バイオによるものづくりは、化学プロセスと比較して省エネルギーでの物質生産が可能であるとともに、原料を化石資源に依存しないバイオマスからの物質生産も可能であり、炭素循環型社会実現、持続的経済成長に資するものづくりへの変革が期待できます。バイオによるものづくりを実現させるためには、原料から最終製品に至るボトルネックの解消が求められています。
本事業では、新たなバイオ資源の拡充や分離・精製、回収等を含むバイオ生産プロセスを開発します。また、生産プロセス条件と育種の関連付けが可能となる統合解析システムの開発も行います。これらの技術によって実生産への橋渡しを効果的に行うバイオファウンドリ基盤を整備し、バイオ由来製品の社会実装の加速とバイオエコノミーの活性化に貢献します。
さらに、バイオファウンドリ拠点を活用したものづくり人材の育成プログラムを整備・運用し、先端研究と産業界の橋渡しをできる人材の育成を図ります。
新規酵素リソースの創出技術や機能・活性をもとに生きた微生物を獲得する高効率探索技術等の開発を進め、バイオによるものづくりを目指すユーザー企業にとって有用な新たな酵素群、微生物資源、植物等を得るための技術開発を進めます。
これまで培った発酵生産技術や培養/栽培技術に立脚しつつも、従来法にとらわれない次世代の物質生産技術の開発及び検証を行います。一気通貫で生産プロセスを検証し評価サンプルを創出できるバイオ生産システム基盤の構築とその周辺技術開発を行うとともに、LCA評価等も取り入れて技術課題の解決と新たな技術を理解する人材の育成も図ります。
産業用スマートセル等の生物機能を活用した物質生産の実証・サンプル評価等を行います。委託フェーズと助成フェーズを設け、バイオ由来製品の実用化を目指す企業の実証テーマを推進します。
大和田 千鶴
CO2削減や炭素循環型社会の実現等社会解題の解決と持続的経済成長の両方が求められてきている状況の中、工業分野においてもバイオを取り入れたものづくりへの転換が期待されています。一方で、現状技術ではコスト的に見合わない等、民間企業には市場原理に基づく研究開発実施のインセンティブがなかなか期待できない部分があることも事実です。本プロジェクトでは、バイオによるものづくりでの工業化を実現したい企業ニーズに応えることができるように、バイオ生産プロセスでの課題解決に取り組みます。
PL:関 実(千葉大学 名誉教授)
SPL:松村 健(元 産業技術総合研究所 植物分子工学研究グループ長)
カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発(バイオものづくりプロジェクト) 事業期間:2020年度〜2026年度
植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発(スマートセルプロジェクト) 事業期間:2016年度〜2021年度
事業期間・予算額 | 事業期間:2020年度〜2026年度、予算額:26.4億円(2024年度) |
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技術・事業分野 | バイオものづくり |
プロジェクトコード | P20011 |
担当部署 | バイオ・材料部 (TEL:044-520-5220) |
最終更新日:2024年10月29日