限は各自の都合に合わせて設定します。

フルタイム院生の例

1年次前期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究 研究
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
自然科学持論 社会調査法
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究 健康科学特論 研究
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究 自然科学系研究方法論 心身相関の医療
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
研究
集中講義
オンデマンド型 疫学の基礎と応用

1年次後期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究 応用機能解剖学持論 研究
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
自然人類学演習
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究 運動機能解析学演習
研究
集中講義
オンデマンド型

2年次前期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
自然人類学演習
学外活動(調査・研究)
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
研究
集中講義
オンデマンド型

2年次後期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
学内アルバイト
(TA(解剖学実習補助))
研究
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
学外活動(調査・研究)
遺跡出土人骨
鑑定業務アルバイト
研究
研究
集中講義
オンデマンド型

社会人院生の例

1年次前期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
仕事 研究
仕事 自然科学持論 社会調査法
仕事 健康科学特論 研究
仕事 自然科学系研究方法論 心身相関の医療
仕事
研究
集中講義
オンデマンド型 保健・医療・福祉専門職教育論

1年次後期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
仕事 応用機能解剖学持論 研究
仕事 自然人類学演習
仕事 研究
仕事 研究
仕事 研究 運動機能解析学演習
研究
集中講義
オンデマンド型

2年次前期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
仕事 研究
仕事 自然人類学演習
仕事
仕事 研究
仕事 研究
研究
集中講義
オンデマンド型

2年次後期

1時限9:00〜10:30 2時限10:40〜12:10 3時限13:10〜14:40 4時限14:50〜16:20 5時限16:30〜18:00 6時限18:10〜19:40 7時限19:50〜21:20
仕事 研究
仕事 研究
仕事 研究
仕事
仕事 研究
研究
集中講義
オンデマンド型

修了後の進路

  • 教育委員会や博物館の学芸員
  • 埋蔵文化財調査センターの調査員
  • 大学や研究所等における研究者
  • 博士後期課程進学

分野長メッセージ

骨のスペシャリストを養成する

奈良 貴史 保健学専攻 自然人類学分野

自然人類学とは、一般的に生物としてのヒトを学際的・総合的に探究する学問とされますが、本大学の自然人類学分野は、研究対象をミクロからマクロまでの骨の形態学に特化したカリキュラムを構成しています。化石からヒトの成り立ちを研究する人類進化学、ヒトと動物の違いを明らかにする比較解剖学、骨の構造からヒトの特性を探る組織学、遺跡から出土した人骨から過去の人々の生活環境や人口動態などを研究し歴史の1ページを紐解く骨考古学、結核やハンセン氏病などの疾病の歴史を解き明かす古病理学など、どの視点からでも研究できる体制を整えています。全国各地から出土した各時代の豊富な人骨資料と経験豊かな教員のもとで骨のスペシャリストを育成します。

学部などで解剖学関連の授業を履修していなくても解剖学を基礎から学び、医療系大学の出身者でなくても十分な骨学の知識を修得することができます。さらに人骨が出土する遺跡で実際に人骨をどのように扱うかを実習することも可能です。人骨を中心とした資料を用いながら修士論文を仕上げ、学術雑誌に投稿できるまで、真摯に指導します。

資料請求 お問い合わせ
資料請求 オープンキャンパス情報

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /