para 2020 3Molecular and biological analysis revealed genetic diversity and high virulence strain of Toxoplasma gondii in Japan.
Junpei Fukumoto, Akinori Yamano, Motomichi Matsuzaki, Hisako Kyan, Tatsunori Masatani, Tomohide Matsuo, Toshihiro Matsui, Mami Murakami, Yasuhiro Takashima, Ryuma Matsubara, Michiru Tahara, Takaya Sakura, Fumihiko Takeuchi, Kisaburo Nagamune
PLoS ONE, 15(2), e0227749, 2020
parasitology 2019 1
トキソプラズマは、胎児に感染して発症する先天性トキソプラズマ症や、臓器移植などの際の免疫不全状態の患者に致死的な脳炎を引きおこす寄生虫です。従来トキソプラズマには高、低、無病原性の3つの遺伝型があることが知られていました。最近、遺伝型は16にまで増えましたが、日本を含むアジアでの遺伝型はほとんどわかっていません。
本論文で著者らは、日本で分離されたトキソプラズマの遺伝型には、世界のどこにも見つかっていない新しい遺伝型が2つ存在していたことを見出しました。さらに欧米で低病原性に分類される遺伝型と区別がつかない日本の分離株の中に、非常に強い病原性を持つものや全く病原性を示さないものも存在していました。これらのことから、日本に存在するトキソプラズマは世界的にも独特の進化を遂げていると考えられました。