発表者名 今 俊史
団体名 株式会社巴商会
山梨県企業局
ヒメジ理化株式会社
株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー
発表日 2024年7月19日
水素社会構築技術開発事業/
地域水素利活用技術開発/
福島県内におけるグリーンガラスの製造を核とした
分散水素供給・利用システム技術開発
NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
発表No.B2-4
連絡先:株式会社巴商会
TEL : 03-3734-0511
URL : https://h2energy.tomoeshokai.co.jp
事業概要
1. 期間
開始 :2022年12月
終了(予定):2026年3月
2. 最終目標
・ P2Gシステムから生成される水素・酸素を用いた半導体用産業向け石英ガラス製造工程の脱炭素化
・ 大規模P2Gの東北地方への適用および総合的な経済性を追求する運転システム(EMS)の開発導入
・ マルチパーパスな地域水素ロジシステム開発
3. 成果・進捗概要
・ P2Gシステムの規模を、調整力実証に必要な規模の観点、地域水素利活用モデルの確立に必要な実
証規模の観点、経済性の観点から検証を行い、14.8MW以上と確定
・ バーナー設計と制御技術開発のために、具体的な品質評価方法・バーナー・装置についての概略設
計及び計画作成が完了し、バーナー等の資材について調達手配を開始
・ マルチパーパスな地域水素ロジシステム開発のために、需給バランスイメージおよびシステムブ
ロック図を作成し、現時点で予定通り進捗
・ P2Gから生成される水素および酸素を、消費するまでの一連の概略フロー図を作成2日本国におけるエネルギー関連施策の歴史は古く、第一次石油ショック後の新エネルギー開発の原点である1974年の「サンシャイン計画」から
始まり、1993年の「WENET計画」、そして2002年の「エネルギー政策基本法」を基に、現在は「第6次エネルギー基本計画」が閣議決定された。
第6次エネルギー基本計画では、第5次エネルギー基本計画策定時からの情勢の変化とともに、安全(Safety)、エネルギーの安定供給
(Energy Security)、環境への適合(Environment)、経済効率性(Economic Efficiency)のエネルギー政策の基本的視点
「S+3E」の確認が示された。さらに、関係省庁と連携した「2050カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定され、グリーン成長戦略が
更に具体化されている。省エネルギー技術は依然重要であるが、国内総生産(GDP)の増加に対して省エネ技術努力だけでは足りず、再生可
能エネルギーと組み合わせて安全・安定供給・環境適合・経済効率性も確認して脱炭素化を進めていくことになる。
その中で水素の立ち位置は、前述の第6次エネルギー基本計画では、産業・業務・家庭・運輸部門においては、徹底した省エネルギーによるエ
ネルギー消費効率の改善に加え、脱炭素化された電力による電化という選択肢が採用可能な分野においては電化を進めることが求められる。一
方、電化が困難な熱需要や製造プロセスにおいては、水素などの利用や革新的技術の実装が不可欠となるとされ、例えば、水素は、余剰の再
生可能エネルギー等の電力を水素に転換し、産業・業務・家庭・運輸部門で活用することで、セクターカップリングによる脱炭素化にも貢献するこ
とが可能とする特性を持ち、化石燃料の代替として脱炭素社会の広い分野で貢献できる、カーボンニュートラルに向けた選択肢の一つであるとさ
れた。エネルギー情勢は、国際的な状況の変化に伴う資源価格の乱高下による将来のエネルギー供給リスクが顕在化し、グローバルサプライチェー
ンの脆弱さが露呈されている。さらに自国の自然災害対応やサイバー攻撃によるエネルギーサプライチェーン不安もあり、エネルギー安定供給や早
期復旧の体制構築の重要さを再認識した。そのためエネルギーシステムの強靭化が必要であり純国産エネルギーの重要性がより増している。31.事業の位置付け・必要性
◆だいやまーく純国産再生可能エネルギーによるグリーン水素の地域利活用モデルの確立
◆だいやまーく寒冷地に対応する大規模PEM水電解装置の運転実証
◆だいやまーく高純度要求に対応するオンラインP2Gシステム適合41.事業の位置付け・必要性
福島の再エネ導入状況
再エネ発電最大
6,817MW
福島県内最大電力需要
2,166MW
✓ 「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン2021」によると、2020年末時点での再エネの設備容量は約6,817MWであり、2030年にはさらに
約1,600MWの容量を追加で増加させることを目標として掲げている。
✓ 他方で福島県内の現状の系統の空き容量としては、超概算で765MW程度(東北電力ネットワーク参照)であり、また、東北地方においても、
福島県外において約1,800MWの容量が増えていく計画となっている。
✓ 東北地方と関東地方を接続する福島県は再エネが集約され、再エネ需給の調整能力の整備が必要不可欠な地域となっている。
※(注記)東北エリアにおける再生可能エネルギー発電設備(自然変動電源)の出力抑制に関する検証結果の公表につい
て(電力広域的運営推進機関)
東北地方の再エネ導入状況
東北地方において出力抑制も発生している状況
太陽光
2,357MW
大規模水力
3,971MW
最小1,541MW
小水力17MW
バイオマス257MW
風力183MW
最大デマンド2,166MW
平均1,752MW
地域の熱エネ
ルギーへのトラ
ンジション4◆だいやまーく福島県における再生可能エネルギー
1.事業の位置付け・必要性5➢ 本事業においてPEM形P2Gシステムを導入するヒメジ理化田村新工場が代表する窯業土石産業は、他の産業と比較してエネルギーの最終
消費に占める熱需要の割合が高い構造となっている。
➢ P2Gシステムを工場隣接地に導入することにより、地域の系統に対して調整力(DR)を提供しつつ、電化が困難な熱需要領域に対して、
比較的安価な水素を供給可能。
➢ さらに余剰となる水素については周辺地域へ配送することにより、地域の水素利用を牽引することが可能となる。
◆だいやまーくP2Gシステムを活用した産業・地域のグリーントランスフォーメーション(GX)モデルの構築
(産業技術環境局・資源エネルギー庁「クリーンエネルギー戦略 中間整理」2022年5月)
企業属性ごとの熱需要によるトランジションの方向性のイメージ
大規模需要家の隣接地にP2Gを導入し、
近傍の比較的小規模な需要家へ陸上配送することで輸送コストを最小化
ハブ&スポークモデルのイメージ
サプライチェーンを構築
石英ガラスは中間生産品であり、この産業分野の脱炭素化は最終製品
である電子部品等製造業につながる技術であることから、本実証実証は、
一つの産業に閉じるものではなく、日本の電子部品等の国際的な競争
力を維持・拡大に資するGXモデルとなることも期待される。
※(注記)本実証では14.8MW以上
各都道府県に複数の大規模水素製造拠点を設置し、その周辺の需要家へ水素を配
送するネットワークを構築
1.事業の位置付け・必要性6◆だいやまーく「福島イノベーション・コースト構想」への貢献
➢ 特に実証サイトにおいては、福島県の沿岸部においては、震災により被害を受けた地域等の産業を回復するために、新たな産業基盤の構築を目指
す国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」により積極的な企業誘致を通して産業集積や高度化が図られている地域である。
➢ また、浪江町において世界有数(10MW)の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy
Research Field (FH2R))」が稼働し、県内においては燃料電池トラックなどの新しいモビリティを活用したまちづくりが検討されるなど、水素の
地産地消の社会実装が進められている地域でもある。
➢ 加えて、山梨県と福島県は、地域におけるGXの先進モデル構築に向けて連携して取り組むことに合意。
福島県と山梨県との基本合意の締結
田村市
福島イノベーション・コースト構想
(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構「福島イノベーション・コースト構想2022」)
「水素を活用した地域におけるグリーントランスフォーメーションの先進モデル構
築に向けた基本合意書」を締結。本実証事業は当該合意の中核事業とし
て位置づけられる。
(左:山梨県知事 長崎幸太郎、右:福島県知事 内堀雅雄)
◆だいやまーく研究開発の目標と目標設定の考え方72 .研究開発マネジメントについて
研究開発目標 実施内容 根拠
研究開発目標[1]
グリーンイノベーション基金事
業の成果によるスケーラブルな
P2Gシステムによる東北地方
への適用実証
石英ガラス製造に適合するオンサイト形10MW
級P2Gシステムの技術開発
東北地方の気候、電力網の運用実態に適合
するP2Gシステムの技術開発
電力系統の大きな余剰電力と、場内のPV電
力を包括して扱うEMSの技術開発
・国内において10MW以上の水電解装置と産業利用及び周辺需要
家への水素配送のドッキングについては存在しない
・特別高圧需要家(66kV以上)1万件のうち、10MW級の水電
解装置が必要となる程度の熱需要である10ton/hの蒸気を必要と
し、かつ再エネの導入による需給抑制が生じている地域に位置すると
いう条件を満たす需要家においては、GXに向けてP2Gシステムを導
入するメリットが非常に大きいため、該当する需要家数が10件程度
存在すると想定
◆だいやまーく研究開発の目標と目標設定の考え方82 .研究開発マネジメントについて
研究開発項目 実施内容 根拠
研究開発目標[2]
半導体産業向け石英ガラス
製造工程の脱炭素化
P2Gシステムと半導体産業向け石英ガラス製
造工程用水素・酸素併給バーナーとの融合を
目的としたバーナーの設計と制御技術開発及び
実証
・石英ガラス業界において、製造工程にグリーン水素を導入し、脱炭素
化した例はなく、且つ再生可能エネルギー由来のグリーン酸素の導入も
ない。顧客ではサプライヤーを含めた脱炭素活動はまだ初期段階であ
り、脱炭素技術を構築した先行対応者が競争力を獲得できる状況に
ある。
・半導体製造装置の需要拡大予測に追従して、石英ガラス需要の増
大することを予測している。石英ガラス製品のマーケットは直接納入分
野をターゲットとしている。
・石英ガラス産業は韓国や台湾など海外メーカーとの競争環境にあり、
将来的に競合他社が追従してグリーン水素を導入することが予想され、
グリーン水素需要の拡大に寄与することになるが、本研究開発における
グリーン酸素の同時利活用は、脱炭素をさらに高次に発展させるもの
であり、水素・酸素を使用する産業にとっては最良のシステムである。9◆だいやまーく研究開発の目標と目標設定の考え方
研究開発項目 実施内容 根拠
研究開発目標[3]
マルチパーパスなN:Nの水
素流通システムの経済圏内
運用実証
地域水素ロジシステムの開発・実証 ・高圧ガスにおけるN:Nロジスティクスシステムはまだない。P2Gの高圧
水素製造における複数拠点の監理についてスマート保安を適用した例
はない。200 気圧のトレーラーが市場を寡占している。小規模需要家
群へのエネルギー供給ネットワークによる脱炭素化は、地域創生につな
がる自治体の取り組みとの連携が必要である。
・水素製造拠点が多数生じることで、水素の配給も充実してくる予想
である。輸送能力増強とともに市場を拡大し、最も燃料転換が困難な
LPG 需要家群のエネルギー供給ネットワークへの対応も可能となる。
・N:N搬送システムを構築することにより、不足するドライバー対応や、
連続して使用できる水素量を大幅に増やすことで市場を獲得する。な
お、現に産業用に流通している水素にも同じ期待がかかるので、エネル
ギー分野に限らず競合の置き換えで需要を創造することができる。特に
東アジア域においては地域におけるエネルギー供給網の強化のために
本取組の地産地消モデルの使用先として適地となる。
2 .研究開発マネジメントについて10◆だいやまーく研究開発の目標と目標設定の考え方
研究開発項目 実施内容 根拠
研究開発目標[4]
高度な熱利用分野である石
英ガラス分野におけるオンサイ
ト型大規模P2Gシステムに
よる水素・酸素併給システム
の開発
P2Gシステムから生成される水素のオルタネイト
システム工場利用マルチ圧力出荷設備の開
発・実証
水電解酸素の精製利用の開発・実証
高度な熱利用領域への品質管理された水素・
酸素併給システムの開発・実証
・国内において10MW以上の水電解装置と産業利用のドッキングにつ
いてはまだなく、かつ、水素・酸素併給利用についてもまだ実現されてい
ない。今後GXを進めていく上で中核工場には必要な組み合わせであ
る。
・中核工場に代表される電子機器・情報機器製造・精密機器・化
学・硝子については、水素と酸素ともに大量に使用されている。直近で
はこれら工場は日本の主要産業であるため第一ターゲットとなる2030
年のカーボンハーフに向けて導入が加速すると予想される。
・国外からの水素供給システム付き水電解装置が輸入される可能性
はあるが、国内技術の熟成により、競争力を持たせる。
2 .研究開発マネジメントについて11◆だいやまーく研究開発のスケジュール
研究開発項目 2022 2023 2024 2025[1]グリーンイノベーション基金事業の
成果によるスケーラブルなP2Gシ
ステムによる東北地方への適用
実証
山梨県
企業局[2]半導体産業向け石英ガラス製
造工程の脱炭素化 ヒメジ理化[3]マルチパーパスなN:Nの水素
流通システムの経済圏内運用
実証
巴商会[4]高度な熱利用分野である石英
ガラス分野におけるオンサイト型
大規模P2Gシステムによる水
素・酸素併給システムの開発
巴商会
交付決定
調査・概略設計
調査・概略設計
調査・概略設計
調査・概略設計
詳細設計
システム開発・据付
実証
詳細設計・評価
実証
実機評価
事前評価
システム開発
実証
詳細設計
製作・据付
実証
2 .研究開発マネジメントについて12◆だいやまーく研究開発の実施体制及び進捗管理
2 .研究開発マネジメントについて
<実証研究協力>
福島県、山梨県
東京電力ホールディングス株式会社
東レ株式会社
研究開発目標[1]
グリーンイノベーション基金事業の成果によるスケーラブルなP2G実証NEDOヒメジ理化株式会社
山梨県企業局
株式会社巴商会
研究開発目標[2]
グリーングラスを先導する水素・酸素バーナーシステムの実証
プロジェクトリーダー
研究開発目標[3],[4]
複数の水素供給拠点と水素需要場所の拡大規模ネットワーク実証
委託
やまなしハイドロジェンカンパニー P2Gプラントの設計・エンジニアリング
◆だいやまーく 研究開発目標に専門知識と実行力をもったリーダーを配置し所掌の範囲を明確化
◆だいやまーく 分科会的に定例の工程会議などを実施出来る体制を構築し、事業の進捗を管理133.研究開発成果について
ガラス工場第一期
水素製造事業
高圧水素・酸素製造事業
ガラス工場第二期
ガラス工場
第一期
太陽光発電
太陽光発電
2,000kW
14,800kW〜
2,000kW
2,000kW
3,600kW冷却塔水電解
装置補機補機整流器◆だいやまーく配置計画143.研究開発成果について
◆だいやまーくP2G規模の検討
水電解14.8MW (3量)
田村工場
直接(1量)
余剰水素(2量)
(高圧スレージ)
田村工場
(1量)
地域供給
(1量)
田村工場
(2量)
地域供給
(1量)(1量)(1量)(1量)✓ 国の政策等により推進されている地域水素利活用モデル確立のための実証が本事業の目的であり、ここからの最適規模を検討。
✓ 余剰水素は、田村工場の利用システム向けと地域への供給向けであるので、高圧ストレージのバランスをとるため、地域向けと田村工場向けが
1:1で均衡することが必要。
✓ グラフのとおり、余剰水素の地域配布量が田村工場の利用量の半分になる規模14.8MWが本実証における水電解の最適規模となる。153.研究開発成果について
◆だいやまーく運転プロファイルの検討
✓ 年度ごとの電力価格の推移から水素製造の運転プロファイルを検討
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
2020年
の運転プロファイル
貯めて利用/余剰を周辺に配達
貯めずに利用
水素
製造・貯蔵
田村工場
田村工場水素需要
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
2022年
の運転プロファイル
田村工場 田村工場水素需要
貯めずに利用
貯めて利用/余剰を周辺に配達
水素
製造・貯蔵163.研究開発成果について
◆だいやまーく P2G適合バーナーの開発
バーナーの設計と
制御技術
開発及び実証
a. 【品質適合】
石英ガラス製品への品質 影響を
評価し、適合させる。
b. 【生産性、耐久性適合】
石英ガラス製造工程への
生産性、耐久性の評価し、適合
させる。
目標1:製品純度の達成
目標2:外観性能の品質達成
目標3:既存同等以上の生産性
目標4:既存同等以上のバーナーの耐久性
P2Gと石英ガラス
製造工程
融合の達成
電化が困難な
熱生産プロセスと
P2G融合のモデル化
バーナー、制御技術の開発
バーナー、制御技術の開発
石英ガラス製造工程の
脱炭素化の実現
✓ 半導体産業から要求される石英ガラス製品の品
質基準に対する純度評価、および生産性、耐久
性の適合評価計画を作成
➣ 現在、評価機器の調達に移行
✓ 水分含有ガスを用いたリスクを想定し、生産性、
耐久性の観点からからP2Gに適合するバーナーと
制御機構の設計設計を完了。
➣ 現在、詳細設計及び事前試験計画、実証機
器の製作に移行173.研究開発成果について
◆だいやまーく概略フロー図
水電解装置
O2精製
Pd触媒
14.7MPa
(H2除去) (水分除去)×ばつ4
19.6MPa
19.6MPa
19.6MPa
H2精製
(水分除去)
Pd触媒 気液分離
(O2除去)×ばつ4
ヒメジ理化田村工場へH2O2
冷却
冷却 気液分離
✓ オンサイトPEM形P2Gシステムによるグリーン水素・酸素製造
✓ オルタネイト利用によるグリーン水素安定供給実証
✓ 水電解装置クロスリークに対応した精製設備
✓ グリーン水素・酸素によるオンサイト型エネルギー供給システムの実証183.研究開発成果について
◆だいやまーく地域水素ロジシステム
✓ 複数の水素製造拠点と複数の需要家をつなぐN:Nロジシステム実証
H2製造所 H2需要家
製造所1
製造所2
需要家1
需要家2
H2製造所 H2需要家
製造所1
製造所2
需要家1
需要家2
製造能力不足
充填準備
<実証1> <実証2>
実証1において、水素製造所が互いのトレーラーを充填することで、不安定に製造される水素の安定供給化につながる。実証
2においては、片方の水素製造所が製造能力不足に陥った場合、もう片方の水素製造所にて充填することにより、一時的な
不足分を補うことができる。ロジスティクスセンターにて水素製造情報と需要情報を収集することでN:Nロジスティクスを構築する。
水素製造拠点は、ヒメジ理化田村工場にて2ヶ所の充填設備を用いて模擬する。互いのNが増加できるシステムを構築する。193.研究開発成果について
◆だいやまーく外部発表・広報の取り組み
★ 福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会 令和5年度 第1回水素分科会講演
日付:2023年7月19日
参加機関:巴商会、ヒメジ理化、山梨県企業局
★ 福島国際研究教育機構 市町村(田村市)座談会に招待頂き出席。山崎理事長、他関係者に対して田村水素地域モデルの事業説明、意見交換を実施
日付:2023年8月29日
参加機関:ヒメジ理化
★ 第12回ふくしま再生可能エネルギー産業フェア(REIFふくしま2023)へのブース出展
日付:2023年10月12日-13
参加機関:山梨県企業局
★ 第12回ふくしま再生可能エネルギー産業フェア(REIFふくしま2023) 福島水素セミナー講演
日付:2023年10月13日
参加機関:山梨県企業局
★ 第12回FC-Cubicオープンシンポジウム講演
日付:2023年12月6日
参加機関:山梨県企業局
★ H2&FC EXPO-水素・燃料電池展へのブース展示
日付:2024年2月28日-3/1
参加機関:巴商会、山梨県企業局20◆だいやまーくやまなしモデルP2Gシステムの展開(実用化・事業化のイメージ)
4.今後の見通しについて
➢ 本実証により地域のGXモデルであるハブ&スポークモデルが確立
➢ 大規模熱需要家が全国に分布していることから、ハブ&スポークモデルの汎用性は極めて高く、グリーン水素利活用の普及モデルとなるとともに
需要地近郊における産業への活性化効果が期待できる
地域再エネ生産型(やまなしモデルP2Gシステム)
P2G規模=30MW以上A県B都C県大規模需要家の隣接地にP2Gを導入し、
近傍の比較的小規模な需要家へ陸上配送することで輸送コストを最小化
ハブ&スポークモデルの全国への展開
大規模水素需要家の分布
※(注記)市町村ごとの大規模熱需要家の分布21◆だいやまーく半導体産業向け石英ガラス製造工程の脱炭素化(実用化・事業化のイメージ)
4.今後の見通しについて
➢ バーナー熱加工工程への採用、その他水素利用製造プロセスへの技術応用
➢ 再エネの地産地消、福島県内における他の工場へのP2G導入
➢ 半導体用石英ガラス製品のカーボンフットプリント低減に寄与した付加価値製品の市場投入
➢ 大手半導体製造装置メーカーおよび半導体製造メーカーへ販売し、半導体製造プロセスでの採用
➢ 半導体製造装置の部品としてグリーン水素を用いた脱炭素化の先駆的部品として展開H2H2H2阿武隈高原
国内最大級風力発電 147MW
電力系統は関東側へ
余剰再生可能エネルギーを
田村水電解で吸収が理想的
※(注記)イメージ
「再エネと水素の福島の実現」
田村工場 水電解装置22◆だいやまーく事業化に向けた課題と取り組み
4.今後の見通しについて
項目 今後の課題 対応方針P2G地域の再エネ・系統と熱需要が重なる"ハブ"の選定 全国からオフテーカーを公募
プロジェクトマネージャーの養成
オフテーカーからの職員派遣受入による、事業立ち上げ時からの共同
プロジェクトマネジメント
再エネ電源への投資促進 P2Gシステムによる電力需要の提供
より市場に即した電力調達の仕組み 既存事業におけるEMSの開発
水素エネルギーの社会受容性の向上 既存アセットを用いた普及啓発活動の実施
グリーン水素 グリーンである価値を認証する制度 グリーン水素証書の発行、GXリーグへの参画
高度熱利用
半導体産業の純度・外観品質要求に対するグリーン水素
を用いた製品の品質適合
水分含有度に応じた品質評価の実施
製品純度及び外観等の品質評価の実施
グリーン水素の石英ガラス製造工程に対する生産性、耐久
性への適合
想定される不具合リスクへの設計対応
水分除去構造設計、ガス吐出断面積の最適化
熱流体解析によるシミュレーション等
項 目 内容
(1)経済的効果 オンサイト水素、酸素供給による輸送コストカットで製品コスト低減に寄与
(2)技術的効果
水素、酸素をオンサイトで同時利活用する本技術は、脱炭素を高次に発展させた国産技術となり半導体製造装置
部材の国際競争力の獲得に貢献
(3)社会的効果 グリーン水素を活用した内陸部産業の脱炭素モデルとしてエネルギーの地産地消に貢献
(4)人材育成 水素関連技術の社会実装を推進している地元大学等から積極的に人材を採用し、将来的な本事業の担い手として育成する方針
◆だいやまーく顕著な経済・技術・社会的な効果、人材育成の取り組み等
経済産業省殿、
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)殿の
御支援に感謝申し上げます。