0発表者名 坂本 正樹
機関名 山梨県企業局
東京電力ホールディングス株式会社
・東京電力エナジーパートナー株式会社
東レ株式会社
日立造船株式会社
シーメンス・エナジー株式会社
三浦工業株式会社
株式会社加地テック
発表日 2024年7月18日
カーボンニュートラル実現へ向けた
大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換・利用技術開発
グリーンイノベーション基金事業/再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造
NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
発表No.B2-14
連絡先:
山梨県企業局
055-234-5268
✓ 再エネや水電解装置のコスト低下に伴い、2050 年には化石燃料+CCUS で製造する水素よりも安価に水素を
製造することが可能となる地域が出てくる見込みである。こうした予想を受け、域内への再エネ導入に積極的な欧
州などは、水電解装置の導入も併せて実施することを目指している。日本は、要素技術で世界最高水準の技術を有
しているが、大型化の技術開発などでは欧州等、他国企業が一部先行する構図となっているため、基金事業期間で
ある10年間のうち、前半5年間を事業期間として、大規模P2Gシステムの技術開発を進める。
✓ 研究開発内容ごとに開発を進め、検討フェーズから実証フェーズに移行できたため、大型かつモジュール化された
水電解装置及び、優れた新部材を実装する実スケールでの試験を開始できた。また、熱需要や産業プロセス等の脱
炭素化実証設備の建設を開始している。
事業概要
1. 期間
開始 :2021年9月
終了(予定) :2026年3月
2. 最終目標
3.成果・進捗概要1【研究開発項目】水電解装置の大型化技術等の開発、Power-to-X 大規模実証
研究開発内容〔1〕 水電解装置の大型化・モジュール化技術開発
研究開発内容〔2〕 優れた新部材の装置への実装技術開発
研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証
✓ カーボンニュートラル実現へ向けた大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換の実現させる。
✓ 水電解装置を2025年度に世界水準での普及モデルに仕上げる。
2020年10月、我が国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標を掲げた。
この目標は、従来の政府方針を大幅に前倒すものであり、並大抵の努力で実現できるものではない。エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投
資によるイノベーションといった現行の取組を大幅に加速することが必要である。
本基金事業により、日本の企業等がカーボンニュートラル関連市場の国際競争で優位なポジションを確保するとともに、産業競争力の強化につな
げていくことも重要である。
また、世界的に水素及び関連市場が今後拡大していくことが見込まれており、こうした国内外の市場を獲得することは、我が国の経済成長、雇用維
持や、世界の脱炭素化にも貢献することに繋がる。水素の社会実装を促すためには、供給設備の大型化等を通じた供給コストの削減と両輪で、大規
模な水素需要の創出を同時に行うため、既存のインフラを最大限活用し、供給量の増大と水素需要の創出を行うことを可能とする社会実装モデルを
構築する必要がある。
本プロジェクトについては、こうしたモデルを構築し、各要素の技術的な課題の解決を図るとともに、水素の需要側と供給側の取組を特定エリアで
統合的に実証することで、技術的な知見を蓄積し、将来的なインフラ整備とともに効率良く水素の全国普及を達成することを目指す。他方で、欧州は
再エネと両輪で水電解装置の導入を積極的に推し進め、日本よりも先行しているほか、欧州に留まらず、今後は再エネコストが安価な地域を中心に、
世界的に大きな市場が形成されることが見込まれている。
このように拡大が見込まれる世界の市場獲得や、今後導入される国内再エネポテンシャルを最大限活用等すべく、水電解装置の競争力強化や国内市
場形成に資する取組を強化する必要があり、具体的には、水電解装置を用いた水素製造コストを削減し、製造された水素を有効活用し、目指すべき
社会実装モデルを構築する観点から社会実装計画の中から次の2点に関して取り組みを実施する。
I 大型化等、水電解装置のコスト削減等に資する研究開発
II 熱需要の脱炭素化や、アンモニア等の基礎化学品の製造による、製造された水素の利活用実証(Power to X)
これら2つの取り組みに関する具体的なアウトプット目標として、2030年までにPEM型水電解装置の設備コスト6.5万円/kWを見通せる技術の
実現を掲げ、これを達成するための研究開発内容は次のとおりとし、それぞれに具体的な目標を設定し技術開発ならびに実証を進める。21.事業の位置付け・必要性
研究開発目標 3化石燃料電気(再エネ等)燃料
H2 直接
間接電化電気(火力)
P2Gシステムによる「カーボンニュートラルの実現」
グリーン水素CO2フリー電気(再エネ資源国、国内再エネ等非化石電力)(大規模工場・輸送)電気や熱としてエネルギー利用(大規模工場・輸送)
P2Gが電力需
要を支え再エネ
が拡大
今日のエネルギー供給構造 カーボンニュートラルのエネルギー供給構造
CO2の排出
転換電気や熱としてエネルギー利用
発電P2Gプロジェクトの目的:カーボンニュートラル実現へ向けた大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換の実現
【研究開発項目】水電解装置の大型化技術等の開発、Power-to-X 大規模実証 4研究開発内容〔1〕水電解装置の大型化・モジュール化技術開発
(実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型100MW システムの実現を見通す)を想定し、量産可能かつスケーラブルな特徴を備
えた水電解装置の大型化・モジュール化に係る技術を開発する。)
✓ 2025年にて1,050千円/Nm3/h (25万円/kW)、2030年で量産コスト272千円/Nm3/h(6.5万円/kW)を見通す
✓ 2025年にてシステム効率77% (4.6kWh/Nm3)、2030年にてシステム効率80%(4.4kWh/Nm3)を見通す
✓ 6MW級水電解装置を製作し、実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型100MW システムの実現を見通す)を想定した、量産可能かつス
ケーラブルな特徴を備えた水電解装置の大型化・モジュール化に係る技術を開発する
研究開発内容〔2〕優れた新部材の装置への実装技術開発
(低コスト化、高効率化に繋げる、膜や触媒などの重要な部素材を水電解装置に実装する技術を開発する。)
✓ 2025年にて1,050千円/Nm3/h (25万円/kW)、2030年で量産コスト272千円/Nm3/h(6.5万円/kW)を見通す
✓ 2025年にてシステム効率77% (4.6kWh/Nm3)、2030年にてシステム効率80%(4.4kWh/Nm3)を見通す
✓ 実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型100MW システムの実現を見通す)を想定し、膜やCCMの重要な部素材を水電解装置に実装す
る技術を開発する。10MW級水電解装置を製作する。
✓ P2Gから生産されるフルウエット水素の1MPa級大規模除湿・圧縮システムの開発
研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証
(大規模P2Gシステムによる化石燃料からのエネルギー需要転換・利用技術モデル開発)
✓ 電化が困難な工場の熱需要の化石燃料代替パッケージ技術をモデルを確立させる。
✓ 地域の再エネ電気を有効活用するために、導入対象を地場産業に根付いた工場規模の化石燃料の使用を削減し得るモデルを実証する
✓ 経済合理性と再エネからのエネルギー転換を両立させる水素製造・利用のオペレーションシステムのパッケージ化
2 .研究開発マネジメントについて
研究開発内容
ステージゲート審査のスケジュール案
2021年9月
契約締結
2026年
実証試験
2022年/12
実証試験ステージゲート審査
2025年/3月
運転開始ステージゲート審査(インセンティブ審査兼)
2025年/4月〜10月ごろ
順次運転開始
2023年/1月〜8月ごろに順次
建設工事開始のところ、2024年2月20日起工
2 .研究開発マネジメントについて5 基金事業進捗説明
脱炭素工場実証
ステージゲート審査
(3月)
ステージゲート審査(12月)
研究開発項目技術面事業面
内容
(1)(2)
擦り合わせ
技術開発
内容(3)
P2Gシステ
ム技術開発事業開発
実行体制
事業資金
計画
小規模プロタイプ試験
大型P2Gシステムパッケージ
• Hitz大面積セル試験
• シーメンスセル評価設備
• 水素ボイラー評価設備
• 加圧除湿機評価設備
• Hitzモジュール設計
• シーメンス・Hitzパッケージ化プラント(東電)
• 成膜量産プロトタイプ建設(東レ)
2021 FY2022長納期品発注
2023 2024 2025
工場制作
土木建築工事
機械電気工事
実証試験
▽株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー設立(22.02)
2026〜
▽H2-YESコンソーシアム拡大立(21.09)
▽事業化
継続
▽国内事業拡大
エレメントが
揃い次第
第2四半期
大規模実証先需要家の決定▽
▽YHCにて、国内外企業とのスキーム研究開始(NDA締結し実施9件)
▽地域モデル構築技術開発事業開始 ▽エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業
▽事業拡大時に必要となる外部資金の導入手法の検討
(金融機関、国ファンド)
2 .研究開発マネジメントについて6 大規模P2Gシステムによる化石燃料からのエネルギー需要転換・利用技術
モデル開発
PEM形水電解向け高効率低コスト整流器の開発(ニチコン株式会社)
蒸気負荷変動に追従できる高効率純水素ボイラーの開発
YHCの設立、大口需要家との調整、熱システム
プロジェクトを統括し、研究開発項目2の実施機関との調整や研究開発内
容間の工程調整を図り、目標を統合したエネルギー転換システムを創造する。
低コスト化、高効率化に繋げる、膜や触媒などの重要な部素材を水電解装
置に実装する技術を開発する。
実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型100MW システムの実現を
見通す)を想定し、量産可能かつスケーラブルな特徴を備えた水電解装置の
大型化・モジュール化に係る技術を開発する。
研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証
研究開発内容〔1〕水電解装置の大型化・モジュール化技術開発
東レ株式会社
東京電力ホールディングス株式会社・東京
電力エナジーパートナー株式会社
日立造船株式会社
三浦工業株式会社
ニチコン株式会社
シーメンス・エナジー(日本法人)
株式会社加地テック
研究開発内容の全体統括プロジェクトリーダー
研究開発内容〔2〕優れた新部素材の装置への実装技術開発
東レ株式会社NEDO山梨県企業局
委託
ニチコン株式会社
サントリーホールディングス株式会社(2023参画)
株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー(2023参画)
2 .研究開発マネジメントについて
プロジェクト体制表7 山梨県企業局
(幹事会社)
東レ
日立造船 シーメンス
エナジー
加地テック 三浦工業
だいやまーく 電解槽の圧力・湿
度をよる需要の非
適合性の解消技
術の提供
だいやまーく 電化が困難な工場
の熱需要の化石燃
料代替パッケージ
技術をモデルを確立だいやまーく 化石燃料の併用
から、水素単独へ
変化してくボイラー
システムの提供
だいやまーく P2Gのやまなしモデ
ル構築とその展開
のための事業体の
転換
だいやまーく 優れた部素材の導
入による我が国の
電解技術の世界
展開
だいやまーく 高性能・高耐久
PEM形水電解材
料の開発・実装、
世界展開
だいやまーく 世界市場で活躍
する国産大規模水
電解装置の成立
東京電力HD・EP研究開発内容〔1〕
水電解装置の大型化・モジュー
ル化技術開発
研究開発内容〔3〕
熱需要や産業プロセス等の脱炭
素化実証
研究開発内容〔2〕
優れた新部材の装置への実装
技術開発
✓ 100MW システム
の実現を見通す
PEM形6MW級モ
ジュール式連結水
電解システム開発
✓ 2025年にてシステ
ム効率77%、
2030年にてシステ
ム効率80%を見
通す。
✓ 膜やCCMの重要
な部素材を
10MW級の水電
解装置に実装する
技術を開発する。
✓ 膜やCCMの重要
な部素材を
10MW級の水電
解装置に実装する
技術を開発する。
✓ P2Gから生産され
るフルウエット水素
の大規模除湿・圧
縮システムの開発
✓ 大規模P2Gシステ
ムによる化石燃料
からのエネルギー需
要転換・利用技術
モデル開発
✓ 電化が困難な工
場の熱需要の化
石燃料代替向け
水素ボイラー技術
を確立させる。
✓ 電力設備、電解装
置、補器、建築を
総合的技術力で
統合
✓ 再エネの利用促進
と水素の製造・利
用における経済合
理性を追求する
EMSの導入
✓ 大規模P2Gシステ
ムによるエネルギー
需要転換のための
事業者間調整・技
術インテグレーション
✓ 水素利用、貯蔵、
熱コントロールシス
テムの設計
✓ エネルギー需要家と
の調整並びにビジ
ネスモデル検討
✓ 共同事業体
「YHC」の設立運営社会実装に向けた取り組み内容
2 .研究開発マネジメントについて8役割分担表
• 熱需要や産業プ
ロセス等の脱炭
素化実証
研究開発項目
• 水電解装置の大
型化・モジュール
化技術開発KPI1
✓ 2030 年までにPEM 型水電解装置の設備コスト6.5 万円/kW を見通せる技術の実現
✓ 大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換・利用技術開発
• 優れた新部材の
装置への実装技
術開発21.水電解装置の大型化技術の開発
Power-to-X 大規模実証
KPI設定の考え方
研究開発内容3(注記)1 「FCHJU Multi - Annual Work Plan 2014 - 2020」で目標を設定。
• 25万円/kW@2025年、量産コスト6.5万円/kW@2030年、
• システム効率77%@2025年、80%@2030年、を見通す。
• 6MW級水電解装置を製作し、 PEM 型100MW システム@2030
年の実現、を見通す。
• 膜やCCMの重要な部素材を水電解装置に実装する技術、および大
規模除湿・圧縮システムを開発し、
• 25万円/kW@2025年、量産コスト6.5万円/kW@2030年、
• システム効率77%@2025年、80%@2030年、を見通す。
• 10MW級水電解装置を製作し、PEM 型100MW システム
@2030年の実現を見通す。
• FCH-JUの2030 年設備コスト目標(注記)1を参考に設定
500€/kW、システム効率79%@2030
• 複数のモジュール化されたスタックを並べ大型化するとともに、システムに必
要な補機(整流器等)の数を増やさないことで装置コスト削減を実施。
• FCH-JUの2030 年設備コスト目標(注記)1を参考に設定
500€/kW、システム効率79%@2030
• 大型実機において小規模同等の性能を発揮するためには、部素材及び水
電解装置メーカー間での摺り合わせ開発が必要。部素材単一では効果を
発揮できず、膜への触媒塗布方法や、スタッキング手法など最適化すること
ではじめて、システムの中でその性能を発揮することが可能となる。
• 12MW規模の水電解装置のオンサイトモデルを構築し、水素製造・利
用装置のパッケージ化をすること。
• 大規模風力発電によるオンサイト型P2Gシステムの開発をすること。
• エネルギー需要家がシステム運用をせずに効率的なシステム運用方法
を電力市場や水素の需要家と緊密に連携しながら開発すること。
• 水素専焼ボイラーの多缶設置システムで、ボイラ単体効率向上と、ター
ンダウンレシオの拡大により実運転効率を高め、水素から熱への変換効
率の高い蒸気システムを開発し実証すること。
• 電解槽のモジュール式連結システムに最適となる、変換効率とコストの
トレードオフの最適点を得るPEM形水電解向けの整流器を開発するこ
と。
• 設置コスト削減のためのパッケージ化が求められるから。
• 風力発電におけるランプ出力などを効率的に水素に変換し使用するシステ
ムを確立することで、熱需要における化石燃料の置き換え、熱の脱炭素化
につながるから。
• 既存設備からのシームレスな切り替えを進めるとともに、水素価格に直結す
る再エネ余剰電力を効率的に水素に変換する必要があるため。
• 従来の都市ガスボイラを置き換えていくためには、幅広い容量に対応できる
蒸気システムを構築することが必要なため。
• 整流器は、変換効率の高さのみならず、電解槽の電圧や交流変圧器との
最適化など専用設計でダイナミックにコストを低減する必要があるため。93.研究開発成果について
アウトプット目標9 研究開発計画/研究開発内容(これまでの取組)
各KPIの目標達成に向けた個別の研究開発の進捗度
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
• 水電解装置の
大型化・モ
ジュール化技
術開発
・モジュール試運転にて、
システム効率77%を見通
す。
・中型スタック評価におい
て、 耐久性
0.15%/1000hを見通す。16MW級水電解装置の製
作、据付、試運転完了
研究開発内容
これまでの開発進捗
(研究開発成果)
進捗度
〇(理由)
中型スタックでの性能・耐
久性目標を達成した。
・3Dモデリングを使用したモジュール配置案の検討、改善レビューによ
り連結式装置の設計を計画通りに完了した。
・6MW級水電解装置、モジュール型電解槽の部材や機器等を購入
し、計画通りに実証装置の製作を開始した。
〇(理由)
量産可能かつスケーラブ
ルなモジュール連結式装
置の設計を完了した。
1,050千円/Nm3/hを見
込む6MW装置の製作完了・機器数量低減などのコストダウンにより目標を達成し、6MW装置
設計を完了した。
・装置のフロー、電解モジュールを設計完了し、コストダウンを見込んだ。
〇(理由)
コストダウン目標を見込ん
だ6MW装置設計を完
了した。
低コスト化高効率化目標
大型化・
モジュー
ル化
・ 差圧運転対応の中型スタック評価装置の改造を完了した。
・中型スタック評価において、東レ開発MEATH21-3により、
水電解性能1.74V@2A/cm2、および耐久性(劣化率)
0.15%/1000h以下を達成し、2024年度中間目標達成の
見通しを得た。
3.研究開発成果について10 研究開発計画/研究開発内容(これまでの取組)
各KPIの目標達成に向けた個別の研究開発の進捗度
• 優れた新部材
の装置への実
装技術開発2研究開発内容 進捗度
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
これまでの開発進捗
(研究開発成果)
目標
3.研究開発成果について11• MW級システム効率77%
を見通す。
• 中型スタック評価において、
耐久性0.15% /1000h
を見通す。
• 10MW級水電解装置を
設計・製作する。
高効率化
社会実装
• 1MPa×ばつ1,500Nm3/h
級の圧縮機、除湿システ
ムの実証機を製作する。
• 実用規模を想定したポリ
マー製造設備を設計・製
作する。
• 水電解装置16MW級に
実装する原材料〜ポリ
マー・電解質膜5000
m2およびCCMまで一貫し
た製造技術を開発する。
・中型スタック評価において、東レ開発MEATS22-Aにより、
水電解性能1.78V@2A/cm2、および耐久性(劣化率)
0.15%/1000h以下を達成し、2024年度中間目標達成の
見通しを得た
〇(理由)
中型スタックでの性能・耐
久性目標を達成した。
・ 実用規模を想定した電解質膜・CCM製造設備の設計・
製作・据付が完了し、実用規模を想定した電解質膜、および
CCM製造技術の開発を開始した。
〇(理由)
スケジュール通り。
しろまる(理由)
要素技術評価実施、詳細
設計着手。
・要素試験を行い、ヒートポンプ用圧縮機、及び圧縮機ノンリーク
構造の評価を実施した。
・評価結果を踏まえ、実証機の詳細設計に着手した。
・設計が完了し、製作や外注先への発注が進められている。 しろまる(理由)
若干の遅れは見られるもの
の全体工期への影響なし
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
• 熱需要や産業
プロセス等の脱
炭素化実証
実証試験選定先および
実証試験内容の検討を
開始
ボイラ効率向上試験と
燃焼範囲向上のための
燃焼バーナ開発試験を
開始する。
研究開発内容
これまでの開発進捗
(研究開発成果)
進捗度
• フィールド近郊の風力実績より、変動特性を把握した。
• 選定先の蒸気使用量状況を確認し、基本構想に織こんだ。
• 基本構想検討(概念設計)連系制約がないことを確認完了
• 実証試験選定先変更
〇(理由)
スケジュールどおり進捗。
• 水素ボイラの試験設備の準備が完了
• 試験設備を建設し、開発試験を開始し、KPIの目標値を試験
機において達成した。
〇(理由)
スケジュールどおり完了。
据付工事完了及び試
運転開始
• モジュール連結式の大型P2Gシステム向けのパッケージ化の検討
を進め、設計を完了
• フィールド選定では需要場所から設置場所について合意取得
• 連系制約がないことを確認完了
• 自治体へ開発許可等の申請手続き完了。
• 起工式実施し、土木造成工事を着工した。
〇(理由)
スケジュールどおり完了。
システムモ
デルの構築
風力発電
との連携
目標
高性能整
流器の開発整流器のモジュール評価
を開始
• 評価設備の基本設計が完了
• モジュールを試作し、評価を開始し、計画を前倒しし詳細設計を
完了した。
〇(理由)
スケジュールどおり完了。
水素ボイ
ラーの開発
研究開発計画/研究開発内容(これまでの取組)
各KPIの目標達成に向けた個別の研究開発の進捗度
3.研究開発成果について12 研究開発内容〔1〕 水電解装置の大型化・モジュール化技術開発
➢ 2MWを電解槽の単位モジュールとして構成。
➢ 2MW x 3系列=6MWで水電解槽装置を構成。
水電解装置6MW個別機器をスケールアップすることで
大型化、コストダウン。2MW水電解装置
10MWx2=20MW2MW水電解装置10MW1,050千円/Nm3
@6MWの見通し
電解モジュール:量産化によるコストダウン
➢10MWまでを共通機器のユニット単位とする。
➢10MWを点対象として配置 省スペースで20MWにスケールアップ。
➢20MW x 5セットで100MWを見通す。
100MWを
見通す
共通モジュール:
KPI 低コスト化:2025年にて1,050千円/Nm3/h (25万円/kW)、2030年で量産コスト290千円/Nm3/h(6.5万円/kW)を見通す。
直近のマイルストーン(2024年度 中間目標) 1,050千円/Nm3/hを見込む6MW装置の製作完了
大型化・モジュール化:6MW級水電解装置を製作し、実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型100MW システムの実現を見通す)を
想定した、量産可能かつスケーラブルな特徴を備えた水電解装置の大型化・モジュール化に係る技術を開発する。
直近のマイルストーン(2024年度 中間目標) 6MW級水電解装置の製作、据付、試運転完了KPI電解モジュール
共通モジュール
3.研究開発成果について13個別機器をスケールアップすることで
大型化、コストダウン。
研究開発内容〔1〕 水電解装置の大型化・モジュール化技術開発
1.93V
効率76%
1.74V
効率85%
1.84V
効率80%
基準フッ素膜MEA東レ開発
MEA18-1
東レ開発
MEATH21-3
日立造船殿製
スタック開発機@東レ
基準フッ素膜MEA: 基準F膜+基準電極
東レ開発MEA18-1: 開発膜18-1+開発電極18-1
東レ開発MEATH21-3 :開発膜TH21-3+開発電極TH21-3
2024年度 中間目標
(直近のマイルストーン)
中型スタック評価にお
いて、耐久性0.15%
/1000hを見通す。
日立造船の中型スタック評価において、東レ開発MEATH21-3により、水電解性能1.74V@2A/cm2、
および、耐久性(劣化率)0.15%/1000h以下を達成し、2024年度中間目標達成の見通しを得たKPI高効率化:2025年にてシステム効率77%
(4.6kWh/Nm3)、2030年にてシステム効
率80%(4.4kWh/Nm3)を見通す。
2022年度 中間目標
中型スタック評価において、電
解電圧1.75V@2A/cm2を
見通す。
安定後 劣化率 0%
80°C 差圧 80°C 差圧
しかく 水電解性能 しかく 耐久性試験
3.研究開発成果について14 研究開発内容〔2〕 優れた新部材の装置への実装技術開発
1.96V
効率76%
1.78V
効率83%
基準フッ素膜MEA
東レ開発MEATS22-A
中型スタック
評価実証設備@東レ
安定後 劣化率 0%
しかく水電解性能 しかく耐久性試験
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
中型スタック評価にお
いて、耐久性0.15%
/1000hを見通す。
シーメンス・エナジーの中型スタック評価において、東レ開発MEATS22-Aにより、水電解性能1.78V@2A/cm2、
および、耐久性(劣化率)0.15%/1000h以下を達成し、2024年度中間目標達成の見通しを得たKPI高効率化:2025年にてシステム効率77%
(4.6kWh/Nm3)、2030年にてシステム効
率80%(4.4kWh/Nm3)を見通す。
直近のマイルストーン
(2022年度 中間目標)
中型スタック評価において、
電解電圧1.9V
@2A/cm2を見通す。
80°C等圧
60°C等圧
3.研究開発成果について15 KPI
実用規模(遅くとも、2030 年において、PEM 型
100MW システムの実現を見通す)を想定し、ポリマー・膜
やCCMの重要な部素材を水電解装置に実装する技術を
開発する。10MW級水電解装置を製作する。
研究開発内容〔2〕 優れた新部材の装置への実装技術開発
ポリマーパイロット試作設備
・実用規模を想定したポリマー製造設備を設計・製作する。
・水電解装置16MW級に実装する原材料〜ポリマー・電解質
膜5000m2およびCCMまで一貫した製造技術を開発する
・10MW級水電解装置を設計・製作する。
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
合成エリア
精製エリア
後処理エリア
乾燥エリア
世界各国でGW級検討、水電解装置・部素材の国際競争が激化しており、日本の国際競争力確保が大きな課題である。
2024年度中間目標として、実用規模を想定したポリマー製造設備の設計・製作を追加し、水電解装置16MW級に実装する
原材料〜ポリマー・電解質膜5000m2およびCCMまで一貫した製造技術の開発を進めたい。
設備
原材料〜
ポリマー製造
電解質膜
製造CCM製造
スタック
製造
ラボ
試作設備NEDO実用化NEDO実用化
ー 日立造船
パイロット試作設備
GI基金
(実施中)
NEDO多
用途
(実施中)
日立造船SE量産工場 今後、設備投資検討
日立造船SE本プロジェクト
(GI基金追加)
追加事業規模:33.5億円(2/3助成)
ポリマーパイロット試作設備の位置づけ 合成 後処理 精製 乾燥
ポリマー製造
プロセス020406080100
電解質膜コスト(kW当たり)
相対値
ラボ試作
(実績)
膜パイロットによる
大型化・自動化
電解質膜の製造コスト低減40%低減42%低減82%低減
パイロット試作
(計画)
ポリマーパイロットによる
大型化・自動化
3.研究開発成果について16 研究開発内容〔2〕優れた新部材の装置への実装技術開発
KPI P2Gから生産されるフルウエット水素の1MPa級大規模除
湿・圧縮装置を開発する。
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
1MPa×ばつ1,500Nm3/h級の圧縮機、
除湿システムの実証機を製作する。
要素試験を実施し、その結果を踏まえ実証機詳細設計に着手した。
ノンリーク構造要素試験機
• 圧縮機からの水素ベントをなくし、ノンリーク
構造とすることで圧縮機の効率を改善
⇒2023年度は要素試験を行い、評価を
実施した。またその結果を元に実証機の詳
細設計に着手した。
• 本技術により、電解槽に負担が少ない水素
製造圧力においても高効率に加圧・除湿が
可能となる。
ヒートポンプ用圧縮機試験機
• 通常は捨てられる水素圧縮機からの排熱(ガ
スクーラ冷却水からの熱)をヒートポンプにて回
収し、ドライヤ吸着材の再生熱源として利用
⇒2023年度は要素試験によりヒートポンプ
用圧縮機の小型・低コスト化の目途を得た。
< 圧縮機 要素技術検討 > < 除湿装置 要素技術検討 >
3.研究開発成果について17 研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証
3.研究開発成果について18特別高圧受変電設備エリア
• 東京電力PGとの技術協議による白
州幹線からの受電方法に関する合
意を形成完了
P2G実証エリア
• 100MW級のスケーラブルなP2G
システムの検証に最低限必要とな
る実証設備を設計完了...v工場見学者
駐車場KPI・12MW規模の水電解装置のオンサイトモデルを構築し、水素製造・利用
装置のパッケージ化をすること。
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
モジュール連結式の大型P2Gシステム向けのパッケージ化の検討を進め、設計を完了した。
・各機器の設計完了、工場制作及び各機器の単体で性能を達成
・土木造成、受電設備、建屋建設、機器据付工事完了
・一部試運転開始
< 水素製造設備配置計画 >
研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証
3.研究開発成果について19KPI
・エネルギー需要家がシステム運用をせずに効率的なシステム運用方法を
電力市場や水素の需要家と緊密に連携しながら開発すること。
・各機器の設計完了、工場制作及び各機器の単体で性能を達成
・水素供給配管、機器据付工事完了
・一部試運転開始
直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
< 水素利用設備配置計画 >
水素バッファタンク
水素ボイラ ×ばつ 3台
水素供給(全長2km)
蒸気供給
(滅菌、殺菌工程)
蒸気供給
(連携制御)
LNGボイラ
水素製造
水素から熱への変換効率の高い蒸気供給システム
KPI 産業用蒸気ボイラの主流となる相当蒸発量2t/h小型貫流水素専焼ボイラーの多缶設置システムで、ボイラ単体効率向上と、ターンダウンレシオの拡大により実運転効率を高め、水素
から熱への変換効率の高い蒸気システムを開発して実証する。
• 要素試験で確認をしたボイラ性能を、ボイラ製品レベルにおいても達成できることを確認した。開発目標を満足する開発が完了
>ボイラ効率 105%(LHV)、 ターンダウン比1:5
• さらなる改良として、燃焼バーナの低NOx化に取り組み、ターンダウンレシオ1:5の全負荷領域において、O2=0%換算で、
NOx=40ppm以下を達成(この技術により東京都の低NOx認定・グレードHHを取得)
• P2Gと複数台水素ボイラ(実証先では3台設置)、既設ボイラとの制御システム開発を行っており、2024年度も開発は継続する
項目 単位 内容
ボイラ種類 - 小型ボイラ(多管式貫流ボイラ)
取扱資格 - 事業主による「特別教育」受講者以上
最高圧力 MPa 0.98
相当蒸発量 Kg/h 2,000
ターンダウン比 - 1:5
燃焼(メイン/パイロット) - 水素/13AまたはLPG
ボイラ効率(LHV基準) % 105
排ガスNOx濃度 ppm 40以下(O2=0%換算)
開発したボイラの仕様
3.研究開発成果について
研究開発内容〔3〕 PEM形水電解向け高効率低コスト整流器の開発
3.研究開発成果について21• 最大効率99%のDCDC変換器を試作した。
• 各種電力変換器と水電解装置の性質を吟味し、変換効率とコストのトレードオフの最適点を得るPEM形水電解向けの整流器の設計手法を見出した。
• 上位制御系となるEMSと連携し、幅広い市場要求に対応できる設計とした。
• 2025年においてコストに目途を立てた。また、フットプリント6分の1、屋外別置きを可能としたことで、建築コストの大幅な低減を図ることができた。
電解槽のモジュール式連結システムに最適となる、変換効率とコストのトレー
ドオフの最適点を得るPEM形水電解向けの整流器を開発する。
試験装置KPI直近のマイルストーン
(2024年度 中間目標)
• 設備設計完了・製作開始
• 設備製作完了・据付
モジュールを試作し、評価を開始し、計画を前倒しし詳細設計を完了した。
整流器3D図
整流器構成概略
南アルプスのふもと、雄大な自然に囲まれた
サントリー天然水 南アルプス白州工場
サントリー白州蒸溜所
に、大規模水素燃料供給・利用システムが誕生します。
2024年
2 月 2 0 日 起 工
グリーンイノベーション基金事業22 天然水工場(水素利用)
(水素ボイラ)
水素パイプライン
全体システム
蒸溜所
水素製造規模
水素パイプライン
水素製造能力
16MW(最大)
約2km
2,500Nm3/h(2,200ton/年)
工事 東京電力グループ
設置場所 隣接の山梨県有地 3,000m2
✓ 我が国最大!16MW 固体高分子形水電解システムをサントリー天然水 南アルプス白州工場・サントリー白州蒸溜所
に隣接する県有地に設置
✓ 地域の再生可能エネルギーを集約し、大規模な工場で、次世代燃料「水素」に転換
✓ 天然水工場にて高性能水素ボイラーによる蒸気供給
CO2削減量 16,000トン/年(見込)
東レ(電解質膜を内蔵)
既設LNGボイラ
サントリー工場
圧縮機/除湿装置
P2Gシステム(水素製造)
三浦工業水素ボイラ
業界最高のボイラ効率
東京都低NOx認定取得
2,000kg/h x 3台
効率 105%
NOx 40ppm
TDR 1:5
三浦工業
水素ボイラ
東レ炭化水素系電解質膜
高プロトン伝導性
低ガス透過性
CGパース(イメージ)実際と異なる場合があります。
日立造船水電解装置
モジュール連結式6MW高効率
4.7kWh/Nm3
ニチコン
整流器
水素
パイプライン
シーメンス・エナジー
日立造船 加地テック
水電解装置
受変電設備
水電解装置23 完成予想図
3.研究開発成果について24 25
4.今後の見通しについて
強みを念頭においた需要開拓・事業開発はもとより、知財戦略や標準化戦略を含め取り
組む
⚫ 電力網のレギュレーションに合わせて2パターンのモデルを創造し、デファクト標準を確立していく。
GI基金事業
✓ 10ton/hの蒸気供給
✓ 余剰水素の地域内流通
✓ 0.25ton/hの蒸気供給
地域モデル事業
地域再エネ生産型モデルの推進
電圧6kV
国内84万件
(6割の電力を消費)
電圧66kV以上
国内1万件
(4割の電力を消費)
工業団地内/
構内パイプライン
または構内配管
P2G規模=10MW
P2G規模=0.5MW〜
✓ 地域の再生可能エネルギーで水素製造することで、出力制限を抑制し、さらなる非化石電力の導入を下支え。
✓ 需要家のオンサイトにて水素を製造する地産地消モデルは、内陸部を含む広範な地域における熱・燃料分野の脱炭素化
需要家PV
地域の中核需要家
地域の小規模需要家
分散設置 264.今後の見通しについて
今後の実証予定
東レ(電解質膜を内蔵)
既設LNGボイラ
サントリー工場
圧縮機/除湿装置
三浦工業
水素ボイラ
ニチコン
整流器
水素
パイプライン
シーメンス・エナジー
日立造船 加地テック
水電解装置
受変電設備
水電解装置
【研究開発項目】水電解装置の大型化技術等の開発、Power-to-X 大規模実証
研究開発内容〔1〕 水電解装置の大型化・モ
ジュール化技術開発
実証試験に対応する大型電解槽の製作を進め、モジュール化された大型水電解装置
を構築。2025年に実運用サイズでの実証試験を開始する。
研究開発内容〔2〕 優れた新部材の装置への実
装技術開発
優れた新部素材の大型電解槽への導入を進め、大型水電解装置を構築。2025年
に実運用サイズでの実証試験を開始する。
研究開発内容〔3〕 熱需要や産業プロセス等の
脱炭素化実証
水素ボイラーの技術開発は完了し実証試験用の機器の製作に移行。水電解プラント
の工事を安全に進捗させ、2025年の実証開始に向け準備を進める。
グリーン水素の利活用により
カーボンニュートラル推進のトップランナーとなり
国内外をリードしていけるよう取り組んで参ります。
経済産業省様、
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)様の御支援に感謝申し上げます。27

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