A市が設立した開発公社は、土地収用法に基づいてA市内の一画を収用することとなり、土地に係る対価補償金を支払うこととなりました。
この土地所有者の中に非居住者が含まれており、非居住者に支払うものについては源泉徴収が必要ですか。
収用であっても譲渡に含まれ、補償金のうち土地等の譲渡に係る対価部分については源泉徴収が必要となります。
譲渡には、通常の売買のほか、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用など有償無償を問わず、所有する資産を移転させる一切の行為が含まれるものと解されています。したがって、地方公共団体や開発公社が公共事業の一環として、収用等により土地等を譲り受ける場合であっても、所有者が非居住者又は外国法人である場合には、源泉徴収が必要となります。
また、対価補償金は、明らかに土地等の譲受けに対する対価と認められるので、源泉徴収の対象になります。
所得税法第161条第1項第5号、第212条第1項
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。