古谷 博秀
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
2024年7月19日
グリーンイノベーション基金事業/
再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクト/
水電解装置の評価技術の確立/
再生可能エネルギーシステム環境下での水電解評価技術基盤構築
NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
発表No.B2-15
連絡先:
国立研究開発法人
産業技術総合研究所
(https://www.aist.go.jp/)
事業概要
1. 期間
開始 :(西暦)2021年8月
終了(予定):(西暦)2026年3月
2. 最終目標
成長が見込まれる海外市場への国内水電解装置メーカの進出に資するため、システム環境下で統一的な性能
評価を実現し、開発の方向性を明確化、日本企業の開発力強化を図る。また、国内に評価基盤を整備すること
で、日本企業の新規参入を促す。さらに、国際標準化に資するデータの提供、様々な電力と後段の水素貯蔵や
利用の条件を模擬して水電解装置のニーズを考慮した性能評価手法の確立を行う。
3.成果・進捗概要
日本の水電解の技術を海外に展開するためのカタパルト的な役割を目指し、海外の水電解に関する情報収集
と共に、国内の水電解メーカや将来の利用者、材料メーカ等にヒアリングを行い、大型電解槽の評価、高圧電解、
海外の電力状況を模擬したシステム試験に求められるスペックを調査、これを基に、設備構築に必要な仕様を確
定し、福島再生可能エネルギー研究所にて設備構築を行った。これと並行して、国際標準化への国内対応強化
を目指し、現在、ISOで議論が進んでいる水電解関連の案件について、HySUT殿と協力して国内委員会を構築、
今後増加すると予測される水電解関連の国際標準化について対応を進めている。2 1.事業の位置付け・必要性
・水電解については、再エネ価格が日本と比べて安い海外で
先行して市場が立ち上がることが想定される。
・これまで、日本の水電解装置メーカーでは国内市場向けの
製品が多く、海外の市場に国内技術を展開するためには、
国内で海外の水電解装置に要求される条件を再現し、セル、
スタック、BOPを含むシステムでの海外市場向けの開発が
必要になる。
(BOP:balance of plant:電解スタックのオペレーションをサポートするコンポーネント)
・海外の電力条件や電解時の圧力条件、大型での加速劣化
試験の試験法の検討など、水電解装置メーカー毎に試験
設備を整備することが困難かつ、非効率な課題がある。
・公の立場でこれらの試験の実施を可能とするプラットフォームを
構築することにより、これらの課題を解決するとともに統一的な
性能評価を実現することで、開発の方向性を明確化し、日本
企業の開発力強化に繋がることが期待される。
・成長が見込まれる海外市場へ進出するため、国内での評価
基盤を整備することで、本分野への日本企業の新規参入を
促すことが期待される。
出典)「水素関連プロジェクトの研究開発・社会実装の方向性」(2021.4 資源エネルギー庁)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/001_04_00.pdf3 2 .研究開発マネジメントについて
• 再エネ条件への適応
性評価技術
研究開発項目KPI1
国内の水電解装置メーカの海外展開に資するため、システム環境下での性能を統一的に
評価することを可能にし、様々な電力と水電解装置の後段の貯蔵や利用の条件を模擬し、
性能評価するための拠点を整備するとともに、評価手法を確立する。
アウトプット目標
500kW級水電解装置の再エネ環境
下での劣化評価手法の確立(常用
圧力、スタック加速劣化試験)
• 高圧環境下での性能
評価技術2• 海外電力条件での水
電解評価技術3• 評価技術調査および
評価法構築4水電解装置性能評価技術の確立
KPI設定の考え方
高圧環境下での電極、膜の安定性評
価手法の確立(5MPa以下、50kW
級、セル・中型スタック評価)
大型水電解装置のパッケージでの性
能を、海外の電力を模擬して評価す
る手法の確立(1MW、常用圧力、
電解システムの評価)
海外の水電解装置のニーズ調査を行
い、評価拠点整備、評価手法に反映
し、統一的な評価手法を確立する
再エネ環境下では、変動性に伴う電極及び膜
の劣化が課題。これまでの小型セルでの評価
技術を大型500kW級へ適応し、これを検証
海外では、高圧ガスの法的縛りがなく、数MPa
での水電解が多く、CAPEX,OPEX的に有利。
今後の海外展開を視野にこれに対応できる技
術評価手法の確立が必要
海外の電力条件は国内と周波数や電圧、安
定性など条件が異なる。このような状況を模擬
し、水電解装置を評価できる手法が必要
海外では接続する再エネや系統などの環境が
国内とは異なることから、これらを考慮し国内
外で統一的に評価可能な手法の確立が必要
研究開発内容4 5 5
3.研究開発成果について( 経過報告及びスケジュール)
2023年4月2023年
12月
2024年3月2025年3月NEDO・METI
アドバイザリー委員会
GI基金連携協議会
〈調査〉
〈ISO確認〉
〈設備構築〉
拠点整備
大型水電解評価
高圧水電解評価
海外条件水電解
評価
くろまる第5回 (12/21)
水電解装置の評価方法についての調査
海外の再エネ水電解の使用環境・導入状況調査
詳細費用積算作業・装置間配線配管 検討・計測器等 検討
ISO委員会(★国際委員会・☆国内委員会)へ参加・情報収集
くろまる第6回(3/7)
インフラ整備工事(建築・機械設備・電気設備工事)
くろまる
10月
開札
仕様作成・入札公告
水電解装置 発注先にて、設計・製作・組立
水電解装置 発注先にて、設計・製作・組立
発注先にて、設計・製作・組立
搬入・据付・試運転
搬入・据付・試運転
くろまるステージゲート審査会
(3/7)
搬入・据付・試運転
くろまるNEDO委員会モニタリング (8/1)
くろまるMETI-WGモニタリング (8/23)
くろまるNEDO成果 報告会(7/14)
くろまる第1回 (6/7) くろまる第2回 (1/12)
くろまる個別 (4月) くろまる個別 (10月)
くろまる 海外視察調査(欧州:11/5〜12)
くろまる実験棟完成
くろまる実験棟完成
くろまる基礎工事終了 くろまる水素エンジン発電機搬入
くろまる飛散防止カバー搬入
くろまる中圧タンク設置 くろまるFC搬入
評価手法構築
評価手法構築
くろまるMETI国際標準化ヒアリング(7/21)
くろまる中圧タンク設置
★ ☆
★ ★ ★
★ ★ ★
くろまる水電解装置搬入
くろまる水電解装置搬入
くろまる直流電源搬入
くろまる直流電源搬入5 3.研究開発成果について( 2023年度 実施計画・目標および達成度)
研究開発内容 実施計画・目標 実施事項 達成度
大型水電解、高圧水
電解、海外電力条件
の評価
• 2022 年度までに設計した評価設備の構築を100%完了し、
水電解による水素製造が可能であり、電流-電圧特性の計
測が可能であることを確認(大型水電解、高圧水電解)
• 1MPa 未満で運転を行うことによって、耐爆カバー内で水電解
試験を行う方法を確立する。(高圧水電解)
• 電流-電圧特性、温度依存性を得られること、水素と酸素の
ガス圧力を制御可能であることを確認する。(高圧水電解)
• 電源の納品が若干遅れているが、2023年
度中に評価設備の構築完了
• 試運転実施中(2024年2月〜)
• 圧力制御を確認済。2024年3月に3点程
度の条件でデータ取得〇海外での再エネ水電解
の使用環境および導入
状況の調査
• 評価手法および国際標準化については海外の5機関以上を
訪問および関係会議に出席して得られた結果を反映する。
• ISO への関わり方について方針を策定する。
• 欧州の7機関(KHK同行)、米国NREL
を訪問、欧州、米国の現状を調査
• ISO の 国 内 委 員 会 、 国 際 会 議 と も に
HySUTと連携して対応、IEAの関連会議
にも参加
にじゅうまる
統一的な大型水電解
装置の評価手法の
構築
• 構築した評価設備により計測された結果を、従来の評価手法
による結果と比較し、定常試験において同等の結果を得られる
ことを確認する。
• 大型水電解、高圧水電解について、試運
転により確認 〇
アドバイザリー委員会
設置・開催
• 2023年度 2回以上開催
• 海外調査結果を展開し、意見を得る
• 2回開催
(2023年12月21日, 2024年3月7日)
• 海外調査の結果について委員会で議論
した。〇6 7(技術課題1)
大型水電解装置のスタック評価、
加速劣化評価
(技術課題2)
高圧条件下での評価
(技術課題3)
海外の電力条件での大型水電解装置
の評価
500kW級の水電解スタック評価設備の
仕様を決定するための項目
高圧スタック評価設備の仕様を決定する
ための項目
パッケージ評価設備の仕様を決定する
ための項目
• 直流電源仕様(約500kWの範囲内で調整可
能な電圧範囲、電流範囲、応答速度、停止を
模擬する低電圧制御範囲)
• スタック最大サイズ(縦、横、高さ)と重量
• スタック設置向き(セルの積層方向)
• 陽極と陰極の気液分離器のサイズと圧力範囲
• 陽極/陰極間の差圧調整範囲
• 純水温度調整範囲
• 冷却用水流量(冷却kW数)
• 純水供給流量
• 水循環流量
• 直流電源仕様(約50kWの範囲内で調整可能
な電圧範囲、電流範囲、応答速度)
• スタック最大サイズ(縦、横、高さ)と重量
• スタック設置向き(セルの積層方向)
• 陽極と陰極の気液分離器のサイズと高圧の圧力
範囲
• 陽極/陰極間の差圧調整範囲
• 純水温度調整範囲
• 冷却用水流量(冷却kW数)
• 純水供給流量
• 水循環流量 ・リーク水素検知濃度
• 水電解用交流電源仕様(電圧、周波数、変化
速度)
• 補機電源の電圧と容量
• パッケージの最大サイズ(縦、横、高さや40フィー
トコンテナ等の規格)、重量
• 水素ガス圧力範囲
• 供給水流量
• 排出水流量
• 冷却用水流量(冷却kW数)
• 回生設備の水素消費
スタック評価にはどのような計測項目が
必要か
高圧スタック評価にはどのような計測項目が
必要か
パッケージ評価にはどのような計測項目が
必要か
• 各セル電圧 ・スタック電流
• ガス成分(水素中の酸素濃度、酸素中の水素
濃度、露点等)
• 純水の導電率 ・発生ガス流量
(注記)ヒヤリング結果をもとに追加
• セル抵抗 ・インピーダンス測定
• 各セル電圧 ・スタック電流
ガス成分(水素中の酸素濃度、酸素中の水素濃
度、露点等)
• 純水の導電率 ・発生ガス流量
(注記)ヒヤリング結果をもとに追加
• セル抵抗 ・インピーダンス測定
• 電解用交流電圧、電流、電力
• 補機電力
• ガス成分(水素中の酸素濃度、酸素中の水素
濃度、露点等)
• 発生ガス流量
3.研究開発成果について(設備仕様として決定した項目)7 8
3.研究開発成果について(設備1、2)
設備1 500kW PEM水電解評価実験棟
設備2 高圧PEM水電解(50kW)評価実験棟8 3.研究開発成果について(設備1、2配置)
技術課題1 大型水電解装置
技術課題2 高圧水電解装置
水素燃料電池
中圧タンク
倉庫1実験棟1
計測室2
倉庫2計測室2
冷却塔 キュービクル基礎
実験棟29 3.研究開発成果について(技術課題1:大型水電解装置のスタック評価、加速劣化評価 )
水素貯蔵設備
評価項目
• 再エネ変動電力による運転・耐久性評価
• 劣化モード試験での電解電圧評価
• 温度・圧力・水の純度によるスタック性能
• 水素発電設備も含めたシステムとしての評価
水素
劣化モード
変 動 電 力
電力回生用水素発電設備
水素中
酸素濃度等
ガス分析
水分
水素流量・
圧力
評価システム概要
• 500kW DC電源(加速試験対応、多数
回起動停止試験等)
• 温調・圧力制御・純水純度管理
• 水素貯蔵設備(中圧タンク等)
• 計測・分析機器
• 水素利用機器
500kWで加速劣化試験可能
大型水電解評価設備
DC:500kW
最大700V
最大10000A
100Nm3/h
0.8-0.95MPa×ばつ2m
重量:最大3t
(委員会の提言を受け、変更)
(企業ヒヤリングを
受け追加)
水素貯蔵設備
2023年11月
タンク設置完了
1MPaG以下,
1000Nm3
2024年2月配管
完成
PEM型燃料電池発電設備
2024年1〜2月据付・試運転
100kW,寒冷地仕様
実験建屋
2023年10月建屋完成、
12月電気工事完成
再エネ模擬DC電源/
インピーダンス測定用交流重畳
純水の純度
金属成分 セル抵抗・
各セル電圧
劣化・耐久性
スタック電流・
インピーダンス10 3.研究開発成果について(技術課題2:高圧条件下での評価)
防爆建屋
高圧水電解評価設備
高圧ガス保安法を
遵守した設備
高圧セルスタック
最大300kg
縦・横置き
高圧水電解装置50kW最大75V、最大5000A
~5MPaG
海外の水電解装置と同じ
高圧条件で評価を実施
水素
水素中
酸素濃度
露点
純水純度
スタック電流
各セル電圧
評価システム
• 高圧ガス対応試験環境設備
• 計測・分析機器
評価項目
• 高圧下水電解現象の把握
• クロスオーバー量の評価
• セルスタックの水素のシール性・リーク評価
飛散防止カバー
リーク
水素
WDH=35.52.8 m
セル抵抗・
インピーダンス
圧力
0~5MPaG
酸素
酸素中
水素濃度
10Nm3/h
流量
大気開放
大気開放
(企業ヒヤリングを受け追加)
(注記)写真はイメージ
飛散防止カバー
2023年11月設置11 3.研究開発成果について(設備3)
FREA内 配置
技術課題3
・評価設備基礎完成
・エンジン発電機搬入
技術課題3
海外の電力条件での水電解評価設備12 MW級電源
@FREA
スマートシステム研究棟
水素エンジン発電機
大型水電解装置パッケージ
水素
電気
再エネ・水素システム
水素貯蔵設備
国内・海外の再エネ発電や系統電力を
模擬して水電解装置へ供給
水素中
酸素濃度
水分
【アルカリ型】
アルカリ成分
トータル
消費電力
システムとしての評価
評価システム
• MW級電源(既設)
• ACシミュレータ(既設)
• 大型水電解装置(MW級)
• 水素貯蔵設備(中圧タンク等)
• 計測・分析機器
• 水素発電機器
評価項目
• 評価手法の大型水電解装置への試行
• 標準的VREプロトコルによる電解評価
• グリーン水素製造コスト算定
• 水素発電設備も含めたシステムとしての
評価(短長期の電力平準化等)
100Nm3/h
(最大200Nm3/h)
最大100Nm3/h
AC 1MW
6600V
最大40フィートコンテナサイズ
(注記)長納期、価格高騰
水素エンジン発電機 115kW
2023年11月納品据付,試運転調整完了2024年2月
3.研究開発成果について(技術課題3:海外の電力条件での大型水電解装置の評価)13 3.研究開発成果について(欧州視察)
• 欧州の7つの水電解関連メーカや公的研究機関を訪問し、水電解装
置の評価について調査を行った。
• 公的な研究機関、民間企業いずれも1000時間超の連続試験の実
施体制が整っていた。
• 実証レベルの試験は、どの機関でもコンテナを利用。
• 訪問した機関における水電解評価は大きくてもMW程度のサイズ。
FREAの設備は欧州で行われている試験と同等規模。また、50kW程
度のサイズで行っている試験も多く見られた。大型の試験を行うには消
費電力の問題等があり、扱いやすい規模感であるためだと考えられる。
• 欧州においても系統容量の問題(GW水電解を行うための送電網
等)は未解決であり今後の課題であった。
• 水電解に関する認証、規制については、欧州で統一的に適用されてい
るルールは明確にはなく、主に地域のルールやオーソリティに従って実施。
AVL List GmbH Schaeffler
LBST、TÜV SÜD TNOISPTFraunhofer ISE14 3.研究開発成果について(国際標準化に関する活動内容)
2. 対象規格: ISO/TS 22734-2「Hydrogen generators using water electrolysis
— Part 2: Testing guidance for performing electricity grid service」
(「水電解装置の電力網に対する性能試験方法」に関する規格)
・当初、2020年10月からTC197/WG32においてTRとして審議開始
・後に、ISOの規則変更に伴い、TRでの発行不可になり、TSとして再審議を開始する予定
⚫ 審議中規格の国際委員会への参加
⚫ ISO22734-1を審議するTC197/WG34の国内委員会への参加
1. 対象規格: ISO 22734-1 「Hydrogen generators using water electrolysis
— Part 1: General requirements, test protocols and safety requirements」
(「水電解装置の試験方法や安全要求」に関する規格)
・TC197/WG34において審議中(18か国から90名以上が登録参加)
・2021年5月に旧規格の改訂審議が開始、WDとCDが完了し、現在DISの段階、2025年にIS発行予定
・大学、公的機関、民間企業から16名が登録参加
・CDとDIS段階において日本から提出するコメントに関して議論を実施
FCRの例
電解装置の応答性を評価
aFRRの例
電解装置の応答性を評価する
ためのプロトコールの提案15 4.今後の見通しについて(評価手法を集約し、総合的な評価手法を構築)
*メーカーや専門家へのヒヤリングにより、大気
圧から1MPaまでの特性を把握すれば3MPa
程度までの性能は中型スタックの性能評価より
予測可能と見込まれる
技術課題1の水電解スタックを評価
技術課題2の1MPaを超える水
電解現象を把握
圧力 MPa abs.
性能
Log 圧力 MPa abs.
0.1 1 10
セル
➔
スタック
➔
システム
課題2:中型
水電解スタック
(〜50kW)
において1MPa
を超える水電解
現象を把握
課題1:製品レベルの
大面積セル・スタック
(〜500kW、〜1MPa*)
に対し、加速試験によって
評価
課題3:製品レベルの水電
解システムに対し、海外を
含めたOn-gridや
Off-grid環境下で評価
リアルワールド評価
加速評価
現象評価
評価法の
妥当性検証
課題4
評価技術調査および
評価手法構築
評価法の
妥当性検証
イメージ図16
4.今後の見通しについて(大型水電解スタック・高圧水電解スタックの評価手法)
NRELにおけるサイクル試験
による加速劣化評価
NEDO水素先導PJにおける起動・停止模擬サイクル試験
製品レベルスタックと新規開発スタックの
性能評価および加速劣化評価
1大面積、多セルスタックにおける応答性や
効率を評価する。
2高圧水電解スタックにおけるガスのクロス
オーバー量やスタックのシール性を評価する。
3劣化モード試験での加速劣化評価
>高負荷試験
>負荷変動試験
>起動・停止試験
出典)A. A. Haleem, et al., Electrochemistry 89(2021) 186
出典): Shaun M. Alia et al 2019
J. Electrochem. Soc. 166 F116417 4.今後の見通しについて(様々な電力条件における評価手法)
国内外の様々な系統を模擬する交流電圧、周波数帯に
おける水電解装置パッケージの評価。
調整力として要求される応答速度等を評価。
1製品スタックとBOPを含む大型水電解装置
パッケージの性能を評価する。
2水電解装置パッケージとしての水素製造効率
を評価する。
3再エネの変動吸収や電力系統の調整力として
の利用など、用途に応じた試験パターンを用いて
適用可能性を評価する。
4低負荷試験におけるガスの純度を計測し安全
性を評価する。
系統調整力の評価パターン例
再エネ変動電力パターン例(太陽光)
出典)R. Reissner, et al., Testing protocols for electrolyser qualification (2020)
https://doi.org/10.5281/zenodo.393727318 4.今後の見通しについて(試験スケジュール)
2024年度
Q1 Q2 Q3 Q4
2025年度
Q1 Q2 Q3 Q4
技術課題1
(500kW
PEMスタック)
定常運転時の特性把握
大型用加速劣化試験プロトコ
ルの最適化
高・低負荷試験
加速劣化試験
技術課題2
(50kW 高圧
PEMスタック)
定常運転時の特性把握
大型用加速劣化試験プロトコ
ルの最適化
加速劣化試験
技術課題3
(海外電力条件、
パッケージ)
試験用水電解装置の設置と
試運転
定常試験による性能と効率評価低負荷試験におけるガス純度
計測
再エネ変動試験
ディマンドレスポンスを想定する
応答速度評価試験
再エネ変動に対応するEMSの
可否検討(応答性)
小型セル用のプロトコル
をベースに大型スタック
用のプロトコル構築
先行して実施する課題2の結果、
手法を課題1の試験にも反映
ISOで提案された
プロトコルをテスト
クロスオーバー量
計測手法
高圧水電解時の
挙動、現象を把握
BOP含めた総合
効率の評価19

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