内田 裕之
国立大学法人山梨大学
(共同実施 (株)ノリタケカンパニーリミテド)
NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
発表No.A1-8
連絡先:
山梨大学 内田 裕之
h-Uchida@yamanashi.ac.jp
燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/
水素利用等高度化先端技術開発/
高効率・高耐久・可逆作動SOFCの研究開発
事業概要21. 期間
開始 : 2020年7月
終了(予定):2025年3月
2. 最終目標
• アドバンス型セルの各種運転モード(電流変動、高電流密度、交互運転等)での劣化機構を解明する。劣化機
構解明に基づき、可逆作動SOFCの高耐久化運転指針を確立する。
• ガスシール材料および高性能水素電極材料の開発を行い、可逆作動SOFCで実用的に使用可能な材料を創出
する。電極材料およびガスシール材料について可逆SOFCモードで評価し、初期1000時間の劣化率1%以下の見
通しを得る。
3.成果・進捗概要
• 共同実施者のノリタケから供給された新規水素極材料とLSCF-SDC酸素極を用いたアドバンス型ボタンセルにより
可逆SOFC運転し、SOECモードの電流密度0.5 A cm−2で初期電圧効率99%の見通しが得られた。
• SOEC/SOFC可逆交互運転では、従来の含浸法水素極に匹敵する耐久性が確認できた。
• 開発したガラスシール材D-1(中間目標のガスリーク率クリア済み)の熱膨張係数が800°C, 1000時間で0.9%
の劣化率であり、最終目標達成を見通せた。
• 可逆SOFC環境模擬試験で、ガラスD-1シートの接合強度が700°C, 200 hまで低下しないことを確認できた。31.事業の位置付け・必要性
可逆作動SOFCは1つのセルで高効率な発電と、余剰電力を利用した水蒸気電解(SOEC)が可能であり、再生可能電力の
平準化や高効率な電解能力を活かしたPower to Gasへの需要も見込まれている。これによりSOFCの稼働率が向上し、コストダ
ウンへの貢献が期待できる。国内外でスタック等の試験も進められているが、SOECモードのみに発現するNiロス等による劣化現象
が解明されていない。
そこで、本研究開発では、基礎に立ち返った耐久性向上と高効率化のコンセプトを確立し、企業と連携して可逆作動SOFCの高
効率・高耐久・低コスト化に取り組む。これに必須の以下の項目を研究開発する。
▪山梨大学で初めて見出された、可逆運転によってNi-Co高分散サマリ
アドープセリア(SDC)水素極が安定化する機構を解明し、高耐久化
指針を明確にする。また、協力企業の森村SOFCテクノロジーから提供さ
れる従来型単セルの可逆運転での課題を抽出するとともに、その解決指
針を提示する。
▪共同実施者のノリタケカンパニーリミテドは、高効率化・高耐久化に必
須のナノ構造を制御した水素極およびガスシール材料を開発し、山梨大
学と共同で性能・耐久性を評価する。
▪コスト・設置面積低減のキーポイントとなる高電流密度化に取り組む。
本研究成果はSOFCシステムの市場拡大による低コスト化への貢献が
期待できる。さらに、開発ガスシール材料は通常型SOFCにも適用可能
であり、燃料利用率向上による発電効率の向上への波及効果が期待で
きる。42 .研究開発マネジメント: 研究開発の目標
研究開発テーマ 中間目標(2023年度) 最終目標(2024年度)
可逆作動SOFC電極の高性能・
高耐久化
(山梨大学)
・ノリタケから供給される新規水素極材料と
LSCF-SDC酸素極を用いたアドバンス型ボタ
ンセルにより可逆SOFC運転し、SOECモード
の電流密度0.5 A cm−2で初期電圧効率
98%以上の見通しを得る。
・各種運転モード(電流変動、高電流密度、
交互運転等)でのアドバンス型ボタンセルの
耐久性を明らかにし、フィードバックする。
・アドバンス型セルの各種運転モード(電
流変動、高電流密度、交互運転等)
での劣化機構を解明する。劣化機構解
明に基づき、可逆作動SOFCの高耐久
化運転指針を確立する。
水素電極材料およびガスシール
材料の研究開発
(共同実施・ノリタケカンパニー
リミテド)
・ナノ材料制御による電極材料の高性能化に
より、可逆作動SOFCモードで初期1000時
間の材料劣化率3%以下の見通しを得る。ま
た、得られた成果を国際学会等で報告し、国
内外に技術アピールを行う。関連特許1件の
出願を目標とする。
・ガスシール材料および高性能水素電極
材料の開発を行い、可逆作動SOFCで
実用的に使用可能な材料を創出する。
電極材料およびガスシール材料について
可逆SOFCモードで評価し、初期1000
時間の劣化率1%以下の見通しを得る。52 .研究開発マネジメント: 研究開発のスケジュール
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
(全体)技術協議連絡会
(全体)研究の連携(九州大・産総研)
A.可逆作動SOFC電極の高性能
高耐久化(山梨大学)
A1)水素極安定化機構の解析
A2)従来型セルの課題抽出
A3-1)アドバンス型セルの開発
A3-2)アドバンス型セルの性能と耐
久性の評価
B.水素電極材料およびガスシール
材料の研究開発(共同実施:
ノリタケカンパニーリミテド)
B1)水素極材料の開発
B2)ガスシール材料の開発
B3)水素極材料の高性能化および
量産性の向上
B4)ガスシール材料の耐久性の 評
価および量産性の向上水素極の調製条件を明確化
中間目標:安定化現象
の定量的解析・材料開発
指針の明確化達成予定
フィードバック
最終目標:各種運転
モードでの劣化機構の解
明:可逆SOFCの高耐
久化運転指針の確立
最終目標:可逆SOFC
で電極材料・ガスシール
材 を 評 価 : 初 期 劣 化
率1%/kh以下
22年度目標
23年度目標可逆SOFC運転条件での耐久性明確化22年度目標
中間目標:H2リーク≦1%達成予定
初期劣化率
3%/kh以下の
見通し
中間目標:課題解決指針提示予定
ボタンセルで電圧
効率98%以上
@0.5 A cm−2
23年度目標62 .研究開発マネジメント: 実施体制
山梨大学
・研究実施場所:
クリーンエネルギー研究センター
(甲府市)
・研究項目:可逆作動SOFC電極の
高性能・高耐久化
(役割分担)研究全般および可逆作
動SOFC電極の高性能・高耐久化
(株)ノリタケカンパニーリミテド
・研究実施場所:愛知県みよし市
・研究項目:可逆作動SOFC電極の
高性能・高耐久化
(役割分担)水素電極材料および
ガスシール材料の研究開発
共同実施NEDOGL:内田裕之(山梨大学)
PL:横川晴美(東京大学生産技術研究所 シニア研究員(兼)
産業技術総合研究所名誉リサーチャー)
協力機関・オブザーバー
スタックメーカー (森村SOFCテクノロジー:課題抽出用従来型単セルの供給と技術協議, 2020-2021年度)
ガス会社 東邦ガス:技術協議, 2020年度〜, 大阪ガス:大型セルでの試験と技術協議, 2023年〜
システムメーカー 東芝エネルギーシステムズ:技術協議, 2021年度〜
NEDOプロジェクト・SOFC研究機関 産総研:セル劣化の高度解析, 2022年度〜73.研究開発成果
【SOFC/SOEC可逆交互運転によるNi-Co高分散SDC水素極安定化機構の解析】 のまとめ
0 500 1000-1.0-0.500.5E(IR-free)vs.ARE/V
0 500 100000.51.01.5Rohm/cm2
Operation time, t / h
酸素極SOECSOFC
可逆運転360 h後, SOEC連続運転
SOFC運転360 h後, SOEC連続運転SOFCSOEC
RO2-side
RH2-side
水素極
SOFC運転360 h後, SOEC連続運転
運転時間 / h
オーム抵抗/Ωcm2
800oC
電位(IR損除去)vs
空気参照極/V
▪SOEC 連 続 運 転 で は
L=1〜10 μmでNiが初期
値の1/4以下に減少。
▪可逆交互運転によりNiの
残留率が顕著に向上。気
孔率も維持。
▪Ni-Coナノ粒子下部がSDC薄膜によって
被覆・アンカーされて凝集が抑制されることを
初めて明らかにした。
水素極安定化機構
Ni-CoとSDCの強い相互作用によって凝集
が抑制され、有効反応面積が確保されること
を定量的に明らかにした。
セルのコンディショニングとして、初期に可逆
交互運転またはSOFC運転することにより微
細構造が安定化され、その後のSOEC運転
時の劣化を抑制できる(柔軟な運転が可
能)。
水素極の設計に重要な指針
2 4 6 8 10204060801000
Porosity,%
2 4 6 8 1010203040500Niarea
fraction,%距離, L / μm 距離, L / μm
気孔率 Spore/ (SNi+SSDC +Spore)
Ni面積分率 SNi/(SNi+SSDC)
SOEC連続(500 h)
交互1:1(1200 h)Ni面積分率,%
Pristine
Pristine
SOEC連続(460 h)
交互2:1(912 h)
交互2:1(912 h)
交互1:1(1200 h)
SOEC連続
(500 h)
SOEC連続(460 h)
OCV (480 h)
OCV (480 h)
気孔率,%
可逆交互運転初期に分極性能が向上.
両極の電位は非常に安定.
可逆交互運転により、水素極側のオーム
抵抗上昇が著しく抑制された.
水素極断面方向のNi面積分率と気孔率の解析83.研究開発成果
【微粉体NiとSDCを用いた実用的製法によるアドバンス型Ni−SDC水素極の開発】
従来法:SDC多孔体骨格をYSZ上に形成、含浸法
にてNi(NiCo)ナノ粒子を分散。
◎にじゅうまる平均粒径50 nmのNi or Ni-CoとSDC間の強い相互作用で
高性能と高耐久性。
●くろまるスケールアップが必ずしも容易ではない。
今回:粒径の揃った平均粒径53 nmのNiナノ粒子
をSDCに混合して電極形成
-1.0 -0.5 0 0.5 1.0-1.5-1.0-0.500.5Ni-YSZ CCL|Ni-SDC CL|YSZ|SDC中間層|LSCF-SDC CL
30 vol%
含浸法*
40 vol%
50 vol%
電位(IR損除去)vs
空気参照極/V
電流密度 / A cm−2
LSCF-SDC酸素極
Ni−SDC水素極
800oC,
p[H2O] = 0.4 atm93.研究開発成果
【Ni−SDC水素極を用いたボタンセルの初期特性】
•LSCF-SDC酸素極の性能は既報と同等以上。
•40〜50 vol% Ni 水素極: 水素酸化(SOFC)と0.2 A/cm2までの
水素発生(SOEC)特性は含浸法電極(破線)とほぼ同等。
•高電流密度域のガス拡散性の向上が必要
増孔材PMMAにCB(凝集体構造)を混合**。
** P. Puengjinda et al., J. Electrochem. Soc., 164, F889 (2017).
破線のデータ* H. Uchida et al., J. Electrochem.
Soc., 167, 134516 (2020).
•CB添加により水素極性能は従来法電極とほぼ同等まで
向上。
セル電圧 / V
1.0 1.5
1.18 V
(IR除去)
本研究で
達成
800oC, 0.5 A/cm2
IR損
100μm-YSZ熱的中立電圧
効率99% 効率98%
(中間目標)
H2O蒸発
潜熱1.29-1.0 -0.5 0 0.5 1.0-1.5-1.0-0.500.540 vol.% Ni
(PMMA+CB)
40 vol.% Ni
(PMMA)
含浸法*
1.18 V
電位(IR損除去)vs
空気参照極/V
Ni-YSZ CCL|Ni-SDC CL|YSZ|SDC中間層|LSCF-SDC CL
電流密度 / A cm−2
LSCF-SDC酸素極
Ni−SDC水素極
800oC,
p[H2O] = 0.4 atm103.研究開発成果
•交互運転時:
SOECモードの1000時間後の端子電圧は、既報の含浸法
水素極セルと同等。SOFCモードでの劣化がやや大きい。
両モードともにオーム抵抗の変化は小さい。
•同バッチのセルをSOEC連続運転:
端子電圧とRohmは非常に安定。交互運転SOECモードの
変化とほぼ同じ。
0 500 1000-1.0-0.500.5
0 500 100000.51.01.5
LSCF-SDC酸素極
Ni-SDC水素極SOECSOECSOFCSOFC
交互運転 RO2-side
交互運転 RH2-side
RO2-side(LSCF-SDC)*
RH2-side(含浸法)*
含浸法*
電位(IR損除去)vs
空気参照極/VRohm/Ωcm2
運転時間 / h
SOEC連続( )
SOEC連続( )
SOEC連続, RO2-side
SOEC連続, RH2-side
•交互運転時:
水素極側のRohm 0.45 → 0.50 Ω cm2。電位が劣化方向
にシフト。微細構造変化を解析中。
•同バッチのセルをSOEC連続運転:
両極のとRohmは非常に安定。
(360 h以降は、空気参照極不調のため正確に測定できず)
【Ni−SDC水素極を用いたボタンセルの種々の運転モードでの耐久性】
0 500 10000.51.01.52.0
0 500 100000.51.01.52.02.5
交互運転(SOECモード)
交互運転(SOFCモード)
含浸法*
含浸法*
交互運転(SOECモード)
交互運転(SOFCモード)
端子電圧(IR損除去)/Vオーム抵抗,Rohm/Ωcm2運転時間 / h
交互運転
プロトコル
SOEC連続( )
SOEC連続 ( )
Ni-SDC CL|YSZ|SDC中間層|LSCF-SDC CL
* H. Uchida et al., J. Electrochem. Soc., 167,
134516 (2020).
0 10 20 30 40 50-0.500.5Current
density/Acm-2
Operation time, t / h11 h11 h
Time / hj/Acm-20.5
−0.500 10 20 30 40 50113.研究開発成果
【水素電極材料の開発:スケールアップの取り組み】
ラボレベル試作品
・ラボ(数十g/ロット)→中量(数百g/ロット)で粒子形状と粒度分布の同等品が得られることを確認できた
中量試作品
・スケールアップ安定性をN増し試験により検証中
◆だいやまーく実機サイズセルへの適用、実用化に向け、水素電極材料のスケールアップが必須
d = 53 nm
CV = 0.15
平均粒径
53 nm05101520255101520253035404550556065707580859095100105110115120125130135140145150155160165170175180185190195200
次の級
5 30 55 80 105 130 155 180 次の級
d = 48 nm
CV = 0.17
Size (nm)
Frequency(%)平均粒径
48 nm
500 nm 500 nm123.研究開発成果
【ガスシール材料の開発: 耐熱性(空気中)の評価】
*熱膨張係数測定について:高温耐久時に熱膨張係数が変化し、
シール破綻に繋がる可能性があるため、各材料の耐熱ポテンシャルを
把握しておくことはSOFC/SOEC環境で使用する上で基盤となる最
重要事項.
ガラスシール材 シール温度 特長 耐熱性B-1(従来品)800~900°C
無アルカリ
高結晶性
MAX850°C,
2000時間まで確認D-1(開発品)700~800°C
無アルカリ
低結晶性
MAX800°C,
1000時間まで確認
・ガラスB-1、D-1ともに材料劣化率3%/kh以内(中間目標)を確認
・特にD-1は0.9%以内、最終目標を見通せた
ガラスD-1 800°C
初期値±3%範囲
ガラスB-1, 850°C
初期値±3%範囲
1000時間劣化率1.7% 1000時間劣化率0.9%
◆だいやまーく耐熱性評価による材料劣化確認:所定温度で材料を曝露、各時間の熱膨張係数*を評価133.研究開発成果
【ガスシール材料の耐久性の評価:金属等との接合強度(可逆SOFC環境模擬)】
可逆SOFC雰囲気模擬(還元、
酸化の極端な雰囲気スイング)×ばつSUS430
700°C
750°C
2 h 100 h 100 hR.T.1 2 3
大気
初期SOEC水素極側
模擬
80%H2O/H2 ×ばつアルミナ被膜耐熱鋼材
耐久評価条件0.05.010.015.020.025.030.0初期 SOEC SOEC→SOFC
接合強度/MPa1 2 30.05.010.015.020.025.030.0初期 SOEC SOEC→SOFC
接合強度/MPa1 2 3
時間
N=5 N=5
最大値
平均値
最小値 初期 還元
曝露後
還元→酸化
曝露後
初期 還元
曝露後
還元→酸化
曝露後
水素極側模擬(80%
H2O/ H2, 100 h)、
酸素極側模擬(大気,
100 h)ともに、接合強
度が低下しないことが確
認できた:中間目標
(劣化率3%以下)を
達成できた143.研究開発成果
【ガスシール材料の開発:スケールアップ性の検証】
◆だいやまーく実用化に向け、ガラス材料のスケールアップを検討
ガラスD-1のスケールアップ 数kg→100kg級
評価項目 ラボ特性
中量特性1st
(2022年度)
中量特性2nd
(2023年度1)
中量特性3rd
(2023年度2)
熱膨張係数 ×ばつ10-6 K-1 10.6 10.2 10.4 10.9
軟化点 /°C 645 628 652 652
・2022年度:課題の明確化(軟化点の整合)
・2023年度:製造条件調整によりラボと同等の特性を得られることを確認. スケールアップ安定性をN増し試験により検証中
◆だいやまーく実機サイズセル、スタックへの適用に向け、シール寸法のサイズアップを検討
外径18 mm
内径14 mm
外周□しろいしかく42 mm
内周□しろいしかく30 mm ・シール寸法のサイズアップ
・シール形状 丸⇒四角
→評価用四角セル想定寸法への
適合ポテンシャルを確認
・更なる大サイズ化(□しろいしかく100 mmレベル)を検証中
小サイズ用
中サイズ用
特許:国内出願3件153.研究開発成果: 特許、論文、学会発表等 (開始時〜2024年3月まで)
出願日 出願番号 発明の名称 出願人
2023年3月30日 特願2023-058526
焼成用または乾燥用の治具、該治具を構成する支持部材、および該支持部材を
構成するユニット部材
ノリタケカンパ
ニーリミテド
2023年3月30日 特願2023-056527
ガラス接着剤および該ガラス接着剤の焼成物である接合部を有する焼成用または
乾燥用の治具
ノリタケカンパ
ニーリミテド
2024年3月29日 特願2024-055140 ガラス接合材およびその利用
ノリタケカンパ
ニーリミテド
論文等: 査読付き英語論文 3報、和文解説 1件
1. "Remarkably Improved Durability of Ni–Co Dispersed Samaria-Doped Ceria Hydrogen Electrodes by Reversible Cycling Operation of Solid
Oxide Cells", H. Uchida, H. Nishino, P. Puengjinda, and K. Kakinuma, J. Electrochem. Soc., 167, 134516 (2020).
2. "Depth-Direction Analysis of Nickel Depletion in a Ni‒Gadolinia-Doped Ceria Hydrogen Electrode after Steam Electrolysis Operation", H. Uchida,
M. E. Brito, and H. Nishino, J. Ceram. Soc. Jpn., 129, 111-117 (2021).
3. "Changes in Microstructure of Ni–Co Dispersed Samaria-Doped Ceria Hydrogen Electrodes for the Improved Durability via Reversible Cycling
Operation of Solid Oxide Cells", E. H. Da’as, H. Nishino, and H. Uchida, J. Electrochem. Soc., 170, 034507 (2023).
4. "高効率・高耐久・可逆作動固体酸化物形セル用の電極開発", セラミックス, 58, 75-78 (2023).
学会発表: 国内学会6件(うち招待3件)、国際学会3件(うち招待1件)164.今後の見通し: 実用化に向けた取り組み
・本PJには、材料メーカーのノリタケカンパニーリミテドが共同実施で参画している。2020〜2021年度にはスタッ
クメーカー(森村SOFC)が協力機関として参画し、森村SOFCが提供した従来型SOFCボタンセルを用いて、
可逆運転した場合の課題を抽出できた。
・可逆作動SOFCやSOECのユーザー企業に想定されるガス会社(東邦ガス)は、2020年度から現在まで協
力機関として参画しており、プロジェクトの進捗に貴重な意見を頂いている。
・2022年から、システムメーカーの東芝エネルギーシステムズが協力機関に参画し、実際の運転条件に即した
劣化試験法等について意見を頂いている。
・SOECを用いたグリーンメタン合成の大型プロジェクトを推進している大阪ガスが、本研究の新型水素極、高耐
久酸素極に興味を示し、2023年12月から協力機関として参画した。これら開発電極を大型セルで試験する
ことを計画している。
・本PJで定期的に開催する技術協議連絡会には、山梨大学と共同実施のノリタケカンパニーリミテド、NEDOの
担当主査に加え、上記協力企業からの登録委員等が参加し、活発に意見交換している(NDA締結済み)。
・可逆SOFC運転での劣化解析について、NEDOプロジェクトでSOFC劣化解析のノウハウを集積している産総
研と連携している(2022年〜)。