NEDO 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
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グリーンイノベーション基金事業で新たに「浮体式洋上風力における共通基盤開発」に着手します
―国内企業を中心とした協調体制を構築し国際標準などの実現に向けた技術開発を進めます―

2025年2月13日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環として、浮体式を中心とした洋上風力発電のコスト低減によって導入拡大を目指す「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクト(以下、本プロジェクト)を進めています。このたび、本プロジェクトの研究開発項目の一つである「浮体式洋上風力における共通基盤開発」について、1件の研究テーマを採択しました。

本プロジェクトでは、国内企業を中心とした協調体制を構築し、国際標準化も視野に入れ、浮体システムの規格化や浮体の大量生産、排他的経済水域(EEZ)への展開を見据えた大水深などへの対応、これらの各種ガイドライン整備などの共通基盤開発を実施します。

NEDOは本プロジェクトを通じて、浮体式洋上風力発電の早期社会実装を図るとともに、日本の洋上風力産業の競争力強化を目指します。

1.グリーンイノベーション基金事業について

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど、現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに2兆円を超える基金(注記)1を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を推進しています。

なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト(注記)2」を公開しています。

2.本プロジェクトの背景

本プロジェクトでは対象として「風車」、「浮体式基礎製造・設置」、「電気システム」、「運転保守」を重点化した上で、2021年度からフェーズ1(注記)3として上記4テーマに係る要素技術の開発を実施し、2024年度からはフェーズ2(注記)4として、それらの成果を活用し風車・浮体・ケーブル・係留等の一体設計を行う実証事業を開始しました。

一方で、浮体式洋上風力については、多様な形状、風車・浮体間の連成解析などにより、依然として高コストであり、大量生産に向けてコスト低減を図っていく上では、風車メーカーと浮体メーカーに加えて、これらをシステムとして統合し海域に導入するエンジニアリング事業者などが密に連携し、各構成要素を一つのシステムとして統合し、全体最適を図っていくことが必要です。今回はフェーズ1-〔5〕として、今後の浮体システムの規格化や浮体の大量生産、EEZへの展開も見据えた大水深などへの課題に対応すべく、国内企業を中心とした協調体制を構築し、グローバル市場も意識した国際標準などの実現を図ります。また、フェーズ2(実証事業)との連携も視野に実施していくことで、浮体式洋上風力の早期社会実装を図るとともに、日本の洋上風力産業の競争力強化を目指します。

3.実施内容

【1】事業名
グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化
【2】予算
約40億円(NEDO支援規模)
【3】期間
2025年度〜2030年度(予定)
【4】採択テーマ
  • 【研究開発項目:フェーズ1-〔5〕】浮体式洋上風力における共通基盤開発
  • 研究開発について具体的には、今後の浮体システムの規格化や浮体の大量生産、EEZへの展開も見据えた大水深などの課題への対応や、グローバル市場も意識した国際標準等の実現に向けて、下記(1)〜(5)を実施します。
  • (1)浮体システムの最適な設計基準・規格化等開発
  • (2)浮体システムの大量/高速生産等技術開発
  • (3)大水深における係留・アンカー施工等技術開発
  • (4)大水深に対応する送電技術の開発
  • (5)遠洋における風況観測手法等の開発
本事業のイメージ

本事業のイメージ

【注釈】

(注記)1 2兆円を超える基金
当初2兆円の基金が造成されたのち、令和4年度第2次補正予算により3000億円、令和5年度当初予算により4564億円が追加されました。
(注記)2 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
(注記)3 フェーズ1
(参考)フェーズ1の開始に係るNEDOニュースリリース(2022年1月21日)「グリーンイノベーション基金事業、「洋上風力発電の低コスト化」に着手」
(注記)4 フェーズ2
(参考)フェーズ2の開始に係るNEDOニュースリリース(2024年6月11日)「グリーンイノベーション基金事業で新たに「浮体式洋上風力実証事業」に着手」

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 再生可能エネルギー部 風力・海洋ユニット E-mail:gi-wind[*]nedo.go.jp

(グリーンイノベーション基金事業全体についての問い合わせ先)

NEDO 事業統括部 グリーンイノベーション基金室 担当:田中、笠原

E-mail:green-innovation[*]nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp

E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

  • (注記)新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

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