本プロジェクトでは日本の航空機装備品メーカーが持つ技術力を活かし、本格的な装備品市場への参入・市場拡大を図るために、2020年代半ば以降に市場投入される次世代航空機向けの、軽量・低コストかつ安全性の高い装備品の開発を行います。これにより、日本メーカーがシステムインテグレーターとしての能力を培いTier1メーカーとなることで、我が国航空機産業の更なる発展に貢献します。
2019〜2023年度は装備品の内、特に次世代電動推進システム研究開発をテーマとしてプロジェクトを推進しています。
超電導技術を適用した高効率かつ高出力密度の電動推進システム。ガスタービンで発電した電力でモータを駆動する。燃料(LH2等)の冷熱で冷却するLN2で超電導機器を冷却する。
500kW級全超電導モータ、1MW級超電導推進システムの試作・評価を軸に超電導発電機・ケーブル・モータ、低温動作インバータ、冷却システム等の基盤研究とシステム化研究を進め100〜200人乗り航空機の電気推進システムの実現を目指す。
セルや電池制御システムの設計、プロトタイプの評価を行い、電動航空機に求められる蓄電池システムを開発する。今後、環境負荷低減等の観点から航空機の電動推進化が進むことが考えられるが、現行の蓄電池はまだ重く、実用レベルには至っていない。
軽量蓄電池の実機適用レベルのエネルギー密度を実現するため、正極活物質に硫黄を用いた蓄電池の研究開発を進める。具体的には、「硫黄を担持する多孔性炭素粒子の研究開発」等に取り組む。
既存の推進システムを代替する次世代電動推進システムを適用し、飛躍的な低燃費、低環境負荷の実現を目指す。さらに温暖化対策に資することに加え、原動機システムの進化がもたらす制御性向上を最大限活用し、移動体の安全性や運用性向上に貢献する。
電動推進の導入に際し、課題となる高空での高電圧利用を可能とする材料、構造を明らかにするとともに、電力制御及び熱・エアマネジメントシステムを中核とした次世代電動推進システムの地上実証を行う。
高出力かつ高密度のモータ・インバータシステムを空冷にて実現するため、マルチフィジックス最適解析を取り入れた設計を行い、モータ・インバータには優れた要素技術を適用することで世界でも優位性がある製品を開発する。また、認証に向けた検討も実施し、推進用としての電動機制御システムの実現を目指す。
事業期間・予算額 | 事業期間:2015年度〜2023年度、予算額:23.5億円(2023年度) |
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技術・事業分野 | ロボット |
プロジェクトコード | P15005 |
担当部署 | ロボット・AI部 (TEL:044-520-5241) |
最終更新日:2023年6月27日