NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
団体名:
発表日:2024年7月 日
発表No.
NEDO水素・燃料電池成果報告会20219P2-27
独立行政法人高等専門学校機構 鶴岡工業高等専門学校
燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/水素利用等高度化先端技術開発
イオン液体構造を有するアイオノマーによる革新的低白金技術の研究開発
【研究開発の期間】 開始:2020年7月 終了(予定):2024年3月
【研究開発の目標】
・低加湿状態(20%Rh)においても性能低下の起きないメソポーラスカーボン触媒を実現するためのアイ
オノマー材料を開発します
・100°C以上の高温条件下において、加湿が十分に出来ない状況でも高い活性を発現する電極設計が可能
となり、加湿器やラジエーターを必要としない、小型の燃料電池駆動モビリティーの実現に貢献します
【研究開発の概要】
イオン液体の効率的なスク
リーニングに基づいて、効
率的にアイオノマーを設計
低加湿状態でも機能する新しい
プロトン伝導経路を探索
アイオノマーが細孔径よ
り小さくなるように条件
を設計
メソポーラスカーボンを担体とした白金触媒は細孔内に白金粒子が存在することでアイオノマー被毒
を抑制する効果があるが、白金へのプロトンや酸素輸送抵抗が高くなり、特に低加湿条件では顕著に
性能の低下を引き起こす。
賦活処理によって細孔を広げ、連通孔とすることでアクセスを改良するような研究も報告されている
が、細孔を広げることでアイオノマーは細孔に入りやすくなり、Pt accesivilityとアイオノマー
被毒のトレードオフの根本的な解決はできていない。
<メソポーラスカーボン改良技術に対する優位性について>
細孔 アイオノ
マー被毒Ptaccesivility
中実 ×ばつ ○しろまる
メソポーラ
スカーボン
○しろまる ×ばつ
Journal of The Electrochemical Society, 164 (2) F60-F64(2017)
低加湿状態や水分が液水で存在でき
ないような高温状態において高電流
密度(2.5mA/cm2)での特性が改善
できる可能性
<本プロジェクトの実施体制について>
連絡先:鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 化学・生物コース
森永 隆志(morinaga@tsuruoka-nct.ac.jp)
研究開発項目 中間目標(2024年3月) 最終目標(2025年3月)
イオン液体構造を有するアイ
オノマーによる革新的低白金
技術の研究開発
MEAの単セル試験において初期
性能0.05g-pt/kW、RH20%と
RH100%の白金利用率の差(現状
70〜80%程度)を40%以内に抑
制可能なメソポーラスカーボン及
びイオン液体を用いた革新的な触
媒層構造を開発する。
MEAの単セル試験において初期
性能0.05g-Pt/kW、RH20%と
RH100%の白金利用率の差を
15%以内に抑制可能なメソポー
ラスカーボン及びイオン液体を
用いた革新的な触媒層構造を開
発する。
<開発目標の評価方法>
RRDEでは無視できるような、物質輸送特性がMEAでは大きく性能に寄与し、生成水によるウォッ
シュアウト等の新たな課題も見出されると予想される。RRDEで確認した酸素還元活性を促進するポ
リマー構造とウォッシュアウトや物質輸送特性を改善する構造をもつポリマー構造を複合化すること
でMEA条件における最適なアイオノマーの合成が可能であると考えられる。従って、ポリマー構造の
最適化を行いMEAでの評価を目標設定の目安とした。
<本研究開発の中間目標と最終目標について>
プロトン性
イオン液体型構造
プロトン性
イオン液体型構造
プロトン性
イオン液体型構造