NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
団体名:
発表日:2024年7月 日
発表No.
NEDO水素・燃料電池成果報告会202
NEDO水素・燃料電池成果報告会202419燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/水素利用等高度化先端技術開発
/高性能・高耐久・低コストMEAに向けた先端要素技術の研究開発
P2-24
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学19連絡先:東海国立大学機構名古屋大学未来社会創造機構 川角 昌弥
e-mail: masaya.kawasumi@chem.material.nagoya-u.ac.jp
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学
背景・コンセプト・これまでの成果
顕著な成果
実用化・事業化の見通し
課題
SP法によるケッチェンブラック(KB)担持PtFe合金コア
シェル触媒(PtFe@C/KB)の電子顕微鏡観察によりコア
シェル構造/合金化(Pt:Fe=3:1)を確認(図3)SP法により高
結晶性のグラフェンシェル形成→耐久性向上要因と推定.
1. SP法カーボンシェル・Pt合金触媒の構造
目標
1. ORR質量活性:1600A/g-Pt@0.9V以上で、
電位サイクル(0.6−1.0V)試験方法での質量
活性低下が20%となるサイクル数10,000回
以上
2. ORR活性支配因子/耐久性発現機構の解明
3. 従来Pt系触媒に対する新規優位点の明確化
2. 電気化学特性およびORR活性
図3. カーボン担体に担持したカーボン・PtFe合金コアシェル触媒
(PtFe@C/KB)の電子顕微鏡像(FC-Cubic殿 評価解析PFデータ)
 課題:高品質の量産プロセスの確立
回転電極法により電気化学特性、ORR活性を評価(表1)、
高比表面積担体利用および合金化により、活性向上、PtFe@
C/KBは市販Pt/C(TEC10E50E)の2.5倍の質量活性発現.
3. 被毒耐性・過酸化水素生成抑制効果の発現
 触媒:さらなる高活性化・高耐久化の実現
図2. SP法によるカーボン・金属コアシェル触媒の合成
図1. コンセプト図
HDV*用PEFC **に向けた高活性・高耐久カソード触媒の創成を目指し、ソリュー
ションプラズマ法(SP法、図2)によるカーボン・金属コアシェル触媒(図1)
を研究開発中。既にPEFCのORR***活性と耐久性とを両立できることを確認済1-4).
Metal Salts
*HDV: Heavy-duty Vehicle、 **PEFC:固体高分子形燃料電池、 ***ORR:酸素還元反応
サンプル名 担体種
コア平均
粒径(nm)電気化学
表面積
(m2/g-Pt)
質量活性
(A/g-Pt)
比活性
(μA/cm2-Pt)Pt/C(TEC10E50E)
KB 2.4 81.3 303 374
Pt@C/Vulcan Vulcan 4.2 34.5 230 665
PtFe@C/Vulcan Vulcan 6.1 41.2 730 1772
Pt@C/KB KB 2.4 55.8 464 1294
PtFe@C/KB KB 4.2 52.9 865 1633
【カーボン・金属コアシェル
触媒の研究開発】
STEM-HAADF(図1-31の一部領域)
(注記)重元素のバックグラウンドを含む
(注記)Feはポールピース起因のノイズを含む。
(注記)重元素のバックグラウンドを含む
Fe(赤)+Pt(緑)
C N O
Fe Pt
(a) STEM-ABF
(b) TEM-EDX図4. 耐被毒性:市販Pt/CおよびPt@C/KBの硫酸(a),(b)およびリン酸添
加(d),(e)によるLSV曲線の変化ならびに(c),(f)半波電位の変化
図5. H2O2生成抑制:市販Pt/CおよびPt@C/KBの硫酸(a),(b)およびリン酸添
加(d),(e)によるH2O2生成比率の変化、(c),(f)H2O2生成比率の添加量依存性
表1 担体の違いによるPt及びPtFeコアシェル触媒および市販Pt/Cの特性
【2023年度成果(論文・特許)】
1. J. H. Park et al., Highly durable graphene-encapsulated Platinum-based
electrocatalyst for oxygen reduction reactions synthesized by solution plasma process,
Journal of Power Sources, 580(2023), 233419
2. J. H. Park et al., Novel solution plasma synthesis of highly durable carbon shell
encapsulated platinum-based cathode catalyst for polymer electrolyte membrane fuel
cells, Carbon, 214(2023), 118364
3. M. Huda et al., Single-walled carbon nanotubes supported Pt electrocatalyst as
cathode catalyst of a single fuel cell with high durability against start-up/shut-down
potential cycling, ACS Applied Energy Materials, 6(2023) 12226‒12236
4. H. N. Nam et al., First-principles studies of oxygen reduction reaction mechanisms
on graphene and nitrogen-doped graphene-coated platinum electrocatalyst, Physical
Chemistry Chemical Physics, 26(2024) 10711-10722
5. 出願番号:2024-025901、触媒、触媒の製造方法、及び燃料電池
カーボン・Pt系コアシェル触媒が、耐被毒性、H2O2生成抑制、等
の新機能を有することを発見、膜劣化低減アノードの可能性あり.

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