亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となります。
※(注記) 令和6年1月1日以後の贈与により取得した相続時精算課税の適用を受けた財産の価額については、その価額から相続時精算課税に係る基礎控除額を控除した残額となります。
※(注記) 令和6年1月1日以後に暦年課税に係る贈与により取得した財産については、相続開始前7年以内の贈与により取得した財産が加算の対象となります。詳しくは、国税庁ホームページの「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」(PDF/1,023KB)をご覧ください。
注:正味の遺産額が基礎控除額を超えない場合には、相続税はかかりません。
課税遺産総額の計算 図
3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額
注:被相続人に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。「相続税の総額」の計算においても同じです。
非課税財産
相続人 | 法定相続分 | |
---|---|---|
子がいる場合 | 配偶者 | 2分の1 |
子 | 2分の1(人数分に分ける) | |
子がいない場合 | 配偶者 | 3分の2 |
父母 | 3分の1(人数分に分ける) | |
子も父母もいない場合 | 配偶者 | 4分の3 |
兄弟姉妹 | 4分の1(人数分に分ける) |
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | ー |
1,000万円超〜3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超〜5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超〜2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超〜3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超〜6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超〜 | 55% | 7,200万円 |
配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分相当額までであれば、配偶者には相続税はかかりません。
なお、配偶者控除を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要です。
注:正味の遺産額のうち仮装又は隠蔽されていた部分は、配偶者の税額軽減の対象とはなりません。
(「配偶者からの相続と税額軽減(配偶者控除)」参照)
相続人が18歳未満の方の場合は、18歳に達するまでの年数1年につき10万円が控除されます。
相続人が障害者の場合は、85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除されます。
正味の遺産額に加算された「加算の対象となる暦年課税に係る贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除されます。
遺産総額に加算された「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除されます。
なお、控除しきれない金額がある場合には、申告をすることにより還付を受けることができます。
宅地は路線価等を基に評価します。
建物は固定資産税評価額によって評価します。
相続税や贈与税を計算する場合の宅地や建物の評価方法は、次のとおりです。
路線価方式又は倍率方式で評価します。
路線価及び倍率は、国税庁ホームページで閲覧することができます。
路線価方式
路線(道路)に面する標準的な宅地の1?u当たりの価額(路線価)を基に計算した金額で評価します。
路線価方式による評価額の計算例 図
正面路線価:30万円
奥行価格補正率:1.00
面積:180m2
評価額:30万円×1.00×180=5,400万円
注:普通住宅地区における奥行18mの場合の奥行価格補正率は、1.00です。
倍率方式
路線価の定められていない地域についての評価方式で、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算した金額で評価します。
亡くなった人などが事業や住まいなどに使っていた土地のうち一定の事業用の土地の場合は400?u、一定の居住用の土地の場合には330?u、一定の貸付用の土地の場合は200?uまでの部分(小規模宅地)については、次の割合が減額されます。
なお、小規模宅地の減額を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要です。
区分 | 減額率 |
---|---|
居住用・事業用で一定の要件を満たすもの | 80% |
貸付用で一定の要件を満たすもの | 50% |
建物の固定資産税評価額によって評価します。
居住用の区分所有財産(いわゆる分譲マンション)については、宅地(敷地利用権)及び建物(区分所有権)の価額に一定の補正をして評価する場合があります。詳しくは、国税庁ホームページの「『居住用の区分所有財産』の評価が変わりました」(PDF/625KB)をご覧ください。
相続人は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告・納税する必要があります。
相続税額が10万円を超え、かつ納期限(納付すべき日)までに金銭で納付することを困難とする事由があるときは、申請により、その納付を困難とする金額を限度として、年賦払いによる方法で納めることができます。この場合には、利子税がかかるほか、原則として担保の提供が必要となります。
延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があるときは、申請により、その納付を困難とする金額を限度として、相続した財産(物納適格財産であるなど、一定の要件を満たしたものに限られます。)で納めることができます。
注:延納又は物納をするには、納期限(納付すべき日)までに所轄税務署に申請書及び手続に必要な関係書類を提出し、許可を受ける必要があります。
所得税等・消費税及び地方消費税の申告をすべき方が年の途中で亡くなった場合は、相続人はその全員の連名により、被相続人が死亡した日の翌日から4か月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に確定申告をします。