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?T 法人税関係

説明事項

課税漏れが想定されるなど調査必要度の高い法人、39,228件について実地調査
調査した法人の約7割に誤り、そのうち約26%に悪質な不正計算

実地調査の状況

(1) 実地調査の事績(法人税)(表1参照)
平成23事務年度(注)においては、大口・悪質な不正計算が想定されるもの、広域的に事業展開する納税者など調査必要度の高い法人について実地調査を実施した。
その結果は次のとおりである。

イ 実地調査の件数は前年対比117.6%となっている。
申告漏れの所得があったため、更正・決定等(修正申告があったものを含む。以下同じ。)を行った件数は27,057件である。このうち、仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは6,964件で、これは更正・決定等を行った件数の25.7%に当たる。

ロ 更正・決定等により増加した申告漏れ所得金額は4,629億円で、増加した税額は899億円である。
なお、不正脱漏所得金額は973億円である。

ハ 更正・決定等1件当たりの申告漏れ所得金額は1,711万円、不正1件当たりの不正脱漏所得金額は1,398万円である。

(注) 平成23事務年度とは、平成23年7月1日から平成24年6月30日をいう。

参考

(参考)実地調査の状況
[画像:平成23事務年度の法人の実地調査の状況を表したグラフ]

表1 実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度 22 23 前年対比 (参考)全国に占める割合
項目
件数 実地調査件数 1 33,351 39,228 117.6% 30.5%
更正・決定等の件数 2 23,581 27,057 114.7% 29.5%
不正のあった件数 3 6,291 6,964 110.7% 27.7%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 634,137 462,885 73.0% 39.4%
不正所得金額 百万円 5 118,355 97,337 82.2% 31.9%
増加税額(加算税を含む) 百万円 6 118,539 89,895 75.8% 41.3%
分析 更正・決定等の割合(2/1) % 7 70.7 69.0 -1.7 -
2のうち、不正のあった割合(3/2) % 8 26.7 25.7 -1.0 -
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 9 26,892 17,108 63.6% -
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 10 18,813 13,977 74.3% -

消費税の調査で185億円を追徴課税
還付申告法人の約5割に誤り 34億円追徴課税

(2) 実地調査の事績(消費税)(表23参照)

表2 詳細はこちら

3 詳細はこちら

消費税について、虚偽の申告により不正に還付金を得るケースも見受けられるため、還付申告法人に対しても重点的に調査に取り組んでいる。

イ 消費税の調査件数は37,036件で、そのうち非違があったものは19,951件(53.9%)である。
また、これによって増加した税額は185億円である。

ロ 上記のうち、還付申告法人の調査件数は3,597件で、非違があったものは1,783件(49.6%)である。
これにより増加した税額は34億円である。
また、調査の結果、当初還付から納税に転換した法人は249件であり、調査した法人の6.9%が実際は納税すべき法人であった。

参考

表2 実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度 22 23 前年対比 (参考)全国に占める割合
項目
実地調査件数 1 31,644 37,036 117.0% 30.8%
非違件数 2 17,778 19,951 112.2% 30.1%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 26,648 18,454 69.3% 40.3%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 842 498 59.1% -
表3 還付申告法人(消費税)の実地調査の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
実地調査件数 1 3,154 3,597 114.0%
非違件数 2 1,738 1,783 102.6%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 3,066 3,412 111.3%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 972 949 97.6%
納税転換法人数 5 269 249 92.6%

[画像:平成23事務年度の消費税の還付申告法人に対する調査の状況を表したグラフ]


不正計算の多い業種は、ソープランド、バー・クラブ等の料飲業が上位

(参考)
当局では、申告内容や各種資料情報などを検討し、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度が高い法人を的確に選定、調査を実施している。
その結果、平成23事務年度の調査において、不正発見割合の高い業種(調査件数が50件以上)は、「ソープランド(86.5%)」、「バー・クラブ(59.0%)」、「その他の飲食(35.5%)」の順となっている。
また、依然として高順位に位置している各種料飲業のほか、前年から順位を2つ落としてはいるが、「廃棄物処理(30.4%)」が不正発見割合の高い業種として8位にランクインしている。
また、上位10位までのうち、不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額の大きな業種は、「その他の旅館(25,971千円)」、「バー・クラブ(23,180千円)」、「ソープランド(18,291千円)」の順となっている。

(参考)不正発見割合の高い業種(小分類)(税務署所管法人及び調査部所管法人)

(単位:%、千円)
順位 前年順位 23事務年度 不正発見割合 不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額
1 - サービス ソープランド 86.5 18,291
2 1 料飲 バー・クラブ 59.0 23,180
3 4 料飲 その他の飲食 35.5 7,331
4 2 料飲 外国料理 35.4 5,827
5 - 料飲 そば・うどん 35.4 2,851
6 9 料飲 大衆酒場、小料理 32.6 4,986
7 - 料飲 すし 31.5 1,103
8 6 サービス 廃棄物処理 30.4 6,946
9 - 料飲 日本料理 30.4 3,397
10 - 旅館 その他の旅館 29.0 25,971

(注)調査件数が50件以上の業種を対象としている。

(参考)上位2業種の不正発見割合の推移
[画像:平成14事務年度から平成23事務年度までの上位二業種の不正発見割合の推移を表したグラフ]


赤字申告法人の調査の結果、153億円を追徴課税
11件に1件が黒字に

(3) 赤字申告法人に対する実地調査の事績(表4参照)
全体の約75%を占める赤字申告法人の中には、税負担を逃れるために故意に赤字に仮装している法人もあることから、赤字申告法人に対しても積極的に調査を行っている。
平成23事務年度における赤字申告法人に対する調査事績は、次のとおりである。

イ 調査件数は17,686件で、このうち仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは3,706件である。これは更正・決定等の件数の32.3%に当たる。

ロ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は2,378億円で、増加した税額は153億円である。
なお、不正脱漏所得金額は464億円である。

ハ 更正・決定等1件当たりの申告漏れ所得金額は2,072万円、不正1件当たりの不正脱漏所得金額は1,251万円である。

ニ 調査の結果、赤字から黒字に転換した件数は1,618件で、調査した法人の9.1%の法人が、実際は黒字であるにもかかわらず赤字申告をしていた。

ホ 消費税の調査件数は16,653件で、そのうち非違があったものは、8,891件である(表5参照)。
また、これによって増加した税額は61億円である。

参考

表4 赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度 22 23 前年対比 (参考)全国に占める割合
項目
件数 実地調査件数 1 14,055 17,686 125.8% 32.0%
更正・決定等の件数 2 9,506 11,480 120.8% 30.4%
不正のあった件数 3 3,237 3,706 114.5% 29.2%
黒字に転換した件数 4 1,421 1,618 113.9% 27.1%
増加所得等 増加所得金額 百万円 5 351,796 237,839 67.6% 39.0%
不正所得金額 百万円 6 56,234 46,364 82.4% 30.9%
増加税額(加算税を含む) 百万円 7 22,357 15,341 68.6% 43.1%
分析 更正・決定等の割合(2/1) % 8 67.6 64.9 -2.7 -
2のうち、不正のあった割合(3/2) % 9 34.1 32.3 -1.8 -
黒字に転換した割合(4/1) % 10 10.1 9.1 -1.0 -
更正等1件当たり増加所得(5/2) 千円 11 37,008 20,718 56.0% -
不正1件当たり不正所得(6/3) 千円 12 17,372 12,511 72.0% -

(参考)赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績
[画像:平成23事務年度の赤字申告法人に対する実地調査の実績を表したグラフ]

表5 赤字申告法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
実地調査件数 1 13,284 16,653 125.4%
非違件数 2 7,539 8,891 117.9%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 9,551 6,087 63.7%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 719 366 50.9%

事業を行っているにもかかわらず申告していない法人の調査の結果、104億円の所得金額を把握。
法人税8億円、消費税24億円の追徴課税

(4) 稼働無申告法人に対する実地調査の事績(表6参照)
事業を行っているにもかかわらず申告していない法人は、申告の義務を履行しておらず、国民の公平感を著しく損なうものであることから、様々な角度から資料を収集し、調査に取り組んでいる。
平成23事務年度における無申告法人に対する調査事績は、次のとおりである。

イ 平成23事務年度末の無申告法人(休業法人を含む)は全体の11.8%を占めている。

ロ 調査の結果、申告すべき所得金額104億円を把握。うち不正所得金額は43億円である。これにより、法人税8億円を追徴課税した。また、消費税について、24億円を追徴課税した。

参考

表6 事業を行っているにもかかわらず申告していない法人に対する実地調査の事績(税務署所管法人)

[画像:平成23事務年度の稼働無申告法人に対する実地調査の実績を表したグラフ]

事務年度 22 23 前年対比
項目
実地調査件数 1 1,744 2,029 116.3%
増加所得金額 百万円 2 8,094 10,448 129.1%
不正所得金額 百万円 3 3,393 4,317 127.2%
法人税増加税額
(加算税を含む)
百万円 4 1,807 843 46.7%
消費税増加税額
(加算税を含む)
百万円 5 2,111 2,390 113.2%

広域展開する企業グループへの調査の結果、
全調査事案1件当たりの2.6倍の申告漏れ所得、2.4倍の不正所得を把握!

(5) 広域展開している企業グループに対する実地調査(法人税)の事績(表7参照)
国税局や税務署の管轄をまたがって広域的に事業展開している企業グループに対しては、各国税局や税務署はそれぞれ緊密な情報交換を行い、一斉調査を実施するなど企業グループ全体を捉えた効率的・効果的な調査を実施している。
平成23事務年度における、これら企業グループに対する調査事績は、次のとおりである。

イ 東京国税局の管轄地域に基幹法人を有する56の企業グループ436社に対して調査を実施した結果、更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は76億円で、不正脱漏所得金額は68億円である。

ロ 調査を実施した436社中、359社から申告漏れを把握し、このうち仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは234社である。これは更正・決定等の件数の65.2%にあたる。

ハ 更正・決定等1件当たりの法人税の申告漏れ所得金額は2,113万円で、これは調査を行った全法人の1件当たりの申告漏れ所得金額の2.6倍に当たる。

ニ 不正1件当たりの法人税の不正脱漏所得金額は2,894万円で、これは調査を行った全法人の1件当たりの不正脱漏所得金額の2.4倍に当たる。

参考

表7 広域展開する企業グループに対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度 22 23 前年対比 (参考)全法人
項目
件数 調査グループ数 1 51 56 109.8% -
実地調査件数 2 412 436 105.8% 37,868
更正・決定等の件数 3 358 359 100.3% 25,968
不正のあった件数 4 211 234 110.9% 6,749
増加所得等 増加所得金額 百万円 5 9,191 7,586 82.5% 209,297
不正所得金額 百万円 6 7,717 6,772 87.8% 83,062
分析 更正・決定等の割合(3/2) % 7 86.9% 82.3% -4.6 68.6%
2のうち、不正のあった割合(4/3) % 8 58.9% 65.2% +6.3 26.0%
更正等1件当たり増加所得(5/3) 千円 9 25,673 21,131 82.3% 8,060
不正1件当たり不正所得(6/4) 千円 10 36,573 28,940 79.1% 12,307

[画像:平成23事務年度の法人税の実地調査の実績を表したグラフ]


公益法人等への調査の結果、約7割に申告誤りあり。
法人税の申告漏れ所得金額は108億円

(6) 公益法人等に対する実地調査の事績(表8参照)
公益法人等については、税の優遇措置が設けられており、社会的関心も高いことから、その事業実態を的確に把握し、適正・公平な課税に努める必要があることから、事業規模が大きいなど調査必要度が高い法人を中心に、調査の充実を図っている。
平成23事務年度における、公益法人等に対する調査事績は次のとおりである。

イ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は108億円である。

ロ 法人税について更正・決定等を行った件数は320件で、これは、調査を行った件数の72.7%に当たる。

ハ 消費税については、調査の結果3億円を追徴課税した。(表9を参照)

参考

表8 公益法人等に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
件数 実地調査件数 1 386 440 114.0%
更正・決定等の件数 2 272 320 117.6%
不正のあった件数 3 20 23 115.0%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 7,372 10,810 146.6%
不正所得金額 百万円 5 207 132 63.8%
分析 更正・決定等の割合(2/1) % 6 70.5% 72.7% +2.2
2のうち、不正のあった割合(3/2) % 7 7.4% 7.2% -0.2
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 8 27,103 33,781 124.6%
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 9 10,350 5,739 55.4%

(参考)公益法人に対する実地調査(法人税)の事績
[画像:平成23事務年度の公益法人に対する実地調査の実績]

表9 公益法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
実地調査件数 1 468 444 94.9%
非違件数 2 269 247 91.8%
増加本税額 百万円 3 216 322 149.1%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 462 725 156.9%


海外取引を行う法人の調査の結果、約68%の法人に申告誤りあり。
申告漏れ所得金額は430億円

(7) 海外取引法人に対する実地調査の事績(表10参照)
海外取引法人や外資系法人及び国際的租税回避スキーム等の事案に対しては、国際税務専門官を中軸として、組織的に取組んでいる。
平成23事務年度における、海外取引を行う法人に対する調査事績は次のとおりである。

イ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は430億円で、うち仮装・隠ぺいによる不正脱漏所得金額は114億円である。

ロ 法人税について、更正・決定等を行った件数は4,323件で、これは調査を行った件数の68.8%に当たる。

ハ 消費税については、調査の結果24億円を追徴課税した。(表11を参照)

参考

表10 海外取引法人に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
件数 実地調査件数 1 3,576 6,284 175.7%
更正・決定等の件数 2 2,731 4,323 158.3%
不正のあった件数 3 478 686 143.5%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 53,702 42,990 80.1%
不正所得金額 百万円 5 6,389 11,379 178.1%
分析 更正・決定等の割合(2/1) % 6 76.4% 68.8% -7.6
2のうち、不正のあった割合(3/2) % 7 17.5% 15.9% -1.6
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 8 19,664 9,944 50.6%
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 9 13,366 16,587 124.1%

(参考)海外取引法人に対する実地調査(法人税)の事績
[画像:平成23事務年度海外取引法人に対する実地調査の実績]

表11 海外取引法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人)
事務年度 22 23 前年対比
項目
実地調査件数 1 3,482 6,118 175.7%
非違件数 2 1,837 2,923 159.1%
増加本税額 百万円 3 1,277 2,430 190.3%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 367 397 108.2%

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